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総まとめ|インボイス制度が住宅業界に与える影響

2022.01.24

コラム

2023年の10月から開始されるインボイス制度は、仕入税額控除の要件が大きく変更されることになります。

また、この制度は住宅業界にとって大きな混乱を招く可能性もあり、しっかりとした対策が必要になります。

本記事ではインボイス制度の概要住宅業界に与える影響をまとめました。

 

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インボイス制度とは

インボイス制度とは、簡単に説明すると仕入先から国の定めた請求書、「適格請求書」を発行してもらうことで仕入税額控除を行えるという制度です。

適格請求書には今までの記載項目の他に以下を記載する必要があります。

  • 適用税率
  • 消費税額
  • 登録番号

また、発行された側は適格請求書を『保存する』ことで仕入税額控除を行うことができます。

仕入税額控除とは

インボイス制度を理解するには、仕入税額控除を再度確認しておく必要があります。

理由は、インボイス制度は仕入税額控除に大きく関わってくるからです。

以下は仕入税額控除の具体例です。

 

顧客が事業者から10000円のものを購入。

⇒消費税は10%なので、顧客は事業者に11000円を支払います。

 

消費税は1000円です。

⇒事業者は税務署に1000円を消費税として支払わなければなりません。

 

しかし、仕入先から消費税を含め6,600円(消費税=600円)を支払っています。

消費税の600円分はすでに支払いが終わっているため、支払う必要がありません

消費税を600円、仕入先に支払っていますので、

事業者が税務署に納める消費税は1000円−600円=400円となります。

 

これが、仕入税額控除となります。

memo

この仕入税額控除を行うために、適格請求書が必要になるのです。

インボイス制度のポイント

  • 適格請求書の発行は事業者登録が必要
  • 免税事業者は適格請求書を発行できない?
  • 適格請求書発行事業者の登録期間
  • 仕入税額控除廃止の経過措置

インボイス制度のポイント①:適格請求書の発行は事業者登録が必要

インボイス制度で注意が必要な点として、適格請求書を発行するには「適格請求書発行事業者」である必要があります。

また、適格請求書発行事業者に登録する条件として、消費税の課税事業者が対象になります。

課税事業者は税務署に消費税を納付する義務のある業者です。

基準期間に売上が1,000万円以上ある場合は消費税を納付する義務があります

反対に基準期間に売上が1,000万円以下の場合は原則として納税義務はありません。また、納税義務のない業者を免税事業者といいます。

memo

基準期間とは、個人事業主は前々年、法人は原則、前々年度の売上で判定されます。

インボイス制度のポイント②:免税事業者は適格請求書を発行できない?

