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建材とは?建材の種類や特徴、注目される新建材について解説

2022.09.15

コラム

あらゆる建築工事に使用される建材が今回のテーマです。

建材は時代の流れのなかで進歩を繰り返し、さまざまな建築物を生み出してきました。

種類も多く、施工箇所や用途に合わせた建材が存在します。

住宅建築となると間取りやデザインばかりを意識しがちですが、建物の印象を左右する建材選びへのこだわりも大切にしたいポイントです。

この記事では、建材の種類や特徴についてわかりやすく解説しています。建材の基礎知識や新建材についての理解を深めて、顧客への提案に役立ててください。

建材とは

建材とは建築で使用される全ての材料を指します。戸建住宅やマンション建設の際に施工される屋根材や壁材、床材などすべて建材に含まれます。

建材は木材だけではなくコンクリートや瓦、砂利やセメント、鉄骨などさまざまな種類があり、それらの建材を適切に用いることで建築物が完成します。

そのためには建材それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。

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自然災害の多い日本では「より快適に暮らせる建材」や「災害や気候変化に対応できる建材」などの研究が繰り返され、多くの新建材が誕生しています。

建材の種類

建材は仕上げ材と下地材の2種類に分類されます。それぞれの特徴について解説します。

仕上げ材

仕上げ材とは外装や内装など、直接目に見える部分の建材のことです。

外装用の仕上げ材には、屋根に据え付ける「屋根材」や雨や風などから建築物を防護する「壁材」などがあります。

代表的な外装用の仕上げ材を紹介します。

【屋根】

  • スレート
  • 鋼板

【壁】

  • サイディング
  • タイル
  • モルタル
  • ALC
  • 石材
  • 木材

一方で内装用の仕上げ材には、壁や床を仕上げる「塗り材」や「壁材」、「床材」などがあります。代表的な内装用の仕上げ材を下表に示します。

【壁・塗り材】

  • 漆喰
  • 珪藻土

【壁・壁材】

  • 壁紙
  • ビニールクロス
  • タイル

【床】

  • カーペット
  • フローリング
  • クッションフロア
  • タイル
  • 石材

仕上げ材は直接目に触れる箇所なので、デザインや見栄えに大きく影響します。お客様の満足を得るためにも特性やデザインを意識した提案が重要です。

下地材

下地材は仕上げ材のベースとなる部分です。

例えば、壁や天井の下地材として、耐火性や断熱性能のある石膏ボードが使用されます。壁紙をきれいに仕上げるため、石膏ボードのつなぎ目やビス穴にはパテ埋め処理を施します。

床の下地には強度があり、歪みを防ぐ構造用合板が使用されます。最近では根太工法と比べて、水平方向の力に強い剛床工法が地震や台風対策としてよく用いられます。

下地材は直接目には見えないけれども、仕上がりや見栄えを左右する重要な建材です。また、建築物の構造強化のためにも用いられる建材でもあります。

使用箇所に応じて、遮音性に優れた下地材や透湿性のある下地材、断熱性が高い下地材などさまざまな種類があり、用途にあった下地材選びが重要です。

注目の新建材「CLT」と「LVL」とは?

「CLT」と「LVL」は建築業界で注目される新建材です。それぞれの特徴について解説します。

CLTとは

CLTはCross Laminated Timber(クロス・ラミネイテッド・ティンバー)の略で、乾燥させたひき板(ラミナ)を繊維方向が直交するように、何層にも積み重ねて圧着した木質パネルのことです。

CLTは厚みのある大きな建材で建築物の構造材や家具、土木用として利用されています。

CLTの普及状況

CLTは1995年ごろからオーストラリアを中心に拡大し、昨今ではアメリカやカナダ、ヨーロッパに至るまで世界中で急速に普及しました。

日本では2016年、CLTに関する建築基準法が制定されたことで、一般的な利用が始まりました。

CLTの特徴

CLTパネルはあらかじめ工場で加工されてから、搬入されるので現場での作業効率がよく、施工もスピーディに行えるメリットがあります。

さらに、遮炎性や遮音性、断熱性、耐震性に優れており、鉄筋コンクリートと比べると5分の1と軽量で搬入コストや施工期間の短縮が期待されています。

CLTの主な材料はスギやヒノキです。CLT技術により日本国土の約7割を占める森林資源の有効活用と国産材の自給率改善に注目が集まっています。

LVLとは

LVLはLaminated Veneer Lumber(ラミネイティド・ベニヤ・ランバー)の略で、スライサーなどで薄く切削された単板(ベニヤ)の繊維方向を平行にして積み重ね、圧着した木質パネルのことです。

