断熱リフォーム支援事業|窓の改修だけでもOK!
2023.05.12
建設会社を経営されている皆様なら、お客様にも有利となる断熱リフォーム支援事業について、以下のようなお悩みや疑問をお持ちではないでしょうか。
- どのリフォーム工事に適用されるのか
- どの程度の補助金を受け取れるのか
- 申請対象と申請の流れなど
断熱リフォーム支援事業は、窓だけの改修でも補助金を受け取れる制度で、最大120万円の補助を受け取れる制度です。
国や自治体が推し進めている補助金支援事業の中でも、2050年までにカーボンニュートラルを実現させることを目指して取り組んでいる事業の1つでもあり、1企業として環境配慮にも力を入れていることをアピールできる点でも是非詳しく知っておきたいところです。
目次
断熱リフォーム支援事業とは
断熱リフォーム支援事業とは、既存住宅の断熱リフォームにおける補助金制度です。
環境省の補助金制度であるため、全国の既存住宅が対象となります。
ただし、以下の3つは対象外となるので注意が必要です。
- 既に契約や工事を行った場合
- 店舗や事務所などの住宅以外の用途
- 常時住んでいない別荘や空き家
それでは、具体的に断熱リフォーム支援事業の中身について解説していきます。
断熱リフォーム支援事業の背景
断熱リフォーム支援事業の背景は、環境配慮の観点から国主導で進められている事業です。
近年、各地で異常気象による災害が頻繁に発生し、生態系や産業、経済活動にまで影響が出ると言われています。
これら異常気象の原因の1つといわれる地球温暖化を抑制する取り組みとして、2020年当時の菅首相が、2050年までにカーボンニュートラルを実現すると発表したことにあります。
カーボンニュートラルを実現するための既存住宅の対応としては以下の3つがあります。
- 建物の高断熱化による省エネ性能の向上
- 高効率設備による省エネ性能の向上
- 太陽光発電などの自然エネルギーの活用による創エネ
これらのうち、建物の高断熱化による省エネ性の向上に対して、補助金制度が設けられているものが、断熱リフォーム支援事業となります。
断熱リフォーム支援事業の概要
断熱リフォーム支援事業は、全国の既存住宅の断熱リフォーム工事が対象となり、断熱リフォーム工事の対象部分としては以下の工事です。
- 天井断熱リフォーム工事
- 外壁断熱リフォーム工事
- 床下断熱リフォーム工事
- 窓断熱リフォーム工事
上記に合わせて、以下の設備改修も補助の対象とすることが可能です。
- 玄関ドア
- 家庭用蓄電システム
- 家庭用蓄熱設備
- 熱交換型換気設備
- エアコン
設備については補助の対象となる機種等に制限があるので注意が必要です。
断熱リフォーム支援事業の対象期間等
断熱リフォーム支援事業の対象期間については、決められた期間での公募があり、その期間内での申請が必要となります。
現在(2023年5月段階)では、令和5年3月から6月で、令和5年6月以降は数回公募予定となっています。
最新情報については、公益財団法人北海道環境財団のホームページを参照してください。
公募期間に補助金申請を行い、専門の審査委員による審査に合格すると補助金が交付されることになります。
ただし、毎年度の決まった予算に達した場合は対象期間であっても公募が終了となる場合があるため、随時確認が必要です。
断熱リフォーム支援事業の種類と補助金額
断熱リフォーム支援事業の補助対象となる改修方法は以下の2つの種類があります。
- トータル断熱
- 居間だけ断熱
トータル断熱は、建物の天井・外壁・床・窓など建物全体を断熱リフォームする場合に対象となるもので、居間だけ断熱については、居間の窓を断熱リフォームするものを対象としています。
トータル断熱
トータル断熱は建物全体を断熱リフォームすることを目的としたもので、補助対象内容は以下の通りです。
■対象区分(※店舗や事務所は除く)
- 戸建住宅
- 集合住宅
■補助対象となる製品
- 高性能建材(断熱材・窓・ガラス)
- 玄関ドア
- 蓄電システム
- 蓄電設備
- 熱交換型換気設備等
補助率は上記改修工事の1/3が上限で、補助対象金額については、戸建住宅で最大120万円、集合住宅で最大15万円となります。
居間だけ断熱
居間だけ断熱については、建物全体までも改修せず、日常の中心となる居間だけを断熱リフォームする内容について対象とした事業となります。
補助対象内容については、以下の通りです。
■対象区分(※店舗や事務所は除く)
- 戸建住宅
- 集合住宅
■補助対象となる製品
