リフォーム会社が利益を確保するためには人件費の削減がポイント!
2021.12.20
給料や手間賃に代表される労務費(人件費)は、建築工事の工事原価の中で大きな割合を占めています。
特に住宅のリフォーム工事にあっては、請負金額が小さくなるほど人件費が大きなボリュームを占めるようになるので、工事原価を削減して利益を確保するためには人件費のコストダウンが不可欠になります。
しかし、単に人件費を削るだけでは施工品質の低下を招き、顧客からの信頼を失ってしまうことにもなりかねません。
日々この様な悩みを抱えているリフォーム会社の社長は決して少なくないでしょう。
いかにして品質を下げずに工事原価を下げるかというせめぎ合いは、多くのリフォーム会社共通の課題といえます。
そこで今回の記事では、リフォーム会社が利益を確保するために人件費を削減するポイントについて紹介したいと思います。
目次
リフォーム会社の人件費とは?
人件費とは企業の経費のうち、労働に対して支払われる給与や各種手当などのことをいいます。
リフォーム会社の場合には、従業員の給与や現場の職人の手間賃のことを指します。
リフォーム会社の人件費率
売上高に対して人件費が占める割合を示す人件費率(人件費÷売上×100)は、建設業は15~30%となっていて、サービス業(40~60%)、飲食業(30~40%)に次いで高くなっています。
建設業の中でも特に請負金額が小さなリフォーム業の人件費率は高いと思われ、リフォームの原価構成の約6割が人件費ともいわれています。
そのため、リフォーム業はサービス業のひとつという人もいるほどです。
単純に人件費率を下げるのではない
人件費率が高い会社ほど売上に対する人件費の負担が高く、生産性が低くて利益が出にくい収支構造になっているといえます。
しかし、単純に人件費率を下げれば良いという訳ではないところがリフォーム会社の経営者にとって難しいところになります。
「人件費率を下げる=職人の手間を削る」ということになり、手抜き工事の原因にもなりかねないからです。
したがって、如何にして無駄な手間を削るかということが大切になります。
リフォーム業の人件費を削減するポイント
リフォーム工事のプロセスを現場で注意深く見渡してみると、いくつかの無駄が見つかることがあります。
リフォーム会社の経営幹部の方には、一度じっくりとリフォーム現場の様子を観察する機会を設けることをお勧めします。
リフォーム現場でなくすことができる作業
以下はリフォーム現場において、なくすことができる作業です。
- 慣例だけで行っている作業
- 自分の作業を行うまでの現場での待機時間(電気工、配管工などの設備業者)
- 生産性が低いにもかかわらずなくすことができない作業
- 工程を組み替えることでなくすことができる作業 など
職人1人当たりの日当は、地域や職種によって多少異なりますが20,000~30,000円が相場で、外注業者に発注する場合にはこれに外注業者の経費が加わります。
部屋の内装工事を2人がかりで、1日で終わらせれば2人×20,000~30,000=40,000~60,000円が人件費になります。
一方で現場での無駄を可能な限り排除できれば、現場の人員配置が効率的になってコストダウンができる可能性があります。
しかし、無駄を排除するために人件費の削減が行き過ぎてしまうと、工事原価が下がる代わりに品質の低下を招いて、顧客の信頼を失ってしまうことにもなりかねません。
リフォーム現場では多能工の育成がカギ
この様な問題を解決するためのひとつの方法が自社で多能工の育成と活用になります。
「多能工」とは複数の異なる職種・工程などを遂行するスキル・資格を持った職人のことで、「マルチスキル」などとも呼ばれています。
例えば、キッチンの交換工事であれば、一般的な工事の流れは次のとおりです。
- 解体業者が既存のキッチンを取り外す
- 水道業者や電気工事業者が給排水配管や電気配線工事を行う
- 大工が壁や床の造作工事を行う
- キッチン業者が新しいキッチンを取り付け
- 水道業者が給排水管を接続
- 内装業者が仕上げ工事を行う
リフォームではこれらの一連の作業を1~3日程度で行うため、それぞれの職人には現場での待ち時間が生じてしまいます。
そのため半日の作業でも1日分の手間賃を支払うなど、職人の手間賃はどうしても割高になります。
さらにそれらの職人が下請け業者の職人であれば、下請業者の経費もかかってしまうことになります。
多能工であれば大幅な人件費を節約が可能
自社の多能工が一人でほとんど全ての作業を行うことができれば、大幅な人件費の節約が可能になります。
手待ち時間がなく、かつ下請け業者に支払う余分な経費を削減することができるためです。
そして通常と同じ金額で受注すれば、リフォーム会社の利幅も当然増えることになるでしょう。
さらにリフォーム会社のメリットは、単に利幅が増えるだけではありません。
顧客に対して柔軟な対応が可能になると共に、営業担当者の現場管理の業務負担が軽減するという大きなメリットがあります。
リフォーム会社は多能工が主流になってきている
近年ではすでに多能工を多数抱えているリフォーム会社も存在していて、リフォーム業界では今後多能工が増えていくことが予想されます。
一方では、多能工育成には手間と時間がかかるのも事実です。
「現状では時間と余裕がない」「今は特に困っていない」といって現状のままでいると、今後の住宅需要の変化の中で生き残っていくのが難しくなる恐れがあります。
リフォーム会社の営業担当者の人件費削減
リフォーム会社が人件費を削減して収益力を向上させる方法には、現場の職人の人件費を削減すると共に、営業担当者の人件費を削減する方法(作業効率アップ)が考えられます。
近年はインターネットの普及に伴い、リフォーム会社の集客手段は従来のポスティングや訪問営業によるものから、ホームページによるものへと変化しています。
特に新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、この状況は今後も続くことが予想されます。
ITを使った顧客対応は必須
商談や契約後の打ち合わせを訪問からメールやチャット、Web会議などのITツールベースに切り替えることで、客先への訪問時間の大幅な削減も期待できます。
従来はリフォーム会社の営業担当者に訪問してもらって直接打ち合わせすることを希望していた顧客の要望も、コロナ禍の影響で変化しています。
さらに現場の管理まで自社の多能工に任せることができる様になれば、営業担当者の業務は大きく削減することができます。
コロナでの変化に対応しよう
コロナ禍以降、営業担当者の業務内容は確実に変化しています。
再度営業フローを見直すことで営業担当者にとって必要な業務を明確にし、新たな営業フローを作成する必要があるでしょう。
まとめ
リフォーム会社が利益を確保する最も簡単な方法は、原価を下げることです。
そして、人件費率の高いリフォーム業においては、人件費を下げることが最も近道といえます。
しかし職人や営業担当者の手間をむやみに削って人件費を下げたりすれば、確実に品質低下につながってしまいます。
そして品質が低いことが明らかになれば顧客の信用は失墜し、自社の評価を下げ続けることになってしまいます。
一方では、リフォームの業務フローの中にはコストダウンが可能なことがたくさんあるのも事実です。
現場の無駄な作業や非効率な営業活動をなくすことで、工事品質を確保しつつ収益力をアップすることができます。
自社の状況によっては、ここで紹介したこと以外にも収益力を改善できる余地があるかもしれません。
是非、皆様の会社の収益力向上に積極的に取り組んで欲しいと思います。
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