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作業工程表の目的・メリットとは?見やすい工程表を作るコツを紹介

2022.12.30

コラム

作業工程表の作成は、納期を遵守するために大切な作業です。

作業工程表は、納期遵守だけでなく、工事の進捗状況や適切な人員配置、工期設定などの把握にも役立ちます。

では、どのような作業工程表がよいのでしょうか。

  • 作業工程表の作り方は?
  • 作業工程表には種類がある?
  • 見やすい作業工程表って?
  • 作業工程表のメリットが知りたい

などといった人向けに、本記事では作業工程表を作成する目的やメリット、工程表の種類や作成ポイントをわかりやすく解説しています。

わかりやすくて見やすい作業工程表を作成するための参考にしてください。

目次

作業工程表とは

作業工程表とは、工期を守るため工事内容を日程ごとにまとめた管理表です。

作業工程表には、建設工事の着工から完成に至る工程スケジュールが記載されます。

建設工事を円滑に進めていくために作業工程表は欠かせません。

建設工事では塗装や内装、電気工事など、あらゆる業種が施工にあたるため、作業工程表は施工予定を立てる際には不可欠です。

工程管理以外にも、人員を適切に配置したり、工程に合わせて資材を手配したりなどにも役立ちます。

作業工程表の目的

作業工程表を作成する目的は、次の5つです。

  • 納期遵守
  • 工期短縮
  • コスト削減
  • 作業効率向上
  • トラブル回避

作業工程表の役割や目的について、詳しく解説します。

作業工程表の目的①:納期遵守

作業工程表の目的は、工程をしっかり管理して納期を守り、工事を完了させることです。

作業工程表を作成することで、工事の進捗具合をリアルタイムで把握でき、トラブル発生や工程に遅れが生じた場合でもスムーズに対応できます。

作業工程表の目的②:工期短縮

作業工程表を作成する2つ目の目的は、工期短縮です。

工程には、人員を投入して成果が上がる作業と人員を増やしてもそれほど成果が変わらない作業があります。

それらを俯瞰的にみて判断し、調整することで工期短縮が可能です。

作業工程表を作成すると、工事全体の流れを広範囲にわたって把握できるため、人員配置や材料手配を効率的に行えます

工期短縮は、顧客満足度の向上につながる重要な要素です。

作業工程表の目的③:コスト削減

作業工程表をもとに作業を進めることで、コストを削減する効果があります。

前述のように、作業工程表を活用した適切な人員配置でムダな人件費を省いたり、効率的に材料を手配して原価を削減したりすることで、コストを削減できるでしょう。

建設工事を計画する段階で、工事全体の工数や工程にかかる時間やコストを細かく算出して、人員調整や機材手配の効率化を図ります。

作業工程表の目的④:作業効率向上

作業工程表を活用すれば、工事進捗に合わせた適切なスケジュール管理や人員管理が可能になり、作業効率が向上します。

また、作業工程表をみると、作業の進捗具合がひと目でわかるため、遅れている工程があれば、人員投入や作業方法の変更など迅速に対処できるでしょう。

適切な管理の徹底で、時間にもゆとりが生まれ、効率的に作業を進められます。

作業工程表の目的⑤:トラブル回避

作業工程表を作成していれば、トラブルや不測の事態があってもスムーズな対応が可能です。

ただし、作業工程表を作る段階で、工程を目一杯詰め込まずに、トラブルや不具合を想定した余裕のある工程を組む必要があります。

そうすることで、仮にトラブルが発生したとしても、工程を大幅に遅らせることなく対処できるでしょう。

作業工程表を作成する4つのメリット

作業工程表を作成するメリットは次の4つです。

  1. 役割分担の明確化
  2. タスク同士の関係性を把握できる
  3. 進捗状況の見える化
  4. タスクごとの納期を把握しやすい

上記メリットは、前述した作業工程表の目的である「工期短縮」「コスト削減」「作業効率向上」につながります。

4つのメリットについて、詳しくみていきましょう。

作業工程表のメリット①:役割分担の明確化

