Column コラム

経営診断とは?経営診断の必要性やメリット、方法をわかりやすく解説

2023.06.20

コラム

経営状況を正確に把握しておくことは、工務店を経営していくうえで非常に重要です。

しかし、工務店では工事管理や見積もり、発注などの業務で多忙なため、企業の現状を把握できていないケースも多くみられます。

現状がみえていないと資金不足や赤字経営となる可能性もあるでしょう。

そこで本記事では客観的に経営状況を把握できる経営診断について、その必要性や診断で得られるメリット、診断方法についてわかりやすく解説しています。

経営診断を受診すれば企業全体の経営状況が把握できるため、ぜひ参考にしてください。

経営診断とは

経営診断はよく健康診断や人間ドックまたは、車でいえば車検や定期点検にたとえられます。

健康診断すれば数値化された体内データに基づいて、客観的に健康状態を把握することが可能です。

数値に問題がなければ健康体として安心できるほか、今の状態を維持するための助言がもらえ、数値が悪ければ改善するためのアドバイスや方向性が指導されます。

同様に経営診断は、診断のプロである経営コンサルタントが経営状態を分析して、会社の健康状態を数値化

問題点や改善点を洗い出して、具体的な対策を実行すれば、

  • 従業員のモチベーションアップ
  • 生産性向上
  • 売上向上
  • 事業拡大

につながるメリットが期待できるでしょう。

また、将来的な業績の予測や資金繰りなどが理解できるので、改善ポイントが明確になります。

経営診断の必要性

中小の建設業者の多くは経営に関する知識不足で、「目の前にある工事をこなしていれば問題ない」と経験や勘に頼った経営を続けているケースがあります。

その結果、他産業よりも倒産や未払い賃金が多くみられるなど、その経営体質を根底から改善しなければいけません。

つまり、他人任せの消極的な経営から、能動的な積極経営への転換が求められています。

これまでの中小建設業では高度な経営理論を学ぶ必要もなく、同業者と太いパイプで繋がっていれば差し障りがありませんでした。

しかし、昨今の企業経営においては組織を束ねる力や管理能力が強く求められます

ただ中小建設業においては経営の各部署に専門の人材を雇うことは困難なため、外部の経営コンサルタントに経営診断やアドバイスを受ける必要があるのです。

経営診断の具体的な項目

経営診断で診断される具体的な項目について解説します。

資産

貸借対照表(バランスシート)を見て負債や自己資本が適切であるか、そのバランスや財務状況を診断します。

貸借対照表をみれば、長期・短期の両面から、

  • 企業の安定性
  • 企業の財務状況
  • 企業の経営バランス

の診断が可能です。

損益

企業における一定期間の経営成績を示す損益計算書(P/L)をみて、構成要素の分析や経営戦略を立案するために損益状況を診断します。

貸借対照表の数値と照らし合わせて損益計算書を分析すれば、

  • 企業の収益性や業績
  • 企業の成長性
  • 企業の競争力
  • 競合他社との比較

の診断ができます。

資金繰り

貸借対照表から企業の資産や負債などの財産状況が把握でき、損益計算書からは売り上げや利益についてわかります。

この貸借対照表と損益計算書を分析すれば、将来的な資金繰りの予測や資金の流れを管理することが可能です。

資金繰りが厳しくなると、不足分の資金を調達しなければいけません。

仮に資金調達で融資を申し込んだ場合、審査には時間もかかりますし、経営状況が悪ければ融資を断られる可能性もあります。

逆に資金が足りていれば、投資計画の検討もできるでしょう。

このように資金繰りの管理は企業存続や事業計画を左右する大切なポイントになります。

組織や従業員と面接

経営側の実情と従業員側の考えに隔たりがないか、組織や従業員への面談を通して診断します。

綿密な面談により、

  • 企業の持つ良い部分や付加価値に気づける
  • 企業の課題点を発掘できる
  • 経営者の資質を評価できる
  • 役員や従業員の力量を評価できる

など、企業存続と成長のためのヒントや企業衰退につながる経営課題にいち早く気づけます

企業が成長し持続していくためには、企業の持つ強みを伸ばし、弱い部分を直すことが大切です。

ただし、従業員は経営者への批判意見があっても面と向かっては言えないため、面談する場合には第三者機関に依頼することをおすすめします。

経営診断する効果・メリット

経営診断による効果やメリットは以下の3つです。

  • 経営上のリスクを把握できる
  • 経営課題の指標が定まる
  • 自社の強みを再認識できる

それぞれのメリットについてみていきましょう。

経営上のリスクを把握できる

問題点が判明してもどのように解決すれば良いのか、具体的な方法がわからずに苦慮している経営者も少なくないでしょう。

経営診断を受診して外部コンサルタントの意見や判断を仰げば、経営者や従業員がこれまで気づけなかった問題点や課題がより具体的に見えてきます

経営上のリスクを事前に理解しておけば、問題が発生する前にトラブルを回避できるでしょう。

また、問題点の改善や排除するきっかけが得られる点も大きなメリットです。

経営課題の指標が定まる

経営陣や役員が事業内容や人事などの経営状態について意見を出し合い、今後の方針や戦略を決める経営会議は程度の差こそあれ、どの企業も行っていることでしょう。

組織内で自由にディスカッションすることは非常に有意義ですが、社内での序列や忖度によって時として、望ましくない決断に至るケースがあります。

例えば、改善策があっても抽象的で改善効果が薄ければ、課題を明確化できません。

外部の経営コンサルタントに経営診断を依頼すれば、経営改善の判断や具体的な計画についてアドバイスが得られるので、生産性向上や最適な組織づくりに役立ちます。

自社の強みを再認識できる

