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建築工事費が高騰している理由とは?今後取り組むべき対策も解説

2024.01.15

コラム

  • 「建築工事費が高騰している理由は何?」
  • 「今後どのような対策を取ればいいの?」

そんな悩みを抱えている経営者の方も多いのではないでしょうか。

そこで、ここでは建築工事費が高騰している理由や、工事費の高騰における対策について解説します。

建築工事費について対応を必要とされている方はぜひご参考ください。

ここ10年で建築工事費が高騰し続けている

まず、ここ10年で建築工事費はどんどん高騰し続けています。

国土交通省が公表している建設工事費デフレーターによると、2012年から2022年までに約20%も費用が高騰しているのが確認できます。

月別の建設工事費デフレーターによると、2021年以降は毎月のように建築工事費が上昇傾向です。

特に非木造住宅よりも木造住宅の値上がり状況が大きく、工務店やハウスメーカー、消費者に大きな打撃を与えています。

建築工事費が高騰している理由とは?

では、なぜ建築工事費が高騰しているのでしょうか。

考えられる理由は以下のような点があります。

  • 人手不足による職人の単価上昇
  • コロナとアメリカでの木材需要の高まりによるウッドショック
  • 鉄鉱石の価格高騰によるアイアンショック
  • 円安による輸入物価の上昇
  • ガソリン代や電気代の高騰
  • 半導体の不足
  • コロナによる給湯器の供給不足
  • ロシアへの経済制裁

それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

人手不足による職人の単価上昇

建設業界では慢性的な人手不足が問題視されています。

職人が高齢化することで退職者も増えており、若い職人も少ないことから人手不足が深刻化しています。

そのため、職人の取り合いとなってしまい人件費が高騰しており、それが建築工事費の上昇の原因の1つとなっているのです。

2019年4月に入管法が改正されたことで外国人労働者を受け入れやすくなり、人手不足の問題が対処されました。

しかし、2020年に世界的に発生したコロナウイルスにより外国人の入国が制限されてしまい、労働者がなかなか増えないのが現状です。

建設業界の人手不足は随分前から問題視されており、この問題はすぐに解決できるものではありません。

そのため、人材不足における職人の単価上昇を食い止めるのにも長期的な対策が必要です。

コロナとアメリカでの木材需要の高まりによるウッドショック

2020年に世界的に流行したコロナウイルスも、建築工事費の高騰と深く関わっています。

コロナウイルスの流行によりウッドショックが発生したからです。

ウッドショックとは、輸入される木材の価格の高騰のことで、日本では2021年3月ごろから影響が出ています。

ウッドショックが起こった大きな理由は以下です。

  • コロナウイルス流行により郊外に家を建てて移住する人がアメリカで増えたため
  • 株高によりアメリカの富裕層の住宅取得意欲が高まったため
  • 同時期に中国での家の取得意欲が高まったため
  • 新型コロナウイルス流行により、世界的なコンテナ不足となり海上輸送運賃が上昇したため

