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中古リノベの需要は?高まるリノベ市場の現状とその背景について解説

2023.04.06

コラム

リノベーションの需要が急激に伸びているのをご存じでしょうか。

リノベーションとは住宅設備や間取りの改修を行って、ライフスタイルに付加価値をプラスすることです。

高まるリノベ市場の背景には何があるのか、本文では中古リノベの需要と現状、背景について詳しく解説しています。

今後も市場規模の拡大が期待されるリノベーション業界を知る参考にしてください。

中古リノベ市場の現状

下のグラフは2022年に株式会社矢野経済研究所が実施した、住宅リフォーム市場についての調査結果を示しています。

リフォーム市場は2012年以降、常に6兆円規模を維持しながらほぼ横ばいの状況です。

しかし、2021年の市場規模は6.9兆と前年より増加しており、コロナ禍による自粛で増えた「おうち時間」により、快適な住まいへの需要が高まっていることが推測できます。

中古リノベ 画像①

引用元:株式会社矢野経済研究所「住宅リフォーム市場に関する調査を実施(2022年)」

また、サステイナブルな社会や環境づくりの推進もあって、古民家の再利用や中古マンションにテコ入れして快適な暮らしを提案するリノベーション物件も増えています。

中古リノベ需要が伸びている背景

中古リノベはなぜ需要が伸びているのでしょうか。

需要が高まる理由として、以下の6つが考えられます。

  • コロナ禍の影響
  • 中古住宅が注目
  • 国の施策による市場拡大
  • リノベ潜在顧客層の増加
  • リフォーム・リノベ時期を迎える住宅が多い
  • 低予算で高機能な住宅に住める

項目ごとに解説します。

中古リノベ需要が伸びている背景①:コロナ禍の影響

コロナ禍での「ステイホーム」や「リモートワーク」など、自宅で過ごす時間が増えたことによって、より快適な居住空間を望む声が多くなりました。

従来の老朽化した設備や内外装を改修する「リフォーム」よりむしろ、コロナ禍では、住空間を再編し生活空間を快適にする「リノベーション」が注目されています。

例えば、「仕事場とプライベート空間を両立させられるリノベ」や「換気に最適な居住スペース」などです。

また、コロナ禍による自粛で仕事が無くなったり、通常業務が行えなかったりしたことで収入が不安定になり、住宅購入を踏みとどまる方が増えています。

そのため、低予算で高性能な住空間を実現できる中古リノベの需要が伸びているのです。

中古リノベ需要が伸びている背景②:中古住宅が注目

コロナ禍による経済的不安で住宅購入を躊躇する方や、ウッドショックによる建材価格の高騰で新築住宅の価格が上昇していることから、中古住宅が注目されています。

これまで住宅を購入する際には新築を望む方が多い傾向でした。

しかし、リノベーションを行えば予算を抑えられ、好みの住空間を作れるため、若い世代でも中古住宅を購入する方が増えています。

予算的に新築購入は厳しいけど、クオリティが高く好みのデザインの家に住みたいといった見込み客の要望にも応えられる中古リノベが今人気です。

中古リノベ需要が伸びている背景③:国の施策による市場拡大

2012年に国土交通省が取りまとめた「中古住宅・リフォームトータルプラン」も中古リノベ市場が拡大した要因のひとつです。

このプランの目的は新築住宅が中心の市場から、リフォームやリノベーションにより中古住宅の品質や性能を向上させて、中古住宅流通やリフォーム市場規模を拡大していくことです。

中古住宅を購入する際、消費者は次のような不安を感じています。

  • 新築と比べてトラブルが多そう
  • 中古物件に対して抵抗感がある
  • 購入後に欠陥が見つかると困る

このような不安点を解消すべく、上記プランでは中古住宅市場とリフォーム市場の環境整備や中古住宅の品質向上などに取り組み、安心して購入できる体制づくりを推進しています。

