リフォーム会社の売上と粗利をUPさせる方法
2021.12.21
ここまでリフォーム会社の適正な粗利や粗利を確保するための方法、粗利管理の方法などについて紹介してきました。
ところで、全国のリフォーム会社の平均的な売上高はどれ位なのでしょうか。
そして、どれくらいの売上高と粗利があれば優良なリフォーム会社といえるのでしょうか。
本記事ではリフォーム会社の社員1人あたりの売上と粗利を考えると共に、売上と粗利をUPさせるための方法を紹介したいと思います。
目次
リフォーム会社の営業マン1人あたりの平均売上高はどれくらい?
リフォーム産業新聞社が経営実態調査(2016年発行)をリフォーム会社600社にした結果は次のとおりです。
- 社員1人あたりの年間売上高は4,092万円
- 粗利1,153万円
- 粗利率28%
- 工事単価80万円
一方、リフォーム会社の社員1人あたりの年間平均売上目標は、4,500~5,000万円(粗利1,200万円以上)といわれています。
ただし、営業担当者1人あたりの売上目標ではありません。
ひと月のリフォーム案件の必要数
1か月あたりの売上目標にすると、400万円前後になります。
請負金額100万円のリフォーム工事であれば毎月4本ずつ契約して、年間では45~50本の契約が必要になります。
しかし、この数字を達成するためには全ての見込み客が契約してくれることはないので、成約率を60%として毎月100万円の案件を7件程抱えていなければなりません。
これは必要な業務量を考えると、決して楽な数字ではないでしょう。実際には他にも数十万円規模のリフォーム案件も抱えているはずだからです。
社員一人あたりの経費
ハウスメーカー系リフォーム会社や大手のリフォーム会社の営業担当者であれば、請負金額500万円以上の大型リフォーム案件を抱えていることがよくあります。
そのため、1か月400万円の目標は決して難しいことではありません(新築そっくりさんの住友不動産では、年間売上1憶円以上の営業マンもそれほど珍しくはありません)が、小規模なリフォーム会社にとっては非常に厳しい数字といえます。
しかし、社員がこの数字を達成できないようであれば、リフォーム会社としての経営は非常に厳しくなってしまいます。
それは社員1人あたりの経費(給与、賞与、法定の福利厚生費等を含む)が年間1,000万円近くはかかってしまうためです。
ここで注意しなければいけないのが、年間1,000万円というのは社員1人あたりの経費であることです。
会社全体から必要なリフォームの売上高
仮に社員が5人いて1人が事務職であれば、営業担当者4人で最低でも年間5,000万円の粗利が必要になるということです。
その場合には、営業担当者1人あたり最低でも年間1,250万円(5,000万円÷4)の粗利が必要になります。
粗利率を30%とすれば、営業担当者1人あたりの売上高は4,167万円になります。
したがって、リフォーム会社の社員1人あたりの売上目標を4,500~5,000万円とするのは、会社の利益を考えればほぼ妥当な目標といえるでしょう。
優良なリフォーム会社の営業売上高、粗利とは?
社員1人あたり最低でも年間1,000万円の粗利が必要というのは、もちろん社員の給与水準や年間の広告宣伝費などにもよりますが、リフォーム会社が成長していくためには最低限必要な金額といえます。
実際に会社の年間売上高が10億円以下であっても、営業担当者1人あたりの年間平均売上高6,500万円以上、平均粗利率33%以上を実現している優良リフォーム会社も少なくありません。
リフォーム事業の拡大には売上と粗利を上げるのは必須
営業社員を置かずに口コミ、紹介、ホームページの反響、リピート受注だけで成り立っている少人数の地域密着リフォーム会社もあります。
外壁・屋根の塗装工事をメインに行っている会社が多いようですが、広告宣伝費を極力抑えて、自社の体質を変えることで固定費を削減するなどの改善を日々行っています。
会社を存続していくだけであればこれでも十分だとは思いますが、事業規模を拡大していくためには、やはり売上と粗利を伸ばしていかなければなりません。
高い粗利率を維持しながらも売上を伸ばしていくための施策が必要といえます。
リフォーム会社の売上と粗利をUPさせる方法
リフォーム会社の経営においては、次のような経費は粗利から支払います。
- 人件費
- 広告宣伝費
- 家賃
- 光熱費
- 保険料等の販管費
- 支払利息 など
そのため、売上だけ伸びても粗利が伸びなければ、最終的な利益アップにはつながりません。
例えば、1個1,000円の商品(粗利300円)を10個販売すれば売上は10,000円(粗利3,000円)です。
これを50円値引きすることで20個売れれば売上は19,000円(950円×20個)になりますが、粗利は5,000円(250円×20個)です。
結果的に売上は1.9倍になりましたが、粗利は1.66倍です。
20個販売するために人件費(残業代等)や広告宣伝費などが増加してしまえば、最終的な会社の利益は下がってしまうことにもなりかねません。
したがって、最終的な利益を伸ばすためには売上を伸ばすことも重要ですが、売上だけでなく粗利を伸ばすことにも注力することが大切です。
粗利はサービスの価値を表す指標
粗利は、自社が提供する提案やサービスが市場において「売上原価以上の価値をもっているとして受け入れられているかどうか」を判断する際の基準となります。
たとえば、同じ原価の商品(リフォーム)を他社よりも高い値段で売ることができていれば、何らかの付加価値を他社よりも上乗せできていて、顧客からもそれが認められているということになります。
では、リフォームで付加価値をつけるにはどうすればよいのでしょうか。
リフォームで付加価値をつける方法
キッチン・浴室・洗面室などの『水回り設備を交換するリフォーム』や『外壁・屋根の塗装工事』などは、単価もそれなりで一見魅力的な市場に移ります。
しかし、特別な提案力や技術力をそれほど必要としないため、熾烈な価格競争に巻き込まれる可能性が高くなります。
価格競争が激しくなれば、値引きをして受注することになってしまいます。
一方、次のような分野はそれなりのノウハウの蓄積がなければ簡単には仕掛けることができません。
- 耐震リフォーム
- 省エネ・断熱リフォーム
- デザインリフォーム
したがって競合他社に対して大きな優位性を保つことができ、価格競争にもなりにくいといえるでしょう。
このように、専門性を活かした高付加価値リフォーム商品を持つことで、粗利益アップに繋がるばかりでなく、他のリフォーム会社と異なる訴求点で売上をアップすることができるようになります。
まとめ
リフォーム会社が成長していくためには単に売上を伸ばすだけでなく、営業利益を伸ばしていくことが大切です。
そしてそのためには、高付加価値リフォーム商品を持つことが不可欠となります。
今回はリフォーム会社の売上と粗利をアップさせる方法を紹介しましたが、次の段階ではこれを正しく管理することが求められるようになります。
そのためには、管理システムの導入も検討する必要があるでしょう。
管理システムを導入することで案件ごとの粗利をリアルタイムに確認し、粗利が共有されることで担当者も常に粗利を意識するようになります。
そして最終的な営業利益アップをはかって、更なる収益体質の改善、向上を目指して欲しいと思います。
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