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パーティクルボードの特長とは?使用用途やメリット・デメリットについて解説

2023.04.12

コラム

ホームセンターなどでDIYの素材として、よく目にするパーティクルボード。

名前は聞いたことがあっても、「どのような特長があるのか」「どこに使えばいいのか」などわからない方も多いのではないでしょうか。

パーティクルボードは建設現場においても利用価値の高い建築資材のひとつです。

本記事ではパーティクルボードの特長や用途、使用する際のメリットやデメリットについて、わかりやすく解説しています。

特長を理解して、使用用途に合った建材選びに役立ててください。

パーティクルボードとは

パーティクルボード

パーティクルボードとは、室内の内張り材や家具などに用いられる木材です。

「パーティクル」には小片・細片・粒子といった意味があります。

その意味が示す通り、パーティクルボードは細かな木材チップを加圧成型した資材のことで、木質材料のひとつです。

木質材料とは大小に分けた木材を接着剤で圧着し、再構成した材料のことで次のような種類があります。

  • 合板
  • パーティクルボード
  • ファイバーボード
  • 積層材(LVL)
  • 集成材など

パーティクルボードはパーチクルボード・削片板・チップボードとも呼ばれます。

パーティクルボードの原料

前述の通り、パーティクルボードの原料は細かくしたチップ、木片です。

解体するときに出る建築廃材や使い道のない木片なども原料として再利用されています。

通常捨てるような木片の再利用や製造するために森林伐採をする必要がないなど、環境に配慮したエコ資材です。

パーティクルボードの種類

大別すると次の3種類に区分されます。

  • 単層
  • 多層
  • 3層

分類する基準は、原料となるチップの大きさや加工方法です。

それぞれの特長について解説します。

単層

単層は、同じ形状や大きさの木片を用いて製造されています。

同じサイズの木片が高密度で成型されているので、均一な強度があります。

木片の大きさが均一なので加工しやすいメリットがありますが、多層や3層と比べると強度が劣るため注意が必要です。

また、単層は密度が高い分、多層や3層と比べて重くなります。

多層

多層は、大きさの違う木片によって複数の層で構成されています。

外側には細かい木片を、内側の層に向けて大きな木片を使用した構造です

ボード全体の密度が低く、軽量で曲げ加工への耐性も高いため、加工が容易で家具などに用いられます。

3層

3層は、大きさの異なる木片を用いた3つの層で構成され、内側の層には粗い木片を、表面と裏面には細かい木片が使われています。

強度が必要な場所に幅広く用いられ、多層と同様に軽量で曲げ加工への耐性がある構造です。

パーティクルボードの品質に関する特長

パーティクルボードの品質を管理するためJISによって、次の品質基準が定められています。

  • 形状・寸法
  • 加工方法
  • 曲げ強度
  • 耐水性
  • ホルムアルデヒド放散量

項目ごとに解説します。

形状・寸法

サブロクといわれる910mm×1,820mmやシハチといわれる1,210mm×2,410などが、標準的なサイズとして、JISで定められていました。

しかし、最近では特殊なサイズの需要が増えているため、自由に組み合わせを設定できる次のような範囲表記になっています。

  • 厚さ 5mm以上〜40mm以下
  • 幅 315mm〜2,100mm以下
  • 長さ 450mm以上〜6,100mm以下

規格が改定されたことで 多種多様なサイズを選択できます

加工方法

表面処理の状態によって、次の4つに大別されています。

  • 素地パーティクルボード(両面が素地)
  • 単板張りパーティクルボード(両面に単板を貼り付け)
  • 化粧パーティクルボード(両面または片面に化粧シートなどを接着)
  • 構造用パーティクルボード(建材目的で製造)

