【建設業】バーチャート工程表とは?作成方法や注意点を解説
2023.07.11
- 「バーチャート工程表の作成方法が知りたい……」
- 「バーチャート工程表を使用するメリットってなんだろう」
こんな疑問はありませんか?
バーチャート工程表は注意点を理解しないと意味のある工程表を作成できません。
本記事では、バーチャート工程表の概要と併せて、作成手順や注意点、メリット・デメリットを解説します。
この記事を最後まで読むと、バーチャート工程表の理解が深まり、仕事で活躍できます。
目次
そもそも工程表とは
工程表とは工事にかかる日数や進捗状況をまとめた作業の予定表のことです。
建築現場は工程表をもとに作業を進めていき、変更があれば工程表も修正します。
建設現場で使う工程表は主に以下の4つです。
- 総合(マスター)工程表
- 細部工程表
- 月間工程表
- 週間工程表
打ち合わせによって使う工程表を変え、使用しています。工程表をうまく活用すれば現場が円滑に回るので必ず活用しましょう。
工程表の役割
工程表の役割は主に以下の4つです。
- 納期の厳守
- 工期の短縮
- コスト削減
- 臨機応変に対応できる
納期の厳守
建築現場では納期の厳守が絶対です。
工事を着工する前に施主とお客さんといつまでに現場を引き渡すを決めます。
その日に合わせお客さんの引っ越しの段取りなどするので工期の遅れは許させません。
工程表を作成することにより、工期を可視化することができ少しでも遅れそうな場合は職人さんの数を増やし対策することができます。
常に工程表で納期を確認して仕事するようにしましょう。
工期の短縮
工程表をうまく活用することによって工期の短縮をすることが可能です。
作業内容を可視化することができるので、工事をうまく詰めることができ、工事が予定より早く終わります。
それにより工期の短縮に繋がります。
コスト削減
工程表を作成することでコスト削減に繋がります。
工程表で作業全体を可視化できるのでどこに無駄な作業があるか、人数がかかりすぎている場所はあるかを調べることができます。
無駄を省くことで労務費が浮き、最終的にコスト削減に繋がります。
臨機応変に対応できる
工程表を活用することで臨機応変に対応できます。
基本的に工程表はゆとりをもって工事日程を設定します。理由としては建築現場は予定どおりに行かないことがほとんどだからです。
たとえば、コンクリート打設はこの日と日程を決めたとしても雨が降ったらコンクリート打設は延期になります。1つの工事が延期になると全体の工事も同じように遅れます。
工程表をゆとりをもって作成することにより1つの工事に遅れが出ても他の工事に影響が出ないようにすることができます。
バーチャート工程表の概要
バーチャート工程表とは主に建築現場や製造業で使われる工程表のことです。
縦軸に作業項目を記入し、横軸に日付を記入し、予定工数を横棒で示す特徴があります。
デメリットとしては、タスクの進捗を管理できない点があります。
しかし、ガントチャートよりも構成が単純なので手軽に作成できるので初心者の方におすすめです。
バーチャート工程表のメリット
バーチャート工程表のメリットは以下のとおりです。
- 簡単に作成できる
- スケジュールを把握しやすい
簡単に作成できる
簡単に作成できるのはバーチャート工程表のメリットの一つです。
バーチャート工程表は縦軸に作業項目、横軸に日付を入れるだけで作成できます。
シンプルな構造なため、経験が浅い新入社員の人でも作成できます。
スケジュールを把握しやすい
バーチャート工程表は、現場スケジュールを簡潔にまとめているため、施主様や建設に関する知識がない方でも簡単に理解できる特徴があります。
施主にとって理解しやすい工程表を使用することで、工程の打ち合わせや工事の進行方向を円滑に進められます。
また、施主にとっても理解しやすいため、工事の進捗状況やスケジュールの調整に関する意思疎通がスムーズに行えるでしょう。
これにより、施主は工事の進行状況やスケジュールに対する負担を軽減できます。
施主が工程表を把握しやすいことで、必要な情報や意図を的確に伝えることができ、工事の品質や納期に対する期待を明確にできます。
バーチャート工程表のデメリット
バーチャート工程表のデメリットは以下のとおりです。
- 工事の関連性が把握できない
- 複雑な工事に向いていない
工事の関連性が把握できない
バーチャート工程表はタスクとスケジュールの管理に適していますが、工事のつながりを理解するには不適です。
もし一つのタスクに問題や遅延が生じた場合、それが他のタスクにどの程度影響を与えるかが明らかではありません。
つまり、バーチャート工程表では、どのタスクにどの程度の調整が必要なのかを正確に判断することが難しくなります。
複雑な工事に向いていない
工事プロジェクトでは、一つの作業だけではなく、多くの作業を同時に進行させることが一般的です。
また、一部の作業は順番に行う必要があり、前の作業が完了しなければ次の作業に進むことはできません。
バーチャート工程表は各作業項目を個別に見る設計のため、全体の流れや複雑なプロセスを完全に理解するのは難しいです。
バーチャート工程表の作成手順
バーチャート工程表の作成手順を以下に示します。
- 作業の洗い出し
- 作業の並び替え
- 工数の設定
- 作業員の割り当て
- 工事との日数決め
1.作業の洗い出し
まずは作業の洗い出しをしましょう。
