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施主検査でよくあるトラブルとは?トラブルを回避するポイントを解説

2023.07.12

コラム

  • 「施主検査ってどんな目的で行うのかな?」
  • 「施主検査のチェック項目が知りたい」

こんな疑問や悩みはありませんか?

施主検査の目的や注意点を理解せずに、検査しても意味がありません。

本記事では施主検査を行う目的と併せて、施主検査で見るべき項目や注意点、持ち物について解説します。

最後まで読むと、スムーズに施主検査がこなせて、見落としが減ります。

施主検査とは

施主検査とは

施主検査とは施主によって行われる仕上がり具合のチェックのことで、竣工前(引き渡し前)だけでなく、施工中にも実施されます。

  • 施工に不具合はないか
  • 注文通りに施工されているか
  • 図面通りに施工されているか
  • キズが付いていないか

などがチェックされ、新築工事に限らずリフォーム工事でも行われる検査です。

施主検査の前には自主検査や社内検査を実施して、施主から指摘されないように万全を尽くしましょう

もし、施主のチェックで不具合や問題点が見つかった場合には、速やかに手直し工事を行なって再検査を受けなければいけません。

施主検査を行う目的

施主検査を行う目的は、前述のように図面や仕様書通りに建築されているのか、施工ミスはないかをチェックすることです。

工務店やハウスメーカーが行う自主検査や社内検査だけでは、チェックが甘くなることもあるため、買主や施主がしっかりと確認を行います。

施主と建築業者の双方が、心地よく引き渡しを完了するために必要不可欠な作業といえるでしょう。

施主検査でのチェック項目

施主検査で行われるチェック項目について施行中と施工後に分けて紹介します。

施工中に行われるチェック項目

まずは、施工中に行われるチェック項目の具体例です。

  • 仕様書や注文書通りに施工ができているか
  • 変更箇所や追加オプションが反映されているか
  • コンクリートの基礎部分に割れやヒビ、欠けがないか
  • 断熱材が隙間なく詰められているか

上記のように施工中の検査では、断熱材など施工後に見えなくなる部分のチェックが重要になります。

施工後に行われるチェック項目

次に施工後に行われるチェック項目です。

屋内と外構回りのそれぞれについて具体例を紹介します。

<屋内でのチェック項目>

  • 図面通りに施工されているか
  • 仕様書通りの建材が使われているか
  • 設備やフローリングにキズや凹みはないか
  • ドアや窓、サッシの建て付け・開閉に問題はないか
  • 窓や照明の取り付け位置は正しいか
  • 水回りの設備機器は正常に作動するか
  • コンセントの設置箇所は正しいか

<外構回りでのチェック項目>

  • バルコニーの防水や排水勾配に問題はないか
  • コンクリート基礎や外壁、タイルなどに亀裂はないか
  • 外構デザインや塗装は仕様書通りか
  • 境界線に問題はないか
  • 雨樋の固定に問題はないか
  • 外構工事に不備はないか

