工事を成功させるカギとなる職人管理、管理の仕方やポイントについて解説
2024.03.14
人手不足が続いている建設業界ですが、継続的な仕事の受注、施工を行うには職人管理は必要不可欠です。
とはいえ、きちんと職人管理ができていない、職人管理の方法が分からないといった悩みを持たれている経営者も多いのではないででしょうか?
また、近年では女性作業員や外国人作業員も増えているので、状況に応じた管理が必要になってきます。
この記事では職人管理の必要性、具体的な管理方法や成功させるポイントについて詳しく解説します。
目次
職人管理とは
建設業界において現場作業を行う職人はなくてはならない存在です。
いくら仕事を受注しても施工する人材がいなければ仕事が成り立ちません。
職人管理を効率的に行い、確実に現場を納める事が会社の利益に直結します。
ここでは職人管理の具体的な内容について詳しく解説します。
職人管理に必要な情報
- 個人情報
- 緊急連絡先
- 保有資格の情報
- 各種保険の情報
建設現場では事故が起きた時に迅速な対応が欠かせません。
特に重大な事故の場合は、輸血などの処置が必要な場合もあるので血液型や緊急連絡先などは正確に把握しておく必要があります。
また、労災保険に未加入だと事故にあった場合に大きな負担となるため必ず加入しているか確認を行いましょう。
出面表の作成
建設業における仕事の依頼方法には、請負型と常用型に分かれます。
請負型は人件費・材料費・運搬費・交通費などの経費を含めて一現場ごとに金額を決めて契約します。
常用型は依頼した現場で作業を行った日数および工数に応じて賃金を支払う方法です。
特に常用型の場合は、現場に出た日数および工数がそのまま賃金に反映されるので出面表の作成が必須です。
誰が、いつ、どこの現場で、どんな作業を行ったかを記録することで、適正な賃金の管理が行えます。
必要資格
- 足場の組立て等作業主任者
- 有機溶剤作業主任者
- 各種電気工事士
- ガス溶接作業主任者
- 研削砥石取替試運転作業者
など上記以外にも建設現場で必要な資格はたくさんあります。
作業上必ず必要な資格もあるので、安全に作業を行うためにも積極的に資格を取得しましょう。
職人管理の必要性
モノづくりで成り立っている建設業の経営において職人管理は収益を左右する非常に重要な管理項目です。
職人不足や職人が機能していない状態だと現場が回らず、発注者や元請けに迷惑をかけてしまう結果となります。
そうならないためには適正な職人管理が重要です。
ここでは職人管理の必要性について詳しく解説します。
作業人員の確保
建設業に限らず、日本全体で人手不足が問題になっています。
そのような状況だからこそしっかりとした職人管理が必要になってきます。
適正な賃金で働きやすい職場環境を作りだすことで、職人も継続的に働き続けることができます。
職場環境や待遇の改善を行うことで新たな人材の確保につながり、人材流出の抑制にもつながります。
職人管理は将来の建設業界を支えるためにも重要な管理項目だということを常に意識して職人管理を行いましょう。
資格取得のフォロー
建設業界では職種によって必要な資格があり、適正な作業を行うためにも資格の取得は欠かせません。
中には特定の資格を保有していないと作業ができない場合もあります。
そのため、事業者は各職人に必要な資格の取得に向けて情報を提供し、資格取得のフォローを行う必要があります。
また、資格には安全に関わるものもあるので積極的な取得を心がけ、職人が安全に作業できる環境を整えましょう。
雇用管理
建設業においては人材の入れ替わりが激しいことを理由に、職人を社員として雇用するよりも一人親方を外注契約として雇用するケースが多くあります。
ここで問題になるのが、一人親方のための「労災保険特別加入」に加入していない職人が多いという現状です。
大手ゼネコンなどの現場では、事前に加入のチェックを行った上で現場に入ることができますが、小規模な現場では確認が行われていないのが現状です。
万が一事故が起きた際には大変なことになるので、必ず加入した上で現場に入るように指導・管理しなければなりません。
職人管理における具体的な管理項目
職人管理を行う上で主要となる管理項目は次のとおりです。
- 稼働日数(出面)の管理
- 安全管理
- 健康管理
- 時間管理
また、建設業界は外国人や女性の作業員が増加傾向にあります。
住居や更衣室の確保、トイレの整備など幅広い視点でそれぞれの状況に応じた管理が必要となります。
金銭面ばかりに目がいきがちですが、働きやすくやりがいを感じる職場環境づくりも職人管理を行う上で重要なポイントです。
稼働日数(出面)の管理
2024年4月から「時間外労働の上限規制」が建設業にも適用されます。
テレビやラジオのニュースでは運送業の2024年問題が取り上げられることが多いですが、建設業も状況は全く同じです。
