Column コラム

工期短縮につながる具体的な方法!メリットや原価削減との関係について

2023.06.16

コラム

わが国の経済成長を下支えし、豊かで快適な生活に寄与する建設業。

働き方改革や生産性向上、人手不足など多くの課題を抱えるなか、昨今では工期短縮を迫られる場面も増えています。

  • なぜ工期短縮が必要なのか
  • 工期を早めるための具体的な方法とは

といった疑問に答えるべく、本記事では工期短縮の概要やメリット、工期短縮を実現するための方法、原価削減との関係についてわかりやすく解説しています。

施工管理や工程管理をレベルアップさせるための参考にしてください。

工期短縮とは

工期短縮とは読んで字のごとく、工事開始から完成に至る工事期間を短くする意味があり、建設業界でよく使われる言葉です。

昨今では働き方改革や建設DX、生産性向上などへの取り組みが推進され、工期短縮を要望する施主も増えています

競合他社にはないセールスポイントや安定した受注を獲得するためにも、工期短縮は大切な取り組みです。

工期短縮が必要な理由

工期短縮の実現は施主と工務店双方に大きなメリットがあります。

工期が短くなれば、現場での労働時間も短くなるため人件費の削減につながり、重機や工事車両に支払う費用も安くなるでしょう。

発注側としては発注費が抑えられ、工務店側としては同業他社との競争力を強化できます

さらに工期短縮の達成には、設計側と施工側がしっかりと意思疎通を図る必要があるため、協力しあえる体制を築ける点も大きなメリットです。

工事に取り掛かる前から、工期短縮を念頭に置いた工程を作成していれば、工事途中で大きな変更を加える必要もなく、現場での作業もスムーズに進みやすくなります。

施主と工務店にとって多くのメリットを享受できる工期短縮への取り組みは、有効な手段といえるでしょう。

工期短縮で得られるメリット

工期短縮の実現で得られるメリットは次の4点です。

  • 原価削減
  • 生産性の向上
  • 競争力アップ
  • 協力体制が生まれる

項目ごとに見ていきましょう。

工期短縮のメリット①:原価削減

工期を短縮できれば工事に関するあらゆる原価を削減できます。

例えば、人件費の削減や仮設費の節約、重機や建設車両のリース費用削減などです。

建築工事ではあらかじめ積算した条件や発注計画をもとに工期が設定されます。

また、工事請負代金は工期と建設従事者の賃金単価から計上されるため、工期が長くなると損失が生じる恐れがあります。

しかし、工期短縮が実現できれば原価削減が可能です。

工事原価が削減すれば利益増大につながるため、建設業にとって非常に大きな取り組みといえるでしょう。

工期短縮のメリット②:生産性の向上

建築工事は事前に作成した工程計画をもとに、現場作業員と協力して進めていきます。

計画がずさんな場合、現場での動線も悪くなり工程にムダが生まれるかもしれません。

しかし、工期短縮の実現を目標にして工程を組めば、作業も効率的に進められるため生産性が向上します。

生産性が向上すれば、短時間で高品質な作業も可能となり、長時間労働の是正や働き方改革にも有効です。

以上のような職場環境や労働環境の改善によって、新たな人材確保につながる可能性もあるでしょう。

工期短縮のメリット③:競争力アップ

短い期間で施工を完成できることは建設業にとって大きな強みです。

発注者のなかには少しでも早く建築物を使用したいという方も多く、工期を短縮できれば近隣住民とのトラブル減にもつながります。

工期短縮で工事原価を抑えた実績は、発注者にとっても魅力です。

複数の工務店と相見積もりをしている発注者に対して、工期短縮の実績を提示できれば受注決定のポイントになるでしょう。

工期短縮のメリット④:協力体制が生まれる

工期短縮の実現には発注者や施工業者、設計事務所など建築工事に関わる人々との協力体制が必須です。

関係者同士が足並みを揃えて、綿密なコミュニケーションを交わしながら、協力体制を構築しなければ工期短縮は実現できません

この協力体制は限定的な関係ではなく、今後の建築工事で効率的に工期短縮するうえで非常に重要な関わりです。

切っても切れない協力体制づくりは、建築業者にとって大きな資産となり得ます。

密な協力体制を整えていれば、工事途中の設計や仕様変更などが発生するリスクを避けることが可能です。

工期短縮につながる効果的な方法

工期短縮を実現するためにはムダの排除が大切です。

そのための具体的な方法を5つ紹介します。

  • 構法の工夫と改善
  • 工法の工夫と改善
  • 並行作業の導入
  • 実働時間の延長
  • 業務のIT化

それぞれの方法について解説していきます。

構法の工夫と改善

構法とは、

  • どのような資材を用いて施工するのか
  • どのような構造で設計するのか

といった建築物全体の構成方法や組み合わせ方を指します。

この構法の見直し・変更により、工程を減らしたり資材の納入を早くしたりすることが可能です。

具体的な工夫と改善例を紹介しましょう。

  • 簡単に購入できる(納期が早い)資材に変更する
  • 部材や製品、資材を工場でユニット化(一体化)する
  • 事前処理が要らない資材に変更する
  • 部品の総数を少なくする
  • 現場での作業工程を少なくする
  • 天候に左右されない構法を工夫する

