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業者情報をひとつにまとめた安全書類!施工体制台帳とは?

2023.09.22

コラム

施工体制台帳にどのような事項を記載するかご存知でしょうか。

施工体制台帳は、建設業法で元請業者である建設業者が作成を義務付けられています。

施工体制台帳には、業者の情報が記載され、帳簿として工事完了後も保管が義務付けられています。

本記事では、施工体制台帳とは何なのか、建設業法の改正などを踏まえた建設業界の現状をお伝えします。

施工体制台帳とは

施工体制台帳とは、工事に関係する元請けや下請けの業者の情報をひとつにまとめた安全書類です。

建設業法第24項の7「施工体制台帳及び施工体系図の作成等」により、作成が必要な工事の範囲や記載すべき内容、保管に関することまでが定められています。

施工体制台帳は、下請負人ごとにまとめられ、工事の施工分担が明らかになるよう作成しなければならないとされています。

施工体制台帳の作成義務

施工体制台帳の作成が義務化されるのは、工事の規模や種別により定められています。

作成を義務付けられているのは、元請負人(発注者から工事を請け負った建設業者)です。

工事種別

公共工事では、請負金額の定めなく発注者から直接工事を請け負った下請契約を締結したときに作成しなければなりません。

作成した施工体制台帳の写しを発注者へ提出しなければなりません。

 

民間工事(公共工事以外の建設工事)では、下請契約の請負金額4,500万円以上建築一式工事の場合7,000万円以上となった場合に、施工体制台帳の作成が義務付けられています。

令和4年の改正により、施工体制台帳の作成を義務付ける請負金額が4,000万円(建築一式は6,000万円)から引き上げられ、令和5年1月1日より施行されています。

民間工事では、発注者の求めがあったときは、据え置かれた施工体制台帳を、閲覧に供さななければなりません。

作成者

施工体制台帳の作成義務があるのは、発注者から直接建設工事を請け負った建設業者である元請負人です。

施工品質や安全管理などのトラブル防止や、建設工事を適切に行うことを目的に、施工体制台帳の作成が義務化されています。

施工体制台帳の提出・掲示・保管

作成した施工体制台帳は、工事期間中は現場内に保管します。

公共工事では、写しを発注者へ提出します。

提出期限は、工事の着工前です。

民間工事では、発注者からの求めがあれば、閲覧に供しなければなりません。

工事完了後は、帳簿の添付書類として、5年間の保管義務があります。

施工体制台帳に記載すること

施工体制台帳は、1つの下請契約につき1つの台帳を作成します。

施工体制台帳には定められた書式はありませんが、広く使用されている「全建統一様式」を参考に解説していきます。

施工体制台帳(作成例)

左半分には元請業者の情報、右半分に下請業者の情報を記載します。

下請業者の情報の記載方法は、元請業者の情報の記載方法に準じます。

参考:国土交通省HP(施工体制台帳、施工体系図等)

