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ソーラーパネルの仕組みと導入効果!現状の課題と今後の展望

2023.05.17

コラム

かつては、ソーラーパネルを使った太陽光発電による売電価格が42円/kWhだった時代もありました。

全量買取制によってソーラーパネルで発電した売電収入を住宅ローンの返済に充てることも可能でした。

しかし、2023年度現在、ソーラーパネルの売電価格は10kW未満で16円/kWhまで下がっており、年々減少傾向です。

そのため、ソーラーパネルを搭載するメリットがどんどんなくなってきているのでは、とも囁かれていますが、実際のところどうなのでしょうか。

ここでは、ソーラーパネルの仕組みと導入による効果、現状抱えている課題と今後の展望について解説しています。

ソーラーパネルが発電する仕組み

まずはソーラーパネルが発電する仕組みについて解説します。

発電量はどのくらい?

ソーラーパネルの発電量は、メーカーによって異なりますが、年間のうち平均で約13%の発電が見込めます。

例えば1kwのソーラーパネルの場合、以下のように計算して発電量が算出できます。

年間の発電量=1kW×24時間×365日×13%=約1,138kWh

4kWのソーラーパネルを搭載すれば、1,138kWh×4=4,552kWhです。

一般家庭の年間消費電力は約3,600kWhと言われてるので、ソーラーパネルによる電力で自宅の電力をまかなえる計算になります。

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さらに、余った分を余剰電力として売電できる可能性もあります。