建築物に差し障りのない範囲で、工程や作業時間を削減する工夫や改善を実行すれば、工期短縮が見込めます

工法の工夫と改善

工法とは、木造軸組や2×4などの施工技術や作業方法、施工のやり方のことです。

住宅構造を決定づける重要な要素で、建築物の性能や外観、間取り、コストなどに影響を与えます。

作業を効率化できる工法の見直しや変更も工期短縮には重要です。

具体的な工夫と改善例を紹介しましょう。

  • 機械やロボットを導入して効率化する
  • 作業の一部をアウトソーシングして現場での作業を少なくする
  • 鉄筋のユニット化やコンクリート部材のPC化、部材のプレカット化などの合理化
  • 適切な工程・施工管理(工期配分や工区区分などの合理化)の実施

省力化工法を選ぶなど作業効率が向上すれば、大幅な工期短縮が期待できます。

ただし、ロボットの導入やアウトソーシングにはコストが伴います

そのため工法の改善に際しては、コスト面と利益とのバランスを考慮して検討してください。

並行作業の導入

並行作業とはひとつの作業をしながら、同時に別の作業を並行的に行うことです。

同時並行的に作業を進めることで工期を短縮できます。

よく言われる例えに「ご飯を炊きながらカレーを作る」がありますが、この例は並行作業のイメージをよく捉えているのではないでしょうか。

私もよく現場で並行作業していました。

設備機器の取り付け位置をケガきながら、次の工程で取り付ける商品を配るなどの単純な同時作業でしたが、取り付け箇所が多かったので工程短縮には効果的でした。

しかし、どの工程においても並行作業が有効というわけではなく、逆に作業効率を低下させてしまう場合もあります。

並行作業を取り入れる際には、作業動線や前後の工程の流れに問題点がないかなど、十分に検討してから導入するように心がけましょう

実働時間の延長

実働時間を伸ばすことでも工期を短縮できます。

俗にいう突貫工事です。

例えば、1日8時間の作業で5日間かかる工程を毎日10時間に延長すれば、4日間で作業が終了します。

土日が休みの場合は休日出勤して、作業工程を先に進めるなどもひとつの方法です。

ただし、実働時間を伸ばせば、その分人件費が増えてしまいますし、作業が夜間になれば照明費用なども必要になります。

また、休日返上での作業を繰り返すと、従業員のモチベーション低下や作業品質にまで影響を及ぼすため注意が必要です

突貫工事は何度も経験しましたが、精神的にも肉体的にもかなり追い込まれるため、従業員の体と心のケアには十分配慮してください。

業務のIT化

施工管理や工程管理にアナログな手法を用いていると、作業時間や手間がかかりミスも起こりやすくなります。

効率よくムダを省いて工期短縮を実現するには、次のような業務のIT化が有効です。

  • 工程管理システム
  • 業務管理システム
  • 施工管理システム
  • 情報共有ツール
  • 積算見積ソフト

アナログな業務をIT技術によってデジタル化すれば、迅速かつ正確な作業やリアルタイムで工程状況を把握できるなど、施工全体の効率化が実現できます。

IT化にはコストを要しますが、長期的な視野を持って前向きに導入を検討してみましょう

IT導入に際して国では「IT導入補助金」を設置して、中小企業や小規模事業者を支援しています。

工期短縮は必ずしも原価削減につながらない

工期短縮への取り組みで、資材の運搬費用や仮設費用、防音対策費などの間接工事費を削減できます

しかし、労務費や光熱費、電気代、外注費などの直接工事費が増えるので、工期短縮が必ずしも原価削減につながらない点に注意が必要です。

工期短縮が必要な突貫工事を受けていたときには、多くの作業員を追加して夜遅くまで休日返上で作業していました。

工期は注ぎ込んだ労働力のおかげで短縮できましたが、雇い入れた作業員の賃金や残業代、募集経費などを支払わなければいけません。

多くのメリットが魅力の工期短縮を推進する工務店も多くみられますが、原価と利益のバランスに注意して取り組むことが大切です。

まとめ

本記事では工期短縮の概要やメリット、工期短縮を実現するための方法について解説しました。

工期短縮が実現できれば、コスト削減や競争力アップ、協力体制の構築などさまざまなメリットが得られます。

工期短縮に取り組む際には次の点に注意して進めてください。

  • 適切な労働環境と安全面を確保する
  • 無理のない範囲で工期短縮を実行する

工期を短縮するために劣悪な労働環境になっていては本末転倒。

無理な工程の場合には潔く断ることも必要です。

以上を踏まえたうえで工期短縮に取り組み、生産性向上や適切な労働環境づくりを目指しましょう。

 

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