工務店が営業する時のポイント!注力すべき営業方法とは?
2023.06.27
- 「顧客営業でうちの工務店が競争会社に勝つためにはどうしたら良いの?」
- 「今後生き残るためにはどんな営業に力を入れるべきなの?」
そんな悩みを抱えている工務店の社長もいるのではないでしょうか。
そこで、今回は工務店が影響する時のポイントや注力すべき営業方法を紹介します。
工務店を含む住宅業界の現状と市場動向から考えられる営業方法を解説しますので、早速見てみましょう。
工務店含む住宅業界の現状と市場動向
営業方法について解説する前に、工務店を含む住宅業界での現状と市場動向について以下の5つを説明します。
- 人口減少による新築住宅着工戸数の減少
- マンション価格の高騰
- 慢性的な人手・後継者不足
- リフォーム業界の拡大
- コロナ禍による消費者の住まいへの意識の変化
ひとつずつ解説していきます。
人口減少による新築住宅着工戸数の減少
2013年から2019年まで緩やかに増加傾向だった新築住宅着工戸数は、2020年からは減少傾向となっています。
これは、日本の人口が減少していることが原因といわれています。
人口はこれからも減少傾向にあると予想されており、これから少ない顧客を奪い合う状況がさらに加速すると考えられるでしょう。
マンション価格の高騰
近年、首都圏を中心にマンションの価格が高騰しています。
そのため、人口減少による新築住宅着工戸数が減少傾向にあるものの、マンションよりも戸建住宅への需要が高まっています。
また、今後、マンションに関しては海外での事業拡大が進んでいくと予想されています。
その理由は、異業種企業のマンション業界への参入、住宅メーカーとゼネコンの業務提携が増加しており、東南アジアへ向けての販売市場が拡大傾向にあるからです。
慢性的な人手・後継者不足
建設業界は、慢性的な人手不足と後継者不足に悩まされています。
また、就業者の高齢化も進んでおり、2025年ごろには団塊の世代が75歳を迎え、大量の離職者が出ると危惧されています。
若者や女性の就業人口を増やすことが、今後の住宅業界の大きな課題とも言えるでしょう。
リフォーム業界の拡大
新築住宅の着工戸数は減少傾向ですが、今後はリフォーム市場は拡大するといわれています。
ウッドショックや物価高騰により新築住宅の価格も高騰していることも原因のひとつでしょう。
新築住宅よりも安い中古住宅を購入し、リフォーム・リノベーションをしてマイホームを手に入れる人が増えています。
今後も、微増ではあるものの、リフォーム市場は拡大していくでしょう。
これにより、新築住宅のみを取り扱っていた住宅メーカー・工務店もリフォームへと新規参入する企業が増えてくるでしょう。
リフォーム市場でのさらなる競争の激化も予想されています。
コロナ禍による消費者の住まいへの意識の変化
コロナ禍により、消費者の住まいへの意識にさまざまな変化が出ました。
外出が自粛され、娯楽や旅行に使っていた費用を住環境へ使うようになってきたのです。
コロナ禍の影響で、以下のような点を住環境に求めるようになってきています。
- 自宅でも快適に仕事ができるワークスペースの導入
- 電気料金の値上げによる省エネ・日当たりなどの快適な居住空間
- 外出しなくても遊べる庭やバルコニー
コロナ禍だけでなく昨今の電気料金の高騰も、消費者の住まいへの意識の変化に大きく関わっています。
工務店の営業でのポイント
ここからは、工務店が顧客に営業を行う際のポイントについて紹介します。
ペルソナを明確にする
工務店が営業を行う際、何よりも重要なのがペルソナの明確化です。
ペルソナの明確化とは、商品やサービスを利用している典型的なユーザー像を作ることをいいます。
ペルソナを設定する際は、以下のような要素を検討すると良いでしょう。
- 年齢
- 性別
- 居住地
- 未婚 or 既婚
- 子供がいるかどうか
- 年収・世帯年収
- 職業・経歴
- 趣味
- 最近のマイブーム
- 休日の過ごし方
- ライフスタイル
- よく閲覧するサイト
- 好きな住宅の種類
- 住宅に関する検索履歴
- 住宅で譲れない要素
具体的なペルソナを設定することで、実際の顧客にも強く訴求することができます。
社員と共に話し合い、設定したペルソナを共有するようにしましょう。
自社の強みを把握して認知してもらう
工務店が営業力を高めるためにも、自社の強みを把握して顧客に認知してもらうことはとても重要です。
また、会社の課題点は何かを把握し、解決する取り組みを行いましょう。
自社のファンを増やす
顧客に認知してもらえたら、顧客に自社のファンになってもらうための施策を講じていきます。
例えば、割引キャンペーンや宣伝、自社サイトに問い合わせフォームを設置して連絡手段を導入するなどの工夫が効果的です。
自社のブランディングに成功すると、顧客が自社のファンになり価格競争を気にする必要もなくなってきます。
価格が安いからお願いするのではなく、「あなたの会社だから」という理由で自社に制約してくれるようになるからです。
値下げや割引キャンペーンも少なく済んで利益率も上がります。
成約後も丁寧なアフターフォロー
顧客が成約した後も、丁寧なアフターフォローを忘れないようにしましょう。
現場でのトラブルには瞬時に対応し、誠実な姿勢を顧客に見せてください。
対応が遅かったり、悪かったりすると顧客への不信感も募り、会社の評判を下げる結果となってしまいます。
最近ではインターネットの口コミサイトも多いので、顧客にネガティブな情報を書かれて評価が下がる可能性もあるでしょう。
顧客への丁寧なサポートは、潜在顧客やリピート客、紹介客を引き寄せるきっかけにもなります。
工務店の営業方法
工務店が顧客へ行う営業方法について紹介します。
まだ実践していないものがあれば、導入を検討しましょう。
イベントの開催
