工程管理システムとは?導入目的やメリット、選び方について解説
2023.03.02
納期を守りつつ、高い生産性を確保するためには、適切で効率的な工程管理が必要です。
しかし、どのように工程管理を行えばいいのか、具体的な方法がわからない方も多いのではないでしょうか。
最適で効率よく工程管理を実践する方法として、工程管理システムの導入があります。
本記事では工程管理システムの概要と導入目的、メリット、選定ポイントを解説しています。
工程管理システムを検討されている建設業の方はぜひ参考にしてください。
目次
工程管理とは
工程管理とは品質の確保やコスト低減、納期遵守などを目的に、効率的な手法で工事案件を成功へと導く管理業務です。
納期までに建築物を完成させるために、作業工程ごとの日程調整や全体的なスケジュール管理を行います。
建設工事は工程が複雑なうえ、多くの業者や職人が携わります。
そのため、作業ごとに工程表を作成して工事を円滑に進めていく必要があります。
ムダを無くして効率的に作業を進めていくためには、工程管理が必要不可欠です。
工程管理システムとは
工程管理システムとは建設業における工程管理業務を効率化・最適化するシステムです。
ここでは、工程管理システムの目的と必要性について解説します。
工程管理システムを導入する目的
工程管理システムは次のような目的で導入されます。
- 工程管理の効率化
- 工事品質の確保
- 収益向上
項目ごとに解説します。
工程管理システムを導入する目的①:工程管理の効率化
これまでエクセルで作成していた工程表を、工程管理システムに置き換えれば複数工程をデータ管理できるため、効率的に工程管理が行えます。
工程管理システムとエクセルでの工程表作成は次の点で異なります。
- クラウドの活用で時間や場所を選ばずに情報共有できる
- 関数やマクロが不得手な人にも作成できるので属人化の防止につながる
- 修正作業が容易に行える
- 工事予定と進捗状況を把握しやすい
上記の点から工程管理を効率的に行うために、工程管理システムが選ばれています。
工程管理システムを導入する目的②:工事品質の確保
工程管理システムを用いれば、新しいスキルや効率的な作業フローを共有できます。
そのため、キャリアの浅い従業員でも高品質な作業を行える環境が整いやすく、業務の属人化が解消されるでしょう。
また、ムダな作業を省いて、注力すべき作業に時間や能力をかけられるので工事品質の確保に役立ちます。
工程管理システムを導入する目的③:収益向上
工程管理システムを用いれば、作業工程通りに案件を進められるだけでなく、工程全体の流れを把握できるため課題点に気づきやすくなります。
早期に課題が見つかれば、人員の配置変更やムダな作業の排除など、対策が取れるためコスト削減が図れ、収益向上につながります。
工程管理システムの必要性
これまでほとんどの工程表はエクセルを使用して作成されていました。
エクセルの作成は人為的な入力ミスや記入漏れのほか、工程変更や作業の遅れがあるたびに作成に手間取るなど、工程管理に時間がかかる問題があります。
さらに、作業ノウハウを持つ従業員しか取り組めない業務の属人化の問題もあり、早急な対応策が求められています。
上記の問題を解消するためには工程管理システムの導入がおすすめです。
工程管理システムを導入すれば、迅速に工程表を作成できるだけでなく、リアルタイムで情報共有や修正が可能なため、スムーズな工程管理が実現できるでしょう。
工程管理システム導入のメリット
工程管理システム導入による主なメリットは次の通りです。
- 進捗管理の見える化
- 作業効率の向上
- 納期遵守
項目ごとに解説します。
進捗管理の見える化
工程管理システムの導入で、進捗管理が見える化されるメリットがあります。
これまでの進捗管理は次のような形式でした。
- ホワイトボードに現場名や作業内容を書き込んで管理する
- 確認箇所があればが現場へ電話で確認する
- 現場事務所に進捗状況を確認する
- 工程変更や作業の遅れなどがあれば工程会議を行う
工程管理システムに作業項目を入力して共有すれば、即時に進捗状況を把握できるため、工程管理にかかる作業負担を抑えることができます。
作業効率の向上
工程管理システムを用いれば詳細な工程内容が計画でき、作業人員や機材、時間をムダなく適切に割り当てられるため、現場での作業効率が向上します。