結論からいいますと、免税事業者でも適格請求書の発行はできます

免税事業者が適格請求書発行事業者になるには「課税事業者選択届書」を提出する必要があります。

しかし、「課税事業者選択届書」を提出すると免税事業者の適用がなくなり、基準期間に売上が1000万円以下でも消費税を納める義務が発生します。

要するに、免税事業者でも税務署に消費税を納めれば適格請求書の発行は可能になります。

インボイス制度のポイント③:適格請求書発行事業者の登録期間

適格請求書発行事業者(以下、インボイス事業者)の登録受付は2021年10月1日から開始してます。

2023年3月31日までに登録をすれば2023年の10月1日から適格請求書発行事業者になれます。

課税事業者は早めに登録をすませた方がよいでしょう。

インボイス制度のポイント④:仕入税額控除廃止の経過措置

インボイス制度が開始されると、いきなり免税事業者からの仕入税額控除がなくなるわけではありません。

2029年9月30日までは経過措置が設けられています。

  • 2023年10月1日〜2026年9月30日 仕入税額相当額の80%
  • 2026年10月1日〜2029年9月30日 仕入税額相当額の50%

上記のように段階的に仕入税額控除が廃止されていきます。

>>国税庁「インボイス制度に関するQ&A一覧

インボイス制度が開始されるまでにやるべき事

  • 事業者登録をする
  • 下請け業者が事業者登録済か確認が必要

インボイス制度までにすべきこと①:事業者登録をする

自社が課税事業者であれば、適格請求書発行事業者に登録をしなくてはいけません。

顧客が企業であれば、自社が適格請求書を発行できないと相手企業は仕入税額控除を行えません

仕入税額控除を行えないと消費税を多く支払うことになるので、顧客にとってデメリットになります。

顧客に選ばれる企業になるには事業者登録が必要になってくるのです。

インボイス制度までにすべきこと②:下請け業者が事業者登録済か確認が必要

制度が開始される前に、自社の下請け業者の状況を確認する必要があります。

簡単にいえば、仕入税額控除を行うには事業者登録をした下請けと取引が必要です。

自社の利益に大きく関わってくることなので、しっかりと確認しましょう。

インボイス制度が住宅業界に与える問題

  • 一人親方の問題
  • 職人不足が加速する
  • 利益の圧迫

インボイス制度が住宅業界に与える問題①:一人親方の問題

住宅業やリフォーム業は多くの職人から成り立っている業界です。

また、多くの企業は自社の職人だけでなく下請けの職人との取引も多いことでしょう。

問題は下請けの職人が事業者登録をするかどうかです。

特に一人親方の場合は免税事業者が多いので、大変悩ましい問題です。

インボイス制度が住宅業界に与える問題②:職人不足が加速する

住宅業界は大工をはじめ、職人が不足している状況でもあります。

ただでさえ職人が不足している中、免税事業者に仕事が頼めないとなると職人不足がさらに加速することも考えられます。

やり手がいないという理由で仕事を受けれないと、結果的に経営にも影響してきます。

インボイス制度が住宅業界に与える問題③:利益の圧迫

人手が不足すると、免税事業者の職人にも頼らずにはいられない状況もでてくるでしょう。

しかし、免税事業者に仕事を依頼するということは仕入税額控除を行えないので自社の利益を圧迫することになるのです。

一人親方にできる対応(インボイス制度への対策)

  • 課税事業者になってもらう
  • 取引先の社員になる
  • 免税事業者でも仕事を依頼する価値

一人親方へのインボイス制度の対策①:課税事業者になってもらう

非常に厳しい選択ではありますが、免税事業者から課税事業者に変更ができます

課税事業者になるには消費税の納税の義務が発生するので、それに対応する会社の体力が必要になります。

しかし、課税事業者になることによって適格請求書の発行事業者になることができます。

過干渉すると信頼関係が崩れる可能性もあるため、一人親方への依頼は慎重にすべきです。

一人親方へのインボイス制度の対策①:取引先の社員になってもらう

選択肢の一つに免税事業者の一人親方に社員になってもらうことです。

売上1000万円以下の事業者に消費税を課すというのは非常に経営的にも厳しいことです。

自社と一人親方との条件があえば、社員に入れることも一つの選択肢として考えることができます。

一人親方へのインボイス制度の対策③:そのまま継続して仕事を依頼する

一人親方で免税事業者でも、「この人に頼みたい」と思う職人はいると思います。

人柄、仕事の姿勢や対応、技術があれば、免税事業者でもそのまま仕事を依頼する価値はあるかもしれません。

自社の利益の圧迫に繋がりますが、「頼まない損失」をよく考えて検討しましょう

まとめ

インボイス制度についてのポイントです。

  • 仕入税額控除を受け取るには、適格請求書が必要
  • 適格請求書の発行は適格請求書発行事業者の登録が必要
  • 適格請求書発行事業者の登録は消費税の課税事業者のみ

課税事業者は、必ず適格請求書発行事業者の登録をしましょう。

 

また、インボイス制度による下請けへの確認です。

  • 適格請求書の発行事業者の登録の確認
  • 課税事業者になるかの確認
  • 今後の取引の意向の確認

インボイス制度は仕入税額控除の問題の他に業務体系にも大きく影響を与えます。

制度の開始は2023年10月ですが、早めに対策をした方がよいでしょう。
 

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