Column コラム

建設業の見える化とは?見える化の対象や目的、実施するポイントや方法を解説

2023.01.26

コラム

労働生産人口の減少による人手不足が課題の建設業にとって、業務効率化を目的とする「見える化」は課題を克服する鍵となります。

しかし、「見える化」の必要性を理解していても、具体的な取り組み方法がわからない方も多いのではないでしょうか。

本記事では建設業で「見える化」を実施する際のポイントや注意点、方法について解説しています。

「見える化」の必要性を理解して、「見える化」を進める参考にしてください。

見える化とは

見える化とは経営や現場を管理する手法のひとつです。

目では見えにくい業務活動の実態や問題点を、具体的な形で誰にでも「見える」ようにします

見える化を行う理由は次の通りです。

  • 必要な情報をリアルタイムにキャッチできる
  • 異常や問題点に素早く気づける
  • 問題の原因特定が早く行える
  • 問題解決が早くでき、再発防止策が打てる

見える化はただ見えればいいのではなく、問題解決や再発防止が打てる、仕組み作りが大切です。

見える化を行う対象

では、何を見える化すれば良いのでしょうか。見える化を行う代表的な例を紹介します。

 

方針・目標
  • 会社方針
  • 計画
  • 生産目標
  • 品質目標
  • 納期
  • 在庫状況 など
日常業務
  • 作業進捗
  • 不具合発生率
  • 設備点検
  • 図面
  • 顧客情報
  • 工程進捗 など
品質管理
  • 不具合データ
  • クレーム発生率 など
その他
  • 改善提案
  • スキル管理表 など

 

しかし、すべてを見える化すれば良いわけではありません

情報過多になると伝えたいことがうまく伝わらず、逆に見えにくくなってしまうため注意が必要です。

見える化を行う目的

見える化の目的は目に見えない業務活動を数字やグラフを用いて形にし、問題意識や新たな気づきを得ることです。

業務の実態に対して改善意識を促し、問題解決への行動につなげていきます

建設業で業務の見える化を行うメリット

建設業の見える化といえば、「安全の見える化」が一般的ですが、「業務の見える化」も大切です。

建設業において不可欠な「業務の見える化」のメリットについて解説します。

業務状況の把握

業務の見える化を行うメリットのひとつ目は、どの現場でいつ、誰が、どのような作業を行っているかなど、現場の進捗具合や成果、業務状況を把握できる点です。

業務状況をグラフやフローチャートなどで具体的に見える化すれば、作業にかかる時間や工程プロセスを第三者でも確認できます。

その結果、不要な作業や仕事量の偏りによる不公平感など、業務上の課題点に気づきやすくなります

課題点が浮き彫りになれば、早期改善や業務見直しが可能です。

社内で課題点を共有すれば、社員一人ひとりが共通の認識を持って課題に取り組めるため、効率的に改善を進められます。

業務効率の向上

ふたつ目のメリットは作業上で生じるムダを削減し、業務効率を向上させる点です。

業務内容を見える化して、作業全体の洗い出しや見直しをするとムダな工程や作業が浮き彫りになります。

特にパターン化した作業の場合、無意識でムダな動きをしたり、不要な手順を踏んだりしていることが多々あります。

見える化によって表面化したムダや手順を改善すれば、業務効率の向上につながるでしょう。

情報やスキルの共有

情報やスキルの共有ができる点も、業務の見える化を行うメリットのひとつです。

業務を見える化していなければ業務自体が属人化してしまい、担当者やスキルのある職人でなければ対応できない事態に陥りかねません。

しかし、業務の見える化を実施すれば、属人化していた作業手順やコツ、スキルの共有が可能になります。

熟練作業員でなければできなかった工程であっても、業務の見える化で共有された情報やスキルを元に作業に取り掛かれるため、経験の浅い作業員を有効的に活用できます。

人材不足や作業員の高齢化、離職率の高さなどの課題を抱える建設業にとって、人材の有効活用は魅力的です。

効果的に見える化を実施するポイント

折角、見える化を行っても効果がなければ意味がありません。見える化を有効的にするポイントについて解説します。

情報を適切に伝える

見える化を行う際には、伝えたい情報だけを伝えたい人や場所に適切なタイミングで提供することが重要です。

適切に見える化を実施すれば、見る側も情報に興味を抱いて見ようとします。興味のない見える化は、ただの文字や数字の羅列に過ぎません。

活きた情報を適切なタイミングで見える化することがポイントです。

本当に伝えたい情報を見える化しているか?

伝えたい情報が明確化されていなければ、伝えたい人に伝えたい情報を届けられません。

見える化を行う前にまず必要な情報をいつ、誰に、どのように、どのタイミングで伝えるのかを明確にしておきましょう

情報をジャストインタイムで見せる意識を持って、見える化を進めてください。

見る側の視界に届く工夫や見せ方をしているか?

前述のように文字や数字の羅列だけでは効果はありません。グラフやマップを活用して見せ方に工夫を凝らしましょう。

しかし、ただグラフ化するだけでは効果がありません。

例えば、色分けをするなど、誰が見ても変化や異常に気づけるような見せ方が大切です。

社員が問題意識を持って見ようとしているか?