会社名・事業所名とID

元請業者の会社名と事業者IDを記載します。

事業者IDとは、建設キャリアアップシステムに登録されている事業者IDを記載します。

事業所名は、現場事務所などの作業所名を記載し、現場で建設キャリアアップシステムへ登録されている場合は、IDを記載します。

建設業許可の種類

元請業者が保有している建設業の許可を、全て記載します。

許可業種名は、略称でも問題ありません。

工事名称・発注者名・工期・契約日

元請業者が請け負った工事名称や建設する工事の概要、工種等を記載します。

発注者の氏名や住所、発注者と契約した契約日も記載します。

工期は、工事開始日(自)から工事終了日(至)を記入します。

契約営業所

本社と契約を行った場合でも、各地方の支店や営業所などが実際に工事を担当することがあります。

この場合、本社と支店や営業所との間で、下請契約が締結される形式となります。

元請契約:工事請負契約書で発注者と契約を締結した会社

下請契約:下請負契約を締結した支店や営業所

健康保険等の加入状況

元請業者が、健康保険・厚生年金保険・雇用保険に加入しているかどうかを記載します。

「加入」とは、会社や営業所などで加入の届出を行っている状態を指します。

「未加入」は、社会保険の適用に関する届出を行っていない状態を指します。

「適用除外」は、加入義務がない状態をいいます。

健康保険については、加入している保険組合名称、あるいは事業所整理記号を記載します。

厚生年金保険についても、事業所整理記号及び整理番号を記入します。

雇用保険については、労働保険番号を記入します。

発注者の監督員名など

発注者の監督員とは、発注者の代理人として工事の施工状況を監督する者です。

「発注者の監督員名」には、発注者の主任監督員の氏名を記載します。

発注者の権限及び意見申出方法には、工事請負契約書に記載されている内容を記入します。

監督員名・現場代理人名など

「監督員名」には、一次請負業者を監督するための監督員の氏名を記載します。

現場代理人とは、元請業者が設置する工事現場における一切の責任を負う者のことで、現場所長や工事所長などと呼ばれています。

監理技術者名・主任技術者名

建設業許可を受けた業者は、全ての工事について現場に主任技術者を配置しなければなりません。

特定建設業許可を必要とする工事においては、元請業者から監理技術者を配置する必要があります。

 

監理技術者の資格要件については、下記をご覧ください。

資格要件 | 一般財団法人 建設業技術者センター

専門技術者名

専門技術者を配置する場合、氏名・資格内容・専門技術者が担当する工事内容をそれぞれ記載します。

専門技術者は「主任技術者」の条件を満たしている必要があります。

「資格内容」には、主任技術者を記入します。

「担当する工事内容」には、専門工事の内容を記入します。

専門工事が500万円未満の工事であれば、専門技術者の配置は不要です。

従事する者の氏名など

令和2年10月から施行された建設業法の改正により、これまで任意であった施工体制台帳への作業員名簿の記載が義務化されました。

特定建設業者に対しては、作業員名簿の作成と現場へ備え置くことが決められました。

作業員名簿は、出入りの多い建設現場において、作業員の雇用管理状況を把握するために大切な書類です。

作業員名簿には、氏名や生年月日、年齢、職業、保有資格、社会保険の加入状況、安全教育の実施など、必要な項目も定められています。

外国人建設就労者の従事の状況など

一号特定技能外国人とは、建築分野特定技能1号評価試験または技能検定3級に合格し、かつ日本語試験にも合格した者など、知識や経験を持ち、在留資格を持つ外国人のことです。

外国人建設就労者とは、建築分野の技能実習を終了し、引き続き日本国内に在留する者、技能実習終了後に再入国した者のことです。

外国人技能実習生とは、母国のために日本の企業で技術を学びに来た外国人のことです。

元請業者に該当する有無を記入します。

施工体制台帳に添付する書類

施工体制台帳は、複数の添付書類から構成されます。

  • 工事担当技術者台帳
  • 発注者との契約書のコピー
  • 元請業者と一次請負業者との契約書のコピー
  • 主任技術者もしくは監理技術者の資格を証明する書類
  • 主任技術者もしくは監理技術者が元請に雇用されていることを証明する書類
  • 専門技術者が資格を証明する書類
  • 専門技術者が元請に雇用されていることを証明する書類
  • 再下請通知書
  • 再下請業者との契約書のコピー

施工体制台帳と添付書類とともに、保管しておく必要があります。

発注者によって、必要となる添付書類が変わってくることもありますので、事前にヒアリングを行うといいでしょう。

施工体制台帳は、会社や個人の重要な情報が記載された書類です。

取り扱いには十分注意しましょう。

施工体制台帳作成時の注意点

施工体制台帳を作成していく上での注意点は、法改正に伴う変更点と重複します。

再下請通知書と下請人の範囲

建設現場は元請業者のみで工事は完成しません。

元請業者と契約した一次下請業者が工事を施工するだけでなく、二次・三次下請業者により行われることもあります。

施工体制台帳に記載すべき下請負人は、工事にかかわる全ての下請負人です。

施工体制台帳には、二次下請業者以下の情報を記載することができませんが、二次下請業者以下の情報は、再下請通知書に記載することとされています。

施工体制台帳など書類の電子化

建設業界もペーパーレス化が進んでいます。

施工体制台帳も電子化され、キャビネットに施工体制台帳がずらりと並ぶ光景はありません。

公共工事でもオンライン納品が可能となり、クラウドサービスや施工管理アプリなどで下請業者との書類のやり取りもインターネット上で完結するようになりました。

工事完了後の帳簿の保管も電子化されています。

まとめ

施工体制台帳は元請業者や下請業者、工事に係る全ての人の情報をひとつにまとめた書類です。

工事を円滑に進めるために、施工品質の確保・トラブルの防止などの目的で作成は義務化されています。

業務の効率化などの観点から電子化が進む一方で、施工体制台帳は、会社や個人の情報が記載された重要書類です。

取り扱いには十分注意しましょう。

 

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