作業工程表の作成には、役割分担を明確にするメリットがあります。

作業内容や日程が時系列で表にまとめられているので、どの業者がどんな仕事を担当するのかが一目瞭然です。

作業工程表を作成する段階で、タスクごとの役割分担が決まるため、現場作業中にトラブルが発生した場合、誰が携わった工程なのかはっきりします。

作業した業者がわかれば、状況確認やトラブル原因の解明が容易で、スムーズに問題を解決できるでしょう。

作業工程表のメリット②:タスク同士の関係性を把握できる

2つ目のメリットは、タスク同士の関係性が理解しやすい点です。

作業工程表を作成することで、作業内容や工程の流れなどの情報が整理され、タスク同士の関連性が浮き彫りになります。

例えば、前工程の作業が終わらなければ、後工程の作業がストップしてしまうような関係性のタスクや、同時進行で進められるタスクなどです。

後工程の作業を考慮して作業を進めるなど、情報を共有できれば手戻りを防止でき、結果として工程全体を効率的に推し進められます。

作業工程表のメリット③:進捗状況の見える化

3つ目のメリットは、作業進捗状況の見える化です。

リアルタイムで作業ごとの進捗状況が理解できると、遅れている作業を把握しやすくなるため人員を増員したり、作業時間を増やしたりなど的確に対応できます。

工程の遅れは納期遅延につながるため、早期発見、早期対応が大切です。

また、進捗状況が見えることで、プロジェクトが完成する時期の予想を立てやすくなります。

完成時期が遅くなりそうであれば、工程を組み直して対応したり、遅れのある作業の担当者をフォローしたりなどの対策が可能です。

また、クライアントにも正確な進捗状況を伝えられるので、信頼関係の構築にも役立ちます。

作業工程表のメリット④:タスクごとの納期を把握しやすい

4つ目のメリットは、タスクごとの納期を把握しやすい点です。

作業工程表にタスクの完了日を記入して社内で共有すれば、進捗状況や各タスクの納期や完了日をリアルタイムで把握できます。

その結果、納期や完了日を意識して作業に取り掛かれるので、業務全体の進行がスムーズになるだけでなく、やるべき内容を考えながら作業できるでしょう。

作業工程表の種類

作業工程表には次のように、さまざまな種類があります。

  • バーチャート工程表
  • ガントチャート工程表
  • グラフ式工程表
  • ネットワーク工程表
  • 曲線式(出来高累計曲線)工程表

それぞれに特徴があるため、最適な作業工程表を導入してください。

作業工程表の種類①:バーチャート工程表

作業工程表 画像1 バーチャート工程表

バーチャート工程表は、縦軸に作業項目、横軸に作業日程を記入した工程表です。

作業内容と作業期間を可視化できるため、簡単に進捗状況を把握でき、各作業工程を細かく修正しやすい特徴があります。

しかし、全体的なタスクの関連性が分かりにくいため、部分的な修正があった場合、工程全体に及ぼす影響が把握しにくい側面も……。

以上の観点から、バーチャート工程表は工事全体の進捗状況や施工順序を把握したい場合に適しています。

 

バーチャート工程表
メリット
バーチャート工程表
デメリット
  • 作成が簡単
  • スケジュールの把握が簡単
  • 作業の関連性を把握できない
  • クリティカルパスを把握できない

 

作業同士の関連性が把握できないと、作業が遅れた場合に、そのトラブルが後工程の進捗に影響を与えるか判断ができません。

そのため、バーチャート工程表は、工期の長い現場や工事の種類が多い現場には向いていません

作業工程表の種類②:ガントチャート工程表

作業工程表 画像2 ガントチャート工程表

ガントチャート工程表は、縦軸に作業内容、横軸に作業の進捗率(%)を記入した工程表です。

バーチャート工程表とよく似ていますが、複数の作業に対して、進捗状況を把握しやすい特徴があります。

 

ガントチャート工程表
メリット
ガントチャート工程表
デメリット
  • 工事の管理がしやすい
  • 現場の進捗状況を見える化できる
  • 現場の遅れが一目でわかる
  • 工数がわかりづらい
  • タスク同士の関連性がわかりにくい
  • 作成や更新に手間がかかる