- 高性能建材(窓)
- 玄関ドア
- 蓄電システム
- 蓄電設備
- 熱交換型換気設備等
補助率は上記改修工事の1/3が上限で、補助対象金額については、戸建住宅で最大120万円、集合住宅で最大15万円となります。
トータル断熱と大きく異なる点は、断熱材の改修がないことです。
事例
補助金の計算イメージを以下の2種類で算出してみます。
- トータル断熱での全体的な改修を行った場合
- 居間の窓だけの改修を行った場合
1、戸建住宅のトータル断熱事例のイメージ
改修内容(省エネ効果15%以上が見込まれる改修)
- 屋根・外壁:高性能断熱改修
⇒300万円 - 窓:居室の断熱サッシ・LOW-Eガラス改修
⇒100万円 - 玄関ドア:高性能断熱ドアへ改修
⇒50万円 - 蓄電池:家庭用蓄電池5kWh
⇒100万円 - 改修合計金額
⇒550万円
補助金対象金額算定 550万円×1/3≒183万円>120万円
→120万円の補助対象
上限が120万円であるため、上記改修の実費は550万円ー120万円=330万円となります。
2、戸建住宅の居間だけ断熱事例のイメージ
改修内容(日常生活の中心となる居間の窓を改修)
- 窓:居室の断熱サッシ・LOW-Eガラス改修
⇒30万円
補助金対象金額算定 30万円×1/3=10万円<120万円
上記改修の実費は30万円ー10万円=20万円となります。
断熱リフォーム支援事業の申請方法
断熱リフォーム支援事業の申請方法については、以下の3点を抑えておく必要があります。
- 申請対象の要件
- 補助対象となる申請者
- 申請手続きの流れ
申請対象の要件
申請の対象となるのは、以下の要件を全て満たす事業が対象となります。
- 補助対象製品を用いた、既存住宅の断熱改修を行うこと
- 補助対象の改修工事の契約及び着工は、交付決定通知日以降の実施であること
- 完了実績報告書を提出期限内に提出すること
- 本事業の補助対象には、他の国庫補助金をうけたものが含まれていないこと
- トータル断熱・居間だけ断熱は併用はできない
※詳細の要件は以下の財団HPをご確認ください。
トータル断熱:https://www.heco-hojo.jp/yR04/danref/doc/danref_kohbo_2022_2nd.pdf
居間だけ段悦:https://www.heco-hojo.jp/yR04/danref/doc/danref_kohbo_2022_living2nd.pdf
補助対象となる申請者
補助対象となる申請者は以下のいずれかに該当しなければなりません。
また、同一人物が複数物件を申請することはできません。
- 戸建住宅の個人所有者又は、個人の所有予定者
- 戸建の賃貸住宅の所有者(個人・法人どちらでも可)
- 集合住宅(個別)の個人の所有者又は、個人の所有予定者
- 集合住宅(個別)の地引退住宅の所有者(個人・法人どちらでも可)
- 集合住宅(全体)の管理組合等の代表者
- 集合住宅(全体)の賃貸住宅の所有者(個人・法人どちらでも可)
申請手続きの流れ
申請手続きは以下の流れで進めていくことになります。
- 申請者は公募期間中に交付申請書の作成及び提出を行う
- 公益財団法人北海道環境財団にて審査・選考が行われる
- 財団にて審査通過すると交付決定通知書が申請者へ発行される
- 申請者は交付決定通知書を受領し、改修工事の契約及び着工を行う
- 申請者は工事が完了し支払完了後、完了実績報告書を財団へ提出
- 財団にて審査、現地調査が行われる
- 財団にて審査通過となると交付額確定通知書が申請者へ発行される
- 申請者は交付額確定通知書を受領し、清算払請求書を財団へ提出
- 財団より補助金が申請者へ交付される
ここでのポイントは、財団での審査が着工前と、着工後の2回実施されることです。
申請と異なる工事を行うと、2回目の審査が通らない場合もあるため注意が必要です。
まとめ
国が推奨しているカーボンニュートラルへの取り組みは、会社の経営者としても積極的に取り組むべき事項です。
また、居間の窓だけの断熱リフォームでも対象となる断熱リフォーム支援事業は非常にハードルの低い補助制度で、お客様に有利な条件で改修工事を行っていただける制度でもあります。
1企業としてカーボンニュートラルなどの環境配慮に力を入れていることの発信ができ、お客様にもメリットのある断熱リフォーム支援事業は、積極的に活用することで会社の受注量拡大に繫がります。
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