作業人員を適切に配置できれば従業員の作業負担も軽減でき、人材不足や長時間労働の問題を抱える建築業界にとっても大きなメリットです。
紙やエクセルでの工程管理は作業内容に変更があると、スケジュールの組み直しや手直しに時間がかかり、担当者にとって大きな負担となります。
工程管理システムの場合、変更箇所を修正すれば自動的に工程全体が修正されるので、担当者の作業負担を軽減できるでしょう。
納期遵守
工程管理システムを導入すれば、作業進捗をリアルタイムに把握・共有でき、工程管理のズレを抑えられるため、納期遵守の効果が期待できます。
納期遵守できない理由のひとつに、工程スケジュールが適切に計画されていない点が挙げられます。
納期を守るためにはシステムを用いて、精度の高い工程計画の立案や進捗状況の見える化が不可欠です。
適切な工程計画を立て、人員や機材を効率的に配置してムダな時間をできる限り減らすことで、工期に遅れることなく建築物を完成できます。
工程管理システムの主な機能
工程管理システムにはさまざまな機能が搭載されています。
システム導入を検討するために理解しておきたい、主要な2つの機能を紹介します。
コスト管理
コスト管理は工事案件で生じる費用や収益を見える化し、管理する機能です。
案件に対する納期遵守とあわせて、収益を得るためのコストの把握も非常に重要な管理になります。
しかし、紙やホワイトボード、エクセルを用いた工程管理では、費用や収益などのコスト管理ができません。
工程管理システムでは、コスト管理のほかに実績を管理できるため、過去の施工実績を参考にしてコスト削減を図ることが可能です。
コスト管理機能を有効的に利用すれば、収益向上に貢献できるでしょう。
進捗管理
進捗管理は工事案件の進捗状況を見える化し、管理する機能です。
進捗管理機能を利用すれば、正確な進捗状況を把握でき、社内で簡単に共有できます。
リアルタイムに工程の進捗管理ができるため、遅れている工程にいち早く気付けます。
もし、遅れのある作業が見つかったとしても、工程に修正を加えることで迅速に対応できるでしょう。
工程管理システムの選び方
工程管理システムを選ぶ3つのポイントを解説します。
目的の明確化
工程管理システムがなぜ必要なのか、どのような課題を解決したいのかなど、工程管理システムを導入する目的や目標を明確にすることが大切です。
目的が不明瞭なままシステムを取り入れても、導入後の成果に気付きにくく、自社が求める結果につながらない可能性があります。
自社の業務内容を見直して、課題や効率化したい作業を絞り込み、システムの導入目的を明確にしましょう。
操作性
工程管理システムを社内で浸透させるためには、操作性に優れたシステムの選択が大切です。
業務効率化を目的としてシステムを採用したはずなのに、導入後に使いこなせなければ意味がありません。
システムを選ぶ際には、従業員の能力に見合った機種や使い勝手のよい機能を重視して選定する必要があります。
これまでエクセルの操作に慣れていた方なら、エクセルと同様の操作性であれば問題なく利用できるでしょう。
体験版を準備しているシステムもあるので、導入前には活用してください。
サポート体制
パソコンに不慣れな方は、システム会社によるサポート体制の充実度合いも大切な選択ポイントになります。
不安な場合には、導入に合わせた研修サービスもあるので、ぜひ活用してみましょう。
サポート体制が充実していれば、もしシステムにトラブルが発生した場合にも安心です。
検討の際にはサポート体制を確認しておきましょう。
まとめ
本記事では工程管理システムの概要と導入目的、メリット、選定ポイントについて解説しました。
建設工事において工程管理は欠くことのできない業務です。システムを導入して工程を管理すれば、業務効率化や生産品質の向上が図れます。
さらに納期遵守や顧客満足度の向上にも貢献するでしょう。
導入の際にはシステムの費用や機能面だけをみて、操作性や使いやすさを見落とさないことが肝心です。
本記事で解説したメリットや選定ポイントを参考にして、自社に適した工程管理システムを選び、業務の最適化・効率化に役立ててください。
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