多くのチェック項目があるため、トラブル事例も稀ではありません。次項では施主検査の際に起こり得るトラブルについて解説します。

施主検査を行うタイミング

一般的に施主検査を行うタイミングは引渡しの1〜3週間前に行います。

規模が大きな現場だとすべて完成してから検査を開始すると、引渡しに間に合わなくなるため、完成した場所から検査を進めていきます。

施主検査の前には社内検査をし、是正がない状態で施主検査を行うのが基本のスタイルです。

施主検査までに是正が終わらない場合は理由を施主検査用の資料に書き込みます。

施主検査で必要な持ち物

持ち物

施主検査で必要な持ち物は以下のとおりです。

  • 図面
  • 筆記用具
  • スケール
  • 水平器
  • 懐中電灯
  • スマートフォン

図面

施主検査を行う上で図面は必須です。

図面に記入しながら検査を進めるため、バインダーを持ってくと、立ちながらでも書きやすいためおすすめです。

筆記用具

おすすめの筆記用具はフリクションです。

施主検査は一日の検査数が決まっていて、時間ないで終わらせないといけないため、ばたばたします。

そのせいで間違えて記入してしまうことがよくあります。

フリクションなら簡単に消せて、書き直せるため、時間ロスを短縮できます。

スケール

図面通りの寸法になっているか確認するためにスケールを持って行きましょう。

メーター数が長すぎるスケールだとポケットに入りにくいため、5m程度のものがおすすめです。

水平器

床やコンセントプレートが傾いていないか水平器で確認します。

目視ではわからない場合が多いため、ところどころ確認するのがポイントです。

懐中電灯

シャフトやピットをのぞき込むときに懐中電灯を使用します。

明るい懐中電灯を選定しましょう。

スマートフォン

施主検査は複数の班で同時に検査をスタートします。

検査箇所が被らないためにも、電話でやりとりします。

また、懐中電灯がない場合の代用にもなるのでスマートフォンは必須のアイテムといえるでしょう。

施主検査の注意点

注意点

施主検査の注意点は以下の3つです。

  • 仕上げ物に注意する
  • 共通事項の確認
  • 小さなことでも確認する

仕上げ物に注意する

検査している箇所はすべて仕上げ物です。

検査しているのに傷をつけてしまい、是正項目が増えてしまっては意味がありません。

検査中は周囲を確認し、ものに不用意に触れないように検査をしましょう。

共通事項の確認

マンションなどの同じような部屋が複数ある場合は共通事項の確認を行います。

検査に慣れていくと共通事項の確認を怠ってしまい、別日に確認しなくてはいけません。

共通事項を頭の中に入れて、意識しながら検査を進めていくと忘れをなくせます。

小さなことでも確認する

施主検査は引渡し前に行う重要な検査です。

ここで見落としがあると、お客さんに引き渡した際にクレームになり、大問題に発展する場合があります。

そうならないためにも、少しの疑問があれば、担当の人に聞いて確認しましょう。

施主検査で起こり得るトラブル

施主検査で起こり得るトラブル

施主検査ではさまざまなトラブルやクレームが生じます。

特に起こり得るトラブル事例は次の3つです。

  • 工事の遅れにより施主検査ができない
  • ずさんな施工で見た目が悪い
  • 図面や仕様と異なる

よくある事例を頭に入れておけば、トラブルを回避するための対策が行えるでしょう。

工事の遅れにより施主検査ができない

施主検査で起こり得るトラブルのひとつ目は、工事の遅れが原因で起きる問題です。

施工が間に合わず、施主検査ができないといったケースになります。

では、何が原因で工事に遅れが出るのでしょうか。

工事が遅れる原因

工事が遅れてしまう原因は次の通りです。

  • 天候不良
  • 資材や建材の供給ミス、遅れ
  • 施工ミスが頻発した
  • 施主からの追加・変更に追われた

項目ごとに解説します。

<天候不良>

予想外の天候不良で完成が遅れてしまう場合です。

トラブルを回避するためには、天候状態を想定した十分な工程期間の設定が必要になります。

<資材や建材の供給ミス、遅れ>

大規模災害や海外での紛争など不安定な社会情勢によって、資材や建材の供給が遅れて工事が間に合わないケースです。

遅延の原因が災害などのやむを得ない事情であれば、施主検査の時期を伸ばしてもらえる可能性も高いでしょう

<施工ミスが頻発した>

頻発した施工ミスへの補修に手間取り、工事が遅れてしまう場合もあります。

工程に遅れが生じるときには、早めに施主に相談しましょう。

<施主からの追加・変更に追われた>

工事開始後に施主から追加や変更工事を求められて、工事が遅れてしまうケースです。

施主から直接、現場の職人に指示をしていた場合、現場と建築会社との間で認識にズレが生じてしまいます。

その結果、工程を遅らせてしまう場合があるため、社内で情報共有を行ってリアルタイムで現場状況を把握することが大切です。

工事未完成によるトラブル

工事の遅れで施工が未完成なら、施主検査を延期して完成後に再検査をすべきですが、未完成であっても引き渡そうとする工務店も稀に存在します。

私がマンションを購入した際の施主検査では、タイルへのコーキング忘れやオプション設備の取り付けに不備がありました。

また、戸建住宅を購入時の施主検査では、トイレの換気レジスターが未施工でした。

このように身近なところでもトラブルは存在しています。

施主や買主にマイナスイメージを与えないためにも、施主検査までに工事が完成できないのであれば、早めに打ち合わせを行って工期を伸ばしてもらうなどの対策が必要です。

ずさんな施工で見た目が悪い

仕様書通りの施工が行われていてもキズや汚れがあったり、ドアがスムーズに開け閉めできなかったりとずさんな施工で見た目が悪ければ、クレームやトラブルの原因になります。

