Column コラム

DXで改革する建材業界の課題と今後の動向

2023.01.11

コラム

デジタル技術を活用して、ビジネスモデルや業務効率を変革することを目的としたDX(デジタルトランスフォーメンション)が注目されています。

デジタル技術はこれまで、IT業界など一部の限られた分野で用いられるものという認識が一般的でしたが、DXは業種や企業規模に関係なく今後不可欠なものになっていきます。

建材業界でも例外ではなく、DXに取り組むことでさまざま課題が解決できると期待されています。

そこで今回の記事では、建材業界の課題と今後DXに取り組むことで解決できる問題を中心に紹介していきます。

建材業界の現状

建材業界の現状と今後を予測するための一つの指標として、「新築住宅の着工数」というものがあります。

簡易的ではありますが、建築する住宅の増減によって建材業界の市場を把握することができます。

新設住宅着工戸数の実績と予測結果
(引用:https://www.nri.com/jp/journal/2018/0813

この資料によると、現状新築住宅の着工件数は減ってきており、将来的にも少しずつ減少していくことが分かります。

このような動向になる原因の一つとして考えられるのは人口減少です。

相対的に人数が減ると、それだけ居住場所は必要なくなってきます。

それに伴い、昔作った住宅がどんどん余っていくようになるため空き家問題なども合わせて顕在化してくるようになります。

どちらにしても、住宅は余り過ぎているため作る必要がなく、建材市場は縮小していくと予想されます。

既存住宅のリフォーム市場に期待することもできますが、施工範囲や資産価値の観点から難しい可能性が高いでしょう。

建材業界はこのような問題と向き合いつつ、付加価値の高い製品を供給し続けるという難題に直面しているのです。

建材業界の4つの課題と今後の動向

厳しい環境下にある建材業界では以下の4つの課題があります。

  • 課題1:コロナ禍に対する対応
  • 課題2:進まないデジタル化
  • 課題3:商品管理が煩雑
  • 課題4:納期対応

建材業界は古い体制が根強く残っている業界です。

そのため新しい技術の習得には否定的な人たちが多く、非効率な業務を行なっている側面があります。

しかし携わる関係業者の数が多く、それらのほとんどの業種は新しい技術を取り入れ進歩しています。

このことからも、周りに迷惑をかけないために取り組んでいく必要があります。

課題1:コロナ禍に対する対応

新型コロナウィルスによる原材料の供給網の混乱や、ロシアのウクライナ侵攻がきっかけとなった燃料高騰など、建設業界全体で仕入れコストが増大している傾向にあります。

2021年は政府の金融政策効果もあり建設業の倒産件数は1065件と過去30年で最小件数となったが、2022年は4月時点で370件と飲食業界に次いで2番目の件数となっています。

現状この先も情勢が変わる見込みがないことから、原材料のコスト増加は見過ごせない問題です。

このため、企業は会社を存続させるための一つの手段としてDXによる変革を急いでいます。

課題2:進まないデジタル化

建材業界は従来ITとは無縁の業種であったこともあり、デジタル化へとスムーズに移行できず、いまだにFAXや書類をベースとした取引が慣例化している企業が少なくありません。

