いまさら聞けない工事管理の基本を解説「工程表」とは?|住宅リフォーム経営コンシェルジュ
2021.04.27
工程表とは工事を時系列で記したスケジュール表のことをいい、現場を円滑に管理・運営していく上で欠かせないものです。
工事現場ではあらかじめ各作業工程や作業に必要な資材の納期などについて工程表にまとめ、これに沿って現場を進行させていきます。
現場責任者が着工前に工程表を作成することにより、各作業員がそれぞれの工事の施工時期や関連する工事相互の関係を把握できる様になります。
また、工程表には天候などが原因でスケジュールが変更になった際にも、素早く修正できることが求められます。
本記事では次のことが分かります。
- 工程表を作成する目的や工程表の種類
- 工程表作成のポイントや工程表の作り方
目次
「工期順守」だけじゃない!工程表の目的とは?
建築現場において工程表を作成する主な目的は次の3つです。
- 工期の厳守
- トラブル回避
- 作業効率と工期短縮
工程表の目的1:工期の厳守
工程表の最大の目的は工期の厳守になります。
建築工事では必ずあらかじめ工期が定められており、最悪のケースでは遅延すると違約金が発生してしまうことにもなりかねません。
工程表を作成して職種別に作業日程を割り振ることで、工事関係者の誰が見てもそれぞれの作業の着手時期と完成時期がわかる様になり、自分のスケジュールを事前に把握することが可能になります。
工程表の目的2:トラブル回避
建築現場では、常にスムーズに工事が進む訳ではありません。
雨天が続いて工事が遅れたり、何か突発的な事故やトラブルが発生してしまったりすることもあります。
工程表でスケジュール管理をきちんと行っていればこの様なトラブルが発生した際にも素早く対応することができ、どこかの工程で工期を短縮するなどの必要な対策を講じることが可能になります。
工程表の目的3:作業の効率化と工期短縮
建築工事では、工期を短縮することは利益アップに繋がります。
工程表を作成してそれに沿って工事を進めることは結果的に作業の効率アップに繋がり、最終的には工期短縮が期待できる様になります。
主な工程表パターンのメリット・デメリット
工程表には次のような種類があります。
- バーチャート工程表
- ガントチャート工程表
- グラフ式工程表(曲線式工程表)
- ネットワーク工程表 など
それぞれに特徴があって用途によって使い分けられています。
ここでは建築工事の工程管理でもっともポピュラーな「バーチャート工程表」と「ネットワーク式工程表」についてご紹介します。
①バーチャート工程表(棒工程表)
建築現場で広く採用されているのがバーチャート工程表で、現場の従事者にとってもっとも馴染みのある工程表だといえます。
縦軸に作業項目(タスク)、横軸に作業を行う日付を記入して作業の開始から終了までを棒状に記入するので、誰でもスケジュールを容易に把握することができます。
また、作成も比較的簡単で修正も容易なのがメリットですが、作業間の関連性がわかりにくく、作業手順や進捗度合いが漠然としているのが欠点です。
②ネットワーク式工程表
ネットワーク式工程表は、作業に必要となる日数や作業間の関連性、工程の流れ、進捗度合いなどが把握しやすいことがメリットです。
円と矢印を使って各作業(タスク)にかかる日数と作業間の関連性を示すので、ある作業が終わらないと次の作業に移れないことがひと目で把握できます。
クリティカル・パス(遅らせてはならない工程の組み合わせ)が明確になるため、重点的に管理しなければならないポイントがわかりやすくなります。
したがってある作業に遅れが出た場合、工事全体に及ぼす影響が明らかになるのが特徴です。
大きな現場や工数が多い現場で工程管理を行う際に多く採用されていますが、作成するためにはより専門的な知識が必要になるため、誰でも容易に作成できるわけではありません。
「利益が上がる」工程表作成のポイント
工程表を作成する上では工事着工から完成・引き渡しまでの決められた期間内に、どの工程をどのくらいの期間で行えば良いのかを検討します。
一方、余裕のない時間配分や人員配分はミスを誘発し品質の低下を招くので、十分に注意する必要があります。
また、雨や強風などの天候にも工程が左右されるので、各工程にはある程度の余裕を見ておくことも大切です。
工程は具体的な作業内容に基づき、各作業を行う順序や作業間の関連性についても十分把握した上でスケジュールを組みます。
そして工程表作成時に各作業のつながりや細かな段取りをしっかりと考えることで作業内容が明確になり、問題点の早期発見も容易になるでしょう。
このように工事着工前にしっかりとした工程表を作成することが品質管理や安全管理に役立ち、最終的には工期短縮、利益向上にも繋がります。
工程表作成に最適なツールとは?
