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太陽光パネルの寿命はどれくらい?長持ちさせるコツと問題について解説

2023.05.09

コラム

昨今では節電対策や環境への配慮から、導入する方が増えている太陽光パネル。

2030年度には太陽光パネルを設置する住宅は520万戸となり、普及率は9.7%と予測されています。

普及が広がる太陽光パネルですが、導入を検討する際には「寿命」が気になるところです。

太陽光パネルの寿命は一体どれくらいなのでしょうか。

本記事では太陽光パネルの寿命と長持ちさせるコツについて詳しく解説しています。

太陽光パネルの寿命は何年?

太陽光パネルの寿命には減価償却に関連する「法定耐用年数」とおよその使用可能期間を示す「期待寿命」があります。

それぞれの寿命について概要と年数を解説します。

さらに太陽光パネルで発生した電気を変換するパワーコンディショナーの寿命についても紹介するので参考にしてください。

国税庁が設定する法定耐用年数は17年

太陽光パネルなどの機械設備には減価償却を評価する「法定耐用年数」が定められています。

機械設備は使用年数によって、資産価値が減少します。

この資産は「減価償却資産」と呼ばれ、設備の取得費用を一定期間、必要経費として計上できます。

太陽光パネルの場合、国税庁が設定する法定耐用年数は17年です。

法定耐用年数は太陽光パネルが使用できなくなる期間ではなく、あくまで減価償却できる期間についてです。

実際に使用できる期間は法定耐用年数よりも長期に及ぶケースがほとんどでしょう。

期待寿命は30年以上

太陽光パネルが使用できる期間は30年以上と推測されています。

というのも、太陽光パネルが製造され、一般的に普及が始まってから10年ほどと歴史が浅く、寿命に関するデータが十分に揃っていません

まだ、平均的な数値も明確化されていませんが、国内で30年以上発電を続けている事例があります。

例えば、奈良県高取町にある西国観音霊場「壺阪寺」では、30年以上前に設置した太陽光パネルが今なお稼働しています。

また、千葉県の「佐倉ソーラーセンター」でも35年以上の稼働実績があり、40年以上の稼働を目指す企業も増えている現状です。

将来的にパネル設備や修理・メンテナンス技術が発展すれば、さらに高寿命が期待できます。

パワーコンディショナーの寿命は10年から15年

パワーコンディショナーは家庭で利用するために交流電力へ変換したり、売電用に電圧を変換したりなど、太陽光パネルの機能を活かす役割があります。

パワーコンディショナーは可動部が多いため、家電設備と同程度で寿命は10年から15年です。

太陽光パネルと同様に使用状況や定期的なメンテナンスを行えば、寿命が伸びる可能性があります。

パワーコンディショナーにトラブルが起きれば、太陽光パネルで発電した電力を使用できなくなるため、不具合がある場合は早期点検をおすすめしましょう。

太陽光パネルの寿命で起こり得る問題

太陽光パネルの寿命が近づいてくると次のような問題やリスクが起こり得ます。

  • 発電効率が低下する
  • 周辺機器の劣化や破損
  • 廃棄費用が必要
  • メンテナンスや修繕費用が必要

太陽光パネルをおすすめする際には、上記の問題点やリスクについても詳しく説明しておきましょう。

では、項目ごとに解説します。

発電効率が低下する

太陽光パネルを長期的に使用し続けていると発電効率が悪くなったり、パネル内部の電気回路や配線が劣化して、発電量が低下したりなどのトラブルが起きる可能性があります。

トラブルを回避するためにはモニターをチェックして、発電量に異常がないか毎日確認することがおすすめです。

太陽光パネルから供給される電気を売電させる場合、発電量が低下すれば収益の低下につながるため、異常を発見したら業者に点検を依頼しましょう。

周辺機器の劣化や破損

前述のように太陽光パネルの寿命が近づけば、発電効率や発電量が減少しますが、すぐに作動しなくなるわけではありません。

しかし、太陽光パネルを長期使用していると以下の問題が発生します。

  • パネル内部の電気回路や配線の劣化や腐食、はんだ剥離
  • 飛来物や倒木による破損
  • 鳥のフンや蜂の巣、雨風、黄砂などによる汚れ

また、周辺機器であるパワーコンディショナーも経年劣化により、

  • 電子基板の故障
  • 冷却ファンの不具合
  • 換気フィルターの目詰まり
  • 雨水の入り込み

などの問題が発生し、部品交換が必要な場合があります。

廃棄費用が必要

台風や大雪などの災害または飛来物が当たって太陽光パネルが破損した場合、修理で治ればいいのですが、修理ができないときにはパネル設備を廃棄しなければいけません。

太陽光パネルの設置作業や取り外しは、電気工事士などの資格を持った専門業者に依頼します。

そのため、太陽光パネルを廃棄するためには人件費のほかに足場代や撤去費用が必要です。

さらに、太陽光パネルを処分するための廃棄費用がかかることを理解しておきましょう。

メンテナンスや修繕費用が必要

太陽光パネルや周辺機器を長期間使用すると、どうしても経年劣化は否めません。

1日でも長く効果的に使用するためには定期的なメンテナンスやときには修繕費用をかけて、太陽光パネルのコンディションを良好に保つ必要があります。

