リフォーム業のSWOT分析。目的と具体的な方法を解説
2022.02.22
企業のリーダーは会社を継続するために目標を決め、その目標を達成するために戦略を立てなければなりません。
しかし、戦略を立てるといっても、
- 「どうしたら良いのかわからない」
- 「どの様に考えれば良いの?」
など、具体的な方法がわからない方も多いのではないでしょうか?
そこで、本記事では戦略を立てるための有効なフレームワーク、「SWOT分析」をご紹介致します。
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目次
SWOT分析の目的
企業のリーダーは自分の会社を継続するために目標を決定し、達成するための戦略を立て、社員に正しい方向性を示してあげる必要があります。
戦略を立てるためには、自社の現状や自社を取り巻く環境を把握することが重要です。
SWOT分析とは、企業や事業の現状を把握するためのフレームワークの一つです。
現状を把握することで、自社の課題や目標達成へ向けたプロセスを決定することができます。
SWOT分析は企業の戦略を立てるための重要な一歩になるのです。
SWOT分析の要素
SWOT分析には以下の要素があります。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
上記の要素の頭文字を取り、SWOT分析と言います。
現場の分析するには、二つの大事なポイントがあります。
- 自社の「内部的要因」「外部的要因」をバランスよく見ること
- 自社に対して「プラスの要因」「マイナスの要因」をバランスよく見ること
これらの内容を4つの軸で表すと、以下の図が出来上がります。
この図をもとに、自社の現状を分析します。
これがSWOT分析です。
SWOT分析のやり方
SWOT分析の具体的な方法を解説します。
手順としては、
- 目標を決める
- 外部的要因の分析
- 内部的要因の分析
という手順で行うと効率が良いです。
内部的要素を分析する前に必ず外部的要因を分析しましょう。
最初に内部的要素を分析をすると、どうしても自身で見えているものを優先的に挙げてしまうので、視野が狭くなりがちになるからです。
以下で各手順について、詳しく解説していきます。
SWOT分析のやり方①:目標を決める
SWOT分析を行う際に、しっかりと目標を決めましょう。
目標を明確にしていないと、的確な各要因の分析ができません。
方向性を間違えたり、答えがでないなど時間の無駄に終わってしまいます。
- 売上を上げる
- 新しい製品・サービスを作る
- 新店舗を増やす
など、明確な目標を設定して、SWOT分析を行うようにしましょう。
SWOT分析のやり方②:外部的要因の分析(機会・脅威)
まず、外部的要素からの分析をはじめます。
外部的要因の特徴は自社でコントロールができないものを指します。
外部的要素の主な観点として、以下の内容があります。
- 市場規模や成長性
- 競合の状況
- 景気や経済の状況
- 政治の状況
- 法律
上記の内容は一例ですが、自社にとって何がプラス要因(機会)、何がマイナス要因(脅威)なのか見極めることが大切です。
業界雑誌やニュースなどで情報を集めると良いでしょう。
また、外部的要因を分析するうえで、別なフレームワークを使用することもお勧めです。
代表的なもので、「PEST分析」「5フォース分析」があります。
PEST分析
PEST分析は以下の4つの観点から外部要因を分析する方法です。
- Politics(政治的要因)
- Economy(経済的要因)
- Society(社会的要因)
- Techology(技術的要因)
5フォース分析
5フォース分析は、業界が自社に与える5つの脅威から分析する方法です。
- 新規参入の脅威
- 業界内の競合
- 代替品の脅威
- 買手の交渉力
- 売り手の交渉力
上記の2つのフレームワークを使用することで、外部要因を明確化することができるでしょう。
SWOT分析のやり方③:内部的要因の分析(強み・弱み)
外部的要因の分析の次は内部的要因の分析です。
内部的要因は、自社でコントロールが可能なことを指します。
- 自社の認知度
- ブランド力
- 製品・サービスの価格
- 品質や技術力
- 人材
などの観点から、内部的要因を洗い出します。
ポイントは客観的に内部的要因を見るようにすることです。
