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住宅建材として活躍する合板とは?合板の概要や特徴、種類、用途を解説

2022.09.14

コラム

DIYの材料や日曜大工などさまざまな用途がある合板は、住宅建材としてもあらゆる箇所で使われる代表的な建材です。

安価で加工がしやすい合板ですが、使用する際には種類や特徴をよく理解した上で、使用目的に合った合板を選ぶことが大切です。

この記事では合板の概要や特徴、種類や製造方法などをわかりやすく解説しています。

よく使用する建材だからこそ、再度理解を深めることが大切です。ぜひ、参考にしてください。

合板とは

合板とは下図のように原木をかつらむきの要領で薄くむいた板(ベニヤ)を、重ねて貼り合わせた板のことです。

出典:一般財団法人 日本木材総合情報センター「木質建材の種類と特徴 合板」より

JAS(日本農林規格)では合板を次の3つに大別しています。

  • 薄くむいた板の木目を1枚ごと直交させて貼り合わせた普通合板(プライウッド)
  • 普通合板の表面に塗膜やシート状のものを貼り付けた合板(オーバーレイ)
  • 塗装処理を施した特殊な合板(二次加工合板)

規格変遷の過程で普通合板からコンクリート型枠用合板や構造用合板などの規格が生まれました。

合板が生み出された背景

紀元前3000年前後の古代エジプト王朝時代の遺跡から、薄板張り(ベニヤリング)と呼ばれる単純な合板の遺跡が確認されています。

日本では正倉院の御物(ぎょぶつ)※のなかに合わせ板の手法があり、西暦700年代半ばには合板が使用されていたそうです。

工業製品として合板が製造されるようになったきっかけは、1907年(明治40年)に名古屋の浅野吉次郎氏が木材を薄くむく機械(ベニヤレース)を発明したことにあります。

それ以降、「ベニヤ板」の名で普及が広がり、戦時中には「合板」と呼ばれるようになりました。

戦後には技術開発と接着剤の進化により、耐久性や強度のある合板が誕生しました。

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※御物とは皇室の私有品となっている美術品や絵画、刀剣、古文書などの所蔵品のこと

合板の特徴

合板は木材が持つすべての特徴を備えつつ、木材の持つ欠点を製造技術でカバーした優れた建材です。

合板には次のような特徴があります。

  • 厚みやサイズが豊富
  • 軽量でありながら高強度で抵抗力が強い
  • 幅広で丈夫な板をつくれる
  • 切断や釘打ち、接合が容易
  • 断熱性・吸音性・吸水性がある
  • 含水率の変化に伴う反りや割れ、伸び縮みがない

合板は軽量かつ頑丈で加工も容易なことから、非常に使い勝手のいい建材といえます。

製造方法

合板の製造方法には主に次の3つの工程があります。

  • 単板切削
  • 単板乾燥・調板
  • 単板接着・仕上げ

各工程の製造方法について解説します。

単板切削

丸太から単板を切削する工程です。

2mほどの長さに切った原木をベニヤレースに固定し、丸太を回転させながら刃物を押し当てて薄い単板を切削します。

直径50cmの丸太から、厚さ1mmの単板が30〜35mほど製造できます。

単板乾燥・調板

前工程で切削された薄い単板は、含水率が高いので乾燥させて水分を蒸発させます。

含水率が10%になるまで乾燥させた後、裁断や調板を行います。

単板接着・仕上げ

前工程で調整された単板を木目方向が垂直になるように重ね合わせて接着します。

接着剤を硬化させるために、ホットプレス(加熱圧締)で圧着します。厚みが3mmの合板であれば約40秒の圧着時間で接着が完了。

接着された板を一定寸法に裁断し、ワイドサンダーで表面を仕上げます。

上記の工程後、品質検査を経て製品となります。

合板の厚さ・寸法

合板は厚さや長さの異なる幅広い商品が製品化されています。板の厚さだけでもかなりの種類が存在します。

一般的に使用される合板の標準的な寸法を紹介します。

合板の厚さ

普通合板と構造用合板の標準的な寸法は下表の通りです。

種類 厚さ
普通合板 2.3mm・2.5mm・3mm・4mm・5mm・5.5mm・7.5mm・9mm・12mm・15mm など
構造用合板 5mm・5.5mm・7.5mm・9mm・12mm・15mm・18mm・24mm・28mm・30mm・35mm など

 

合板の幅と長さ

幅と長さの一般的な規格は、以下の寸法になります。

  • 910×1,820mm
    (サブロク・3×6 )
  • 910×2,430mm
    (サンパチ・3×8 )
  • 910×2,730mm
    (サンキュウ・3×9 )
  • 910×3,030mm
    (サントウ・3×10 )
  • 1,220×2,430mm
    (シハチ・4×8 )

サブロクやシハチといった呼称は、尺貫法に基づいた呼び方です。例えば、910×1,820mmサイズの合板は、尺寸では3尺×6尺になるためサブロクと呼ばれます。

厚さによる積層数

次に厚さによる積層数について解説します。下図は5層(5フライ)構造の単板構成図です。

出典:一般財団法人 日本木材総合情報センター「木質建材の種類と特徴 合板」より

厚みによって合わせる枚数が変わります。

厚み 積層数
15mm未満 3層(3フライ)以上
15mm以上〜18mm未満 4層(4フライ)以上
18mm以上〜24mm未満 5層(5フライ)以上
24mm以上 7層(7フライ)以上

