Column コラム

住宅業界の「2024年問題」とは?今後の展望と現在の問題点についても解説

2023.12.05

コラム

  • 「住宅業界の「2024年問題」って何?」
  • 「今後の住宅業界はどうなるの?」

そう思っている方もいるのではないでしょうか。

ここでは、住宅業界の「2024年問題」とは何か、今後の住宅業界の展望、現在の問題点について解説しています。

今後、会社が存続していくためにも、「2024年問題」について理解を深めていくようにしましょう。

住宅業界の「2024年問題」って何?

住宅業界を含む建設業界での「2024年問題」とは、働き方改革関連法での新たな制度の導入が関係しています。

  • 時間外労働の上限規制
  • 時間外労働の割増賃金率引上げの適用

上記の制度導入により、2024年には住宅業界でもさまざまな変化が起こると考えられています。

それぞれの制度について見ていきましょう。

時間外労働の上限規制

一般的な労働時間は、1日8時間、1週間に40時間までです。

これは労働基準法第32条で法定労働時間として定められています。

この法定労働時間を超えて労働をする場合、36協定と呼ばれる労働基準法第36条に基づく労使競艇を締結し、労働基準監督署へ届け出なければなりません。

 

住宅業界を含む建設業界では、これまでこの協定は適用除外でした。

理由は、建設業界は天候や資材の入荷などから工期を合わせるためにも超過労働はやむを得ないとされていたからです。

 

しかし、そんな建設業界でも2024年4月1日からは36協定を締結して労働基準監督署に届け出をしなければならなくなりました。

つまり、36協定が適用され、時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間となります。

災害時の復旧・復興事業などを行う場合は、時間外労働の上限規制位が一部適用外になるものの、この36協定の適用はこれからの建設業界での働き方がガラッと変わってくると思われます。

時間外労働の割増賃金率引上げの適用

中小企業を対象に、2023年4月1日から「時間外労働の割増賃金率引上げ」が適用されています。

これまでは、月60時間超えの時間外労働への割増賃金率が25%でしたが、それが50%まで引き上げられます。

休日労働の35%と、深夜労働の25%の割増賃金率は変更ありません。

 

これはすでに建設業界でも適用されている制度ですが、前述した36協定の適用が加わることで、より勤怠管理の徹底・対策が必要になってくると思われます。

住宅業界で2024年に新たに適用される制度

住宅業界では、2024年4月から新たに適用される制度があります。

それは「建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度」です。

この制度について、解説していきます。

建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度

「建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度」とは、消費者が建築物を購入・賃借する時に省エネ性能の把握や比較ができるようにする制度のことです。

目的は、住まいなどの建築物の買い手と売り手に省エネ性能の関心を高めてもらい、省エネ性能の高い建築物をさらに増やしていくことです。

 

省エネ性能の表示は、省エネ性能ラベル・評価書の発行により表示できます。

省エネ性能表示では、エネルギー消費性能、断熱性能、目安光熱費、再エネ設備あり・なし、ZEH水準であるかどうかなどを星の数やランクで表示することで消費者にもわかりやすい評価書となっています。

住宅業界の現在の問題点

現在の住宅業界ではさまざまな問題点を抱えています。

  • 人材不足・高齢化・大工不足
  • 資材不足
  • 着工棟数の減少・市場の縮小
  • 倒産件数の増加

それぞれの問題点について解説していきます。

人材不足・高齢化・大工不足

住宅業界に限らず、日本の少子高齢化による人材不足は日本全体での慢性的な問題です。

工務店の経営者やひとり親方は多くが高齢者で、後継者もいない状態になっています。

後継者がいないことが理由となり、金融機関の融資も受けられないケースが増えています。

また大工不足は、現場での稼働率の低下にもつながります。

建設業界ではこのような人材不足・高齢化不足・大工不足が問題視されて長いです。

資材不足

2021年春ごろから起きているウッド・ショックと呼ばれる木材価格のインフレが起きています。

これにより、日本では以下のような理由から資材不足に悩まされています。

  • 木材の生産量の低下(コロナの流行により伐採業者や製材工場の稼働率が低下したため)
  • アメリカでの建築木材の需要増加(リモートワークを推進する政策となり、日本への供給が減った)
  • 流通用コンテナの不足(ステイホームによる通販利用者の激増)

