インボイス制度の住宅業界に与える影響とは
2023.04.26
今、住宅業界だけでなく注目されているインボイス制度。
消費税の取り扱いについての制度ですが、どんな影響を及ぼす制度なのか曖昧な方も多いことでしょう。
そんなインボイス制度とは何か?自社へはどんな影響があるのか?そんな疑問を解決していきます。
制度の正確な理解を行い、その対応についての参考にしてください。
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目次
インボイス制度とは
インボイス制度とは、適正な課税を確保するために導入される仕入税額控除の制度です。
適格請求書という税率や税額が正しく記載された請求書を管理・発行しなければ仕入税額控除ができない仕組みです。
仕入税額控除とは、仕入れに掛かった消費税を控除できる仕組みです。
適格請求書の発行は国税庁に登録した適格請求書発行事業者でなければ行うことができないため、仕入税額控除を行うためには、この登録が必須となってきます。
正確に消費税の徴収を行うためにできたインボイス制度ですが、理解していないと会社の利益損失につながりますので、しっかり理解していきましょう。
インボイス制度の目的とは
インボイス制度導入の目的には、大きく2つあります。
- 益税の防止
- 消費税の正確な把握
上記の2つがインボイス制度導入の大きな目的の2つです。
まず、益税についてですが、消費税の一部が納税されず、事業者の利益となってしまうことを益税といいます。
その益税を防ぐことが目的のひとつです。
特に売上1000万以下の事業者が消費税の納税が免除された免税事業者だった場合、免除された分の消費税が納税されていないため、消費者の消費税額と差異がでてしまいます。
その納税されていない消費税が事業者の利益となってしまいます。
そのような状態を解消するのがインボイス制度の目的のひとつです。
さらにインボイス制度導入は消費税の正確な把握を目的としています。
適格請求書の発行により、消費税額を正確に把握と、不正やミスなどを事前に防ぐことが可能になります。
このように正確な消費税の納税を細かく行うことがインボイス制度の目的です。
住宅業界へ与える影響は
そんな複雑なインボイス制度ですが、住宅業界においてはどのように影響してくるのでしょうか。
考えられるのは以下の3点です。
- 会計処理の複雑化
- 消費税分の利益減少
- 下請け、取引業者との関係悪化
インボイス制度の与える影響はさまざまで、住宅業界では元請け、下請けの立場によって考えられる影響は違います。
しかし、元請け側では会社の業務負担の増加や利益の減少、下請け側では納税の負担や元請けなどの取引先との関係についてと悩ましい問題が発生します。
そのような問題について詳しく解説していきます。
会計処理の複雑化
これは主に元請け会社で起こりうる問題ですが、インボイス制度が始まると、会計処理が複雑化します。
インボイス制度が始まると、以下2種類の業者と取引することになります。
- 消費税を納める「課税事業者」
- 消費税納めない「免税事業者」
そのため、消費税を支払う業者、消費税を支払わない業者と今まで分けていなかった、業者の選別作業が必要です。
取引先業者が多い住宅業界ではその影響も大きく会計処理への負担が増大することでしょう。
消費税分の利益減少
特に住宅業界では多い、一人親方などの個人事業主の方は、これまで売上が1000万円に満たなかった場合は消費税を納めていなかったことでしょう。
そのためインボイス制度が始まると、適格請求書発行のため登録を行い、課税事業者となります。
登録を行うことで消費税納税の義務が発生しますので、消費税を納めなければならなくなります。
いままで消費税額分を利益としていた場合はその利益分が損失します。
課税事業者においても免税事業者と取引すると、適格請求書の発行などが行えないため、支払った消費税を仕入税額控除できないので、消費税分の負担が増えてしまいます。
下請け、取引業者との関係悪化
インボイス制度の導入によって、下請業者や取引業者との関係が悪化する可能性が考えられます。
関係業者が全て、適格請求書発行のための登録を行い課税事業者となれば問題はありません。
しかし登録を行わず取引において片方が免税事業者のままの場合、消費税の取り扱いについてトラブルになることもあるでしょう。
消費税の負担額分の値引きを強いられたり、制度への理解がないと誤解を招くことも考えられます。
インボイス制度が始まってからの消費税の取扱いについては双方の合意が前提です。
制度への理解を双方深めていき、良好な関係を維持できるようにしていきましょう。
インボイス制度への対応
インボイス制度のスタートが近づいている状況で、対応について悩まれたり、すでに動かれている事業者の方も多いことでしょう。
これから準備、対応していく内容としまして、
- 適格請求書発行業者の登録
- インボイス対応システムの導入
- 他社との差別化
上記のような内容について対応、検討していくことが必要です。
ここではインボイス制度の開始に向けて対応しておくことについて解説していきます。
インボイス制度開始は迫っていますので、遅れることがないように準備を進めていきましょう。
適格請求書発行業者の登録
まず始めに、適格請求書発行業者になるために税務署へ登録申請をださなければいけません。
この登録ができていなければ課税事業者とならず、免税事業者となるため、仕事発注することが多い元請け会社では登録は必須です。
申請書について国税庁のホームページからダウンロードできるので、手間も少ないので早めに申請書の提出を行いましょう。
期限間際では申請窓口が混雑することが考えられるので、スケジュールには注意して申請しましょう。
インボイス対応システムの導入
インボイス制度では会計処理への負担が増大するため、その対応策として業務効率化システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
業務効率化システムを導入することで、請求書や納品書の管理をまとめて行うことができるため、非常に便利なシステムです。
お金の流れを一元管理できるため、インボイス制度の有無は関係なくても会計処理の負担軽減が期待できるシステムです。
さらに、外出中でも請求書・納品書のチェックを行えるので、空き時間を有効活用できます。
また事務所以外の場所でもデータ確認ができるため、テレワークへの対応も可能です。
導入費用はかかってしまいますが、業務効率化によって、空いた時間で他の業務を行うことができるので、導入をおすすめします。
他社との差別化
適格請求事業者への登録は進んでおり、すでにインボイス制度への対応を進めている事業者は多数あります。
取引先として適格請求事業者かどうかが、取引先との条件にも盛り込まれることとなるでしょう。
登録に遅れていると取引先からの信用や仕事の依頼がなくなったりすることも考えられますので、いままで免税事業者であった会社もいち早く登録を完了させ、登録の遅れている会社との差別化をはかりましょう。
まとめ
まだは開始されていないインボイス制度ですが、制度についての意見はさまざまです。
正確な消費税の納税を目的に進められているインボイス制度。
納税の義務をしっかりが果たしていくために、制度の理解を深めて業務負担や利益損失にならないように対応を進めていきましょう。
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