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パワコン?パワーコンディショナーとは太陽光発電システム

2023.04.10

コラム

「パワコン」という名前を聞いたことがあるけど、詳細について知りたい・・

という建築会社の経営陣の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

通称パワコン、パワーコンディショナーという太陽光発電システムに必要な装置の名称です。

日常使っている電気は交流電力、太陽光発電で得られるのは直流電力。

家庭で使えるように、直流電流を交流電力に変換させる装置がパワーコンディショナーなのです。

本記事では、パワーコンディショナーの機能のほか、新築やリフォームで導入する際に留意すべき事項をまとめています。

パワーコンディショナーの役割

パワーコンディショナーの一番の役割は、直流電流を交流電流に変換することです。

ここでは以下のような、パワーコンディショナーの役割を解説します。

  • 直流を交流に変換する
  • 太陽光発電の発電量の最大化
  • 系統連系保護機能
  • 逆潮流抑制

直流を交流に変換する

パワーコンディショナーの一番の役割は、太陽光パネルにより発電された直流電力を、家庭で使用できる交流電力に変換すること。

変換された交流電力を分電盤に送ることで、発電された電力を使用できるようになります。

直流電流から交流電流への変換効率は、住宅用のパワーコンディショナーでおよそ95%。

変換効率の高いものほど、発電された電力を有効活用していることになります。

太陽光発電の発電量の最大化

太陽光発電は気象条件によって得られる電力は左右されます。

天候に関わらず、常に最大の電力が得られるようにするパワーコンディショナーの役割が、最大電力追従制御(MPPT)です。

最大電力追従制御とは、太陽光発電により得られる電力を最大化かつ最適に、自動で求めることができる制御のこと。

日射量や気温などで変動する発電電力(電圧×電流)が、最大になる電圧と電力の組み合わせを自動で見つけ出し、発電量を維持できるよう制御する働きがあります。

系統連系保護機能

電力供給側の停電時や太陽光発電システム異常の際に、系統電力(電力会社の設備)と構内の電気設備とを切り離す役割を担います。

系統連系とは、太陽光発電で発電した余剰電力を電力会社へ売電する際、系統電力と連携させる為に必要な仕組みです。

系統連系保護機能とは、主に以下のような機能です。

  • 周波数の上昇・低下を検知
  • 過電圧・不足電圧を検出
  • 系統電力の停電を検知して太陽光発電システムを系統から切り離す

逆潮流制御

電力会社から構内へ供給される電力の流れを「潮流」といい、構内(建物内)から電力会社側へ電力が流れることを「逆潮流」といいます。

太陽光発電システムによる売電は逆潮流にあたります。

太陽光発電した電力を売電する際には、電力会社側の安定した電圧に揃えなければ、系統電力側の停電などの影響を及ぼしかねません。

パワーコンディショナーは、逆潮流した際の構内の電圧や周波数の安定を自動的に調整する機能も備えています。

太陽光発電システムで売電する時、自家消費する時に合わせて、調整する役割が逆潮流制御機能です。

パワーコンディショナーの自立運転機能

パワーコンディショナーの自立運転機能を用いると、停電時に電力を使うことができますが、すべてのパワーコンディショナーについている機能ではありません

パワーコンディショナーの機種によって、電力の取り出し方法は異なります。

自立運転端子のみで、自立運転コンセントを別途設置する必要があるもの、パワーコンディショナーにコンセントが設置されているもの、さまざまです。

またパワーコンディショナーは屋内型と屋外型とがあるので、ニーズによって機種の選定が必要となるでしょう。

自立運転機能で使用できる電気容量の上限は、1,500Wまでです。

家電製品1つずつであれば、問題なく使用できるでしょう。

同時に複数の製品を使用する時は、上限を超えないよう組み合わせを考える必要があります。

パワーコンディショナーの種類と蓄電池

パワーコンディショナーは、以下のように分類分けができます。

  • 単機能型
  • ハイブリット型

機能の違いをみていきましょう。

単機能型

従来設置されているパワーコンディショナーを単機能型と呼びます。

蓄電システムで電気を蓄えておくためには、自家発電しようが電力会社から購入しようが、交流電流を直流電流に変換する必要があります。

太陽光発電システムに対して1つのパワーコンディショナー蓄電システムに対して1つのパワーコンディショナー、太陽光発電システムと蓄電池システムとを各々を接続し使用していくことになります。

変換による電力損失は大きくなりますが、ハイブリット型よりは安価に設置できます。

ハイブリット型

ハイブリット型のパワーコンディショナーは、太陽光発電システムと蓄電システムのパワーコンディショナーを1台にまとめたものです。

太陽光発電システムと蓄電システムを両方設置する際には、パワーコンディショナーが1台で済むため設置スペースが少なくなります。

また変換による電力損失が抑えられるメリットもありますが、単機能型よりは高価となる場合がほとんどです。

パワーコンディショナーはどこに置く?

パワーコンディショナーは分電盤の近くに設置することが基本です。

パワーコンディショナーと分電盤の距離が長くなると、ケーブルも長くなり、電気のロスが大きくなり、発電した電力が減ってしまいます。

パワーコンディショナーも電気製品ですので、湿度の高くなる場所は適した設置場所とはいえません。

多くの住宅では分電盤は洗面室やキッチンに設置されています。

自立運転機能のあるパワーコンディショナーの場合は、電力を取り出すことを想定して、屋内に設置することが望ましいでしょう。

屋外型のパワーコンディショナーも製品化されていますので、屋内にスペースがない場合など、選択肢の一つになりうるかもしれません。

パワーコンディショナーのメンテナンス

メンテナンスフリーと思われている太陽光発電システム。

パワーコンディショナーも電気製品ですので、メンテナンスは必要不可欠です。

パワーコンディショナーの故障

太陽光発電システムの中で、最も故障しやすい機器がパワーコンディショナーと言われています。

換気フィルターの目詰まりは、パワーコンディショナー本体の故障に繋がりますが、日常的なメンテナンスで回避することが可能です。

パワーコンディショナーの故障の最も多い原因として、ヒューズ切れが挙げられます。

ヒューズが切れると、発電量は急激に低下、発電不能となり、交換は専門業者に依頼することなります。

パワーコンディショナーの寿命

パワーコンディショナーの寿命は10~15年、太陽光パネルは法的耐用年数が17年、実際には20~30年と言われています。

国内メーカーの製品の保証期間は、10年もしくはそれ以上の期間が設けられているものが増えています。

パワーコンディショナーも補助金対象

2021年度以降、国が行う太陽光発電システム単体での補助制度はありません

家庭用蓄電池の補助金制度は、実施されています。

地方自治体では、太陽光発電に対しての補助金制度を実施しているところもあります。

戸建に対しての補助金を以下の表にまとめました。

太陽光発電は、「地域型住宅グリーン化事業」及び「次世代ZEH+実証事業」が対象となり、蓄電システムに対しては、全てが対象です。

 

事業名 新築 リフォーム
地域型住宅グリーン化事業※
戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業
次世代ZEH+実証事業※
既存住宅の断熱リフォーム支援事業
こどもエコすまい支援事業
長期優良住宅リフォーム推進事業※

2023年3月現在、※は2023年度の事業内容は公表されていません。

まとめ

本記事では、パワーコンディショナーの機能と導入する際に留意すべき事項を解説しました。

パワーコンディショナーは、太陽光発電にも蓄電池にも必要となるシステムの一つです。

2050年カーボンニュートラルの実現を図ることを目的としたエコ設備の導入は、新築・リフォーム問わずニーズの高い要望事項となるでしょう。

 

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