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安心して暮らせる健康住宅とは?住む人の健康を守るには建築建材がカギ

2022.06.27

コラム

昔ながらの日本の住宅は、高温多湿な環境を快適に過ごすため、通気性や調湿性に優れた工夫が壁や床など家中のあちこちにみられました。

しかし、現代では高度な技術進歩により機密性や断熱性を高め、熱を逃がさない家づくりが主流となっています。

技術革新による家づくりの変化は快適な暮らしを実現しました。

その反面、カラダが急な変化についていけず、住む人によっては健康を阻害する要因を引き起こすこともわかってきました。

この記事では、住む人の健康を考えた住まいづくり、いわゆる健康住宅について要点をまとめました

これから新しく住まいづくりを始める方やシックハウス症候群など健康問題に関心のある方のヒントになればと思います。

健康住宅とは

健康住宅とは住む人の健康を守り、末長く暮らせる家をいいます。さらに地球環境にやさしい住環境が整った住宅でもあります。

具体的に健康住宅とは、どのような住宅を指すのでしょうか。住む人・家・環境の3つのポイントに分けて解説します。

住む人の健康を守る

健康住宅として最も重要な点は、住む人の健康を守ることです。

健康とは病気にならないだけでなく、住む人が快適でストレスなくリラックスできる生活を意味します。

そのため、健康への悪影響や害のある建材をなるべく使わない家づくりが求められます。

一般社団法人「健康・省エネ住宅を推進する国民会議」では、健康に影響・害がある住宅環境を次のように示しています。

  • 建材や家具からの空気汚染
    ⇒化学物質によるシックハウス症候群による食欲不振やアレルギー
  • 室内が冷え込む
    ⇒風邪・肺炎・気管支炎・血圧上昇などを助長
  • 部屋間の急激な温度変化
    ⇒ヒートショック、急激な血圧変動による負担
  • 結露によるカビやダニ
    ⇒カビ・ダニによるシックハウス症候群でアレルギーなどを発症
  • 室内が暑すぎる
    ⇒熱中症の危険
  • 湿度が極端に高いまたは低い
    ⇒風邪や気管支炎、熱中症などに注意
  • 建材の材質や色、におい
    ⇒ストレス性疾病の原因
  • 段差や手すりがない
    ⇒幼児や高齢者などの怪我

上記の住宅環境をみるとアレルギーや温度変化、ストレスなどが健康に大きく影響を及ぼしていることがわかります。

住宅環境を改善するため、換気システムを導入して部屋中の空気を入れ替えたり、断熱性を高めて住みやすい住環境を整えたりすることは、健康住宅づくりにとって重要です。

末長く暮らせる家

末長く暮らせる家とは、家の劣化をできるだけ抑えて、長い間住み続けることができる家のことです。

戦後に日本で建築された住宅の寿命は約30年といわれます。

外国の平均寿命をみてみるとアメリカは約55年、イギリスは約77年、ドイツは約80年です。

画像①

出典:国土交通省「滅失住宅の平均築後年数の国際比較」より

日本が諸外国と比べて住宅の寿命が短い理由は、高温多湿な気候風土が大きく関係しています。

家自体を健康で長持ちさせるためには、結露やカビの発生を抑えるために湿度調節をしたり、劣化しにくい断熱材を用いたりすることが大切です。

そのため、ひとつひとつの材料にこだわり、長持ちする素材を使う必要があります。

健康住宅で使われる自然由来の素材には、調湿性や断熱性、保温性、抗菌性など優れた特徴があります。

環境にやさしい

自然素材の特徴を活かした工法は、環境にやさしい省エネ効果を生み出します。

例えば、調湿効果がある漆喰を用いた内装は、外気温の影響を受けにくくエアコン温度も緩やかな調整で済むため電気代削減につながります。

また、熱伝導率の低い天然無垢材を用いたフローリングは、冬でも暖かく過ごせます。

結果としてエアコンの使用を控えることができ、エコで省エネルギーかつ環境にやさしい住まいが実現します。

住まいの現代病

気密性と断熱性に優れた現代の住宅では、冷暖房設備の普及もあり換気をする機会が少なくなっています。

そのため、建材から放出される化学物質が部屋中に充満しやすく、空気の質も悪くなります

その結果、高気密で高断熱の住宅はシックハウス症候群や化学物質過敏症などの現代病と呼ばれる病いを引き起こしました。

ここでは代表的な現代病とその要因について紹介します。

シックハウス症候群

シックハウス症候群とは、新築やリフォームが発端で、建材や接着剤から放出される化学物質で起きる健康被害のことです。

シックハウス症候群には次のような症状があります。

  • のどの痛み
  • 吐き気
  • 目がチカチカする
  • 鼻水
  • 頭痛
  • 湿疹
  • めまい
  • 全身の倦怠感

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎のはっきりとした原因は不明ですが、皮膚のバリア機能の低下や環境が原因のひとつといわれます。

具体的には、下記のような環境が原因となって症状が現れます。

  • アレルゲンとなる住環境
    ⇒建材から放出される化学物質・ダニ・ノミ・ハウスダスト・動物の毛・フケ・カビ・花粉・食物など
  • 皮膚への刺激
    ⇒汗・ベルトやパンツによる締め付け・乾燥・洗剤・化粧品など
  • 寝不足・ストレス・過労など