外部的要因を参考にして、自社の優れている所、足りない所を見つけましょう。
クロスSWOT分析
SWOT分析の要素を埋めただけでは、ただの現状分析でしかありません。
SWOT分析の目的は現状分析によって行動すべき具体的な戦略を決めることです。
具体的な戦略を立てるために、クロスSWOT分析を使います。
SWOT分析の表を下記のように変更します。
表の縦軸と横軸を掛け合わせて、最初に挙げた目標に合った項目で戦略を立てます。
掛け合わせた戦略には下記の考え方があります。
- 強み×機会=積極化戦略
⇒強みを活かして機会を広げる - 弱み×機会=改善戦略
⇒機会に乗じて弱みを克服する - 強み×脅威=差別化戦略
⇒強みを活かして脅威に対応する - 弱み×脅威=防御・撤退戦略
⇒最悪の状況を回避
SWOT分析の具体例
SWOT分析について説明をしましたが、もっとイメージしやすいように架空のリフォーム会社で具体例を出してみます。
リフォーム会社の目標は「新たな事業を展開したい」と設定します。
外部的要因
まずは、機会を考えてみます。
- テレワークの普及が進み、家にいる時間が増えたことにより、リフォームを考える人が増えた。
- アウトドアブームにより、お家でもキャンプを楽しみたい人が増え、庭を整える需要がある
- 政府の補助金もあり、脱炭素に向けたZEHの需要の高まり
次に脅威を考えてみます。
- 同じ地域にライバル店が存在する。
- 材料の高騰
- インボイス制度により頼める下請けが限られてしまう。
簡単ですが、外部的要因の項目を設定しました。
内部的要因
次に強みを考えてみましょう。
- 外装・内装の共にリフォームの実績が多い
- 自社の職人が多い
- 受注件数が多いので仕入先との価格交渉ができる
続いて弱みを分析します。
- ZEH(ゼロエネルギーハウス)について知識が足りない
- エクステリアの実績もなければ業者も知らない
クロスSWOT分析で具体的な戦略を決定
次にクロスSWOT分析で戦略を立てます。
- 強み×機会=積極化戦略
多くの実績をもとに、居心地のいい空間の提案、テレワークの環境作りの提案を積極的にしていく。
- 弱み×機会=改善戦略
ZEHについて知識は無いが、今後需要が高まる可能性が大きいので知識を取り入れ早めに自社の売上の柱にする。
- 強み×脅威=差別化戦略
インボイス制度により下請けへの発注が制限されるが、自社の職人でカバーする。
- 弱み×脅威=防御・撤退戦略
アウトドアブームで庭を整える需要も高そうだが、ブームはいつか去る可能性も高く、エクステリア実績も無いので手を付けないのが賢明。
目標は「新たな事業を展開したい」なので、
『ZEHの普及は政府が力も入れていることもあり、今後大きなトレンドになると考えられる。時代の波に取り残されない様に、しっかりと知識を取り入れお客様にどの様な提案ができるか考える必要がある』
以上、簡単な設定ではありますがこの様な流れがSWOT分析の使い方になります。
SWOT分析のメリット・デメリット
SWOT分析のメリットとして、
- 客観的に自社の現状を分析できる
- 機会と脅威の両方を分析できる
などが挙げられます。
しかし、機会は見方によれば脅威であり、脅威もまた機会になります。
そのため、
- 分類に迷う
- 判断が難しい
などデメリットもありますが、「自社がどうありたいか」を考えて、臨機応変に分類することがポイントです。
SWOT分析をする意味
SWOT分析は少し難しいかもしれませんが、やる価値はあります。
地域のライバル企業との差を見える化でき、次の経営の一手を打つことができるからです。
例えば、SWOT分析でエクステリアの分野が競合より弱く、需要が高いならエクステリアの広告を作り、人員を割くということも視野に入るでしょう。
競合に勝っていくためには、SWOTで「強み」「弱み」をしっかり把握する必要があります。
さらに言えば、すでに競合がSWOT分析をしているのであれば、あなたの会社は不利な状況にいます。
まとめ
会社の継続と発展には戦略を考える必要があります。
SWOT分析は自社の現状を把握し、目標に向けた具体的な行動方針を決めるための有効な方法です。
SWOT分析を活用すれば、「どう戦略を立てれば良いかわからない」などということはなくなることでしょう。
是非、活用してみましょう。
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