CIMとは?BIMと何が違う?用語説明とCIMのメリット・デメリット
2023.07.27
「BIMはCADのようなもので、CIMは・・・」
施工段階でもBIMを採用する建設現場が増えてきていますが、BIMとCIMを理解されている経営陣の方は多くないかもしれません。
BIMもCIMも3次元モデルを作成して活用する手法です。
CIMは、土木分野における業務効率化を目標とした施策で、建設業界の3次元モデルを指す総称として「BIM/CIM」に統一されつつあります。
本記事では、BIMとCIMそれぞれの用語説明と、BIMとCIMの違い、導入のメリット・デメリットを解説していきます。
目次
BIMとCIM
BIMもCIMも2次元の図面で表現していた建築物・構造物を3次元モデルとして作成し、建設の各工程で活用していく手法です
BIMとは?
BIM(ビム)とはBuilding Information Modelingの略語で、直訳すると建築情報のモデリング手法となります。
主に建築分野で導入され、対象は建築物全般。
躯体や壁や天井の仕上げだけでなく、天井裏や床下の設備配管まで3次元モデルとして作成します。
BIMの概念はアメリカで生まれたとされており、欧米では既に普及段階にあると言われています。
アメリカ国内においてBIMの普及が進んだ理由は、公共工事の発注者である国や自治体が積極的に導入を進めたからでもあるといわれています。
BIMが建設工事においてメリットの大きい概念であったからとも言われ、現在ではほとんどの大型工事でBIMが採用されています。
日本では2010年ごろに国土交通省によって提唱され、現在ではゼネコンにおいて施工段階での導入が進められており、欧米に比べると普及しているとは言い難い状況にあります。
CIMとは?
CIM(シム)とはConstruction Information Modelingの略称で、建設情報のモデリング手法です。
主に土木分野で使われている言葉で、橋やダム・道路やガス・水道などのインフラ全般を対象としています。
建築分野で進められていたBIMにならい、2012年に国土交通省によって提唱されました。
2018年5月国土交通省は、建築分野のBIM、土木分野のCIMとしている概念を、建設分野全体での3次元モデル化を指す総称として「BIM/CIM」に名称を統一しました。
2020年から2025年までに国土交通省は、BIM/CIMを原則導入する目標を掲げています。
日本でのCIMは、海外ではBIMの一部として認知されており、国際的には「3次元モデルはBIM」が一般化している理由によるものです。
BIMとCIMの違い
BIMとCIMの違いは大きく3つ挙げられます。
- 対象とする場所
- モデリングに活用する情報
- 関係各所の数・人数
一番の違いは対象とする場所です。
BIMは建築物を対象とし、CIMは橋やダムなどの土木構造物で活用されています。
BIMでもSIMでも、建築物や構造物を3次元モデルとして属性情報を取り込んでいくことは同じですが、BIMで対象とする建築物に必要な情報の多くは建物に関することです。
一方CIMで対象となる土木構造物では、構造物の情報の他に、地形や地質といった地理的条件・自然条件が必要になり、モデリングに活用する情報が異なります。
CIMのC:Constructionは建設を意味し、設計・施工・維持管理までの一連の流れを指し、BIMが対象とする範囲との違いがあります。
土木現場では多くの場合、公共工事であったり、鉄道や高速道路などインフラにかかわる工事であるため、関係各所の範囲やかかわる人の数が建築現場とは大きく異なります。
CIM導入のメリット
CIM導入によって期待できるメリットは、BIM導入でのメリットでもあります。
完成の可視化
BIMも同様にCIM導入の最大のメリットは、3次元モデルとして完成を可視化できることです。
建設している建築物・構造物の躯体情報から完成までの手順、CIMにおいては周辺環境で発生する諸問題も具体的に表示されます。
2次元の図面ではイメージしづらかったことでも、携わる人が共通の認識として理解することが可能となります。
施主へのプレゼンテーションや住民説明会など専門的な知識がない人でも、3次元で具体的なイメージを描くことができます。
情報共有
CIMが使われる土木工事の多くが、行政区をまたがる鉄道や高速道路などのインフラにかかわるものです。
建築現場に比べると、関係各所の数も携わる人の数も多くなります。
3次元モデル化することで、携わる人が同じイメージの共有が可能。
情報の不整合も発生しにくい状況が生まれます。
地域住民や担当部署外などの専門外の人にとっても、同じイメージを共有しやすくなります。
BIMやCIMで設計を行うと、積算の拾い出しにかかる手間を大幅に削減することができ、かつ正確な数量を算出することが可能です。
設計から積算、施工現場に至るいろいろな情報をCIMで共有していくことができます。
生産性の向上
設計でも現場でも、これまでであれば一つの修正が発生した場合、図面・計画書・発注書など複数の修正が必要でした。
人為的な修正だけでなく、予期できない自然の力で変更が生じることもあるでしょう。
CIMでは、1つの修正だけで関連するデータの修正ができます。
従来かかっていた手間と時間を削減することができ、できた時間で他の業務を進めることができるかもしれません。
設計・施工・維持管理とこれまで部門で分かれていた情報を一元化することにより、情報を取り出しやすく、変更の把握に要していた時間の削減にもつながり、生産性の向上が期待できます。
設計段階だけなく施工でも、維持管理でもデータの共有ができるので、設計ミスや干渉などのチェックまで行うことが容易になります。
チェックが容易になることで、時間的余裕のある検討が可能となり、ミスや手戻りを減らすことにも繫がります。
維持管理
CIMでは、収集した測量データなどを一括で管理・共有・活用することもできます。
構造物モデルを直感的に検索でき、完成後の維持管理段階においても、必要な情報をすぐに取り出し、活用することができます。
CIM導入のデメリット
建築分野でBIMの導入が進み始めたころ、導入の妨げになっていたのは、扱える人が少なかったこと、新たに導入するツールに費用が発生することでした。
CIM導入についても同様のデメリットが存在します。
技術者不足
CIMにおいてモデル化するためには、専用ツールに属性情報を取り込んでいく必要があり、システムを扱える人材が必要です。
建設業界・土木業界ともに慢性的な人手不足な上、日常業務に追われており、新たな技術者育成には時間を要します。
システムの整備や、これまでのCADなどからの移行やデータ形式の変換など、追加の業務が発生するため、導入が促進されない現状もあります。
費用の大きさ
専用ツールの導入や対応できる情報端末の整備、取り込む属性情報を得るソフトやシステムの構築など、相応の費用がかかります。
ツール導入から運用していくための維持管理にも費用が発生します。
CIMのメリットでもある、工事完成後の維持管理までを運用するためには、長期にわたって費用が発生し続けることになります。
まとめ
CIMは土木分野での3次元モデルを指し、現在は建設業界の3次元モデルを指す総称として「BIM/CIM」に統一されつつあります。
対象とする場所・モデリングに活用する情報などの違いがあるBIMとCIM。
どちらも建設生産システムの効率化することを目的に導入が進められています。
生産性の向上・情報共有などのメリットの面からも、IT化が進む建設業界において、今後もCIMの導入は促進されることでしょう。
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