建設業においても長時間労働の是正に向けた取り組みが行われ、罰則付きの時間外労働の上限規制が行われます。
そのため、稼働日数(出面)の管理が必要になります、とはいえ複数ある現場の全ての出面管理を行うことは容易ではありません。
最近ではケータイアプリで出退勤の報告や管理が行えるものもあり、このようなサービスを利用すれば手間がかからず効率的に管理を行うことができます。
安全管理
建設業における現場作業は危険な作業を伴うことが多く、事故やケガの発生率が高い業種です。
そのため、職人の安全管理は最優先に考えなければならない重要な管理です。
安心・安全な現場環境づくりを行い、職人の安全を最優先に考えることが事業者に求められます。
働き盛りの世代はもちろん、女性や高齢者でも安全に働ける現場にするためにも安全管理は重要です。
健康管理
建設業は作り手である職人の存在がなければ仕事が成り立ちません。
建設業では、高所作業や重機を扱う作業、有機溶剤を使った作業など、危険を伴う作業も多いので健康には特に注意する必要があります。
そのため、労働者の健康を維持するために、事業者は労働安全衛生法に基づき、労働者に対して定期的な医師による健康診断を行わなければいけません。
また、職種によっては特殊健康診断の実施も必要となるので、状況に応じた健康管理を行いましょう。
時間管理
請負契約の場合は、短時間に多くの作業量をこなすほど利益が増加します。
一方、常用契約の場合だと一日にもらえる金額が決まっているので効率が上がりにくい傾向にあります。
請負契約の場合は過密労働になりがちで、常用契約の場合は作業効率の低下が懸念されます。
そうならないようにするためにも日々の時間管理をしっかりと行うことが重要です。
さらに、建設業においては長時間労働が問題になっています。
長時間労働を改善することによって、ストレスの軽減や家庭環境のバランスも良くなり、労働参加率の向上に結び付きます。
作業時間の短縮や休日の取得は職人の健康にもつながるので、徹底した時間管理を行いましょう。
作業内容の管理
事業者は現場でトラブルが発生した時のために職人がいつ、どこで、どんな作業を行っているかを把握しておく必要があります。
また、その日の作業に応じた安全対策の準備や、保護具の着用を指示しなければなりません。
作業内容の管理を行うことにより現場で起こりうる危険の予知ができ、事前に対策を取ることができます。
職人管理を成功させるポイント
現場が動いている限り、常に職人管理を行う必要があります。
繁忙期に現場が重なる場合や、トラブルが発生した時などは現場対応に追われ職人管理が疎かになりがちです。
そのような場合こそ効率的な管理を行う必要があります。
業界のDX化が進んでいるなか、スマートフォンやアプリを使用したサービスを利用することも管理の効率化につながります。
ここでは職人管理を成功させるためのポイントについて解説します。
アナログ管理からの脱却
最近は少なくなりましたが、出面表を手書きでノートに記載している会社も少なからず存在します。
業務の効率化を図り、従業員への負担を減らすためにはアナログ管理からの脱却が必要です。
現在はDX化の発展に伴い、さまざまなサービスが展開されています、会社の規模やスタイルに合うツールを選ぶことが成長への第一歩です。
表計算ソフトの活用
職人管理を行う上で一般的に多いのがエクセルを使った方法です。
出面の集計もしやすく使い勝手がいいですが、誰かが入力作業を行う必要があり、現場の数が増えてくると手に負えなくなる場合もでてきます。
最近ではケータイで使えるアプリなども多数リリースされているので、自社の規模に合ったアプリの導入も手段のひとつです。
管理システムの活用
どの業界でもDX化が加速しており、建設業においても専門的で便利なシステムが続々とリリースされています。
出面管理においても、職長が現場からスマートフォンでその日の出面を入力すればシステムが各現場の出面の集計を行い、担当者が全ての現場の出面を簡単に確認できるようにすることも可能になります。
システムの導入には相応の費用がかかりますが、導入後のメリットは費用以上のものが得られます。
この機会にシステムの導入も検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
職人不足に悩まされている建設業界において、職人管理をしっかりと行うことは人材の流出を防ぎ、業界自体の底上げにもつながる重要な管理です。
女性作業員や外国人作業員の活躍も増えている今だからこそ、徹底した職人管理が重要です。
最近はスマートフォンやタブレットなどを用いた便利なアプリやシステムも多くリリースされているので、自分の会社に合うものを見つけて効率よく職人管理を行いましょう。
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