Column コラム

建設テックでどんな課題が解決できるのか?

2023.04.17

コラム

建設業界の課題は、

  • 作業員の高齢化問題
  • 長時間労働の是正
  • データの一元管理 など

が挙げられますが、どのように対応していくか悩んでいる経営者は多いのではないでしょうか。

そんな課題に対して期待されているのが、デジタルテクノロジーを活用した建設テックです。

建設テックを活用することで、次の建設業界の課題を解決に導くことができます。

  • 測量や現地調査の遠隔化や高精度化
  • 設計や積算の自動計算
  • 現場作業の無人化や合理化

今回の記事では、建設テックは、どのような背景で開発され、現場でどのように活用されているか、また、現在の建設テック技術の種類、どのような課題が解決できるのかを詳しく紹介します。

建設テックとは

建設テックとは、建設業界にITなどのデジタルテクノロジーを導入し、人手不足や労働時間管理などの問題を解決するためのツールとして開発されたものです。

建設テックを詳しく知るためには、まずは以下3点を理解することが重要です。

  • 背景とニーズ
  • 建設業界での導入状況
  • 建設テックの市場規模

背景とニーズ

建設テックが進められる背景には、建設業界における人手不足や、労働環境の改善、若手の育成が進んでいないことがあります。

また、建設現場での労働環境は朝早く夜遅くまでの作業や、重労働など作業員の負担が大きいイメージがあり、建設業界へ優秀な人材が魅力を持てないといった問題もあります。

建設テックに求められるニーズについては以下の5点が挙げられます。

  • 無人化作業などによる人手不足の解消
  • 業務の自動化や効率化による生産性、労働環境の改善
  • データ管理による人材育成の効率化
  • AI技術の導入による現場の安全性の向上
  • カーボンニュートラルへの対応

導入状況

建設業界でのAIやIOT等のデジタルテクノロジーの導入状況については、大手企業は様々な技術を取り入れ進んでいるように見えますが、中小企業については、まだまだ進んでいないのが実情です。

中小企業の建設テック導入を阻む理由は以下の3点が挙げられます。

  • 導入費用が高額なものが多く費用対効果が見込めない
  • 建設は一品生産であるという因習的思考
  • 従業員の高齢化

体力のある大手企業であれば、建設テックを導入する費用や、実際に使われるまでの社内教育などの費用に対して大きな問題にはなりません。

中小企業の場合は回収が見込めるかどうか不明確なものへ投資することが非常にハードルが高くなります

また、建設は一品生産性であるという昔からの思い込みがシステム化や効率化への導入を阻む理由になっています。

建設テックの市場規模

建築経済研究所の「建設経済モデルによる建設投資の見通し」では、2022年度は67兆 6,200億円、2023年度は69兆9,000億円と、前年度を上回る水準で推移しているといわれております。

参照元:建設経済モデルによる建設投資の見通し

 

大きな市場規模をもつ建設業界で、建設テック市場についても、2019年度で143.0億円、2020年度には183.0億円と大きく成長しています。

また、2024年4月からの改正労働基準法による建設業に対する残業上限規制の義務化や、これから建設される大阪万博やリニア新幹線などが後押しし、更に大きな成長が見込まれています

参照元:日本経済新聞(2021年06月07日付記事)

建設テックで解決が期待される技術

建設テックで解決が期待される技術としては、直ぐに業務の効率化につながる測量調査の技術や、AIなどのロボットを活用した無人化や合理化のできる技術です。

それは、建設業界の人手不足、高齢化の問題が深刻化を増しており、早期の解決が期待されている技術であるからです。

具体的には、以下の3点が建設テックで期待されている技術です。

  • 測量・調査の遠隔化・高精度化
  • 設計・積算の自動化
  • 人力施工の無人化・合理化

測量・調査の遠隔化・高精度化

測量や調査の作業をロボットなどを活用し遠隔化作業により、安全性の確保と人員不足の解消につなげることができます。

さらに、高性能なレーダーを使用することで、測量データの高精度化を図り業務の効率化を図ります。

建設現場では、建設後の維持管理のため、建設前から建設完成まで常に測量及び調査による報告書の作成作業が必要とされます。

従来の測量作業としては、各工程ごとにトータルステーションやレーダースキャナーを各地点へ設置作業をします。

そのため、高所であれば足場や高所作業車などを事前に準備した上で作業に取り掛かる必要がありました。

それがドローンなどのロボット技術による遠隔化作業が可能となり、作業員の安全性が確保され、少ない人数で対応が可能となりました。

測量・調査の遠隔化・高精度化に活用するデバイスの代表的なもの
  • 高性能ドローン
  • 高精度レーダースキャナー
  • 高精度トータルステーション
測量・調査の遠隔化・高精度化に活用するソフトの代表的なものは
  • 点群解析ソフト
  • 点群処理ソフト
  • 点群マッチングソフト

設計・積算の自動化

建設業界の設計・積算の自動化は、人手不足の解消や業務の効率化という観点で、今後さらに進めていかなければならない技術の1つです。

設計・積算の自動化を進める技術として、国を上げて取り組んでいるのがBIMです。

BIMは、ビルディング インフォメーション モデリングの略称です。

コンピューター上に現実と同じ建物を立体モデルで再現し、環境シミュレーションの自動化や、数量の自動計算などを行える技術です。

建設業界は、他の医療や自動車産業などと異なり、現場での一品生産となることが大きな特徴です。

他の産業のように大量生産やシステム化が難しい産業であり、設計・積算の作業も毎回1から作成していく非常に時間のようすることが課題でありました。

それら一品生産での作業の効率を高めるため、現実と同じ建物を立体モデルで再現し設計で必要となるシミュレーションや、積算での数量自動算出を行える技術としてBIMが注目されています。

