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2025年の崖とは?背景や原因、解決したい課題、できる対策を解説

2023.01.27

コラム

かねてからあらゆる業界で必要性が注目されるDX。

積極的に取り組む企業がある一方で、自社には無関係だと全く手付かずの企業もあるのではないでしょうか。

経済産業省ではDXが実現できなければ、大きな損害があると発表しています。

いわゆる「2025年の崖」です。

本記事では「2025年の崖」の背景や原因、解決したい課題、できる対策について解説しています。

DX実現を目指す企業の方はぜひ参考にしてください。

2025年の崖とは

「2025年の崖」とは経済産業省が平成30年に発表したDXレポートの中で、2025年に起きる可能性がある経済損失を危惧したキーワードです。

DXレポートでは、日本企業がDXを実現できなければ、2025年以降に最大12兆円/年の経済損失が生じると指摘し、「2025年の崖」という言葉を用いました。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用してビジネスモデルや事業を創出し、消費者に新たな価値を与える変革を指します。

DXレポートの発表以降、DX推進に取り組む企業が増加しました。

しかし、多くの企業ではDXの必要性について理解をしていながら、本格的に実現できていない現状があります。

その足かせとなっているのが次の点です。

  • 既存システムの複雑化・ブラックボックス化
  • IT人材・エンジニアの不足
  • システム・アプリケーションのサポート終了

2025年の崖を乗り越えるためには、上記の課題を克服しなければいけません。

参照元:経済産業省 DXレポート 〜ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~

2025年の崖といわれる背景と今後の課題

「2025年の崖」がなぜDXレポートで提言されたのでしょうか。「2025年の崖」の背景とDXの実現に向けた課題について解説します。

レガシーシステム(既存システム)のブラックボックス化

「2025年の崖」の背景には、レガシーシステムのブラックボックス化があります。

レガシーシステムとは、これまで多くの企業で運用してきた既存のITシステムです。

導入から年月が経ち、最新技術への対応ができなかったり、サービスが思うように受けられなかったりと運用に支障をきたします。

事業部単位で最適化やカスタマイズが繰り返されたレガシーシステムは、肥大化・複雑化して全貌が見えないブラックボックス状態となってしまいます。

システムがブラックボックス化すると、全社的なデータ連携の滞りや経営戦略に支障をきたすだけでなく、維持管理に高いコストが必要です。

DXを本格化するためにはレガシーシステムを刷新して、新しい技術に対応できるITシステムを構築しなければいけません。

平成29年に一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会が行った調査によると、レガシーシステムがDX実現の足かせとなっていると感じている企業は約7割いました

 

レガシーシステムが足かせになっている

引用元:一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「デジタル化の進展に対する意識調査」2017年

 

足かせになっていると感じる理由は以下の通りです。

 

レガシーシステムが足かせになっている理由

引用元:一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「デジタル化の取り組みに関する調査」2020年

 

「有識者がいない」「データ連携が困難」「技術的な制約や性能の限界」など多くの問題が生じています。

DX推進の足かせとなるレガシーシステムを約8割の日本企業が抱えており、レガシーシステムからの脱却が早急の課題です。

 

レガシーシステムからの脱却が課題

引用元:一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「デジタル化の取り組みに関する調査」2018年

 

ITエンジニアの不足

DX推進には最新のIT事情だけでなく、レガシーシステムに対応できる人材が必要です。

しかし、少子高齢化による労働人口の減少がITエンジニア不足に拍車をかけ、DX推進に向けた人材が枯渇している状況です。

2025年にはITエンジニアが43万人不足するといわれています。

参照元:経済産業省 DXレポート 〜ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~

 

さらに、レガシーシステムの開発に携わってきた人材の多くが2025年までに定年退職を迎えます。

古いシステムに詳しい人材の退職で、属人的な技術の多くが社内から失われ、ブラックボックス化を増幅させてしまう点もDX実現に向けた課題です。

最新のITスキルを学んだ若い人材がレガシーシステムの保守管理を担当しても、老朽化したシステムへの知見がないため、能力を存分に発揮できません。

若い人材にとっては業務への魅力が感じられず、離職の原因となる可能性があります。社内での人材育成や新規採用も大切な課題のひとつです。

経営層が把握していない

多くの経営者は今後の成長や競争力アップのために、DXが必要であると認識しています。

しかし、具体的にどのようにビジネスを展開していけばいいのか方向性が定まらない模索状態の企業がほとんどです。

DXを用いてサービスや業務をどのように変革したいのか、確固とした戦略を経営層が持って、いかに実行するかもDX実現に向けた課題のひとつといえます。

ユーザー企業とベンダー企業の関係

ユーザー企業では自社でシステムを開発せず、ベンダー企業に発注するケースが多いため、ユーザー企業にはITエンジニアが少ない現状です。

 