リノベ潜在顧客層の増加

リフォームやリノベーションの需要を考えるうえで大切なことは、どれくらいの見込み客(潜在顧客層)が存在しているかです。

主にリフォームやリノベーションを検討している見込み客の年代は40〜60代です。

第2次ベビーブーム世代である団塊ジュニアが50代後半となる2030年には約150万世帯の増加が見込まれており、今後も中古リノベ需要が期待されています。

また、若年世代がリノベーションを行って中古住宅を購入するケースも増えており、さらに中古リノベ需要が増加していくでしょう。

リフォーム・リノベ時期を迎える住宅が多い

国土交通省発表の下記資料によると、2018年時点の住宅ストック総数は5,362万戸です。

中古リノベ 画像②

引用元:国土交通省「我が国の住宅ストックをめぐる状況について(補足資料)」

1981年以降に建築された住宅ストックをリフォームやリノベーション時期を迎える住宅と想定した場合、全ストック数の約67%を占め3,612万戸になります。

なかでも、1991年から2000年に建築された住宅が最も多く約1,061万戸。2回目の設備機器交換や外装リフォームを行う時期です。

次に多い2001年から2010年までの住宅は、1度目の外装改修やメンテを迎える時期と重なります。

全面リフォームや建て替えを検討する時期の1971年から1990年までの住宅は、合算すると約1618万戸。

上記のように、リフォームやリノベーション適齢期を迎える中古物件が多い点も需要が伸びる背景にあります。

低予算で高性能な住宅に住める

中古物件を手に入れてリノベーションを行えば、低コストで高性能な住宅に住めるメリットがあります。

リノベーションの場合、新築の建売物件よりも自由なデザインや設計が可能です。

新築よりも低予算で立地条件のよい物件を入手しやすい点から、リノベーションを踏まえて中古物件を探す消費者が増えています。

新築の価格では手が届かない好立地に物件を求めていても、中古リノベを前提にして物件を探せば選択の幅が広がるでしょう。

リノベ市場への新規・異業種参入が増えている

昨今では中古リノベの市場拡大に着目した、異業種の参入が勢いを増しています

これまでリフォームやリノベーションに携わってきた業者は

  • ハウスメーカー・ゼネコン
  • リフォーム専業業者
  • 住宅設備会社
  • 工務店
  • 水道・ガス・電気工事会社
  • 内外装・塗装・板金業
  • 建材店・不動産業

などです。

しかし、上記のような建設業界だけでなく、エディオンやヤマダ電機などの家電量販店や楽天などのネット業界、ファッションブランドに至るまで、あらゆる事業者がリノベ業界に乗り出しています

激化するリノベ市場での生存競争に勝ち抜くためには、消費者から選ばれる企業にならなければいけません

昨今ではネットが普及し、リノベ会社もネット上で比較検討されるため、

  • 他社との差別化を図る
  • 有益情報の提供
  • 顧客との信頼関係を構築
  • 地域に密着した取り組みを行う

といったポイントを押さえて、顧客から信頼される会社を目指しましょう。

リノベを行う目的と人気のリノベ場所

多くの方がリノベーションを行う目的に、設備や機器を新しくして、心地よい住空間を生み出すことを挙げています。

例えば、採光を取り入れたリビングや最新機器を導入したキッチンなどです。

経年劣化した中古物件の場合、外観が悪くなるだけでなく、既存の住宅設備の使い勝手に不便さを感じる方も多いのではないでしょうか。

そのため、最新の住宅設備を導入したり、間取りを刷新したりするリノベーションで不便さを解消したいという方が増えています。

リノベーションをしたい場所で人気なのが、

  • 浴室
  • キッチン
  • トイレ
  • リビング
  • 洗面所
  • 玄関
  • 寝室

などです。

キッチンやトイレなどの水回りは使用頻度が高いため傷みやすく、一般的に15年から20年ほどでリフォームが行われています。

また、家族とのコミュニケーションを図れるカウンターキッチンへのリノベーションも人気です。

最新の機器が次々と登場するので、家事を楽にする家電や利便性に富んだリノベーションを望む声が増えています

リフォームやリノベをする際のポイント

リフォームやリノベーションを行う際に消費者が気にする点は次の5つです。

  • 費用はどのくらい必要か
  • 工期はどのくらいかかるのか
  • 業者選びの方法
  • 希望通りの仕上がりになるのか
  • 施工中の生活をどうするのか

それぞれのポイントを簡単に紹介します。

費用について

消費者はリフォーム費用の相場がわからないため、見積金額を見ても適正な料金なのかを判断できません

そのため、複数の業者から相見積もりをとる提案をしてみるといいでしょう。

工期について

工事内容によっては「仮住まい期間」や「水回りが使えない」などの問題が生じます。

工期が長すぎると家庭生活が不便になり、リノベーションを諦める方もいることでしょう。

そのため、工事期間を的確に伝えることが大切です。

安心して工事に臨める体制を整えましょう

業者選び

いざリノベーションをすると決めても、消費者はどの業者に頼んだらよいのか、選ぶ基準がわかりません

多くの消費者は次のようなリノベ会社を求めています。

  • 適正な価格
  • 高い技術力
  • 施工が丁寧
  • アフターサービスが充実
  • 有資格者がいる
  • 見積もり内容が具体的

リノベーションの相談を受けた際には施工実績を紹介しつつ、上記の要望に添える提案を心がけましょう。

希望通りの仕上がりになるのか

リノベーションを行っても、希望した仕上がり具合にならないと意味がありません

施工後にトラブルとならないためにも、リノベーションで「できること、できないこと」をしっかりと伝えましょう

施工中の生活

リノベーションを施工している期間の過ごし方について、気がかりに思う消費者も多くいます。

例えば、

  • 工事中に自宅で生活できるのか
  • 仮住まいが必要なのか
  • 家財道具の移動は必要か
  • 水回りは使用可能か

などです。

長期の仮住まいが必要なら、リノベーションを諦めてしまう方もいるかもしれません。

リノベーションを提案するときには施工期間の生活について、類似した事例などを参考にしながらしっかりと説明し伝えることが大切です。

また工事の際には騒音やホコリがでたり、工事車両が駐車したりなど近隣住民に迷惑をかけてしまうことがあります。

トラブルに発展しないためにも、リノベ業者は近隣への事前挨拶で工事内容や工事期間、作業時間などを詳しく伝えておきましょう。

まとめ

本記事では中古リノベ市場の現状や需要が高まる背景について解説しました。

これまでは、「住宅を購入するなら新築」といった傾向がありました。

しかし、最近では「リノベーションを前提とした中古物件購入」という選択をする方も増えています。

国からのバックアップなどを背景に、リノベーション市場はこれからも拡大し活性化していく見込みです。

今後も市場での生き残りをかけた競争が激化していくため、さらなるサービスや品質向上に向けて取り組んでいきましょう。

 

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