デジタル化が欠かせなくなっていますが、ITの活用自体が遅れています。

しかし発注を担当しているのが現場監督という場合もあり、ITに不慣れな人も少なくないことがデジタル化を阻む要因になっています。

今後はITやデジタルツールに疎い人でも気軽に利用できるシステムの導入が欠かせません。

課題3:商品管理が煩雑

建築資材は種類が多いため、管理がとても大変です。

しかし、IT化があまり進んでいないこの業界では、建築資材の商品管理に時間や人員を割かなければならず、業務を効率化できずに苦しんでいる企業は珍しくありません。

原材料のコストが上がっている昨今、在庫管理や仕入管理にかかる経費削減は企業の死活問題です。

早急に取り組む必要があるでしょう。

課題4:納期対応

建材業界は受注から納品までのリードタイムが非常に短い業界です。

また、昨今の情勢や天候など外的要因に大きく影響を受けるため、顧客への納期対応が予定通り進まないケースも多くあります。

納期の遅延の影響は、予定通り売り上げを計上することができないことにつながるため、経営悪化に直結します。

しかし、どうにもできない要因であることから、他の部分でコストカットを行いカバーしなければなりません。

たとえばデジタル化を行い、仕入れから売り上げまで一元的に管理することはその第一歩になります。

建材業界の今後はDXで改革する

経済産業省がまとめた「DXレポート2」によると、建設業界全体におけるDXの取り組状況は部分的な実施にとどまっています。

しかし、大手ゼネコン等は通信業者と共同で現場作業用のロボットや自動制御システムの開発をしており、近い将来実用化される可能性は高いでしょう。

そしてその波は中小企業へも波及していくため、その建設業界に対して資材や材料を提供する建材業界もDX化を推進しなければなりません。

たとえば、構造物の図面や設計図からAIが自動的に分析し必要な材料を自動的に積算する仕組みなどです。

これらの作業は従来、熟練の作業者が行う必要がありましたが、DXが実現されると大幅な業務効率化が望めるでしょう。

さらにクラウド化し情報を共有することで人的なミスも低減できます。

このように、DX化が進んでいない業界だからこそ、導入後のメリットは多くあります。

小さなことから少しずつ取り組むことが求められています。

DXで改革する建材業界の3つの課題

建材業界が解決しなければならない課題は下記の3つです。

  • サブプライチェーン
  • 労働力不足
  • 技術の継承

デジタル化がまだまだ進んでいない業界だけにこれらの課題に取り組むことで大きな効果を発揮することができるでしょう。

サブプライチェーン

建設業界は複数の企業が関わって、サプライチェーンを構築しています。

建材業界もその中に含まれておりますが、現在資材納期の回答に手間と時間を要しており、全体のトラブルを引き起こす要因になっています。

構造物によっては、資材を切るなどといった二次加工も必要となり、ますます納期の長期化が発生しています。

これらの問題を解決するために設計段階の時点で、必要部材の情報を共有し段取りしていくことが求められています。

具体的な取り組みとしてDXが推進されることにより、関連部署や取引先とこのようなこと現実的に可能となるため、今後取り組んでいかなければならない課題の一つになっています。

労働力不足

建築業界は人手不足問題が深刻化しています。

そのため、技術継承や事業継承があまり進んでいない状況です。

建材業界もこの問題は例外ではなく、直面しています。

人口減少、少子高齢化問題に伴いこれまでと同じように労働力を確保することは、物理的に今後もっと難しくなります。

そのため、今後は少ない労働力で高い生産性を上げる仕組みを構築しなければなりません。

テクノロジーを活用し、業務の効率化・自動化すると共に、ビジネスモデルへの変革も積極的におこなっていく必要があるでしょう。

技術の継承

建材業界の人手不足問題は単に作業員が減少するという話だけではありません。

これまで培ってきた技術やノウハウが途絶えることに直結します。

従来、技術の継承はベテラン社員から中堅・若手社員へと教育されていました。

しかし、人口減少により継承される側の若手社員がいなくなっているため、それが難しくなっています。

また、これまでは十分な人員が確保されていたため、業務の合間を縫って教育できていましたが、近年は自分の仕事が手一杯で難しくなっています。

人員的にも時間的にも厳しくなってきているからこそ、効率的に教育・育成する仕組みを考えなくてはなりません。

アナログ的な手法からデジタルを活用した手法へシフトする時が来ています。

まとめ

建材業界の課題をDXの活用で解決する方法について解説してきました。

上記でも述べていますが、建材業界は古い体制が根強く残っている業界であるため、新しい技術を浸透させるには時間がかかります。

しかし、取り組みが遅いからこそ本気で取り組めばリターンは大きなものになります。

特に、資材管理や納期管理の側面ではデジタル化(自動化)することで、そこに割いていた人的リソースを節約することができるため、効果が大きいでしょう。

このほかにもさまざまな業務内容で効果を上げる可能性が高いため積極的に取り組んでいきましょう。

いきなり、時間とコストをかけると長続きしないどころか従業員の協力も得られないため、まずはエクセルの活用くらいから少しずつはじめていくといいでしょう。

 

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