エクステリアとは?歴史から紐解き機能的で美しいエクステリアを実現する方法
2023.03.16
エクステリアとは?なんとなくは分かるけど、外構と混同している方も多く、本来の意味、詳細な内容まで把握している方は少ないのかもしれません。
エクステリアとは本来、建物や庭に限らず外観や外装デザインを示すものです。
日本の建設業界では、建物周囲の庭園・門扉・塀・車庫・舗装など、建物の外観を合わせた外部空間の彩るデザイン一式をエクステリアと称しています。
また、デザインされた庭園・門扉・塀・車庫・舗装などの工事一式を外構と称しています。
更にエクステリアを深く知ることで、感動与え喜ばれる美しいエクステリアが実現します。
喜ばれる美しいエクステリアを実現する3つのポイント
- 街の風景と調和する歴史性とデザイン性を取り入れる
- 防犯性やアウトドアリビング化など様々な機能性を整理する
- デザイン性と必要となる機能性を満足したコスト配分
目次
エクステリアの歴史を紐解く
日本のエクステリアの歴史は、古くは飛鳥時代の日本庭園まで遡ります。
- 6世紀頃の飛鳥時代の日本庭園が取り入れられる
- 20世紀に入り徐々に西洋ガーデンが取り入れられる
- 現在、日本でも多様なデザインが街を彩るようになる
飛鳥時代の日本庭園、西洋ガーデンが入ってきた時代には、エクステリアという言葉はありませんでした。
建物を合わせた外部空間を自然と調和しデザインする考え方は、現在のエクステリアデザインに通じるところはあります。
歴史の長い日本庭園
日本庭園の特徴は、自然の風景を模し自然の修景に調和することです。
日本庭園でエクステリアとして使用されてきた自然素材
- 石
- 木
- 砂
- 水
これら自然素材を用いて、山や池、川などを芸術的に表現してきました。
自然の風景を大切にした日本庭園は、6世紀ごろの飛鳥時代から現代まで引き継がれ大切に継承されています。
西洋ガーデンの到来
西洋ガーデンは紀元前から存在しますが、19世紀以降イングリッシュガーデン(風景式庭園)として貴族だけでなく、農家など一軒家の庭でも楽しめるよう浸透していったといわれています。
西洋ガーデンの特徴
- 庭に沢山の植栽を植え緑豊かな空間をつくり上げる
- 自然そのものの美しさを大切にする
- ベンチやパーゴラなどを配置する場合は、レンガや木など自然素材が用いられる
- 自然素材を用いることで経年変化も楽しむ
自然との調和するという意味では、日本庭園にも通じるところです。
機能性の現代エクステリア
歴史ある日本庭園や西洋ガーデンが自然を大切にする考えがある一方、現代のエクステリアに求められているのは芸術性だけでなく、防犯性やアウトドア化などの機能性を重視することろがあります。
また、カーポートやフェンスなどの現代ならではの新しい要素も加わり、更にデザイン要素も複雑になりつつあります。
これらの新しい機能性に、歴史ある芸術性をうまく融合し、街に溶け込むエクステリアデザインが望まれます。
現代のエクステリアに求められる機能
現代のエクステリアでデザインされる代表的な機能
- 門扉
- 門柱
- フェンス
- カーポート
- デッキ
- 植栽 など
これら沢山ある機能を配置する上で、現代求められているのは、デザイン性・景観配慮、アウトドアリビング化、防犯性が重要視されています。
デザイン性・景観配慮
デザイン性・景観配慮については、日本庭園の時代から修景に配慮し自然と調和する考えがあり、古くから大切に引き継がれてきています。
現代では、自然豊かな場所もあれば都市型の住宅地など様々です。
人は本能的に自然に接することで幸せを感じられるようにできているという考え方があり、住居である以上、自然に配慮したデザインを考える必要性があります。
具体的には、下記のような例が考えられます。
- 駐車場のコンクリート土間に少しでも隙間をつくり植栽を配置
- 人工的なフェンスは出来る限り濃い色のものを採用し植栽が際立つようにデザイン
- 門扉や塀は自然素材の石や土や木などを使用 など
小さな工夫で入居者への落ち着きを与えたり、街や風景へいい影響を与えます。
アウトドアリビング化
アウトドアリビング化とは、リビングの窓を介して外部空間まで室内に取り込むことを示しています。
リビングを外部空間と繫げて利用することで、元あるリビングをより広く感じられるメリットがあります。
リビングを外部空間として繫げて利用する例
- ガーデニング
- 庭でバーベキュー
- 子どもやペットの遊び場
第2のリビング空間を外部にもう一つ設けるアウトドアリビングは定着しつつあるのではないでしょうか。
アウトドアリビングとして使用するアイテムとして代表的なものは