工程表は、建築現場において決められた工期内に工事を予定通りに完成させるために不可欠なものです。
しかし、実際の建築現場は、部分的なリフォーム工事の様に数日程度で完了するものから1年近くもかかるような大きな現場まで様々です。
また建築工事には次のような工期が延期する要因が多く存在しています。
- 悪天候や災害などによる遅れ
- 納材の遅れ
- 人的ミスによる遅れ
- 現場での事故による遅れ
- 感染症による遅れ など
そのため工期に応じた工程表が必要で、長期間の工事の場合には全体工程表の他に『月間工程表』や『3カ月工程表』などが必要になる場合が多いと思います。
工程表を作成する方法には、大きく分けて3つの方法があります。
- 手書きによる作成
- ワード・エクセルを利用して作成
- 工程管理ツールや工程表作成ソフトを利用して作成
そこでここでは、それぞれの方法について簡単にまとめてみたいと思います。
工程表の作成方法1:手書き
短い工期の簡単な工事や数日間で終わるリフォーム工事であれば、手書きの工程表での管理でも十分といえるでしょう。
あらかじめ工程表のフォーマットのみを用意しておいて、現場ごとに手書きで作成しているケースが多い様です。
手書きのメリットは自由なデザインで手軽に素早く作成できることですが、紛失の危険性があるので、PDFデータのバックアップを取っておくなどの対策を講じておく必要があります。
工程表の作成方法2:ワード・エクセル
「ワード」や「エクセル」を活用する場合には、インターネット上にある無料のテンプレートを使って簡単に工程表の作成ができます。
はじめからフォーマットを作成する手間が省け、コストもかかりません。
「バーチャート工程表」を作成するのであれば、この方法でも十分といえるでしょう。
また「エクセル」を使用する場合には、「ワード」よりも図表や図形が使いやすくなります。
一方で、更新して管理するのが難しいというのが欠点です。
ファイルをいくつも作成すると、どれが最新版なのかがわかりにくくなってしまうので、ファイル名の更新日付を記載するなどといった対策を講じる必要があります。
工程表の作成方法1:工程管理ツール・工程表作成ソフト
オンラインで工程表の作成や管理に特化したものとして、有料の工程管理ツールや工程表作成ソフトがあります。
他の方法と比較して、工程表を作成するばかりでなく管理にも適しています。
また、リフォーム統合管理システムSAKSAKのような顧客管理や見積作成、利益管理などの機能を備えたソフトを採用することで業務全体の効率アップにも繋がります。
まとめ
工程表には、工事の規模や種類、工期、工種の数などによって様々な種類があり、作成方法も会社によって様々だと思います。
それぞれの会社ごとに長年続けられてきた作成手順や書式があるので、新たな方法を導入するのは簡単なことではないでしょう。
また工程表は誰が見てもわかりやすく、工程管理を行う上で活用しやすいことが基本ですが、近年では品質の向上、コストダウン、クレーム予防、顧客満足、安全対策なども工程表を作成する上での必須事項となってきています。
再度自社の工程表の見直しをはかり、工程表の作成ツールやシステムを再構築することをお奨めしたいと思います。
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