経営診断には問題点や課題の把握、改善策の指導といったイメージが強くありますが、弱みだけでなく自社の持つ強みを再認識できるというメリットもあるのです。

各企業には創業当初から培ってきた経験からくる強みや取引先との強い絆、従業員のスキルなどたくさんの強みがあります。

客観的な目線でみると、これまで当たり前に行ってきた業務が自社の強みとなる場合もあり、その強みを生かして成長できる点も経営診断のメリットでしょう。

経営診断の方法

経営診断の方法にはツールによる自己診断とプロに依頼する2つの方法があります。

それぞれの方法について解説しましょう。

ツールを用いた自己診断

自己診断ツールは質問事項を入力するだけで簡単に経営診断できるシステムです。

「独立行政法人中小企業基盤整備機構による経営自己診断システム」を利用すれば企業の健康状態が把握できます。

自己診断のメリットは、企業の健全性をすぐさま明らかにできる点です。

200万社以上の豊富な財務データをもとに、経営状況を確認したり業界における自社の強みを診断したりできるので、試しに診断してみてはいかがでしょうか。

自己診断は容易にできますが、より細やかな診断や経営課題についてアドバイスを得るためには経営のプロに経営診断を依頼してください。

経営のプロに依頼する

経営コンサルタントや中小企業診断士など経営のプロから経営診断を受診すれば、企業の健全性や問題点、さらに改善ポイントを認識できます

中小企業診断士(経営コンサルタント)に依頼した場合、診断費用の平均額は108,000円です。

出典:一般社団法人中小企業診断協会「データでみる中小企業診断士」

経営のプロに診断を依頼すれば、豊富な経験と経営理論に沿った分析とアドバイスが受けられ、客観的に状況を判断できます。

  • 抱えている問題を解決したい
  • 事業を拡大して成長したい
  • 企業の目的や目標を達成したい
  • モチベーションを上げて業務を効率化したい
  • 業務の合理化や付加価値を上げたい

などの課題があれば、客観的かつ専門的なアドバイスが受けられる経営診断を利用すると良いでしょう。

私も経営診断を受診した経験があります。

数値化されたデータで業務の現状を知ることができ、また問題点に関しては写真を混じえて分かりやすく指摘されました。

経営診断の結果、社内で気づけなかった課題が浮き彫りになり、改めて業務を見つめ直すきっかけとなりました。

経営診断の実施時期

経営診断を実施する時期について解説します。

経営が悪化する前に実施する

経営診断は健康診断や車検と同様に、状況が悪化する前に行うことで効果が高くなります

早期に問題を発見できればすぐに対応してリスクを回避できますが、経営が悪化してからでは改善にも時間がかかり経営診断の効果も薄くなるでしょう。

そのため、業績が悪化する前や問題が起きても初期の段階で診断を受けることが望ましい。

財務諸表などの診断は定期的な実施が理想

問題の洗い出しや改善計画の作成などに関する診断は、頻繁に行う必要はありませんが、損益計算書や貸借対照表などの財務状況は毎月の診断が理想です。

定期的に診断すれば、

  • 資金繰りに問題はないか
  • 赤字リスクはないか
  • 財務状況は健全か
  • 改善計画は適切か
  • 別の問題が発生していないか

などを認識できます。

また、現状と改善計画に乖離がある場合でも、計画や方向性を修正しやすいメリットがあるため定期的な診断を心がけましょう。

組織や従業員に関する診断は数年ごとに

逆に組織や従業員など人に関する経営診断は、数年ペースの実施が適切です。

年度末や半期ごとに上司と面談している企業もありますが、経営診断は面談とは異なり外部に依頼して第三者が行うことに意義があります。

面談は上司との密接な関係性を構築できますが、経営診断は客観性が不可欠です。

経営コンサルタントや中小企業診断士が客観的に状況を判断して、問題点の克服や強みを伸ばしていくことが重要になります。

まとめ

本記事では経営診断について必要性やメリット、診断方法について解説しました。

日々忙しく動き回る工務店業務において、資金繰りや経営状況の分析にまで十分に手が回らない経営者も多いのではないでしょうか。

経営診断を受診すれば、客観的な目線で財務状況の健全性や自社の強み、問題点の把握が可能です。

また、経営診断により健全な工務店経営を維持していくための方向性が得られます。

ぜひ経営診断を検討して、事業拡大を目指しましょう。

 

\ 関連記事 /

 

SAKSAKとは?

デキる会社の経営を
カタチにしました

 

リフォーム統合管理システム「SAKSAK」はできる会社の経営管理をカタチにしたシステムです。SAKSAKを使うことで、次のような悩みを解消いただけます。

  • 粗利管理ができていない
  •  請求書の確認に時間と手間がかかる
  • 会社として顧客管理ができていない
  • 見積書作成は営業担当者の負担が大きい
  • 入金遅延や未入金・額の相違が多い  など

意外と、知られてはいませんがリフォーム業界20年という実績があるシステムです。SAKSAKを使って、利益率が5%アップした会社もあります。また、SAKSAKとともに上場した会社もあります。

次は、SAKSAKがあなたの会社をお手伝いする番です。まずは、どのようなシステムか、ご覧ください。

SAKSAKの活用シーンはこちら

 

導入事例集もありますので、こちらもご参考ください。

導入事例はこちら

無料プレゼント実施中

建築業、リフォーム業向けにすぐに使えるエクセル4種類のテンプレート(御見積書・工事請負契約書・工事台帳・工程表)を無料でプレゼントしております。

 

エクセル4種類の無料プレゼントはこちら

 

  • 関連キーワード:
  • 経営
資料請求
はこちら

お問い合わせ・資料請求

TEL.078-393-8585

平日10時から17時(日祝定休)