2017年に改正FIT法が施行され、太陽光パネルの定期メンテナンスが義務化されました。

点検費用の負担はありますが、寿命を伸ばすための必要経費といえるでしょう。

太陽光パネルを長持ちさせるコツ

太陽光パネルの設置には多額の費用を要します。

そのため、顧客には可能な限り長く使用していただきたいものです。

20年から30年使える長寿命の太陽光パネルですが、さらに長持ちさせるためには点検やメンテナンスは欠かせません。

1日でも長く太陽光パネルを利用するためのコツについて解説します。

定期点検とメンテナンス

太陽光パネルはメンテナンスフリーといわれることもありますが、定期的なメンテナンスを怠ると、思わぬトラブルを招きかねません。

2017年施行の改正FIT法で義務化された太陽光パネルのメンテナンス。4年に1回以上の定期点検が推奨されています。

メンテナンス費用は1回1万から2万円が相場です。

太陽光パネルの破損や接続部のゆるみやガタつき、腐食がないかなどのチェックや電流値の測定などが施されます。

定期的に専門業者による点検や修理を依頼しましょう。

メーカー保証の活用

太陽光パネルには会社によって異なりますが、10年から20年のメーカー保証がついており、トラブルや故障が生じたときに、無償で点検や修理をしてもらえます

通常のメーカー保証以外にも、

  • 落雷や台風などによる損害を補償する「自然災害補償」
  • 工事中のトラブルを補償する「施工保証」

などを用意しているメーカーもあるので、顧客の希望に沿ったサービスをおすすめしましょう。

ただし、メーカーから認定を受けていない業者による修理や顧客自身が不適切な修理をした場合には、メーカー保証が受けられなくなるため注意が必要です。

定期的なメンテナンスとメーカー保証を上手く利用すれば、長期間安心して使用できます。

こまめなモニターチェック

太陽光パネルを長期間使用していると発電量が減少する場合があります。

早期発見するためにも、毎日モニターを確認して発電量に問題がないかチェックしましょう。

太陽光パネルの発電量は季節によって変動がみられますが、発電量に異常を感じた場合には故障の可能性があります。

モニターを毎日チェックする習慣をつけておけば、故障が起きる兆候や現象、原因を早期に把握でき、トラブルの早期発見にもつながります

太陽光パネルを正しく廃棄するには

太陽光パネルにはカドミウムや鉛、セレンなどの有害物質を含んでいるため、産業廃棄物として正しく処分する必要があります。

撤去する際には、適切な方法で廃棄しましょう。

廃棄業者が問題点を認識する

太陽光パネルの廃棄問題は、販売するメーカーや撤去する業者、産業廃棄物処理業者が企業モラルをしっかりと持って取り組む必要があります。

企業モラルが欠如していれば廃棄にかかる処分費用を浮かせるために、不法投棄する業者もいるかもしれません。

不法投棄を行えば、罰金や懲役刑を科せられることもあるため、廃棄業者が問題点を認識して適切な処理を心がけなければいけません。

地球環境を守るためにも、国や自治体から認可された専門業者に依頼して正しく安全に廃棄してください。

有害物質を適切に処理する

太陽光パネルには人体に有害なカドミウムや鉛、セレンなどの化学物質が含有されているため、一般廃棄物として処理してはいけません。

必ず、産業廃棄物として適切に処理を行いましょう

そのため、解体や撤去、廃棄処理を行う業者は専門職としての知識やスキルが求められます。

有害物質が含まれていることを知らない業者も存在するため、太陽光パネルのメーカーによる積極的な情報提供も不可欠です。

適切に廃棄しなければ、有害物質が流出・拡散して水質汚染や土壌汚染を引き起こし、人体や生態系に大きな影響を及ぼしかねません。

太陽光パネルを廃棄する際には、専門的な知識を有した事業者に依頼してください。

リユースやリサイクルを活用する

2030年代後半には寿命を迎えた太陽光パネルが大量に廃棄されると予想されています。

大量廃棄が起きれば、最終処分場がひっ迫してしまうかもしれません。

そうならないためには、資源を有効活用できる太陽光パネルのリユースやリサイクルが必要です。

環境省は2022年5月から適切に処理できる制度を整備するために、リサイクルを義務化する検討を始めました。

また、発泡ガラスやグラスウールなど太陽光パネルを分解した素材から二次製品化する技術開発も進んでいます。

経年劣化で発電効率は落ちますが、基本的な性能に問題がなければ産業用として再利用するなど、今後はリサイクルとリユースを活用した適切な廃棄対策が求められるでしょう。

まとめ

本記事では太陽光パネルの寿命と長持ちさせるためのコツについて詳しく解説しました。

太陽光パネルの寿命は30年以上といわれ、長持ちさせるためには定期的なメンテナンスが大切になってきます。

寿命がきた場合には、専門業者に依頼して適切な方法で廃棄しなければいけません。

環境問題や電気代の高騰など、今後も太陽光パネル導入を検討する顧客が増えてくると思われます。

寿命や長持ちさせるコツをわかりやすく提案して、新規顧客の獲得につなげてください。

 

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