LVLは厚みのある建材で、面材としてではなく軸材や骨組材などの枠材に利用されています。

LVLの普及状況

LVLの歴史は意外と古く、第二次世界大戦では木製飛行機の部材として使用されていました。

1965年に「平行合板」という名称で生産が始まり、家具や建具、楽器など構造用建材として利用を開始。

1986年にアメリカ政府が東京でサミットハウスを建設する際に、耐力部材としてLVLが使用されたことがきっかけとなり、強度などの性能面や構造用建材として関心を高めました。

その結果、1988年には構造用単板積層材のJAS(日本農林規格)が制定され、品質が保証された構造用LVLが広く普及し始めました。

LVLの特徴

LVLには下記のような特徴があります。

  • 製造技術によって木材の欠点箇所が除去されるので寸法が安定し精度が高い
  • 材質のバラツキが少なく、品質が安定している
  • 単板を縦に継いで長尺にできる
  • 十分に乾燥しているので割れや伸縮がない
  • 用途に合わせた幅や長さに加工できる
  • 防虫・防蟻・防腐剤など薬剤処理がしやすい

上記のように高強度で品質が安定したLVLは、利用価値の高い建材として注目されています。

建材に用いられる主要な木材

建材のなかで主要な木材である集成材と無垢材について解説します。

集成材とは

集成材とは、乾燥させた小角材や板の繊維方向を合わせて接着した木質建材のことです。

集成材の種類

集成材は次の2つに分類されます。

種類 用途
構造用集成材 強度があるため、住宅の梁や柱などの構造部分に使用される
造作用集成材 見た目が美しいため、テーブルや階段、カウンター、上り框、鴨居などの内装に使用される
集成材の特徴

集成材には次のような特徴があります。

  • 耐湿性が高く、木材の反りや割れが起こりにくい
  • 寸法変化も少なく品質が安定している
  • 無垢材では製作しにくい自由な幅や長さ、厚みの製品を作れる
  • 表面に化粧薄板を貼り付けることで高級感を演出できる
  • 加工や組み立てが容易

集成材は、間伐材利用など地球環境の保護にも役立つ建材として注目されています。木材の品質を向上させ、木の持つ特徴を最大限に活かした画期的な建材です。

無垢材とは

無垢材とは、伐採した自然そのままの木を素材にして利用する建材です。

集成材と比べるとコストはかかりますが、本物の木が持つ質感や使い込んだときの色艶など趣き深い魅力があります。

無垢材のメリット

無垢材には次のようなメリットがあります。

  • 耐久性に優れている
  • 自然の味わいや香り、美しい木目、肌触りが良い
  • 調湿機能があり室内の湿度を保つ
  • 断熱性があるので夏は涼しく冬が暖かい
  • 化学物質を使わないので体に優しい
  • 防腐・防虫に優れている

上記のメリットに加えて、自然な木の香りにはフィトンチッドと呼ばれる成分があり、消臭やリラックス効果を得ることができます。

無垢材のデメリット

無垢材のデメリットは以下の通りです。

  • 木が伸縮するため、割れや反りが起こりやすい
  • 表面に傷がつきやすい
  • 流通量が少なくコスト面で高くなる

集成材と比べると伸び縮みや変形しやすいなど品質に安定性がないので、無垢材を取り扱う際には大工の経験と技能が必要です。

ウッドショックによる影響

世界的な木材需要の上昇による材木の価格高騰や入手困難な状態をウッドショックといいます。

ウッドショックを誘発した主な原因は次の4つです。

  • アメリカや中国による木材需要の高まり
  • コロナ禍で製材工場の稼働率が低下
  • ネットショッピングの増加でコンテナ不足に陥り、木材入手が遅れている
  • 輸入材に依存する国内建設業

上記の原因で引き起こされたウッドショックですが、国内建設業にも大きな影響を及ぼしました。

例えば、木材や資材が入手できないため工期延長を余儀なくされたり、建材価格が高騰したりなど住宅需要がありながら、供給が間に合わない状況が起きています。

そのため、ウッドショックへの対策を検討する必要があります。具体的には次のような点です。

  • 設計や建築工法を再検討する
  • 建材の入手方法を変更する
  • 建材の種類を見直す
  • 価格高騰した分の負担をどうするのか

世界情勢を見極めながら、上記のような対策を考えていくことが大切です。

ウッドショックをきっかけに国産材の利用を進める動きも活発化しています。国産材の利用促進と安定供給の実現に向けた取り組みも今後の建設業の大きな課題です。

まとめ

この記事では建材の種類や特徴、新建材、今後の課題について触れてきました。

住宅性能が高まり、快適な暮らしを実現させる現代住宅において、建材は欠くことができません。

どのような建材を選ぶのか?メリットやデメリットは?など顧客にとって建材選びは、毎日の暮らしを決定づける重要なファクターになります。

工務店としては利益アップや品質向上を最優先しながら、顧客のニーズに応えられる建材選びや商品提供を心がけることが大切です。

 

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