IT人材が不足

引用元:経済産業省 DXレポート 〜ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~

 

発注を受けたベンダー企業ではシステム開発だけでなく導入後の保守管理やメンテナンス、運用にスキルや時間を奪われてしまいます。

そのため、DX実現に向けたシステム開発が思うように行えません。

また、トラブルが起きたらベンダー企業が責任を負うケースがあるなど、契約内容が不明瞭な部分もあります。

ユーザー企業とベンダー企業の関係は必ずしも良好とはいえないため、関係性の見直しが今後の課題です。

システム・アプリケーションのサポート終了

2014年のWindowsXPのサポート終了に続いて、2020年にはWindows7のサポートが終了。さらに2025年にはSAPやERPのサポートが終了します。

多くの企業が導入して、あらゆる業務を下支えしてきたシステムやアプリケーションのサポート期間が次々と終了することも「2025年の崖」の背景にあります。

今後の課題として、システム全体の見直しを考えなければいけません。

コストはかかりますが、対処しなければセキュリティ面でのリスクが高くなるため、喫緊の課題といえるでしょう。

「2025年の崖」を乗り越えるために

「2025年の崖」を克服するためにできる対策について解説します。

DX評価指標で診断し進捗を把握する

現状を把握するために、経済産業省が提供している「DX評価指標」を用いて自己診断してみましょう。

「DX評価指標」はDX実現の基礎であるITシステム構築の枠組みを測る指標(35項目)に回答することにより、企業のDX診断が行えます。

自社の取り組み状況と理想の姿とのギャップや課題を認識して、現状を社内で共有し次に必要なアクションにつなげていきましょう。

 

DX評価指標

引用元:経済産業省「デジタル経営改革のための評価指標(「DX推進指標」)を取りまとめました

古いシステムを整理し新技術を導入する

レガシーシステムを整理して新技術を導入するためには、多大なコストや時間だけでなくリスクも伴います

新技術導入後に再レガシー化してしまう可能性もあるでしょう。

DXレポートにはコストやリスクを抑えつつ、ITシステムを刷新する方法として次のように記載されています。

  • 新システム導入後にビジネス変換していく目標を社内全体で共有する
  • 不要な機能を廃棄し軽量化を図る
  • マイクロサービス技術を活用して段階的に開発を進めていく
  • 業界や課題ごとに共通のプラットホームを構築する

全てのシステムを刷新することは難しいため、社内でコミュニケーションをとりながら段階的な新技術導入を推奨します。

 

経済産業省 DXレポート

引用元:経済産業省 DXレポート 〜ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~

DX人材の育成・採用を強化する

国内全体でITエンジニアが枯渇状態のなか、各企業においてもDX人材の育成と採用に注力する必要があります。

DX人材の仕事は次のような業務です。

  • 既存システムの刷新
  • ITシステムの保守管理・点検
  • トラブル対応

上記のように、多岐にわたって業務をこなせるDX人材の採用が求められるでしょう。

採用には時間やコストを要しますが、DX人材の獲得が困難な場合は自社で育成する方が早いケースもあります。

また、DX実現に向けての企業理念やヴィジョンの共有も大切なポイントです。

DXを実現するために全社的な共通の認識と目標を持って「2025年の崖」を乗り越えていきましょう。

まとめ

本記事では「2025年の崖」の背景や課題、対応策について解説しました。

使い慣れたシステムの刷新は高額なコストがかかるだけでなく、業務のやり方も変わるため簡単ではありません。

しかし、変化し続ける建設市場に対応していくためには、新技術の導入など新たな投資を積極的に行って「2025年の崖」を克服する必要があります。

DXが実現できれば、加速するデジタル市場のなかで競争力を維持しながら、成長していくことができるでしょう。

 

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