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建築・建設業の『帳票』を網羅的に解説!経営に大切な書き方やポイント

2022.01.21

コラム

帳票という言葉、よく耳にはするけれど、帳票の「定義」はご存じですか?

帳票とは、会計用語で「帳簿」と「伝票」の両方を差します。

「帳簿」がお金を記録する=経営状況を把握するためのもので、「伝票」はお金の動きを記入するものです。

この違いをしっかりと理解し、この記事で帳票の理解を深めてみてください。

 

 

 

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帳票の定義とは、帳簿と伝票の違い

一般的に帳簿と呼ばれるものには以下のものがあります。

  • 【仕訳帳】
    すべての取引を日付順に「貸方」と「借方」に分けて記録する書類
  • 【総勘定元帳】
    すべての取引を「勘定科目」ごとに記録する書類
  • 【現金出納帳】
    現金の出入りをまとめた書類
  • 【預金出納帳】
    口座上の取引をまとめた書類
  • 【買掛帳】
    仕入れ先ごとの取引を管理した書類
  • 【売掛帳】
    得意先ごとに取引を管理した書類
  • 【経費帳】
    必要経費をまとめた書類
  • 【固定資産台帳】
    原価償却が必要な固定資産をまとめた書類

帳簿を付ける際には「勘定科目」が必要となり、この科目が一般的な企業と建設業の帳簿の大きな違いとなります。

 

また、伝票には次のような種類があります。

  • 【入出金伝票】
    お金の出入りを1件ずつ記録した書類
  • 【見積書】
    見込み額を書面にする書類
  • 【請求書】
    金銭を請求する書類
  • 【納品書】
    サービスや商品を相手に納品したことを証明する書類
  • 【領収書】
    経費を支払った証拠に使う書類

建設業と一般的な企業の帳票の違い

以上が一般的な企業での帳票と呼ばれる書類ですが、建設業での帳票と照らし合わせるとどのように違うのでしょう?

売上計上が一般的な企業とくらべて遅い

建設業は、一般的な業種と異なった受注形態を持っています。それは売上計上までに長い日数を要するということです。

なぜなら、建設業は「工事着工から完成引渡しまでの期間」後に売上計上を行うため、半年後や1年後といった長い期間の後に多額の売上高が計上されるのです。

そのため材料費や外注費は支払ってはいるけれど、入金は来期というような現場などは、支払った先行経費を勘定科目では「未完工事支出金」とします。

>>MoneyForward「工事未払金の使い方や仕訳、未成工事支出金との関係

建設業の特殊な勘定科目

売上計上をした現場で、請負金額のうち未回収の資産勘定を「完成工事未収入金」とします。

他にも特殊な勘定科目として、次のようなものがあります。

  • 完成工事高(工事請負契約の売上高)
  • 完成工事原価(工事請負契約の原価)
  • 工事未払金(未払いの材料費・外注費など)
  • 未成工事受入金(引き渡し前に受領したお金)

勘定項目を把握する

では、なぜこのように建設業では特殊な勘定科目の名称となるのでしょうか?

先にも述べた通り、建設業は「完成までに長い時間がかかる」という特徴があります

一般的な企業では1年間という区切りで業績の報告を行います。

また、売上は商品の引き渡しが終わり、代金をもらえることが確定した時点で実現します。

しかし、建設業の場合、1年間で終わらない工事も多くあります。

「工事進行基準」

工事期間が期をまたぐような工事の場合だと、その期の入金がほぼゼロなんて言うこともあるのです。

そうすると決算時に売上を立てることができなくなります。

そのため、他の業種との間に会計上の差が生まれないように、建築業会計には「工事進行基準」が採用されています。

これは、工事の進捗に合わせて各期に計上するという方法です。

そのため、一般とは異なる勘定科目が使われるのです。

会計の根本的な考え方は同じ

しかし勘定科目の名称が違っていても、ほかの会計に比べて根本的な考え方の違いがあるわけではありません。

勘定科目について理解できていれば、仕訳などで困ることも少なくなるでしょう。

建設業の帳票の書き方のポイント、原価を把握する

では、どのように帳票を書いていけばいいのでしょう?