皮膚の激しい痒みや湿疹を伴い、悪化したり改善したりを繰り返しながらも、なかなか完治に至らない特徴があります。

カビやダニによるアレルギー

結露によってカビやダニなどの微生物が繁殖すると、人体に悪影響を及ぼしアレルギーや喘息などの症状が現れます。

結露を抑えるには、家全体の断熱性を高めて、しっかりとした換気が必要です。

内壁に調湿効果のある素材を用いることもおすすめです。

ヒートショック

ヒートショックとは、急激な温度差がもたらす体への悪影響のことです。

特に冬場、暖かい部屋から冷えきった洗面やトイレに移動したとき血圧が急変したり、脈拍が早まったりすることがあります。

急な血圧変動が引き金となり、脳出血や脳梗塞、心臓マヒを発症する高齢者が増えています。

ヒートショックを防ぐには、家全体の機密性や断熱性を向上させて、各部屋の温度を一定に保つ必要があります

環境にやさしい自然素材

食事や買い物をするとき、なるべく添加物が入っていない自然なものを選びたいものです。同様に化学物質が入っていない自然な素材を使った家づくりは環境にやさしく、安心して暮らせます。

健康住宅でよく使用される漆喰・炭化コルク・天然無垢材・柿渋・米のりの特徴をみてみましょう。

漆喰(しっくい)

石灰岩が主成分の漆喰は、水を加えて壁に塗ると乾燥過程で二酸化炭素と結合して、石灰岩と同じ成分の炭酸カルシウムになります。

漆喰には次のような特徴があります。

  • 優れた吸湿・放湿性があり結露を防止する
  • 有機物を分解する作用によりカビ・ダニの発生を防止する
  • 不燃性の素材なので火に強い
  • シックハウスの原因である揮発性有機化合物を吸着分解する

炭化コルク

炭化コルクは、廃棄するバージンコルクやコルク栓の残りを蒸し焼きにして炭にしたものです。

コルクから出る樹脂成分だけで固めた100%天然素材の炭化コルクは、断熱材として使用されます

断熱・防音・調湿・防虫・耐腐食性能などの特徴があります。

天然無垢材

天然無垢材は、防虫や防カビなど人や環境に有害な薬剤処理を施していないので安心・安全です。

無垢材には調湿機能があり、木自体が呼吸をしているため基本的に無塗装で床材などに使用されます。

柿渋

柿渋は、渋柿を圧搾・発酵して製造された塗料で防腐、防カビ、防水効果があり建具などに用いられます。

柿渋を塗った面に太陽光が当たると味わい深い色味に変化していきます。

米のり

米のりは木材を貼り合わせるときに使う無害で安全な接着剤です。

炊いたご飯を練って作ります。

現在の建築では、化学接着剤が主流ですが、健康住宅では昔ながらの米のりを使います。

木工用ボンドと同程度の接着強度があり、乾燥しても剥がれにくい特徴があります。

健康住宅を建てるポイント

健康住宅を建てるポイントとして、建築に用いる建材や設備選びがとても大切です。

健康住宅で使われる建材と一般的に使用される建材との違いについて解説します。

給水管

耐久性のあるステンレス管は、接着剤を使用しないので安心です。

ポリエステル管も可燃後は水と酸素に分解するだけなので人体へ悪影響を及ぼす心配がありません

塩化ビニルの場合は、加工を容易にするために可塑剤が添加されています。

急性毒性はありませんが、発がんの可能性が報告されています。

給水管を通る水が体内に影響を及ぼす可能性は否定できません。

下地

見えないところに使われる下地などの素材には特にこだわる必要があります。

例えば、床の下地には杉の無垢材を用いたり、不燃建材で調湿機能がある石膏ボードなどの機能建材を使ったりなど安全な素材を使用することが大切です。

一般的には、化学物質を含む接着剤で貼り合わせた下地合板を使用します。

防火のため建材の表面に有機リンやハロゲン系の物質がコーティングされているため人体へ害をもたらす可能性があります

断熱材

原材料の70%以上が羊毛からできているウールブレスや前述しました炭化コルクなどは、安全性が高い断熱材として健康住宅に使用されています。

高い断熱性と湿度をコントロールする調湿性に優れ、丈夫で長持ちなので断熱材に適しています。

内装

自然素材が成分の和紙や布クロスは、安全性も高く有害物質が含まれていない内装材です。

和紙には、調湿性があり温かみのある落ち着いた空間を演出してくれます。

一般的に用いられるビニルクロスは、通気性や調湿性が低く、カビやすいという問題があります。

そのため防カビ処理が施されます。

また、クロスを貼り付ける接着剤も化学物質が含まれているため、安全面に留意する必要があります。

フローリング

人は無意識のうちに大量の空気を吸っています。

吸い込んだ空気から取り込まれた有害物質は、体外への排泄は少なく体内に蓄積されやすい特性があります。

人が吸い込む空気の割合は壁からが15%、天井からは1%。床からは50%といわれ、ほとんどが床からの空気になります。

そのため、フローリングが天然無垢材なら有害物質を含まないので安心・安全です。

一般的なフローリングは、薄板を接着剤で貼り合わせた合板が使われます。

接着剤には化学物質が含まれており、特に床面と顔が近い子供の健康への影響が懸念されています。

まとめ

この記事では、健康住宅の概要や住宅によって起こる健康被害、健康住宅を建てるポイントについて解説しました。

アフターコロナのなか健康意識が高まり、健康住宅に関心を持つ人が増えています。

しかし、住宅の性能と住む人の健康との関連性について情報も少なく、まだまだ知らない方も多いことでしょう。

自然な素材、体にやさしい建材を用いた健康住宅を提案していくことは新たなニーズをつかむだけでなく、健康住宅への関心や知識を広めることにもつながります。

この記事を参考にお客様に寄り添った提案をしていきましょう。

 

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