施工管理における4大管理の1つ「原価管理」について徹底解説
2023.05.15
原価管理は企業の経営を左右する重要な管理の一つです。
原価管理をきちんと行いたいけど具体的な方法が分からない、やっているけど利益が残っていない、そんな経営者も多いのではないでしょうか。
「原価管理」「安全管理」「品質管理」「工程管理」、建設業界ではこれらを4大管理と呼んでいます。
これら4つの管理を正しく継続的に行うことで経営全体のバランスが取れて利益の向上にもつながります。
本記事では「原価管理に」焦点を当て、会社に利益の残せる原価管理の方法について詳しく解説していきます。
原価管理を正しく行うための5つのポイント
どの業界においても「原価」を管理することは自社の利益の向上に結びつく重要な管理項目の一つです。
その中で建設業界においては原価管理を行う上で他の業界とは異なる要因がいくつか挙げられます。
- 工事期間が長期に及ぶ
- 天候の影響を受けやすい
- 工事代金の回収に時間がかかる
これらの要因が原価管理を複雑化させ経営者を悩ませています。次の章では原価管理の精度を高め正しく行うための5つのポイントを詳しく解説していきます。
原価管理を正しく行うためのポイント①:工事管理表の作成
材料費・施工労務費・現場管理費・諸経費など細かいところまで原価計算をして予算を組み、現場ごとの粗利益額と利益率の目標数値を決めて計画的に工事を進めていくことが重要です。
正確な工事管理表の作成を行い、それを元に施工管理を正しく行うことが最終的な利益につながる重要なポイントとなります。
時間をかけてでも工事管理表の作成はしっかりと行いましょう。
原価管理を正しく行うためのポイント②:出面表・日報の作成
誰がどの現場でどのような作業を行ったかを毎日記録しておくことは労務費を管理する上で必須条件ですが、意外とできていない経営者も多いのではないでしょうか。
請負契約の場合は工事金額が決まっていますが、歩掛り契約の場合は工事内容や作業員の技術によって労務費に差が生じるので注意が必要です。
労務費の不必要な増加を無くすためにも出面表と日報の作成は不可欠です。
原価管理を正しく行うためのポイント③:工程管理の徹底
工程表を元にPDCAサイクルを回しながら工程管理を行うのが基本ですが、建築現場では予期せぬ問題の発生により工事か遅延する場合もよくあります。
また、外部関係の工事については時期によって天候の影響を受けるので大幅に遅延するケースも想定しておかなければなりません。
想定外の問題や異常気象なども考慮し一歩先読みした工程管理が重要となります。
参考:驚くほど簡単に建築工事の工程表が作れる無料エクセルテンプレート5選
原価管理を正しく行うためのポイント④:定期的な原価の管理
工事期間が長期に及ぶ建築現場では材料変更や仕様変更などによる費用の増加や、時間がかかる現場での労務費の増加なども頻繫に起こるので注意が必要です。
私も過去に外部足場の台風養生を幾度となく行った経験があり、かなり高額な費用を負担した苦い経験があります。
想定外の費用が発生することは建築現場ではよくあるので定期的に原価の確認を行いましょう。
原価管理を正しく行うためのポイント⑤:完工後の粗利益の確認
建設工事においては工事期間が長期に及ぶため工事代金の回収に数か月かかることもあります。
工事は完成したから終わりではなく、完工後にどれだけ粗利益が残っているか、予算との差異はどれくらいあるのかを確認し見直すことが大切です。
良い所も悪い所も社内で共有し、次に生かす事が会社に利益を残すための重要なポイントとなります。
原価管理のシステム化を行うメリットについて
建設業界においてはIT化が進んでおらず、紙ベースで運営している会社がまだ存在します。
スマートフォンやアプリケーションソフトなど、便利になったデジタル技術を活用しない手はありません。
原価管理のシステム化を行うことによって原価をスピーディーかつ正確に計算することができ、データの集積、分析、ネットワークによる社内情報の共有化を行えるなどたくさんのメリットがあります。
次章では原価管理のシステム化を行うメリットについて詳しく解説していきます。
時間短縮ができる
内外装の仕上げ材、建具、設備機器など建設現場においては数多くの商品を取扱います。
そのため、材料の原価計算を行うだけでも非常に時間を要します。
システムを利用すれば最初に材料単価を入力しておけば、その後は数量を入れるだけで材料費の計算ができます。
また、材料を注文する際も手書きではなく注文書を印刷するだけなのでかなりの時間短縮が可能となります。
工事履歴の検索が素早く行える
過去の現場の情報を素早く検索できるとアフターサービスやメンテナンス、トラブル時の対応がスピーディーに行えます。
当時使った材料や工事内容確が確認できるので、適切な顧客対応が可能となり会社の信用アップにもつながります。
社内で情報共有ができる
誰がどの現場でどのような作業を行っているか、工事の進捗状況や工数の確認などシステムを導入すればスマートフォンやパソコン一つで社内の情報が共有できます。
無駄な動きを無くして適正な人員配置を行うことができるので労務費の適正な管理が行えます。
原価管理のシステム化を行うデメリットについて
原価管理システムは数多くの会社が独自のサービスを展開しており、導入すれば作業の効率や正確性が上がって便利になります。
一方、導入には相応の費用がかかりますし、パソコンの操作が苦手な社員が多い企業が導入すると運用までに時間がかかってしまうこともあります。
次の章ではシステム化を行うデメリットは以下のとおりです。
- 費用がかかる
- システムに慣れるまでに時間がかかる
原価管理のシステム化のデメリット①:費用がかかる
原価管理システムにはパッケージ販売されているものや、システムの更新や保守に追加費用がかかるものもあったり各社で様々なサービスや料金体系があります。
また、導入にあたりネットワーク環境の整備や設備機器の増設なども必要になってきます。
どの原価管理システムを取り入れるにしても相応の費用がかかるので自社の規模や予算に適したシステムの導入を検討しましょう。
原価管理のシステム化のデメリット②:システムに慣れるまで時間がかかる
原価管理システムを導入しても運用するにはパソコンやスマートフォンの操作ができる一定のスキルが必要です。
私の経験上においても建設業界の人はアナログな方が多いように思われるので、システムを導入しても慣れるまでに時間がかかってしまうことがデメリットです。
そうならない為にも日頃からパソコンやスマートフォンの操作に慣れておく必要があります。
まとめ
工事が長期間に及び代金の回収にも時間がかかる建設業界において、原価管理は正確かつタイムリーに行うことが重要です。
綿密な工事計画書を作成し、工程表に則り労務費や管理費のコストダウンを常に意識しながら工事を進めていくことが会社の利益につながる重要なポイントとなります。
原価管理システムを導入することでアナログな方法で進めていた時には見えなかった問題点や課題が発見でき、解決策が見いだされることは間違いありません。
自分の会社の規模やスタイルに合ったシステムを導入し、健全な経営ができる環境を整えて下さい。
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