SFAとCRMの違いって?建築業界ではどう活かすべき?
2022.05.31
SFAとCRMは、ともに顧客に対する情報管理ツール、またはシステムのことを指しています。
しかし「SFA」「CRM」といった言葉だけが先行し、「違いがよくわからないけれど、とにかく導入してみよう」などというケースも少なくありません。
本記事では2つの違いや、どのように扱っていくべきなのかを解説します。
やみくもにシステムを導入する前にまずは理解を深めて、業務の効率化を図ると同時に導入のトラブルも防いでください。
目次
SFAとはなにか
SFAとはSales Force Automationの略称であり、和訳すると「営業支援システム」です。
営業の業務管理や顧客のデータ管理、案件管理などが主な機能となります。
元々は海外で営業職の従業員が入れ替わる際、前任者だけが持っているデータやノウハウを引き継ぐために生まれたシステムです。
建築業界においては、大規模企業に導入されている場合が多く、中小企業では導入されていないケースも見受けられます。
CRMとはなにか
CRMとはCustomer Relationship Managementの略称であり、和訳すると「顧客関係管理」です。
顧客に関するデータベース、及びそれを活用するシステムのことです。
顧客に対する詳細な情報を蓄積し、会社で共有することで、最適なサービスを顧客に提供することを目的として使用されます。
建築業界においては何らかの形でCRM、またはそれに準ずるシステムが導入されている場合がほとんどです。
SFAとCRMの共通点
SFAとCRMは一部共通している部分があります。代表的なものは以下の2点です。
- 顧客に関わっている
- 営業に使用できる
両者はなまじ共通点があるために、しばしば混同されます。
もっとも、CRMは広義の意味では営業支援ツールの役割も担っているため、SFAはCRMの一部という見方も間違いではありません。
顧客に関わっている点
SFAは営業支援システムですが、営業にとって顧客の詳細なデータは非常に重要です。
そのため、多くのSFAには顧客のデータを蓄積する機能が組み込まれています。
同時にCRMも顧客管理のためのシステムであるため、顧客の詳細なデータは当然蓄積されていきます。
営業に使用できる点
SFAは営業の支援が目的のシステムであり、営業が活用することを前提に作成されています。
同時にCRMは、営業のためだけに作成されているわけではありませんが、営業にとっても有益なシステムである点は変わりません。
SFAの方がより営業に特化していますが、両者とも営業に十分活かせるシステムとなっています。
SFAとCRMの相違点
SFAとCRMは共通点もありますが、あくまで別物であり、相違点もあります。代表的な点は以下の通りです。
- 営業専用かどうか
- 誰が使うことを想定しているのか
共通点と相違点の整理は導入を検討する際、非常に重要となるため押さえておきましょう。
SFAは営業職特化型
SFAは営業職のみが使用することを前提としており、他部署の従業員の使用は想定していません。
SFAには顧客や案件に対するデータだけでなく、営業のための日報やスケジュール管理、見積ツールなどのシステムも組み込まれている場合が多いです。
CRMを活用するのは営業職だけではない
一方でCRMを活用するのは、営業職だけではありません。
顧客のデータは営業ももちろん活用しますが、他部署の従業員も同様に活用します。
そのため日報などのツールは組み込まれておらず、もっぱら顧客のデータをより良いものにしていくためのツールと言えます。
SFAとCRMは性能に上下があるわけではない
SFAとCRMは、どちらかがどちらかより優れているという関係ではありません。
SFAはCRMの一部という見方も可能と前述しましたが、あくまで概念上の話です。
CRMがSFAの代わりになったり、CRMがあればSFAは不要というわけではないため、安易に「CRMを導入しておけば間違いない」などと考えるのは間違いです。
重要なことは、導入しようとしているシステムが、会社の状態に適しているか否かです。
SFAやCRMといった区別は、その判断を下す材料に過ぎないことを覚えておきましょう。
SFAとCRMは必ず両方有している必要はない
SFAとCRMは確かに別物ですが、かといって「両方導入すれば不足はない」というものでもありません。
SFAやCRMの本来の強みは、データの一元化による業務支援です。
ところが会社の状況を把握しないで、やみくもにシステムを導入してしまうと、従業員はどのようにデータ管理すれば良いかわからず、かえって混乱の元になります。
不要なシステムを過剰に導入してしまうと?
SFAとCRMは機能的に被っている部分もあるため、むやみに両方を導入してしまうと、一つのデータに対して保管場所が2つになってしまいます。
そのような状況が続くと、片方に入れたデータを片方に入れ忘れたり、同じデータのはずなのになぜか食い違ってしまうなどという現象が発生します。
トラブルを防ぐには、必要なシステムを導入すると同時に、不要なシステムはできる限り導入しないことがポイントです。
建築業界に求められている性能
SFAやCRMは確かに有用なツールですが、会社の状況に適していなければ「活用できている」とは言えません。
導入の前に、どのような性能が求められるのか確認し、会社に適したシステムを選ぶことが重要です。
優良顧客を増やすため、全員に見やすい顧客データが必要
SFAかCRMかを問わず、顧客に対するデータが見やすいことは重要です。
建築業界の場合、顧客に対するデータは営業職や総務、経理だけではなく、設計・施工の部署にとっても顧客のデータは非常に大切なものです。
建物にトラブルが発生した際多くの顧客は、以前に施工してもらった会社を再度頼りにしてきます。
建物のことは、施工した企業が一番よくわかっているという期待があるためです。
しかし、顧客データの扱いをおろそかにしていると、顧客側が「当然把握しているもの」と考えている住所や建物のスペック、施工法などがわからず、信頼を損ねてしまいかねません。
次の工事に繋げるために、顧客のデータは全員が閲覧しやすいことが肝心です。
下請け会社も大切なパートナー
「顧客のデータ」という言い回しの場合、どうしても商品を提供して支払いをしてもらう相手というイメージを抱きがちですが、建築施工会社の場合は下請け企業も大切な協力会社です。
現在の担当者や連絡先、連絡方法など、一元管理しておいた方が良いデータは意外にも多いです。
対面でのやり取りも大切ですし、名刺があるから大丈夫と判断されることも多いですが、それのみに頼らず最低限のデータは管理しておきましょう。
見積機能は場合によっては不要
SFAには見積の機能が組み込まれている場合も少なくありませんが、建築業界においては必要と言い切ることもできません。
特に設計・施工を事業としている場合、営業職だけでなく設計・積算の従業員の力が無ければ、見積を出すことは難しいです。
建築企業には、すでに自社に適した積算ツールを持っている場合も多いです。そのような際、2つめの見積機能は無くても問題ありません。
まとめ
本記事ではSFAとCRMの違いや共通点について解説しました。
しかし、本当に重要な点は、双方に対して理解した上で、自社に必要なシステムを検討し判断することです。
ツールやシステムの存在意義は、導入した結果として人々が恩恵を受けることにあります。
本記事を参考に、自社に適したシステムを探して、業務をより効率よくスムーズなものにしてください。
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