【建設業】工程とは?工程表の役割と種類を徹底解説
2022.12.27
「建築現場の工程はなんとなくわかるけど具体的な役割はわかんないや……」こんな悩みはないですか?
本記事では工程の役割と種類について解説しています。
この記事を読むことで工程が理解でき現場で役に立ちます。
そもそも工程とは?
建築工事の工程とは、工事全体の流れのことです。
建築工事の種類を大きく分けると以下の4つになります。
- 土工事
- 杭工事
- 躯体工事
- 仕上げ工事
建築物をつくるまでの期間は決まっています。その中で工事ごとの工程にかかる期間を守ります。
工程の重要性
工程の重要性は以下の2つです。
- 納期や品質を守るため
- 生産性を向上させるため
納期や品質を守るため
工程管理をする上で一番重要なのは納期を守ることです。
納期を守るためにはしっかりとした工程表を作成し、臨機応変に対応することです。
納期を守るのに必死になって品質を落としては意味がありません。
品質を落とさないためにはゆとりを持った計画を立て、実行することです。
生産性を向上させるため
工程管理をすることによって、資材の在庫や数量などの正確な情報を常に把握することができます。
これにより、各工事における原料の無駄を削減することができます。
また、各作業に必要な労働力についても正確に管理できるため、適切な人員を配置することができます。
作業員の残業が減ることによってモチベーション維持にもつながり、職場環境を改善できます。
このようにすべての工程を管理するため、改善するべきことが明確にわかります。
これは生産過程における収益や生産性向上につながり、企業全体にさまざまなメリットをもたらします。
工程表の役割
工程表の役割は下記の5つです。
- 納期の厳守
- 安全管理
- 重なる工事の確認
- 工期の短縮
- イレギュラーに対応する
納期の厳守
工程表の主な役割は、工程を適切に管理して、納期までに確実に工事を終わらせることです。
精度の高い工程表を作成すれば、工程管理・進捗状況の把握が簡単となり、トラブルが発生しても適切な対処をおこなえます。
結果的に契約通りの納期で施主様に建物の引き渡しが可能です。
安全管理
工程表に工事内容を記入することによって「どこでどの業者が作業しているか」を把握することができます。
危ない作業内容があれば警備員を配置したり区画をしたりと対策できます。
結果的に安全管理につながります。
重なる工事の確認
工程表を作成すれば重なる工事の確認をすることができます。
全業者の工事内容を工程表に書き込むので作業の重なりを把握することができ作業調整ができます。
工事をずらすことによって他業者との接触を未然に防ぐことができ、事故を防げます。
工期の短縮
工程表を作成し、その通りに工事を進めることで自然にスケジュールを守るために作業の効率化が図れること。
それにより全体的な工期も短縮できます。
イレギュラーに対応する
建築現場はイレギュラーなことが多々おこります。
天候や前工事の延長などで全体的に工事が影響するからです。
ゆとりを持った工程表を作成することで工事がずれても問題なく対応することができます。
建設業で使用する工程表の種類
建設業で使用する工程表の種類は以下の5つです。
- ガントチャート工程表
- グラフ式工程表
- バーチャート工程表
- 出来高累計曲線
- ネットワーク式工程表
ガントチャート工程表
ガントチャート工程表とは、作業の進捗状況が一目でわかる工程表です。適切な工程管理を目的として用いられます。
特徴は、作業の段取りが項目別にまとめられている点です。
工事計画の全体像が把握しやすくなっており、一目で工事の進捗状況の把握が可能なことです。
たとえば「いま、何の工事がどこまで進んでいるか」「どの業者が何の作業を担当しているか」などの情報がわかります。
ガントチャート工程表のメリット
- 工事の全体像を見える化できる
- 遅れやトラブルにすぐにわかる
- 工事の管理がしやすい
工事の全体像を見える化できる
基本的に工事は、複数の工事関係者と協力して進めて行きます。
ガントチャート工程表があることで、工事関係者全員に対して、工事全体の流れを分かりやすく共有できます。
「どの工程をどの業者が行うのか」をお互いに把握しておくことで、現場でのコミュニケーションが取りやすくなります。
遅れやトラブルにすぐにわかる
現場のトラブルや工期の遅れといった問題が生じた場合に、すぐに把握できます。
いち早く気づき、スピーディな対処で状況の悪化を防ぐことができます。
問題の対処は、スピード感が最も重要です。
工事の管理がしやすい
工事の管理者は、各工程表の進捗や、トラブル・遅れなどの問題を常に把握しておかねばなりません。
ガントチャート工程表は、これらを見える化できているため管理者の負担が減ります。
管理に必要だった労力を、他の業務に割くことができます。
ガントチャート工程表のデメリット
- 工数がわかりづらい
- トラブル対処でガントチャートを組み直す場合がある
工数がわかりづらい
ガントチャート工程表において、各工程の粒度が高ければ、必要な工数が担当者には分かりづらくなってしまいます。
割り振られた担当者が作業に取りかかるタイミングで、実際に必要な工数の多さに気づき、期限に遅れるといった事態もあります。
トラブル対処でガントチャートを組み直す場合がある
トラブル・遅れをすぐに把握できる一方で、完了に必要な工程が増えたり、元々の工程が変更されたりといった事情で、ガントチャートを組み直さなければならない場面もあります。
再度「各工程を洗い出し、担当と期限を決め、工事関係者に共有する」といった手間が発生する場合があります。
グラフ式工程表
グラフ式工程表はバーチャート工程表とガントチャート工程表の特徴を組み合わせた工程表です。
縦軸は進捗率、横軸は日数となっていて、作業の予定日数と現在の進捗率を同時に確認することができます。
- グラフ式工程表のメリット
どの作業が遅れていて、それによってどの作業に影響があるのかなど、作業ごとの関連性も把握できることです。 - グラフ式工程表のデメリット
情報量が多い分、表が複雑なため、慣れるまでは作成や理解に時間がかかる可能性があることです。
バーチャート工程表
バーチャート工程表は縦軸は作業項目、横軸は日付となり、各項目の日数を棒状で記載します。
各作業がいつ始まり、何日かかり、いつ終わるのかが一目で把握できるのが特徴です。
- バーチャート工程表のメリット
構成が単純なので、作成が簡単なのでそれぞれの作業のスケジュールが把握しやすいことです。 - バーチャート工程表のデメリット
作業ごとの関連性が把握しづらいので作業の進捗管理には不向きなことです。
出来高累計曲線
出来高累計曲線は縦軸に出来高累計(進捗率)、横軸に時間を記入する工程表です。
別名、「工程管理曲線」や「バナナ曲線」、S字カーブなどとも呼ばれます。
- 出来高累計曲線のメリット
スケジュールに対する全体の進捗状況を許容範囲とともに一目で確認できることです。 - 出来高累計曲線のデメリット
作業一つひとつの進捗は記載しないので確認できないことです。
ネットワーク式工程表
ネットワーク工程表は、関連する作業項目をつなぎ、工事全体の流れを明確に示す工程表です。
作業ごとの余裕日数を割り出すことができ、無駄のない工程管理を行うことができるのが特徴です。
- ネットワーク式工程表のメリット
作業工程を明確に示すことができるので、工事関係者全員が工事の全体像を把握しやすくなることです。 - ネットワーク式工程表のデメリット
作成方法がやや難しく、修正も難しいことです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は工程表の役割と種類について解説しました。
はじめて工程表を作成するときは思うようにいきませんが、特性を掴み慣れていけば修正も簡単にできるようになりますよ。
本記事を参考によい工程表を作成してくださいね。
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