見栄えが雑であれば、「目に見えない箇所の施工もいい加減なのでは?」と施主は不安に感じてしまうのではないでしょうか。

一旦、不安に感じてしまうと、「性能に影響はありません」や「施工に問題ありません」などと説明してもなかなか理解してもらえません。

施主との関係に亀裂が生じないよう、最終の仕上げ工事に至るまで丁寧な施工を心がけましょう

図面や仕様と異なる

図面や仕様と異なる場合もトラブルの要因となります。

具体的には次のような施工不具合です。

  • 建具やフローリングが仕様書と違う
  • 窓の位置が図面と違う
  • ペーパーホルダーやタオル掛けの取り付け位置が違う

実際に私もペーパーホルダーの取り付け位置を間違えていたことや手すりの高さを誤って施工してしまったという失敗経験があります。

施主からの指摘で間違いに気づくという大失態をしでかしましたが、パテ埋めやクロスの張り替えをして、正しい位置に取り付けをし直すことで施主検査をパスできました。

失敗の原因は思い込みや勘違い、図面のみ過ごしといったヒューマンエラーです。

人為的なミスが時間やコストのロスに加えて、施主からの信用も失いかねないため、トラブルを未然に防ぐ対策を考える必要があるでしょう。

次項では施主検査でトラブルを回避する方法について解説します。

施主検査でトラブルを回避するためには

トラブル回避

施主検査でトラブルを回避するためのポイントは以下の3つです。

  • 建設途中の様子を施主に見てもらう
  • 社内での情報共有
  • 自主検査・社内検査の徹底

上記ポイントを押さえて、施主検査に臨めばトラブルを回避できるでしょう

建設途中の様子を施主に見てもらう

建設途中の様子を施主に見てもらえれば、完成後に見えなくなる内部構造や現場の状況を確認してもらえます

完成後の施主検査では構造材や断熱材、下地材などを点検できません。

そのため、施主は以下のような不安が付きまといます。

  • 断熱材が乱雑に設置されていないか
  • 補強金具が適切に使用されているか
  • 現場にゴミや吸い殻が散乱していないか
  • 手抜き工事はないか
  • 家づくりに携わる職人や大工に信頼性があるか

建築途中の様子をうかがえると施主の不安感も解消できるでしょう。

現場状況に納得してもらえれば施主からの信頼を得て、工事を進めやすくなるメリットもあります。

社内での情報共有

社内で情報共有ができていると、トラブルを未然に防ぐための対策を講じることが可能です。

例えば、工期が短く毎日作業に追われている現場や工事の遅延により予定通り進んでいない現場があるとします。

早期に工事の遅れがわかっていれば、

  • 職人を追加する
  • 他の現場を調整して職人を手配する
  • 施主と工期の相談・打ち合わせをする

などの対応が取れるのではないでしょうか。

一方、情報共有ができておらず、施主検査が間近になった頃に工期遅れがわかった場合、慌てて職人を集めても間に合わず、施主からの信用を失う可能性もあるでしょう。

そのため、社内で情報共有を徹底して、工程管理や現場管理をリアルタイムで行うことが大切です。

自主検査・社内検査の徹底

施主検査でトラブルを回避するためには、クレームが起きないような施工を心がけることしかありません。

そのためには自主検査や社内検査を徹底して、施主の目線を想定した厳しいチェックを繰り返すことが重要になります。

全てをくまなくチェックすることは大変ですが、作業後に毎日確認する癖をつけていれば施工ミスの減少につながるでしょう。

私の場合は日々の施工後に、

  • 取り付け位置に間違いはないか
  • 図面通りに仕上がっているか
  • キズや汚れはないか

などをチェックする自主検査を習慣づけたことで、クレーム数が大幅に少なくなりました。

ひとりの目で見るよりも、多くの目で見る方が問題点を発見しやすいため、社内検査をしっかりと行って施主検査でのトラブルを回避しましょう。

まとめ【施主検査の目的を理解して検査しましょう】

本記事では施主検査の概要とよくあるトラブル、トラブルを起こさないポイントについて解説しました。

施主検査は施主自らが建築物の仕上がり具合を確認する大切な場です。

そのため、準備を怠るとトラブルやクレームを受ける可能性があります。

私の経験上、定期的に清掃が行われ、整理整頓が行き届いた美しい現場は、工事の遅れが少ないだけでなく、怪我や事故の発生率も少ないように感じます。

施主検査でトラブルを回避する手立ても大切ですが、常に現場をきれいな状態に保ち、働きやすい職場づくりを行うことも忘れずに日々の作業に努めていきましょう。

 

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