QCDSEとは?施工管理では当たり前?意味や優先順位を解説!
2023.04.28
QCDSE?コストダウンのこと?、横文字はちょっと・・・と思われる建設会社の経営陣の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
コストダウンのことではありません。
QCDSEとは何なのか?
本記事では、施工管理において当たり前であるQCDSEの意味と、建築業界における優先順位についてお伝えしていきます。
目次
QCDSEは施工管理5つの要素
建築業界のQCDSEとは、施工管理で重要視される、Quality(品質)、Cost(原価)、Delivery(工期)、Safety(安全)、Environment(環境)の5要素の頭文字をとった言葉です。
QCDSEは、アルファベットの通り、キュー・シー・ディー・エス・イー、と読みます。
- Quality クオリティー (品質)
- Cost コスト (原価)
- Delivery デリバリー (工期)
- Safety セーフティー (安全)
- Environment エンバイロンメント (環境)
施工管理で求められるのは、品質の高い建築物を、予算内かつ工期内に、現場の安全と現場や周辺環境に配慮して建築していくこと。
建築業界でQCDSEが用いられるのは、施工管理において、5要素が重要管理すべき要素であり、どの要素も欠かすことはできない要素に他なりません。
多くの建築に従事されている方であれば、「QCDSE」という言葉を知らなくても、当たり前のように、5つの要素について、仕事をされていることでしょう。
QCDSEはQCDの派生語
QCDSEは、製造業やビジネス用語として用いられている「QCD」の派生語です。
QCDとは、製造業における重要管理する事項、Quality(品質)、Cost(値段)、Delivery(納期)の頭文字をとった言葉で、昨今はIT業界など、ビジネス用語としても用いられています。
よりよい製品を製造していくために、3つを相互に重要管理していく必要性を表しています。
QCDだけでは成り立たないのが建築業界の施工管理。
安全第一と工事現場に掲げ、近隣住民の協力なしに工事を進めることが不可能なのは、建築現場で働いている方であれば周知の事実でしょう。
QCDにSafety(安全)、Environment(環境)を加えた「QCDSE」が建築業界で用いられる理由です。
5要素を重要管理項目として相互に配慮して施工管理を進めていく必要性を表しています。
QCDSEの「Q」Quality(品質)とは?
施工管理におけるQuality(品質)とは、品質や建物の安全性を確保する為に、設計図書や仕様書に基づき、各法令の基準を満足しうる建物となるよう管理することです。
建物におけるデザイン・強度・材質・機能などが
- 設計図書・仕様書を満たしているか
- 耐震性・耐火性の基準など、各法令の基準を満たしているか
- 施主の要望は満たされているか
といった、要求事項を実現することが品質管理です。
特に建物完成後に見えなくなる、耐火被覆前のボルトや、コンクリート打設前の配筋といった部分の、要所ごとに施工状況を写真撮影し記録を残す必要性は、当たり前の認識であるでしょう。
何十年と長く使い続ける建物だからこそ、建物の品質や安全性は使っていく人を守っていく上でも重要な項目です。
QCDSEの「C」Cost(原価)とは?
施工管理におけるCost(原価)とは、品質を確保しかつ予定工事費の中で、材料費や人件費などのコストを管理することです。
利益を確保するためには、可能な限りコストを下げる工夫が必要となります。
工事を進捗させるための作業員の配置や、材料や資材の管理なども原価管理にあたります。
コストダウンでは品質も低下してしまう可能性があることは、みなさんが一番ご存じではないでしょうか。
QCDSEの「D」Delivery(工期)とは?
予定の工期内に、予定の予算内で、かつ高品質の建物を建築することは絶対的条件です。
工期の遅延は、施主との契約違反にあたり、重大災害などの不可抗力を除いては、あってはならないことといえます。
工程表を作成することは、いつ、どんな工事を行うかを明確にできるため、作業員の配置・資材の手配を行うことが容易になります。
施主や近隣住民に対しても「いつまでに完成する」と宣言することによって、発注の期限から製品の決定を逆算でき、可視化にもつながることでしょう。
天候不良やトラブルなども想定し、また作業員の負担が増えすぎないよう、工程を管理していく必要があります。
QCDSEの「S」Safety(安全)とは?
建築現場における安全は、施工管理の最重要項目です。
建設業に携わっておられる方であれば、新規入場の作業員には安全教育を実施し、怪我や事故を起こさないよう、安全管理を実施されていることでしょう。
建築現場の危険な場所や危険作業を伴う工程を把握し、作業員への周知徹底を意識づけることが安全管理の仕事です。
高所や、酸素濃度の薄いピット内での作業など、危険となる場所は、工事の進捗と共に刻々と変化するのが建築現場。
危険となる場所や作業は、現場によっても、同じ現場でも時間によって異なるため、よりきめ細かい管理が必要です。
QCDSEの「E」Environment(環境)とは?
建築現場で工事を進める為には、近隣住民の協力なしには成り立ちません。
施工管理のEnvironment(環境)とは、現場の周辺環境など、大きく3つに分類できます。
- 自然環境
⇒周辺の環境(空気・地盤・土壌・水質など)を汚染しない - 周辺環境
⇒騒音や振動、重機や搬出入車の排ガスや粉塵などで迷惑をかけない - 職場環境
⇒作業員が働きやすい環境づくり
鉄道が近接していたり、土地特有の気象条件があったり、立地や土地の条件によって対処すべき項目や優先順位は異なります。
重視すべき管理項目を見極めることも、求められる能力といえるでしょう。
QCDSEの優先順位
QCDの派生語であるQCDSE。
優先順位の考え方を比べてみましょう。
QCDの優先順位
製造業などにおけるQCDの優先順位は、並び順に、Quality(品質)を重要視する要素と考えられています。
- Quality(品質)
- Cost(値段)
- Delivery(納期)
QCDSEの優先順位、施工現場で一番優先すべきは?
施工管理におけるQCDSEの、一般的に考えられている優先順位は、QCDと同様に並び順ではありません。
- Safety(安全)
- Environment(環境)
- Quality(品質)
- Cost(原価)
- Delivery(工期)
工事現場に、「安全第一」と掲示している通り、最優先すべきは安全に工事を進めることです。
現場の安全や周辺の安全を確保できない建物は、品質においても、原価や工期においても、よい建物にはなり得ないでしょう。
まとめ
QCDSEとは、建築に携わっている方であれば当たり前の、Quality(品質)、Cost(原価)、Delivery(工期)、Safety(安全)、Environment(環境)の5つの要素からなるの言葉です。
本記事を読まれている方であれば、QCDSEという言葉は知らなくても、既にQCDSEの重点管理を日常の業務としてなされている方が、多くいらっしゃるはずです。
5つの要素それぞれ単独で管理することが、施工管理においては不可能であることは、仕事の中で身をもって実感されていることでしょう。
人が長く住まい、使っていく建築に携わる会社の経営陣の方であれば、QCDSEは、相互に、安全第一に、施工管理していく重要な言葉です。
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