また、表面が研磨されているものや無研磨のものがあるなど、仕上がり具合や耐久性など利用用途に合わせて選ぶことが大切です

曲げ強度

曲げ強度の品質区分は、強度ごとに8〜30の記号で分類されています。

数値が高くなるほど強度があり、使用用途によって使い分けが必要です。

耐水性

耐水性にも品質基準が設定されています。

  • 普通
  • 耐水1
  • 耐水2

に分類され、使用状況や場所によって使い分けが必要です。

例えば、耐水性の低い「普通」は家具全般に向いており、床や壁などの建築下地材や造作部材には「耐水1」がおすすめです。

高い防水性が必要な建築下地や造作材には「耐水2」が多く用いられます。

ホルムアルデヒド放散量

シックハウス症候群の要因とされるホルムアルデヒド拡散量も、JISで等級が定められています

Fと☆の数で分類され、拡散量の少ない順から

  • F☆☆☆☆
  • F☆☆☆
  • F☆☆

という等級です。

ベビーベッドや家具、気密性の高い部屋などでは、ホルムアルデヒド拡散量が少ないF☆☆☆☆が一般的によく用いられています。

パーティクルボードの特長と使用するメリット

パーティクルボードの特長と使用するメリットを4つ紹介します。

環境にやさしくて安価

パーティクルボードを使用するメリットのひとつ目は環境にやさしくて安価な点です。

原料に解体現場で出た廃材や木材の小片を用いるため、コスト面でも安く、パーティクルボード自体も再利用できます。

森林を伐採する必要もなく、化学物質を使わずに廃材を再利用できる環境に配慮した資材です。

幅や厚みが自由に選べて加工しやすい

細かな木片を接着し成型しているため、製造過程で木片の量を調整すれば、幅や厚みを自由に設定できます

そのため、あらゆるサイズの製造が可能です。木片チップを圧熱成型した構造なので、切削作業などの加工も容易に行えます。

反りや割れが少ない

木片を均一に固めて製造されるため密度に差がなく、無垢材で見られるような反りや割れが発生しません

無垢材の場合、材質ごとに膨張率や収縮率が異なるため、湿度の具合で反りや割れが起きてしまいます。

パーティクルボードは加工後の狂いも少なく通気性も良いため、反りが起こりやすい合板などの資材と比べても、扱いやすい資材といえるでしょう。

断熱性・遮音性がある

パーティクルボードはほかの資材と比べて、断熱性や遮音性に優れた特長があります。

そのため、下地材として冬場の防寒対策に使用したり、内張り材として子供部屋やオーディオルームなどにパーティクルボードを用いたりなど多彩な用途に使用できます。

パーティクルボードのデメリット

パーティクルボードのデメリットを3つ紹介します。

湿気に弱い

木片を固めて圧縮成型しているパーティクルボードは、湿気に弱いデメリットがあります。

水に濡れて劣化が進むと、ひび割れや変形を引き起こす原因となるため、洗面所やキッチンなどの水回りへの使用は避けた方が無難でしょう。

水回りで使用する場合には耐水性のある合板などで覆い隠す必要があります。

釘やネジが留まらない

1枚構造の合板などと違い、細かい木片を固めた構造なので、釘やネジがしっかりと留まらないデメリットがあります。

釘やネジを固定する力が弱いため、使用する場合は接着剤などの補強材が必要です。

強度が弱い

細かい木片でできているパーティクルボードは、ベニヤ板や構造用合板などと比べると強度が劣ります

柱などの高い強度が必要な場所には、あまり適していません

また、長期間重いものを置き続けると、たわみや歪みが起こります。天井や天板など負荷がかかる用途には注意が必要です。

パーティクルボードの用途

原料や種類、メリット・デメリットを理解できたところで、具体的にパーティクルボードがよく使われる用途について3点紹介します。

居室の内張り材

厚みや大きさを自由に選べるパーティクルボードは、加工がしやすく断熱性や遮音性もあることから、居室の壁や天井の内張り材として利用されます

内張り材にする場合、パーティクルボードの厚みは10〜12mmが一般的です。

家具

反りや割れが起きにくい特長を活かして、収納家具や組み立て式家具にもよく利用されます

ただし、湿気や水に弱いため、水回りに設置する家具には向きません

また、強度が弱くたわみやすい性質なので、重い荷物を長時間置いておくような家具への使用には注意が必要です。

スピーカー

パーティクルボードの用途として多いのが、断熱性と遮音性に優れた性能を活かした音響用のスピーカーです。

良質な音を確保できるだけでなく、コストも安く加工も容易なことから、DIYでスピーカーを製作する際にもよく用いられます。

まとめ

本記事ではパーティクルボードの特長をあらゆる角度から解説してきました。

パーティクルボードには無垢材と比べると、大きさや厚さなど加工が自由にでき、反りや割れが少ない特長があります。

下地材や造作部材、家具など用途の幅も広く、低コストで加工も容易なことから、建設現場でも多く用いられている資材です。

ただし、釘やネジが留まりにくい、湿気に弱いなどデメリットもあるため、使用する際には、特長をよく理解して使い道を検討しましょう。

 

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