 

ガントチャート工程表は、並行して作業を進める必要がある現場に向いています。

並行的に実施する複数作業の進捗状況がわかりやすく、工程に遅れが起きてもすぐに対応可能です。

作業工程表の種類③:グラフ式工程表

作業工程表 画像3 グラフ式工程表

グラフ式工程表は、縦軸に進捗率、横軸に日程を記入して曲線で進捗状況を示す工程表です。

バーチャート工程表とガントチャート工程表の性質を合わせ持っており、作業の進捗状況を把握しやすい特徴があります。

 

グラフ式工程表
メリット
グラフ式工程表
デメリット
  • 期限がわかる
  • 一目で進捗状況がわかる
  • 他の工程表に比べて作成が難しい
  • タスク同士の関連性がわかりにくい
  • 工事全体の予定が把握しにくい

 

形状が複雑な分、作成に時間がかかります。

また、部分的な変更があったときに、全体に及ぼす影響がわかりにくいので注意が必要です。

作業工程表の種類④:ネットワーク工程表

作業工程表 画像4 ネットワーク工程表

ネットワーク工程表は、作業内容や施工順序を番号と矢印で示した工程表です。

作業に必要な工数やタスク同士の関連性、工程の流れがわかりやすい特徴があります。

しかし、作成には専門知識を要するため、専門用語が使われることも多く、作成は容易ではありません。

 

ネットワーク工程表
メリット
ネットワーク工程表
デメリット
  • 工事全体のスケジュールを可視化できる
  • 工事の順番を可視化できる
  • 各工事に必要な日数を可視化できる
  • 作成にあたって多くのデータが必要になる
  • 各作業の情報が正確でないと全体的に精度が下がる
  • 作成方法が難しい

 

ネットワーク工程表は、規模が大きなプロジェクトや工程の多い現場に向いています。

作業工程表の種類⑤:曲線式(出来高累計曲線)工程表

作業工程表 画像5 曲線式(出来高累計曲線)工程表

曲線式工程表とは、縦軸に出来高率、横軸に日程を記入した工程表です。

バナナ曲線やSカーブとも呼ばれ、表の曲線を見れば、工程の遅れがひと目で把握できる特徴があります。

 

曲線式工程表
メリット
曲線式工程表
デメリット
  • 竣工までの流れが一目でわかる
  • 進捗状況を把握できる
  • 工事の順序を把握できない
  • 工事の必要日数を把握できない

 