発電して電気ができるまでの仕組み

家庭用のソーラーパネルの場合、屋根に設置して発電するのが一般的です。

屋根に設置したソーラーパネルは、太陽光を浴びることで発電します。

ソーラーパネルで発電したことで得られる電力は直流電流のため、交流電流に変換する必要があります。

交流電流への変換はパワーコンディショナーによって行われ、交流電流へ変換されることで初めて家庭内で使用することが可能です。

これがソーラーパネルで発電して電気が出来て使えるまでの仕組みです。

つまり、太陽光発電を自宅に導入する場合、ソーラーパネルだけでなくパワーコンディショナーの設置も必要になってくるということです。

ソーラーパネルには種類がある

ソーラーパネルには、シリコン系と化合物系の2種類があります。

<シリコン系>

  • 単結晶シリコン
  • 多結晶シリコン
  • アモルフィス(非結晶)シリコン
  • HITシリコン(ハイブリッド)型

<化合物系>

  • CIS/CIGS
  • CdTe

上記の中でも単結晶シリコンと多結晶シリコンが普及しています。

しかし、価格が高いため最近ではシリコン系以外の素材を使ったソーラーパネルの開発と低価格化への取り組みも行われています。

特にCIS/CIGSは、今後市場の拡大が期待されています。

以下にそれぞれのソーラーパネルの特徴を簡単にまとめてみました。

単結晶シリコン

1つのセルが1つの結晶からできたソーラーパネルです。

最初に開発された種類のパネルなので、長年使われており発電効率も高いのが特徴です。

しかし、価格が高く、高温だと変換効率が大きく低下する点がデメリットになります。

多結晶シリコン

多数の結晶が集まった基盤をもとにセルを形成してできたソーラーパネルです。

発電効率は、単結晶シリコンの次に高く、価格は単結晶より安価で購入できます。

ただ、単結晶シリコンと同様に高温になると太陽光発電の変換効率が大きく低下する点がデメリットです。

アモルフィス(非結晶)シリコン

ガラスや金属の板の上でシリコンを薄い膜にして形成されたソーラーパネルです。

高温時の変換効率の低下は少ないため、単結晶・多結晶シリコンのデメリットをカバーしています。

また、大きな面積での製造や曲面の設置も可能です。

ただ、変換効率は単結晶・多結晶シリコンよりも低い点がデメリットです。

HITシリコン(ハイブリッド)型

単結晶とアモルフィスシリコンを組み合わせたハイブリッド型のソーラーパネルです。

高温時の出力低下が少ないですが、価格が高いです。

CIS/CIGS

化合物系のソーラーパネルで、銅・インジウム・セレンを原料とし、ガリウムを加えて作られたソーラーパネルです。

今後活用が進む見込みがあり、最も注目されています。

注目されている理由は、以下のようなメリットがあるからです。

  • 暑さに強い
  • 製造コストが安い
  • 影ができても発電量が落ちにくい

ただ、単結晶や多結晶シリコンと比較すると変換効率が低いため、今後どのように改善していくのかが課題となるでしょう。

CdTe

カドミウムとテルルが原料のソーラーパネルです。

コストパフォーマンスに優れ、発電効率も非常に良いです。

しかし、カドミウムは有害物質のため、日本では製造している企業はありません。

パワーコンディショナーって何?

パワーコンディショナーとは、ソーラーパネルで発電された直流電力を交流電力に変換する装置のことです。

発電した電力を売電する場合は、さらに電力会社の電気の質に合わせて電圧と周波数を合わせる必要があります。

その機能も、パワーコンディショナーには備わっています。

さらに電力系統の事故に備えた保護機能も内蔵されているため、停電時には安全に停止するなど未然に事故を防止しています。

住宅用と産業用では何が違うの?

