いまさら聞けない躯体工事とは?建築工事の基礎知識を徹底解説!
2023.11.13
「くたいこうじ」と聞いて、漢字で書けますか?
「躯体工事が何かは分かっているけど、いつも工事する構造体以外は分からない」そんな経営者の方もいらっしゃることでしょう。
躯体工事は、建築物の主要な構造部分を工事することです。
本記事では、「そもそも躯体とは何なのか?」をはじめ、工事種別によって躯体工事を説明していきます。
普段工事している構造以外の躯体でも、いまさら聞けない躯体工事の基礎知識です。
目次
躯体とは?
躯体工事の「躯体」(くたい)とは、建築物を支える骨組み部分のことで、主要な構造部分のことです。
建築基準法第2条4項に定められている建築物の主要な構造部分は、壁、柱、床、梁、屋根、階段です。
構造部分に用いる主要材料によって、以下のように区別されます。
- 木造
- ブロック造
- S造
- RC造
- SRC造
同じ壁であっても、構造種別によって、躯体となる構造上重要な壁であるものと、そうでないものがあります。
構造上重要な壁は耐震壁とも呼ばれ、見た目では判断できないことがほとんどです。
木造
木造とは、建物の柱や梁、壁などを木材でつくる建築物を指します。
木造の工法としては、「木造軸組工法(在来工法)」や「ツーバイフォー(枠組み壁工法)」などが代表的です。
多くは戸建住宅に用いられ、アパートと呼ばれる低層の共同住宅にも採用されています。
ブロック造
ブロック造とは、ブロック造建築、又はコンクリートブロック造を指します。
ブロックを積み上げ、ブロックの空洞に鉄筋を入れ、コンクリートやモルタルで補強した構造です。
建築できる面積や階数などの制限が、建築基準法によって定められています。
RC造
RC造とは、鉄筋コンクリート造(Reinforced Concrete Construction)の頭文字からとった略称で、アルファベット通りに読みます。
鉄筋がコンクリートに覆われる構造をしています。
鉄筋は引っ張りに強いが、押しつぶす力には弱く、耐火性に劣り、サビが発生すると耐久性も低下する要因になります。
一方コンクリートは、引っ張りには弱いが押しつぶす力には強く、耐火性にも優れています。
RC造は鉄筋とコンクリート、2つの短所を補う形で耐久性や耐火性を実現しています。
RC造における躯体とは、柱や梁、壁、床などです。
鉄筋を組み、周りに型枠を組み上げて、コンクリートを打ち込む施工手順となります。
RC造の戸建住宅も見られますが、多くはマンションや病院、事務所ビルなどに採用される構造種別です。
S造
工場や物流倉庫、商業施設などに多く採用されているのが鉄骨造です。
鉄:Steelの頭文字からS造と呼ばれており、柱や梁に鉄骨を用いた構造。
S造には、柱と柱の間に筋交いを入れて補強する「ブレース構造」、柱と梁の接合部を剛接合とする「ラーメン構造」、三角形を基本とし、屋根やドームなどに使われる「トラス構造」があります。
RC造に比べて遮音性に劣りますが、施工期間は比較的短くてすみます。
大スパンでも実現できるS造は、大空間を作り出すことができる構造種別といえます。
SRC造
RC造では鉄筋を用いた部分に、鉄骨と鉄筋を組み合わせたものとなるのが鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)です。
頑丈な鉄骨の周りに鉄筋を組むことで、RC造よりもサイズの小さい躯体で高い強度の構造物を作ることが可能。
タワーマンションや高層ビルなどの、大規模建築物に用いられています。
躯体工事とは?