建築業会計で大事なのは「原価計算」です。この原価計算は以下の4つの要素から成り立っています。

  • 「材料費」
  • 「外注費」
  • 「労務費」
  • 「経費」

さらに、決算時に行う原価報告書では、それぞれの項目ごとに集計を行う必要があります。

つまり、工事原価を正確に集計するには、「工事台帳」の記載がとても重要なものとなってくるのです。

>>関連記事:工事台帳の書き方|建築業務の効率化アップと適切な管理を実施

工事にかかる経理作業の「工事台帳」で記録

「工事台帳」は、工事にかかる経理作業です。先にも述べた通り、帳票はお金の流れを記録します。

「工事台帳」も、勘定科目ごとに入出金が記録されています。

工事に関する費用をその都度仕訳して反映させることで、すぐに次のことを知ることができます。

  • 「どの費用が発生しているのか」
  • 「科目ごとの工事原価はどのくらいか」

また、工事台帳に反映させる場合は、工事原価を4つの要素「材料費」「外注費」「労務費」「経費」に振り分けることを忘れないようにしましょう。

工事台帳は会社の利益につながる

この工事台帳の勘定科目の記載を適当なままにしておくと、正確な原価管理が出来なくなってしまいます。

また、自身の経験をもとにして工事原価の予測をたて、「どんぶり勘定」のまま工事を進めていくことは、会社の経営状況にも影響します。

どんぶり勘定を避けるためにも、「工事台帳」の仕訳が重要となってくるのです。

正しい工事利益を出すことは会社全体の利益にもつながります。

工事台帳以外の帳票

建設業ではかかせない次の3つの帳票も、建設業会計にも大きく影響してきます。

  • 「工程表」
  • 「見積書」
  • 「完成報告書」

「工程表」は、入出金を入力することがないのでお金の流れは把握できませんが、工程を見て入出金の予定を立てることができます。入出金 の予定が立つと工事台帳の金額の入力を行うことができます。

>>関連記事:ポイントをおさえた工程表の書き方|工程表の種類も詳しく解説!

 

「見積書」は伝票に当たります。一般的な見積書と異なるのは、法定福利費・工事に関わる項目の記入が求められることです。この見積書も工事台帳の原価計算を参考とします。

>>関連記事:トラブル防止!安心できる建築業の見積書の書き方

 

「完了報告書」は伝票の「納品書」にあたります。また、請負金額とは違う費用が発生した場合(ガソリン代や高速道路代など)は、請求することができるので「請求書」の役割も持っています。

>>関連記事:建築業の方は必見次の仕事につなげる!工事完了報告書

帳票の保管期間

また、こうした帳票には法律で保存義務が設けられています。

帳簿については7年間、領収書や見積書などの伝票も7年間保管する義務があります。

ただし、この保管義務の期間は法人の場合で、個人の場合、帳簿は7年間と同じですが、伝票は5年間となります。

しかし、会社法上は10年間とされているので、10年間は保管しておくのが良いでしょう。

流れと利益を把握できる帳票作成

ここまで様々な帳票を紹介してきましたが、すべての帳票は関連していると考えると、工事の流れと利益をより把握することができます。

「工程表」の作成が、「工事台帳」につながり、「工事台帳」の作成が「見積書」へとつながります。

また「工事台帳」を記載することで「工事完了報告書」の提出時に、必要な経費の請求を行うことができます。

最後に

建築業会計は、一般的な会計と異なる部分が多く、複雑に感じることも多くあります。

また1つの工事だけでも様々な帳票を管理する必要があります。

しかし、こうした帳票を管理し把握していくことが、次の工事の受注や、赤字を出さない現場を作り出すことにつながっていくのです。

正しく管理して会社の利益へとつなげて、安定した経営を目指しましょう。

 

 

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