上記のように、新型コロナウイルスによる影響が、建築工事費高騰のきっかけとなっているのです。

  • 関連記事:ウッドショックはなぜ起きた?木材価格高騰の原因と懸念される影響

鉄鉱石の価格高騰によるアイアンショック

アイアンショックとは、鋼材価格の高騰のことです。

鋼材資材は、建設現場に欠かせない鉄筋や鉄骨などをいい、2019年1月と2022年3月の価格を比較するだけでも約50%も高騰しています。

アイアンショックが発生した理由は、鉄鉱石の価格高騰です。

日本は鉄鉱石を輸入に頼っているため、輸入価格が高騰するとその影響をもろに受けてしまいます。

ウッドショックは、国産木材の活用で和らいできていますが、アイアンショックの解決策はまだ見出せていない状況です。

円安による輸入物価の上昇

建築工事費が高騰している原因の1つとして、円安による輸入物価の上昇も挙げられています。

円安は輸出の際には有利ですが、輸入には不利です。

資材を海外から輸入することが多い日本では、円安が進むことで建築資材が高騰し、建築工事費に大打撃を受けています。

ガソリン代や電気代の高騰

ガソリン代の高騰

建築工事費の高騰に、ガソリン代や電気代の高騰も影響しています。

資材は工事現場まで運搬しなければなりません。

そのため、ガソリン代が高騰することにより、運送費も高くなり建築工事費も高くなります。

ガソリン代が高騰している理由は、産油国が産出を抑制していることが原因です。

地球温暖化対策のためにも、ガソリン車ではなく電気自動車の普及が世界的にも推進されているのが現状です。

電気代の高騰

資材や設備を加工するために工場では電気を利用します。

電気代が高くなるとその分建築工事費の高騰に繋がるのです。

電気代が高騰している理由も、地球温暖化が関わっています。

現在の日本では、原発が停止しており以前よりも火力発電に依存している状況です。

火力発電では、CO2の発生量が最も少ない液化天然ガスが使われていますが、世界各国で液化天然ガスの需要が高まっており、年々価格が高騰しています。

CO2の削減のためにも液化天然ガスを使うしかなく、火力発電に依存している日本では電気代の高騰を受け入れざるを得なくなっているのです。

半導体の不足

半導体の不足により、エアコンや照明器具、床暖房や給湯器などの供給量が制限され、価格が上昇しています。

半導体不足の原因は、テレワークの普及です。

テレワークの普及により、パソコンやスマホの需要が高まり、半導体の需要が急激に増える結果となり、それが建築工事費の上昇にも繋がっています。

コロナによる給湯器の供給不足

コロナウイルスによる影響は、ウッドショックだけではありません。

2021年の秋ごろから、給湯器などの住宅設備の供給不足も生じています。

コロナウイルスにより、ベトナムの工場が閉鎖されたことにより給湯器の不足という事態が発生しました。

また給湯器だけでなく、トイレ・システムキッチン・ユニットバス・ドアなども、海外の生産工場が稼働できずに供給不足に陥りました。

住宅設備の不足は、建築工事費の高騰に大きな影響を与えています。

ロシアへの経済制裁

ウクライナ情勢を起因とするロシアへの経済制裁も、建築工事費の高騰の理由となっています。

なぜなら、日本は資源の少ない国のため、資源の多いロシアへの経済制裁をすることでロシア以外の国から資源を輸入しなければならない状況になったからです

世界各国がロシア以外から資源を輸入すると、世界の資源価格も高まっていきます。

そのため、日本は高騰した価格で資源を買わなければならず、結果として建築工事費の高騰へと繋がってしまいます。

建築工事費の高騰によってもたらされる影響とは?

様々な要因が重なり、建築工事費の高騰が発生していますが、それによってもたらされる影響にはどのようなものがあるのでしょうか。

  • ゼネコンやハウスメーカーの利益率低下
  • 建物の価格高騰による売上不振

それぞれの影響について解説していきます。

ゼネコンやハウスメーカーの利益率低下

まずは、ゼネコンやハウスメーカーの利益率の低下です。

建築工事のコストが上がることで、ゼネコンやハウスメーカー、工務店では利益を削ってコストが上がらないように努力をします。

そうなると必然的に、会社に入る利益が少なくなり会社の売上にも影響していきます。

建物の価格高騰による売上不振

建築工事費の高騰により、消費者の建物への購入意欲が下落し、建設業界全体の売上の落ち込みにも繋がる可能性があります。

このまま建築工事費の高騰が進めば、日本の経済全体が冷え込む可能性もあるでしょう。

建築工事費を抑えるための建設資材の高騰対策

建築工事費を抑えて、顧客を獲得するためにも対策を練らなければなりません。

ここでは、建築工事費を抑えるための建設資材の高騰対策を紹介します。

  • 早めに仕様を決めて発注する
  • スライド条項を適用する
  • 業務効率化を目指すシステム導入

それぞれの対策について見ていきましょう。

早めに仕様を決めて発注する

建築資材は時間が経つとどんどん値上がりしていきます。

少しでも工事費を抑えるためにも、早めに仕様を決めて材料の発注を早めに行うことを推奨します。

発注が早ければ、確実に資材を手に入れられるので、ギリギリに発注して工期に影響が出るというリスクを避けられるでしょう。

スライド条項を適用する

スライド条項とは、工事の契約後の急激な物価変動による請負金額の見直しができる規定のことです。

資材の高騰や労務費の上昇した場合でも適用されます。

ただ、様々な条件があるため、公共工事でスライド条項を適用したい場合は、工事を担当している市町村のホームページを確認しましょう。

業務効率化を目指すシステム導入

業務効率化を目指すシステムとは、工務店やリフォーム会社の業務をデジタルの力で効率化していくシステムのことを指します。

システムを導入することで、顧客管理や施工管理、原価管理や入出金管理などの工務店業務の効率化を実現することができます。

様々な業務を効率化することにより、従業員の生産性が高まって時間外労働や休日出勤に伴う人件費の削減にも繋がるのです。

まとめ

建築工事費の高騰の原因や、もたらされる影響、建築工事費を抑えるための対策について解説しました。

建築工事費が高騰する中でも顧客を獲得するために、企業は様々な対策を講じる必要があります。

これまで解説したことを参考に、建築工事費の高騰に打ち勝つ対策をとっていきましょう。

 

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