建築物の骨組みとなる主要構造部を作る工事が躯体工事です。
躯体工事は建築工事のおよそ70%を占める重要な工事です。
コンクリートやボルトの増し締めなど、一度施工してしまうと元の状態に復元できないことも多い躯体工事は、ほとんどの場合、やり直しができません。
また躯体の不備は建物の耐震性や耐久性を低下させる要因になります。
住宅にしろ、工場や病院にしろ、建築物を建築するにあたって多額の費用が必要です。
それゆえ、欠陥が許されない、それが躯体工事なのです。
躯体工事の工種
建設業法で定められている工種を中心に、躯体工事に係る工種をご紹介しましょう。
とび工事
作業するための足場を作る「足場とび」、鉄骨を組み上げていく「鉄骨とび」など、「とび工事」と呼ばれる工事です。
建築物を作っていく上で、足場なしには成り立ちません。
高所など、危険が隣り合わせとなるとび工事ですが、とても重要な躯体工事のひとつといえるでしょう。
鉄骨工事
柱や梁などを鉄骨を使って組み上げていく工事が鉄骨工事です。
鉄骨工事には、施工手順によって「建て逃げ方式」と「水平積上げ方式」とがあります。
建て逃げ方式は、移動式クレーンを使って、敷地の奥から手前に向かって組み立てて行く方法で、比較的敷地に余裕がある場合に、採用されることが多い方法です。
水平積上げ方式は、タワークレーンを使って、1階ずつ組み上げていく方法で、高層ビル等を建設するときに使われます。
鉄筋工事
鉄筋工事はRC造のコンクリートに覆われる、骨組みとなる鉄筋を作る工事です。
RC造の柱や梁だけでなく、構造種別によらず、コンクリートで作られる耐震壁や床にも鉄筋は使われています。
鉄筋は、加工場で曲げや切断などの加工が行われ、工事現場で組み立てられていきます。
鉄筋継手工事
鉄筋は、標準の長さで12m以下ですが、長さが足りない場合など、鉄筋をつなぎ合わせる必要があります。
RC造でも4階を超えてくると、柱主筋でも12メートルを超え、鉄筋をつなぎ合わせる必要があります。
RC造の骨組みである鉄筋をつなぎ合わせる工事が、鉄筋継手工事です。
継手の方法には、ガス圧接継手・溶接継手・機械式継手・重ね継手などのいくつかの種類があります。
溶接工事
溶接とは、2つ以上の部材を接合することです。
工事現場では、鉄筋継手の溶接、鉄骨の溶接などが行われます。
溶接の方法は大きく分けて、融接・圧接・ろう接の3種類です。
溶接工事も躯体工事のひとつです。
型枠工事
鉄筋工事やSRC造の鉄骨工事が終わると、コンクリートを打設するための型枠を組み上げていく工事が行われます。
型枠には多くの場合、木材が用いられるため、型枠を作る工事を行う人は「型枠大工」と呼ばれます。
コンクリート圧送工事
コンクリートはRC造やSRC造だけでなく、建物の基礎部分やS造の床などにも使われる材料です。
工場で品質を管理されて作られたコンクリート(生コン)は、生コン車によって建設現場へ運ばれます。
生コンはコンクリートポンプ車に移され、加圧して型枠内部や打設箇所へ送られます。
流し込まれた生コンは、多くの気泡が含まれています。
また型枠内部や出隅など、コンクリートを隅々まで行きわたらせなければ、欠陥にもなり得ます。
流し込んだコンクリートは、バイブレーターを用いて振動を加えて、不要な泡や空洞部分を取り除きます。
更に床などでは、流し込んだコンクリート表面を平滑に均していく必要もあります。
コンクリートは時間の経過と共に固まっていくので、生コン搬入からポンプ車からの打ち込み、バイブレーターなどの作業を効率よく行うチームワークが問われる工事といえます。
建築大工工事
建築大工とは木造の建物を作る工事です。
戸建住宅は木造で作られることが多く、ここで必要となるのが建築大工工事です。
住宅の建築では、工務店が設計から木材の加工・施工管理までの全てが行われています。
まとめ
建築物の主要な構造部分を作る工事が、躯体工事です。
構造種別によって躯体に該当する構造部分は異なります。
躯体工事には様々な工種があって、他の工種と同時に施工が進むのが建設現場。
周りの工事の係りに目を向けるきっかけになるといいですね。
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