NETIS(ネティス)とは?新技術の活用のためのデータベース
2023.09.21
「NETIS」をご存じでしょうか?
工事に使用する資材や工具に「NETIS登録製品」と書かれているのを見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
NETISとは、新技術を共有し活用していくデータベースです。
本記事では、NETISとは何なのか、NETISの活用のメリットなどをご説明します。
目次
NETISとは?
「NETIS」とは、国土交通省が運用している、新技術の活用のためのデータベースです。
新技術情報共有システム(New Technorogy Information System)の頭文字をとって、NETIS(ネティス)と読みます。
概要
NETISは、「公共工事などにおける技術活用システム」を担うものとして1998年度より国土交通省によって整備が進められています。
2001年よりインターネット上で公開されるようになり、2006年度から本格運用されています。
2020年度より、国土交通省直轄の土木工事において、NETIS登録の新技術の活用が原則義務化されました。
将来的には、建築工事においてもNETIS登録技術の活用が義務化されるかもしれません。
目的
NETISの目的は
- 優れた技術を持つ企業をサポート
- 技術開発の促進
などがあります。
NETISは、企業・個人問わず、誰でもが検索でき、掲載されている技術を閲覧することができます。
技術をアピールする場でもあり、技術を評価されることで、技術の改良や開発などが促進されることが期待されます。
掲載期間
NETISは、新技術に関わる情報を登録し共有するシステムです。
登録された新技術は、登録の翌年度から5年間、NETISに掲載されます。
事後評価の有無により、掲載期間は最大10年まで。
掲載期間が終了すると、NETISの取り扱う情報ではなくなります。
同一技術の再登録はできません。
新技術とは?
NETISに登録される新技術とは、民間企業などで開発された、「優れた新しい技術」です。
土木工事や建設工事で活用される、IT製品・システム・工法・機械・材料などが該当します。
より優れた技術であると認められると、「有用な新技術」に認定され、より活用されやすくなります。
工事をどんな工法で行い、どのような材料や資材を用いるかは、多くの場合、設計段階で決まります。
採用の判断は、過去の実績に重きがおかれていました。
実績のない新技術は採用されない、採用されにくい、ということです。
NETISでは、自社では採用実績がなくても他社が採用し評価した新技術を閲覧することができます。
設計段階での技術選択の幅が広がるだけでなく、新技術の採用へのハードルが下がることも予想されます。
新技術のスパイラルアップ
誰でも、個人でも、インターネットを介して新技術情報を検索できるデータベース。
NETISでは、新技術の共有、現場導入での活用効果の調査、調査結果による事後評価という流れを制度化し、新技術の活用と技術開発・改善の好循環(スパイラルアップ)を図っています。
活用された新技術は、発注者や施工者が事後評価である「活用効果調査表」を5件以上提出しなければならない決まりとなっています。
技術の改善や改良につながり、更なる技術の開発や改良が普及していくことが期待されています。
施工者からのNETIS活用のメリット
施工者がNETISに登録された技術を活用することで得られるメリットは大きく3点です。
特に公共工事の受注が有利になることが期待できます。
【入札時】総合評価方式での加点
NETISに登録された技術の活用を提案することで、加点の対象となります。
総合評価方式での入札は、公共工事では採用されることが多く、加点を得ることで入札が有利に進む可能性が高くなります。
【施工】効果的な施工
NETIS登録技術の活用により、品質の向上、工数の減少や工期の短縮が期待できます。
実績を残すことで、施工会社のアピールにもなります。
【完成後】工事成績評定で加点
NETIS登録技術の活用を提案し、現場で使用された場合、工事成績評定の加点の対象となります。
加点されることで、次回以降の入札が有利になるだけでなく、他社と差をつけることが期待できます。
新技術登録者からのNETIS活用のメリット
NETISへの登録申請手数料は不要です。
新技術を開発し、NETISに登録・活用するメリットを3つ挙げます。
「優れた新しい技術」に認定される
NETISに登録された技術は「優れた新しい技術」に認定されたことになります。
NETISのデータベースに掲載され、閲覧されることでPRにつながります。
更に、技術性能や効果など、優れていると評価された技術は「有用な新技術」に認定され、より活用の機会が増えます。
活用の機会が増える
NETISは、誰でも検索できるデータベースです。
登録された新技術は、発注者や設計者、施工者など、誰にでも共有でき活用される可能性が増えます。
過去の実績に頼らざるを得なかった工法や資材などの情報が、他社の採用や評価と共に閲覧ができ、採用の可能性が高くなることが期待できます。
技術改善につながる
NETISに登録された技術は、活用された後、事後評価されます。
活用されることで得られる実際の情報により、技術の改善や改良、さらなる技術開発につながります。
公共工事以外でのNETIS活用のメリット
NETISの登録技術を活用する最大のメリットは、公共工事の入札がしやすくなることです。
登録された技術は「優れた新しい技術」であり、他の企業が生み出した技術です。
公共工事にかかわらず、作業の効率化、品質の向上、安全性の向上などが期待できます。
鉄筋の結束機やICT化に伴う端末機器やソフトウェアなど、日常業務で既に使用しているものがNETISに登録された技術だった、ということもあるでしょう。
NETISには、あらゆる技術が登録され閲覧することができるため、ご自身に必要な技術が見つかるかもしれません。
NETISに登録・掲載された技術だからと言って、国土交通省が技術を証明・認証するものではありません。
NETISに掲載されている技術は参考情報であって、判断はユーザーに委ねられています。
NETIS登録番号
NETISは誰でもが自由に新技術を検索し、閲覧することができるデータベースです。
検索した際に、知っておくと便利なNETIS登録番号の意味を紹介します。
NETISへの技術登録は、各地方整備局で行われます。
登録番号の最初のアルファベット2文字は、登録がなされた地方整備局を表します。
数字の最初の2桁は登録された年度、以降の4桁の数字が登録順を示します。
登録番号の末尾は評価情報によって異なります。
「‐VR」 | 継続評価の対象となっている技術 |
「‐VE」 | 継続評価の対象としない技術・評価の確定した技術 |
「‐A」 | 新しく登録された技術・評価情報が掲載されていない技術 |
まとめ
NETISとは、新技術を検索し、共有や活用するデータベースのことです。
土木工事では、登録された新技術の活用が義務化されている現場もあります。
建築工事でも、将来的に義務化される可能性もあるかもしれません。
NETISでは、他社が開発した最新の技術を無料で、誰でも閲覧できます。
データベースを検索することで、抱えている工事の悩みを解消するヒントが出てくるかもしれません。
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