施工管理とは?建築施工管理技士の資格や人材確保のコツまでわかりやすく解説
2022.12.14
施工管理とは、建築現場で指揮をとり全体の取りまとめを行う業務です。
工事を計画通りに進めていけるかは施工管理者にかかっています。
しかし、具体的な仕事内容や資格の要件、どのような人が向いているかを把握できていない方も少なくないでしょう。
この記事では、建築施工管理技士の資格や人材確保のコツまで分かりやすく解説していきます。
施工管理者の人材確保や定着にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
施工管理の仕事内容とは
施工管理は、工事全体の管理を担い専門工事業者や現場作業員を指揮していく仕事です。
下記の4つが施工管理の「4大管理」です。
- 工程管理
- 品質管理
- 原価管理
- 安全管理
現場作業員の安全を守る「安全管理」、建物の品質を確実に達成できるよう管理する「品質管理」があります。
そして、工事が予算通りに完了するよう管理し利益を確保していくのが「原価管理」です。
また、工事が予定通り進捗するようスケジュールを管理する「工程管理」も重要な仕事です。
施工管理の仕事内容については下記の記事で詳しく説明しているので参考にしてみてください。
国家資格「建築施工管理技士」とは
建築施工管理技士とは施工管理に必要な国家資格で、1級と2級が設けられています。
施工管理者としてのステップアップにも非常に重要な資格です。
無資格でも施工管理の仕事はできますが、資格を取得することによって主任技術者や監理技術者として現場に携わることができます。
1級と2級の違い
1級建築施工管理技士と2級建築施工管理技士の大きな違いは、建設現場の規模にあります。
1級建築施工管理技士は主任技術者・監理技術者として現場配置が可能なため、小・中規模の建設現場だけでなく、大規模現場を扱えます。
一方、2級建築施工管理技士は主任技術者としてのみ現場配置が可能となるため、小・中規模の建築現場を扱うこととなります。
また、受験資格における実務経験の必要年数にも違いがあります。
次で詳しくみていきましょう。
1級建築施工管理技士の受験資格
試験元が指定する「指定学科」を卒業した場合、1級建築施工管理技士の受験資格は下記の通りです。
- 4年制大学卒業 + 実務経験3年
- 短期大学卒業 + 実務経験5年
- 高等学校卒業 + 実務経験10年
- 学歴問わない場合 実務経験15年
一級建築士の合格者は一次検定が免除になるなど学歴以外の要件もあります。
1級建築施工管理技士合格率・難易度
1級建築施工管理技士の試験は一次検定と二次検定があります。一次検定の合格率は例年35〜50%ほどで推移しています。二次検定の合格率は40%ほどです。
毎年度の合格率は下記の国土交通省のホームページで確認できます。
参照元:令和3年度 建築・電気工事施工管理技術検定(1級・2級)「第一次検定(2級後期)」及び「第二次検定」合格者の発表
2級建築施工管理技士の受験資格
試験元が指定する「指定学科」を卒業した場合、2級建築施工管理技士の受験資格は下記の通りです。
- 4年制大学卒業 + 実務経験1年
- 短期大学卒業 + 実務経験2年
- 高等学校卒業 + 実務経験3年
- 学歴問わない場合 実務経験8年
1級建築施工管理技士よりも少ない実務経験で受験が可能となっています。
参照元:令和4年度2級 建築 受検の手引(第一次・第二次検定(同日受検))
2級建築施工管理技士の合格率・難易度
2級建築施工管理技士の試験は、一次検定と二次検定があります。例年、一次検定の合格率は30~50%ほどです。二次検定の合格率は30%ほどです。
毎年度の合格率は下記の国土交通省のホームページで確認できます。
参照元:令和3年度 建築・電気工事施工管理技術検定(1級・2級)「第一次検定(2級後期)」及び「第二次検定」合格者の発表
施工管理に向いている人
施工管理に向いている人の特徴3つは次のとおりです。
- コミュニケーション能力が高い人
- 危機管理能力が高い人
- マルチタスクができる人
ひとつずつ解説していきます。
コミュニケーション能力が高い人
施工管理に向いているのはコミュニケーション能力が高いひとです。
施工管理の仕事は、作業員や協力会社はもちろん、施主や設計者など、多くの人と関わる仕事だからです。
工事現場では、工期の遅れやトラブルなど予期せぬ事態も起きるものです。
その際に様々な人と密なコミュニケーションをとることで乗り越えていく力が必要です。
危機管理能力が高い人
施工管理に向いている人の特徴として危機管理能力が高い人があげられます。
危機管理が甘いと事故やトラブルが起きるからです。
現場の安全管理においていち早く危険を察知し、事故を未然に防ぐことは重要です。
また、工程管理においてはトラブルが発生しそうな箇所を見極め、あらかじめ対策を行っておく必要があります。
現場において「これくらいは大丈夫だろう」という考えは禁物です。
きちんとリスク管理をしていく力が求められます。
マルチタスクができる人
施工管理に向いている人はマルチタスクができる人です。
施工管理は、同時にいくつもの仕事をこなしていかなければならないからです。
安全管理・工程管理・原価管理・品質管理の4大管理を同時に行う必要があります。
刻一刻と状況が変化していく建築現場では、複数のことに対しての高い対応力が求められます。
施工管理の人材確保のコツ
施工管理の人材確保のコツとしては、下記の3つが挙げられます。
- 研修制度を充実させる
- 資格取得の支援制度を整える
- 女性が働きやすい環境を整える
ひとつずつ解説していきます。
研修制度を充実させる
施工管理の人材確保のコツとして研修制度を充実させることが挙げられます。
施工管理を職に選ぶ人は、「手に職を」と考える人が多く、研修制度が充実している会社に魅力を感じるからです。
入社時の研修や、定期的な研修を設けて実務上で役立つことを学ぶ機会を設けるとよいです。
働きながらスキルアップできる研修制度を充実させることは人材確保に繋がります。
資格取得の支援制度を整える
資格取得の支援制度を整えることも施工管理の人材確保のコツのひとつです。
施工管理技士の資格取得には、大学や専門学校を卒業しても実務試験が必須です。
仕事をしながら資格を取得することは簡単なことではありません。
外部講師を招いて勉強会を定期的に開催するなどの取り組みが良いでしょう。
資格取得のサポート体制を整えることは優秀な技術者の定着に役立ちます。
女性が働きやすい環境を整える
女性が働きやすい環境を整えることも人材確保に繋がります。
施工管理をはじめ建設業の技術者不足は深刻化しており、男女を問わず人材を採用する動きが高まっています。
私自身が女性技術者として施工管理を行なう中で、働きやすさを実感した会社の取り組みは次の通りです。
- 女性に配慮した現場トイレの整備
- 女性用の作業着やヘルメットの整備
- 相談や要望を相談できるしくみづくり
下記の記事では女性が施工管理として働くメリットや働きやすい環境を整えるコツを詳しく説明しているので参考にしてみてください。
まとめ
施工管理者は建築会社にとって重要な役割を担っています。
資格についての理解や向いている人を把握しておくことは重要です。
この記事で解説してきた人材確保のための取り組みを参考にして、優秀な施工管理者の定着に役立ててみて下さい。
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