オープンハウスや相談会・見学会などのイベント開催は、大きな集客効果をもたらすでしょう。
顧客はイベントに参加して、工務店ごとの違いや特徴を自分の目で確かめにきています。
イベントで自社の強みや特徴をアピールすることは高い訴求効果が期待できます。
広告やチラシの作成
電車やバスなどの公共交通機関での広告掲載、ポスティングや新聞折込などのチラシ配りも営業方法として効果的です。
目を引くキャッチコピーなど広告の構成を工夫することで、自社の名前の認知度が高まります。
チラシは「今まさに」住宅の購入や新築を検討しているという方には効果的です。
ただ、購入までは検討していない潜在顧客にはあまり効果が得られない可能性もあるため、将来の顧客を獲得するためにも他の営業方法も試していきましょう。
自社ホームページを充実にする
インターネットで調べ物するのが当たり前の現代では、自社のホームページの作成・運営も非常に効果的です。
ホームページを作成する際は、自社の強みや家づくりのこだわり、社員紹介などの情報を盛り込みましょう。
自社がどんな会社であるのかを、顧客にわかりやすくアピールしていくことが重要です。
また、ホームページで集客効果を期待するなら、自社の情報の他にもSEO対策にも注力していきましょう。
例えば「大阪 リフォーム 水回り」などで顧客が検索をした時に、自社が検索エンジンの上位に表示されるように「地名」や「サービス名」を盛り込むのが効果的です。
SNSを使う
SNSの運用は、自社のファン作りに大きな効果をもたらしてくれます。
SNSを利用するユーザーの多くは20〜40代です。
これから住宅の購入や新築を検討している方の顧客層と一致しているので、SNSでの訴求は工務店の営業としては必要不可欠です。
考えられるSNSでの営業方法は以下のようなものがあります。
- Youtubeを使って現場の様子を説明付きで掲載する
- Instagramで実際の施工事例の内観・外観写真を掲載する
- 情報拡散に強いTwitterでキャンペーンやイベントの案内を行う
- 公式LINEで定期的に情報を発信する
また、SNSは媒体によってユーザー層が全く異なるので、それぞれのSNSを運用する際もペルソナ・ターゲットを細かく設定するようにしましょう。
住宅展示場での見学案内
住宅展示場での顧客の見学案内は、直に顧客とあってコミュニケーションが図れる営業方法です。
住宅購入は高い買い物でもあるので、顧客は購入に慎重になっています。
そのため、直接見て確認できる住宅展示場での見学は購入の決め手となりやすいです。
コロナ禍の影響もあり、最近ではオンラインでの展示場見学もありますが、成約を目指すならSNSなどを通じて来場者を増やす工夫もすると良いでしょう。
ポータルサイトの活用
住宅業界で有名なポータルサイトには、「HOME’s」「SUUMO」などがあり年々ポータルサイトの数は増えています。
ポータルサイトはそれぞれ特性があり、自社に適したサイトを選ぶことで集客効果にも繋がります。
ただ、ポータルサイトを活用している工務店の数が多いので、その分他社との競争も激しいです。
ポータルサイトを活用する場合、いかに自社の強みをアピールできるかが、競争におけるポイントといえるでしょう。
勉強会の開催
住宅に関する勉強会も集客に効果をもたらします。
また、最近ではオンラインでの勉強会「ウェビナー」を開催して集客に成功している例もあります。
ウェビナーでは以下のようなメリットがあります。
- 顧客と時間が合わせやすい
- 場所を設定する必要がない
- 大人数で勉強会ができる
- 移動時間がない
- 録画した動画を勉強会に使えるので人材不足でも対応可能
以上のように、直接会う営業方法とは違う大きなメリットがたくさん存在します。
ウェビナーも含め、勉強会の開催も検討してみましょう。
今後注力すべき営業方法
人口減少による顧客の減少で、住宅業界での顧客の奪い合いが加速するといわれています。
今後、工務店が競争に勝ち残るためにも、営業にさらに力を注ぐ必要があります。
今後注力すべき営業方法について紹介します。
オンラインとアナログとの使い分け
インターネットの普及とコロナ禍の影響で、オンラインでの集客も頻繁に活用されるようになってきました。
チラシ配りなどのアナログ集客だけでなく、オンラインも積極的に導入し両方のメリットを組み合わせた集客を行っていきましょう。
リフォーム業や太陽光発電に参入する
先に述べたように、リフォーム業界は微増傾向にあるので、今後の成長も見込んで参入することを検討してみるのも良いでしょう。
また2050年までのカーボンニュートラルを目指して省エネ住宅の普及が国を中心に行われています。
太陽光発電は自宅の電気代を賄えたり、補助金を獲得できたりとメリットが多いこともあり、これから導入する家庭が増えていくと予想されています。
また、今後は太陽光発電の設置の義務化が都心を筆頭に増えていることもあり、今後さらなる成長が予想されるでしょう。
早いうちから参入し、住宅の営業とともに太陽光発電のアピールを行うことで他者との差別化も図ることができます。
定期的に顧客に会う
営業で成約するためには、顧客との接触頻度を増やして信頼を獲得する必要があります。
定期的に顧客に会うことで、顧客との距離も縮まって成約へと近づくことができます。
直接頻繁に会えなくても、オンラインでのセミナーや定期的なコンテンツ配信でのオウンドメディアの活用も集客には効果的です。
まとめ
工務店の営業方法や注力すべき営業について解説しました。
コロナ禍の影響もあり、住宅業界での営業方法にも大きな変化が出ています。
コロナ後のこれからも、時代の変化についていき過酷な競争に打ち勝つためにも、新たな営業方法の導入などを検討してみてはいかがでしょうか。
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