合板に使用される木材

合板には次のような木材が使用されています。各木材の特徴は下表の通りです。

木材の種類 特徴
ラワン合板
  • 木目が目立たず表面にザラつきがある
  • 建材や家具の裏板など幅広く使用される
シナ合板
  • 柔らかくて、曲げに強く加工が容易
  • 繊維が均一できれいな表面をしている
ポプラ合板
  • 軽量で柔らかく加工に優れてい
針葉樹合板
  • ヒノキやスギ、カラマツなどの針葉樹で作られる
  • 表面にザラつきがあり、木目も粗い
OSB合板
  • 薄い木片を重ねて高温圧縮成型された合板
  • 独特な模様で強度がある
  • 構造用合板やインテリア材として使用
ランバーコア材
  • 芯材に木片を使い、表面にはベニヤ板が貼られた合板
  • 表面がきれいで歪みもなくテーブルの天板などに使用される

合板を使用する際には、木材ごとの特徴を知っておくことが大切です。

合板の種類

合板は使用用途によって、さまざまな種類があります。代表的な合板について解説します。

普通合板

普通合板は汎用性があり、さまざまな用途に使用される合板です。

以前はベニヤ板と呼ばれていたもので、材料としてラワンやシナなどの広葉樹が用いられます。住宅建材からDIY、家具など一般的な用途に使用されます。

構造用合板

構造用合板は住宅建材として壁や床、屋根の下地など構造上重要な箇所に用いられる合板です。

住宅の重要部分に使用されるため、強度等級が設けられています。

強度等級 特徴
1級
  • 曲げ剛性試験・曲げ強度試験・面内せん断試験が義務
  • 強度はあるが、流通量が少なく高価
2級
  • 曲げ剛性試験のみ
  • 値段も安く、多くの住宅で使用されている

特別な用途でない限り、住宅建材としては主に2級が用いられています。

コンクリート型枠用合板

コンクリート型枠用合板はコンクリートを打つときに型枠として用いられる合板です。

「コンパネ」もしくは「コンクリートパネル」とも呼ばれ、表面加工されたものと表面加工なしの2種類があります。コンクリートをくい止めるため強度が高く、耐水性に優れています。

特殊合板

特殊合板とは仕上がりを美しくするために、普通合板に表面加工を施した合板です。

天然銘木の薄板を貼り、美しい木目を活かして住宅内装や家具、什器などに用いられる「天然木化粧合板」や樹脂や印刷加工が施された「特殊加工化粧合板」と呼ばれる特殊合板があります。

また、防炎や防虫、難燃などの用途ごとに薬剤処理された合板も存在します。

合板の品質基準

合板はJASによる品質基準で分類されており、下記のJASマークが記載されています。「F☆」や「1類」、「1等」などに分類される品質基準について解説します。

引用:日本合板工業組合連合会「合板の規格と表示」より

類別

接着剤の種類や耐水性、強度により次の4つに分類されます。

類別(接着剤の種類) 特徴

特類
(フェノール樹脂接着剤)

優れた耐水性があり、屋外や常時湿潤状況にある環境で使用される
1類
(メラミン樹脂接着剤)
屋外使用に耐えうる耐水性があり、断続的に湿潤状況になる環境で使用される
2類
(ユリア樹脂接着剤)
耐水性はそれほど高くなく、時々湿潤状況になる環境で使用される
3類
(増量ユリア樹脂接着剤)
家具など湿気のない環境で使用されるが耐水性がなく用途も限定されるため生産量が少ない

上記のように特類になるほど耐水性能があります。使用用途によって合板を使い分けることが大切です。

ホルムアルデヒド拡散量

「F☆」のマークは合板の製造過程で使用される接着剤から放出されるホルムアルデヒドや有害物質の拡散量を示す表記です。

☆の数が多いほど、ホルムアルデヒドの拡散量が少なく、「F☆」から「F☆☆☆☆(エフフォースター)」まで4段階に分かれています。

ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の要因といわれる物質です。目がチカチカしたり、鼻水が出たりなどの症状が起こるため、2003年の改正建築基準法でホルムアルデヒド拡散量に応じた使用制限が義務化されました。

上記の法改正により、住宅で使用される構造用合板は「F☆☆☆☆」以上のものを使用しなければいけません。

等級

等級は合板の強度試験や板面の品質結果を表しています。

構造用合板の場合、強度等級は1級と2級に分類されます。一般的な使用であれば、2級でも十分な強度が保証されており、実際に使われている構造用合板のほとんどが2級です。

板面品質はA・B・C・Dに分類されます。Aの板面が最も滑らかで、コンパネや構造用合板などはCまたはDの等級です。

これまで述べてきたようにJASマークを見れば、類別・ホルムアルデヒド拡散量・等級など合板の品質基準がわかります。

まとめ

これまで合板の概要や特徴、種類、品質基準などについて解説してきました。

木材の持つ欠点を製造技術で補い、多くの利点を持つ建材として生み出された合板。加工もしやすく使用用途も多いことから、あらゆる建築現場で用いられています。

使用する際には、接着剤や木材の種類、強度など適材適所に合わせて合板を選ぶことが大切です。

今や合板は建材として建築に欠かせない存在となっています。日常、使用頻度の高い合板だからこそ特徴や種類、品質基準などを再確認して業務に活かしてください。

 

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