いまさら聞けないBELSって何?メリットや申請方法も解説
2022.12.06
昨今は全世界的に省エネ志向が進んでおり、その影響は建築業界にも及んでいます。
BELSもまた省エネ志向の影響により生まれたシステムと言えますが、「BELSって実際のところ何なの?」と感じている人も少なくないでしょう。
本記事ではBELSとはそもそも何なのか?という概要説明から、実際の業務にどう関わるのかということまで説明します。
参考にしてBELSを上手く利用し、会社の業績を伸ばしましょう。
目次
BELSとは
BELSとはBuilding-Housing Energy-efficiency Labeling Systemの略称で、建築物に対し省エネ性能を評価・認定する制度のことです。
BELSを取得すると、以下のようなマークが発行されます。
【BELS認定表示】
引用:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会「B E L S 表示マークデータ取扱要領」
画像は住宅用かつZEHマークを表示した例ですが、非住宅用のマークやZEHマークが無いものもあります。
星の数は建物の省エネ性能によって変動し、性能が良いほど星の数が増えます。
BELS申請のメリット
BELSの申請には、以下のようなメリットがあります。
【BELS申請のメリット】
- 顧客にアピールできる
- 顧客に分かりやすい
- ZEH補助金の申請に必要
- 一定の評価を受けるのが難しくない
現在は円安やCOVID-19、ウクライナ侵略戦争などの影響で、業界全体で建設費が上がっています。
そのため、補助金申請に利用できるという点は大きなアピールポイントとなるでしょう。
ただし、使用できるのはあくまでZEH申請です。
非住宅用のZEB補助金の申請にはBELSの効果が無いため、混同しないように注意してください。
顧客にアピールできる
BELSを取得することで、顧客に対し、自社が環境性能を重視していることへのアピールになります。
住戸はもちろんですが、非住宅でもBELSの認定は申請可能です。
そのため、「自分達の顧客に環境対策へのアピールをしたい」というクライアントの目にも、メリットのある制度に映るでしょう。
特に昨今は多くの企業が環境対策に取り組んでおり、「省エネの努力をしていて当たり前」という風潮が見受けられます。
BELSを行っていることもアピールになりますが、「BELSを行っていないことで低評価を受けるかもしれない」と不安を抱えている人も、少なくありません。
顧客に分かりやすい
BELSは顧客にとって分かりやすいというメリットもあります。
省エネ性能の多くは最終的に数値で測ることになります。
しかしはっきり言うと、建築に明るくない顧客の多くは、「BEIの値が1を下回ると…」などと説明してもなかなかイメージできません。
BELSは省エネ性能を星の数で5段階に分けて表しており、この表示性能はパッと見たときの評価の分かりやすさに一役買っています。
企業側としても説明しやすいため、有効に利用しましょう。
ZEH補助金の申請に必要
BELSはZEH補助金の申請に必要な項目です。
住宅・集合住宅の事業に携わっている場合は、積極的に認定を受けてください。
どうしてもBELSでなければ申請できないというわけではなく、第三者の認定であれば申請できる場合もあります。
しかしBELSは申請が簡単であるため、特に理由が無ければBELSを利用した方が良いでしょう。
なお、非住宅であるZEBの補助金申請には、BELSが使えません。
あくまでZEHの話であると区別してください。
一定の評価を受けるのが難しくない
BELSは評価段階が1~5までありますが、実際問題として3程度の評価であれば、特別なことをしなくとも認定が取れます。
1はそもそも既存の建物だけに出る評価です。
また、近年の建物は大抵省エネ適合判定を受けることになりますが、省エネ適合判定の基準になるBEIは1.0以下です。
BELSにおいてはBEI=1.0以下というと、5段階中の2以上の評価になります。
つまり、新築である時点で評価2以上であることは確約されているわけです。
その上で、近年の窓や断熱材、壁材は断熱性が高く性能が良いため、少し気をつければ評価3の取得までは簡単です。
ただしリフォームの場合、リフォームの部分だけで評価を受けるのは難しいこともあります。
最終的には既存部分との総合評価となるため、あまりに省エネ性能に差がありすぎると低評価になってしまう場合があるのです。
BELS申請のデメリット
BELS申請にはデメリットもあります。具体的には以下のとおりです。
【BELS申請のデメリット】
- 申請の手間がかかる
- 必ずしもアピールになるとは限らない
- 高評価には高コストが必要
ただし上記のデメリットは、業務方針や顧客層によってはほぼ気にならない企業もあります。
自社の状況を考えて、メリットとデメリットどちらが大きいか考えましょう。
申請の手間がかかる
BELSには申請の手間がかかります。
とはいってもそう難しくはなく、書類としては3枚程度です。
他の書類も要求されますが、設計図書はBELSに関係なくあって当然ですし、計算書も省エネ適合判定のものを流用することが認められています。
そのため、BELS申請がほぼ習慣化している企業もあります。
ただし、今までまったく提出経験がないという場合は、慣れるまでどうしても手間に感じてしまうでしょう。
必ずしもアピールになるとは限らない
BELSは万人に対して有効なアピールとは言えません。
昨今省エネ志向が高まっているとはいうものの、自分には関係ないと思っていたり、興味が無いという顧客も少なくありません。
そのような顧客に対して省エネ性能の高さを説いたとしても、さほど魅力的には映らないでしょう。
住宅は省エネ性能が居心地の良さに直結しているため、そちらからアプローチが可能です。
しかし非住宅の場合。特に倉庫や仕事場の場合は「居心地が悪くて当然」と考え、省エネ性能に魅力を感じないケースが比較的多いです。
高評価には高コストが必要
BELSにおいて一定の評価を受けるのは簡単ですが、高評価を受けるには高いコストが必要です。
BELSにおいて高い評価を受けるということは、省エネ性能が高いということであり、ひいてはそれだけ良い断熱材や建具、建材を使用しているということになります。
良い建材を使用すればそれだけコストは高くなるため、最終的な費用が割高になってしまうのは避けられません。
コストを重視する顧客には勧めづらいのが現実です。
BELSの申請方法
BELSの具体的な申請方法としては、下記書類を申請期間に提出します。
【BELS申請提出書類】
申請書類 |
|
設計図書 |
|
設計図書(非住宅のみ) |
|
計算書 |
|
設計図書は通常の確認申請とさほど変わらないため、苦労しなくとも揃えられることが多いです。
ただし計算上、同一建物内で用途が変わる場合は用途別に面積を分けて求積する必要があるため、準備しておきましょう。
【参考】BELSは省エネ適合判定と異なるのか?
BELSは省エネ適合判定とは異なります。
ほぼ同様の計算や申請方法ですが、手続きとしては別物になります。
そのため、省エネ適合判定を提出したからといって、BELSに申請したことにはなりません。
同じ申請を二度行っているのに近いことにはなりますが、BELSはBELSとして個別に申請する必要があるため、BELSが必要な場合は忘れずに両方の申請を提出しましょう。
まとめ
BELSは手間と比較してメリットの多い認定システムであり、行ったからといって損をするようなものではありません。
顧客層にもよりますが、申請を引き受けられるようになると、そのことがそのまま自社の強みにもなります。
これまでBELSを知らなかった場合でも、新たに顧客にアピールできる点が増えたと考え、申請を積極的に行いましょう。
そうすることで、BELSを扱わない競合他社と差を付け、さらに業績を伸ばしていけます。
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