BIMでできる効率化作業
  • 日影計算や斜線制限などの法令自動計算
  • 風や光などの環境シミュレーション
  • 積算数量の自動計算

人力施工の無人化・合理化

AI技術やロボットを導入することで、従来、建設現場では高所での危険作業や、重労働であった人力施工が、無人化や合理化することが可能となってきました。

現場では何より安全第一で作業が進められるため、安全確保の為の仮設足場や養生、高所作業車など、作業に入る前の段階でも人手の要していました。

しかし、ロボットの導入により、作業の効率化だけでなく、安全確保の観点でも大きなメリットとなります。

人力施工の無人化・合理化の具体例としては以下の技術があります。

  • 空撮による点群調査ドローン
  • 高層ビルの外壁調査ドローン
  • 溶接技術を搭載したロボット
  • 天井に内装材を貼り付けるロボットなど

建設テックを活用したい技術

現在建設業界では、高齢化や人手不足の問題解決は急務でありますが、建設テックは費用や技術教育などのハードルが高くなかなか進めていないのが現状です。

ただし、比較的費用も安く導入のハードルがそれ程高くない技術もあり、導入事例も多くあり、すぐにでも現場で活用できるものもあります。

すぐにでも建設テックを活用したい技術として以下の3点が挙げられます。

  • 施工管理(写真や書類)のデータ化・自動化
  • 設計・施工データの共有、合理化
  • 積算の自動化

施工管理(写真や書類)のデータ化・自動化

建設現場では、次のような膨大な資料の整理が必要となりますが、それらをIT技術を活用し自動的に整理・一元管理できるアプリがあります。

  • 施工前写真
  • 各工程ごとの写真
  • 各工事の図面や報告書 など

一般的には施工管理アプリといわれ、クラウドサービスを利用することで莫大な情報量でも、タブレットなどの端末でネットを経由し、複数人の関係者が同じ情報を共有することが可能となります。

従来の写真や図面は紙ベースだったものが、データでの取り扱いとなることで打出し作業やファイリング作業が不要となり、業務効率化につながります。

また、写真や図面のデータをアプリ内で一元管理することで、複数の関係者と情報を共有することが可能です。

従来のように、写真や図面を打出して郵送したり、各担当者へメールして説明するなどの作業を効率化することができます。

施工管理アプリは比較的導入費も安価で、特別な技術も要しないため、すぐに活用する建設テックとしてはハードルの低い部類に入ります。

施工管理アプリとして、代表的なものは以下のものがあります。

  • ANDPAD(株式会社アンドパッド)
  • ダンドリワーク(株式会社ダンドリワーク)
  • Kizuku(コムテックス株式会社)
  • 現場ポケット(株式会社アステックペイント)
  • クラフタ(株式会社グローバ)
  • KANNA(株式会社アルダグラム)

設計・施工データの共有、合理化

従来は設計図と施工図、別々に作成されてきましたが、同じBIMデータを共有することで業務の合理化を図ることが進められています。

設計図の中でも意匠図・構造図・電気図・機械図など複数の異なるデータで図面が作成され、施工図についても、各工種ごとに別業者が別のCADで作成されています。

これらの複数にまたがる情報は、一旦すべて紙ベースで打出し、整理するしか方法はありませんでした。

莫大な量の図面枚数となり、すべてを管理・整理するのは非常に時間を要する作業です。

設計図の中でも分野が分かれている意匠図・構造図・電気図・機械図の情報をBIMデータで一元管理し、そのデータを施工に引き継ぎ、更に完成後の維持管理にまで活用することでBIM本来の目指すべき姿ではあります。

まずは、設計図のデータをBIM化し、複数にまたがる異業種の情報を一元管理することで、問題点の可視化が図ることができます。

図面間の不整合なども少なくなることで業務の効率化に繫げることが可能となります。

積算の自動化

建設業界における積算業務は、フェーズに応じて何度も計算しなおす作業が必要で、これら作業を自動的に算出できるBIMを活用することで業務の効率化につなげることができます。

建設業界では、基本設計段階、実施設計段階、施工段階、完成時などフェーズごとに図面を作成し、その図面に応じた部材の数量積算を行います。

従来は基本設計から完成までの各フェーズは、それぞれ1から図面を作成するだけでなく、数量を算出するための図面も作成することもあり時間を要するものでした。

BIMを活用することで、基本設計から実施設計まで1つのデータで管理でき、さらに部材数量を自動計算することができます。

まとめ

建設テックを活用することで、建設業界で課題となっている、作業員の高齢化問題、長時間労働の是正に対して、測量や現地調査の遠隔化や高精度化、設計や積算の自動計算、現場作業の無人化や合理化により解決することができます。

建設テック導入にあたり、ネックとなっている費用や社内教育については、現在比較的安価に導入できる施工管理アプリやドローンなども開発され、難しい技術を要せずにすぐに取り入れることも可能です。

また、データをクラウドで管理することにより莫大な情報も、現場でタブレットなどで確認することができ、業務の効率化に繋がるだけでなく、データ整理を行うことで技術の継承にも活用することができます。

 

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