新型コロナウイルスだけでなく、急激な中国の経済成長や、2021年3月にスエズ運河で起きた大型コンテナの座礁事故、ロシアのウクライナ侵攻による非友好国への木材輸出禁止などが資材不足を加速させました。

 

木材だけでなく、エコキュートやシャワートイレ、給湯器や照明に使われる半導体の不足も住宅業界には打撃となっています。

リモートワークの増加によるデジタル機器の需要増加や世界情勢の変化が原因です。

着工棟数の減少・市場の縮小

2023年の新築住宅着工戸数の予測は84.9万戸です。

これは、2022年の85.9万戸よりも若干減少しています。

2023年は月別で着工戸数を見ると8月まで3ヶ月連続で減少している状態です。

 

これまではコロナによる生活スタイルの変化により、都市部から郊外へ移住する人も増えていることから新築を建てる人もいました。

しかし、日本の少子化は回復しておらず、人口が増加する兆しは未だ見られていません。

そのため、このような移住者による新築着工はそろそろ期待できなくなってくるでしょう。

新築を建てる人も減り、市場が縮小すると思われます。

倒産件数の増加

これまでは東京オリンピックに関する工事や国家プロジェクトであったリニア中央新幹線の建設などの大規模プロジェクトによって建設業界は盛り上がりを見せていました。

 

しかし、新型コロナウイルスの拡大や、全国的な公共工事の減少傾向などにより、2022年は建設業の倒産件数が大幅に増加しました。

倒産件数が増えた理由は、これまで解説した人材不足や資材不足、後継者不足、新型コロナウイルス関連有志の返済なども挙げられます。

2024年以降の住宅業界の展望

2024年以降の住宅業界の展望を見ていきましょう。

  • 時間外労働の規制に備えた建設DXの導入
  • 省エネ基準適合の義務化

それぞれについて解説していきます。

時間外労働の規制に備えた建設DXの導入

2024年4月から住宅業界を含む建設業界では36協定が適用されます。

36協定が適用されることで、労働環境が改善されて働く人の意欲を高めることが狙いですが、繁忙期は仕事が回らないのではと懸念されています。

 

時間外労働の規制に備えるためにも建設DXの取り組みを進めていくことが推奨されているのです。

すでに実施している企業では以下のような取り組みを始めています。

  • CADからの自動生成によって人手と時間のコストを大幅に軽減できる「構造エクスプレス」
  • モデルルームに営業・接客担当者を常駐させる必要なく集客できる「VR展示場」
  • 大工や職人の人数削減、工期の短縮化を狙う「木造大型パネル」

このように、さまざまな分野で人手不足や時間外労働の規制に備えた建設DXの導入が進んでいます。

省エネ基準適合の義務化

2025年度には、住宅を含む新築の建物全てに省エネ基準の適合が義務化されます。

省エネ基準とは、断熱等級4・一次エネルギー等級消費量等級4を取得することです。

そして、2030年にはこの義務基準はさらに引き上げられて断熱等級5・一次エネルギー消費量等級6が必須となってきます。

 

省エネ基準適合のためには、断熱材の厚みを増やしたり性能の高いサッシを使うなど、建築費用も高くなってきます。

建築費用が高くなると着工戸数の減少にも繋がると予想されますが、補助金の活用により顧客の獲得を目指していくと良いでしょう。

 

新たな住宅の省エネ化への支援である補助事業「子育てエコホーム支援事業」が開始されます。

この事業では、認定低炭素住宅や長期優良住宅と呼ばれる省エネ性能の高い住宅であれば、最大100万円の補助金の取得が可能です。

 

また、省エネ性能の高い住宅であれば、住宅ローン減税の控除も受けられます。

 

省エネ基準適合の義務化による住宅の価格高騰にも立ち向かうためにも、このような補助金や控除について学び、顧客へのアピール材料として使っていきましょう。

まとめ

住宅業界における2024年問題、現在の住宅業界の問題点、2024年以降の住宅業界の展望について解説しました。

住宅業界に限らず、日本全体ではさまざまな事情から働き方が変わるなど、私たちの生活にも変化が出ています。

 

住宅業界では新たな制度導入によって2024年からの働き方も変わってくるでしょう。

2024年問題に立ち向かうためにも会社での従業員の働き方を見直していくことも必要になってくると思われます。

 

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