ここで作業の抜けがあると、この後やることがすべて台無しになってしまうので慎重に行いましょう。
洗い出す際に参考にする資料は以下の3つです。
- 施工要領書
- 総合工程表
- 施工検討会の資料
上記の資料があれば作業を洗い出すことが可能です。
現場によってさまざまなので上司に確認すると抜けを防ぐことができます。
洗い出しが一番重要なことですので最低3回は確認するとよいでしょう。
2.作業の並び替え
次は洗い出した作業の並び替えを行います。
作業日程を想定しながら最初に行う作業から並べていきます。
場合によっては作業の順番がわかりづらい工事もありますがメモなどで残し、並び替えを進めましょう。
並び替えが完了したら再び、作業の抜けがないか確認しましょう。
3.工数の設定
並び替えが完了したら工数の設定をします。
各作業ごとに職人さんの工数を記入します。
この時にできるだけ正確に記入することで労務費の赤字をなくすことに繋がります。
ポイントとしては少し余裕をもって工数を設定することです。
建築現場は変動が当たり前にあるので行う工事に対して支障が出るのはよくあります。
少し余裕を持つことにより大幅な遅れを防ぐことができます。
4.作業員の割り当て
工数の設定が完了したら次は作業員の割り当てをします。
どの作業員がどの工事を的確に割り当てることで順調に作業が進み、よい現場になります。
作業員によって得意、不得意があるので得意分野に配置することにより最大限能力を発揮することができます。
このときの注意点としては1人の作業員に作業が集中しないことです。
過労働になると作業員の集中力がきれ、事故に繋がる場合があるからです。
ですので全体的に均等に作業を振りましょう。
5.工事ごとの日数決め
作業員の割り当てが完了したら工事ごとの日数決めを行います。
先ほど洗い出した作業内容を縦軸にして、横に日付を入れます。
この時に余裕を持って日数を決めるのがコツです。
余裕があれば前の工事が遅れても影響せずに工事を進めることが可能です。
バーチャート工程表を作成する際の注意点
バーチャート工程表を作成する際の注意点は以下の2つです。
- 完璧を求めすぎない
- 共有可能にしておく
完璧を求めすぎない
工程表作成は完璧を求めすぎると他の大事な仕事をすることができません。
工程表作成の段階では他に大事な仕事が多くあります。
- 作業員の前段取り
- 見積書の発注
- 元請け・下請けとの本契約
- 原価設定会議
- 施工要領書作成
上記のような大事な仕事が山ほどあります。
工程表作成に集中して他のことが疎かになると現場がうまくいきません。
ですので一通り工程表の作成が終わったら他の仕事に着手するようにしましょう。
共有可能にしておく
バーチャート工程表を作成したら共有可能にしておきましょう。
基本的に工程表は1人で作成しますが工程表を確認する方は現場に関わる方すべてです。
ですので工程表を作成したらまずは上司に確認を取り、問題なければ作業員にも工程表を渡しましょう。
工程表を見てもらうことで作業員の調整や工事期間の調整の打ち合わせができるので早めに渡しましょう。
バーチャート工程表の媒体
バーチャート工程表の媒体は以下の2つです。
- エクセル
- 工程管理システム
エクセル
バーチャート工程表はエクセルで作成することができます。
作成方法は、縦軸に作業項目を入力し、横軸に日付を入れます。
あとは作業予定のセルに色付けをすればバーチャート工程表を作成することができます。
大きなメリットとしてはもともとエクセルを導入している企業が多いのでコストがかからないということです。
工程管理システム
工程管理システムを使ってバーチャート工程表を作成することができます。
工程管理システムは工程表を作るために作られたシステムなので簡単に工程表を作成することができます。
また、クラウド上でデータを保存しているので現場にタブレットを持っていき、その場で編集することも可能です。
データの共有も簡単にできるのでミスや作業の抜けを防止することができます。
デメリットとしては月額料金などの費用がかかることでしょう。しかしそれ以上にメリットが大きいのでおすすめです。
バーチャート工程表とガントチャート工程表の違いとは
バーチャート工程表と並び、現場で頻繁に用いられるのが「ガントチャート工程表」です。
バーチャート工程表では、作業内容を縦軸に、日付を横軸に配置します。
一方、ガントチャート工程表では、作業内容を縦軸に、進捗状況を横軸に表示します。
バーチャート工程表の特徴は以下のとおりです。
- 作成が簡単
- 作業の進捗が管理できない
- 工数やスケジュールを一目で把握できる
ガントチャート工程表の特徴は以下のとおりです。
- 作成に時間がかかる
- 作業内容を細かく管理できる
- 進捗状況を一目で把握できる
上記のように特徴が異なるため、目的にあわせて工程表を使い分けましょう。
(バーチャート工程表)
(ガントチャート工程表)
まとめ【バーチャート工程表を作成しましょう】
今回はバーチャート工程表について詳しく解説しました。
作成方法をマスターし正しく作成すれば現場が円滑に周り理想の現場作業ができます。
工程表の意味をしっかりと理解し、正しい知識で作成しましょう。
この記事を参考にしてバーチャート工程表を作成してみてくださいね。
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