社員への意識づけを行わなければ、見える化をしても問題意識が生まれず、形式的なものになってしまいます。

見せる側が見る側のことを考えて、見せ方の工夫や見たいと思える動機づけをすることが大切です。

ITを活用する注意点

ITツールの普及や進化で容易に情報インフラの整備が可能になりました。

手軽に活用できるITツールですが、見える化で活用する際には次の点に注意しましょう。

  • ITツールは見せようとする意思を持っていない
  • 見てくれるはずと思い込まない
  • 見せるためには鮮度の高い情報提供が大切

特に重要なのが情報の鮮度です。

毎日、作業の進捗状況や日報を用紙に記入していても、パソコンへの入力が週単位であれば、先週分の情報が見える化されてしまいます。

パソコン内にいくらデータがあっても、情報を伝えなければデータは見れません。

進捗状況などの新鮮な情報は毎日更新することが大切です。

パソコンへの入力に時間がかかるようであれば、手書きでグラフに書き込むなど情報の鮮度を重視した見える化の実施も有効的です。

見える化を実施する注意点

見える化への取り組みで注意したい点を解説します。

見せたくない情報ほど見える化を実施する

見せたくない情報や悪い情報ほど見える化を実施するメリットは大きくなります

悪い情報は隠したいものです。特に問題に対して責任を追求するような見える化であれば、問題を包み隠そうとしてしまいます。

情報の隠蔽をなくすためには、問題にかかわる関係者が損をしない対策が必要です。

いい情報も悪い情報も共有して、見える化を行える環境を整えましょう。

見せる情報を限定する

見える化する情報が多すぎると逆に見えにくくなり、本当に伝えたい情報を届けられません。

見せるべき情報に絞り込んで見える化を実施しましょう。

できる限り情報はリアルタイムに提供する

情報の価値は時間に大きく影響されます。

情報が遅いと価値を生み出さないどころか、悪影響となる場合があるため、伝えたい情報はできる限り早く見える化しましょう。

もし見える化に時間がかかるなら、パソコン入力でなくても問題ありません。

手書きの情報でも十分な効果があります。

見た目を重視するよりも、情報鮮度が大切です。

できる限り情報はシンプルにする

いい情報がたくさんあっても、分かりづらい見せ方では見る側は見たい気持ちになりません。

また、分かりづらい情報や見たいと思えない情報を見える化しても、見える化の効果は期待できないでしょう。

情報はできる限りシンプルにまとめて、誰が見ても理解できる見える化を心がけることが大切です。

建設業で見える化を実行する方法

建設業で見える化を実践するための、3つの方法を解説します。

クラウド上のオンラインストレージを利用する

ひとつ目はクラウド上にあるオンラインストレージを利用する方法です。

オンラインストレージとはインターネット上に写真や画像などのデータを保存できるスペースを指します。

データの共有や管理が容易なので個人や法人にかかわらず、多く利用されているサービスです。

これまで紙ベースで管理していた作業の進捗状況や見積書、現場資料などをフォルダごとストレージ上で管理すれば管理業務を見える化できます。

ほかにも工程進捗や不具合データ、作業手順書や図面などをストレージ上に保管しておけば、現場にいながらスマートフォンなどの端末で確認できます。

データファイルをストレージ上で管理すれば、ペーパーレス化につながり保管場所のコストも削減できるでしょう。

コミュニケーションツールを導入する

タイムライン機能などのコミュニケーションツールも、見える化の実行に役立ちます。

多くの企業では社内の連絡方法に電話やメールを利用していますが、通話履歴が残らないなど、あとから情報をまとめにくい面があります。

連絡方法にコミュニケーションツールを導入すれば、グループ機能を使って社内での情報共有が容易です。

情報共有だけでなく進捗報告や日報の場として活用すれば、より迅速に情報が伝わり、社内コミュニケーションも活発になるでしょう。

メールや電話が面倒であっても、コミュニケーションツールならチャット感覚で簡単にコミュニケーションが取れ、情報を見える化できます。

業務効率化システムを活用する

業務効率化システムは、顧客管理や現場管理などのデータを一元管理でき、見える化の実行に効果的です。

現場写真や図面、作業員ごとのスケジュール、進捗管理などの作業状況を見える化すれば、業務効率の向上に貢献できるでしょう。

システムによって機能面で違いがあるため、検討の際には導入目的を明確にして、自社に必要な機能やコストにあった機種選定が大切です。

まとめ

本記事では「見える化」の対象や目的、実施する際のポイントや注意点、方法について解説しました。

建設業では離職率の高さや作業員の高齢化など人材不足の課題を抱え、業務の効率化が必要不可欠です。

業務を効率的に行うためには、「見える化」への取り組みが重要になってきます。

しかし、不十分な理解のまま、「見える化」を行えば効果がありません。

適切に「見える化」を実践して、業務効率を向上させましょう。

 

SAKSAKとは?

デキる会社の経営を
カタチにしました

 

リフォーム統合管理システム「SAKSAK」はできる会社の経営管理をカタチにしたシステムです。SAKSAKを使うことで、次のような悩みを解消いただけます。

  • 粗利管理ができていない
  •  請求書の確認に時間と手間がかかる
  • 会社として顧客管理ができていない
  • 見積書作成は営業担当者の負担が大きい
  • 入金遅延や未入金・額の相違が多い  など

意外と、知られてはいませんがリフォーム業界20年という実績があるシステムです。SAKSAKを使って、利益率が5%アップした会社もあります。また、SAKSAKとともに上場した会社もあります。

次は、SAKSAKがあなたの会社をお手伝いする番です。まずは、どのようなシステムか、ご覧ください。

SAKSAKの活用シーンはこちら

 

導入事例集もありますので、こちらもご参考ください。

導入事例はこちら

無料プレゼント実施中

建築業、リフォーム業向けにすぐに使えるエクセル4種類のテンプレート(御見積書・工事請負契約書・工事台帳・工程表)を無料でプレゼントしております。

 

エクセル4種類の無料プレゼントはこちら

 

資料請求
はこちら

お問い合わせ・資料請求

TEL.078-393-8585

平日10時から17時(日祝定休)