ソーラーパネルには、住宅用と産業用があります。

2つの違いは発電能力です。

  • 出力(発電能力)が10kW未満は「住宅用」
  • 出力(発電能力)が10kW以上で全量買取を行う場合は「産業用」

また、住宅用では単結晶シリコンのソーラーパネルがよく使われ、産業用では多結晶パネルが主流です。

以上の2点が住宅用と産業用の大きな違いといえるでしょう。

ソーラーパネルの余剰電力の買取制度とは

余剰電力の買取制度とは、ソーラーパネルが発電したことで得られる電力を家庭で使用して余った分を電力会社に売る制度のことです

この制度は、ソーラーパネル搭載量が10kW未満の場合に使われる制度です。

ちなみに、10kW以上使用する場合は発電した全ての電力を買い取る全量売電制度が使われます。

余剰電力の買取制度を活用することによって、節電をすればその分、売れる余剰電力が増えるため収入も増やすことも可能です。

この余剰電力の買取制度は、省エネや家庭の節電を促進する仕組みともいえます。

ソーラーパネルの仕組みから見える現状の課題

ソーラーパネルには、自家発電による電気代の節約や余剰電力の買取制度による収入増加などのメリットの多い仕組みです。

しかし、現状では大きな課題もいくつか存在します。

ひとつずつ見ていきましょう。

初期費用が高い

ソーラーパネルの価格は、メーカーによって異なりますが大体1kW当たり約30万円が相場になります。

つまり、5kW搭載した場合、総額150万円近くの初期投資が必要です。

さらにパワーコンディショナーや、発電量を確認する発電量モニター、ケーブルなども揃える必要があります。

そしてこれらを接続するために工事費もかかってくるため、初期費用は200万円以上かかるでしょう。

搭載することで家庭の節電や余剰売電による収入が見込めても、初期投資が高額だと導入を渋る方が多くいるのが現状です。

維持管理が大変

太陽光発電は、初期に導入したからといって半永久的に使えるわけではありません。

パワーコンディショナーは大体20年に1度は交換が必要で、その時に交換費用がかかります。

また、ソーラーパネルも何かの拍子で故障すれば交換・修理が必要です。

初期費用だけでなく、ランニングコストでも大きな出費が発生するのも、ソーラーパネルの普及に関わる大きな課題です。

発電量が安定しにくい

太陽光発電は、曇りや雨の日は発電量が大きく下がります。

そのため、梅雨の時期のように雨の日が続くと、ソーラーパネルで発電した電力では家庭の電気をまかなえなくなる場合もあります。

今後は、曇りや雨の日でも発電力が下がりにくいソーラーパネルの開発が必要になるでしょう。

売電価格がどんどん下がっている

冒頭でもお伝えしたように、太陽光発電の売電価格はどんどん下がっています。

そのため、余った電力が売れるからといっても、かつてのようなお得感はあまり感じられなくなってきています。

今後は、自家消費や電力の蓄電を目的としてソーラーパネルの導入をお客様へ提案する方向へ持っていく方がお客様へのメリットが大きいでしょう。

ソーラーパネルの仕組みから考える今後の展望

これまで、ソーラーパネルの仕組みや現状の課題について解説しましたが、そこから考えうる今後の展望について解説します。

ソーラーパネルの需要は高まっている!

太陽光発電による売電価格は下がっているものの、需要自体はどんどん高まっています。

その理由は、世界的な環境問題への取り組みです。

2015年のパリ協定により、脱炭素化社会への実現に向けて世界は一気に動き始めています。

日本も例外ではなく、国は積極的に省エネルギーの導入を強く推進しています。

太陽光発電の導入は、環境問題の解決のためにこれからもどんどん導入されることとなるでしょう。

FIT制度からFIP制度への変化

FIT制度とは、固定価格で電力を買い取ってもらえる制度のことです。

電力需給状況にかかわらず買い取ってもらえる制度なので、売電価格が高かった頃は高額な収入も得られることもありました。

 

しかし、2022年4月、国はFIP制度という新制度を始めました。

FIP制度は、電力需要に合わせて買取価格が変動する仕組みです。

買取価格が市場に連動して変わるので、自分で売るタイミングを選ぶ必要があります。

 

ただ、電気の需要がある時間帯に電気を売ることで売電収入を増やすことも可能です。

そのため、うまく使えばFIT制度よりも売電による収入を増やせる見込みがあるということです。

賢く電気を使うという点でいうと、これからFIP制度を使った余剰電力の買取はさらに注目されることとなるでしょう。

電気料金高騰などのエネルギー問題の解決の糸口に?

環境問題だけでなく、最近では電気料金の高騰によって家庭が圧迫されています。

原因は2022年2月から始まったロシア・ウクライナの戦争による、原油や天然ガスなどの資源価格の高騰です。

太陽光発電は、ソーラーパネルの発電による自家消費が可能なので節電効果は抜群です。

今後も電気料金の高騰が懸念されているので、節電のために新たに太陽光発電の導入を検討する人も増えてくるでしょう。

中古ソーラーパネルの売却・購入の市場規模の拡大か

中古ソーラーパネルの売却や購入も近年注目を浴びています。

その理由は以下があげられます。

  • 購入したらすぐ発電開始できる
  • 新規で設置するよりも費用が抑えられる
  • 現在よりも高い過去の固定価格で売電が可能

中古ソーラーパネルは、過去の高額だった時期に事業認定を受けています。

そのため、新規で太陽光発電を導入するよりも高額な価格で電気を売電できるため、余剰買取の収入を多く得られる可能性があるのです。

国の補助金制度でソーラーパネルが身近なものに

国は、2050年のカーボンニュートラルに向けて、住宅関連でさまざまな補助金制度を導入しています。

  • こどもエコすまい支援事業
  • ZEH補助金制度
  • ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業

今後も、省エネルギーのための太陽光発電導入を後押しする補助金事業は多く打ち出されると思われます。

太陽光発電は、企業の社屋にも導入可能ですので、今後の省エネのために導入を検討するのも良いでしょう。

まとめ

売電価格の低下により、ソーラーパネルを使った太陽光発電の導入にあまりメリットを感じられないと思っている方も多いでしょう。

しかし、これからの時代では環境問題の解決や節電のためにも太陽光発電は大きな役割を果たします。

これまで解説した内容を参考にし、自社への太陽光発電の導入や、お客様への太陽光発電の提案を積極的に進めてみてはいかがでしょうか。

 

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