曲線式工程表は、プロジェクト全体の進捗状況を把握するのに向いています。

作業工程表の作成方法

作業工程表の主な作成方法は次の3つです。

  • 手書き
  • エクセル
  • 工程管理システム

作業内容や目的によって作業工程表の作成方法は異なります。

作成方法ごとの特徴を理解して、作業工程表を作成する際の参考にしてください。

作業工程表の作成方法①:手書き

手書きで紙面やホワイトボード上に、作業工程表を作成する方法です。

手書きの場合は、パソコンなどの電子機器を使用しないのでコストがかからず、デザインも自由に作れるといったメリットがあります。

特に工期が短く、小規模な現場では手書きの作業工程表がおすすめです。

手書きで書いた工程表は、紛失してしまう可能性があるため、必ずPDFなどの電子データでバックアップを取っておきましょう。

作業工程表の作成方法②:エクセル

エクセルは、作業工程表の作成だけでなく、他の業務でも使用する機会が多く、ほとんどの従業員が操作に慣れているソフトです。

手書きと違い、エクセルは表組や図形、関数、マクロを使って、作業工程表を作れるので、作成時間を削減できます。

また、エクセルをもとにしたテンプレートや書式、フォーマットを活用すれば、よりスムーズに作成できるでしょう。

エクセルで作業工程表を作成するメリットは以下の点です。

  • 連携しやすい
  • 修正しやすい
  • 費用がかからない
  • 他の作業員も編集できる
連携しやすい

エクセルは、他のシステムと連携しやすいメリットがあります。

エクセルで作成したデータを他のツールへ流用したり、カレンダーアプリと連携したりなど幅広い使い方が可能です。

修正しやすい

エクセルの基本操作がわかる方なら容易に修正できます

費用がかからない

エクセルは、ほとんどの企業が業務で使用しています。

そのため、作業工程表を作成するために、エクセルを導入する必要はありません。

他の作業員も編集できる

エクセルは、操作に手慣れている人が多いため、要望を伝えれば他の作業員でも編集可能です。

作業工程表の作成方法③:工程管理システム

前述のように、エクセルは作業工程表の作成だけでなく、あらゆる業務に使用できる汎用性があります。

一方、工程管理システムは、作業工程表の作成や工程管理に特化したシステムです。

作業工程表を作成するために作られたシステムなので、使い勝手がよく細かな調整も簡単に行えます。

工程管理システムのメリットとして、

  • テンプレートや過去データを作業工程表に活用できる
  • 作業工程表や工事データを一元管理できる
  • 工程ミスの削減
  • 作業状況をリアルタイムで把握できる
  • 案件ごとに工事に関するデータを整理できる
  • 業務の効率化

などがあり、工程管理システムを導入すれば、作業工程表の作成に加えて、社内や社外との情報共有や進捗状況の把握が容易で、工程管理にも最適です。

ただし、工程管理システムの導入コストや従業員に使い方を指導する教育費用などがかかります。

そのため、費用対効果を考慮して検討してください。

見やすい作業工程表を作るポイント

見やすい作業工程表を作成するポイントを以下にまとめました。

  • 印刷することを考える
  • わかりやすいデザインにする
  • 見た人全員が理解できる言葉で記入する
  • 情報を埋め込みすぎない
  • 週単位や月単位で作成する

作業工程表を作るコツ①:印刷することを考える

作成した作業工程表は、印刷して各業者や職人に配ったり、事務所に貼り付けたりなど、プリントアウトして用いられるケースが多くあります。

そのため、印刷することを考えて作成しなければいけません。

  • 用紙1枚に収まるデザインになっているか
  • 白黒コピーでも見やすいか
  • 色を使いすぎていないか
  • ムダなスペースはないか

などを考慮して、作成する必要があります。

作業工程表を作るコツ②:デザインはわかりやすく

作業工程表をひと目見て、すぐに内容を理解できるデザインでなければいけません。

ポイントは、情報を詰め込みすぎないこと

進捗状況を把握できる、わかりやすいデザインを心がけましょう。

作業工程表を作るコツ③:誰が見ても理解できる言葉で記入

建設業界の専門用語ばかりが列挙された作業工程表は、同じ業界で働く人でなければ理解できません。

工事関係者以外にも、施主が作業工程表に目を通すこともあるため、専門用語は控えめにして、誰が見ても理解できるレイアウトを意識してください。

どうしても専門用語が必要な場合には、備考欄に用語の意味を記載しましょう。

作業工程表を作るコツ④:情報を詰め込みすぎない

作業工程表に情報を詰め込み過ぎてしまうと、大切な情報が理解しにくくなります。

作業内容や作業現場ごとに分類して作成すると、作業ごとの進捗状況やどの業者がどのような作業を抱えているのか、といった情報を把握しやすくなるでしょう。

作業工程表の作成で、一番大切なポイントは見やすさです。

作業工程表を作るコツ⑤:週単位や月単位で作成する

作業工程表には、1日単位で毎日の作業工程が記載されています。

現場作業員にとっては、毎日の作業や進捗を把握するために役立ちますが、管理職や施主などにとっては、1日単位の工程表は特に必要ありません。

そのため、現場工事用とは別に、工事全体の流れを読み取れる週単位や月単位の作業工程表を準備しておきましょう。

まとめ

本記事では、作業工程表を作成する目的やメリット、工程表の種類や作成ポイントをわかりやすく解説しました。

作業工程表には、役割分担や作業進捗の把握、納期遵守、作業効率向上、コスト削減など建設現場にとって、さまざまなメリットがあります。

そのメリットを手にいれるためには、わかりやすく理解しやすい作業工程表の作成が不可欠です。

本記事を参考にして、現場の流れが良くなるような作業工程表を作成してください。

 

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