- ウッドデッキ
- タイルテラス
- サークルベンチ など
上記のウッドデッキなどは最近のものですが、昔から縁側や土間など、実は、日本では非常に馴染み深いものです。
防犯性
防犯性と聞くと最近のものかと感じられるかもしれませんが、実は日本の住居では古くから防犯性に配慮して造られてきた歴史があります。
町家の建築を見ると、道路に面する開口部は全て縦格子のデザインが採用されています。
これは、外部空間の光・風を住居内に導き入れ、泥棒などの侵入を食い止める術としてデザインされてきたものです。
その防犯性を高める格子のデザインが日本的なデザインにもなっています。
現代では建物はオープンなガラス張りであったり、外部のフェンスもなくオープンなデザインが多く見受けられます。
昔の京屋などをヒントに格子などを組み入れ、更に最新の技術であるICTを組み合わせることで、現代の美しい防犯性の高いエクステリアデザインが実現します。
歴史ある防犯性を考慮したデザイン例
- 格子窓
- ビスなどを使わない木造技術
デザインに配慮した最新の防犯技術を組み入れる例
- ガラスが割れにくくなる防犯フィルム
- 防犯カメラ
- 防犯錠
機能的で美しいエクステリアを実現するために重視する点
現代のエクステリアに求められる機能性を満足し、周辺環境や日本の風景にも配慮した美しいエクステリアデザインを実現するために重視する点としては、下記の3点が考えられます。
- 視する機能は何かを整理
- コスト配分
- 必要な機能性を満足した上で環境に馴染ませるデザインとする
いくらでも予算があるわけではないため、まずは必要な機能を整理することが重要です。
重視する機能を整理する
エクステリアをデザインする前に、必要とする機能と、重視する機能を整理する必要があります。
まずは必要とする機能としては、下記点を整理します。
- 駐車台数
- 駐輪台数
- 家事動線
- 来客動線
- プライベート空間とパブリック空間とのゾーニング分け など
次に、重視する機能の順位付けをします。
- デザイン性
- 防犯性
- アウトドアリビング化 など
上記の整理が出来れば、おのずと土間やアプローチなどの舗装範囲が決まり、門扉の配置やフェンスの有無、デッキの有無などが導かれてきます。
コスト配分
重視する機能を整理した上で、必要とされるエクステリアアイテムとなる門柱やフェンス、カーポートなどの要否とグレード感によりコスト配分を行います。
駐車2台分程度の広さがある一般的なエクステリア空間であれば、50万円~200万円程度が相場となります。
建物自体で景観をデザインしエクステリアは土間と植栽だけでデザインするような、ほとんどエクステリアにお金を掛けない方法もあります。
エクステリアのコストに大きな影響があるのは、下記のような基礎を必要とする構造部です。
- カーポート
- 駐輪場
- 門柱
- フェンス
- ウッドデッキ
- タイルテラス
先に整理した必要となる機能と重視する機能を整理した上で、これら構造物の要否を検討しコスト配分することが重要です。
環境に配慮すること
環境に配慮することとは、周辺への配慮と自然への調和を示します。
エクステリアは、街の風景に大きな影響を与えます。美しい街づくりをするには、周辺環境に配慮し、日本の美しい自然と調和することが重要となります。
必要となる機能性を満足させ、予算内でのエクステリアアイテムが選定できれば、最後に景観性を取り入れましょう。
景観性を取り入れるポイント
- 植栽やガーデニングを取り入れる
- カーポートやフェンスなどの構造物は出来る限り道路や隣地から控えて配置する
- 床面は人工的なコンクリートだけにならないよう、少しばかりの緑や石を取り入れる
このように、少しでも道路や隣地へ配慮することや、少しばかりの植栽スペースを取り入れることで周辺環境への配慮と自然への調和が生まれてきます。
これは敷地が狭く物理的に困難な場合がありますので100%は難しいと考えますが、心ばかりの配慮が街の景観に寄与します。
まとめ
日本では昔から外部空間を豊かにする考えがあり、世界的にも日本の歴史的な街並みや風景は高い評価を受けています。
外部空間を彩るエクステリアは、入居する個人だけでなく、街の修景にも影響を与え、いずれ日本の風景となっていきます。
現代に求められる機能性に対しても、歴史からヒントを得たうえで、最新技術を取り入れ、周辺への配慮と自然への調和を図ることで、機能的で美しいエクステリアを実現することが可能となります。
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