Column コラム

工務店の仕事内容とは?業態による種類や将来性についてわかりやすく解説

2023.01.24

コラム

一般的に住宅建築といえばハウスメーカーを思い浮かべますが、ハウスメーカーによる施工は全体の2割程度です。

実は家づくりの大部分は工務店が担っています

工務店といえば、「家を建てる」「リフォームをしてくれる」「大工さん」「何でも屋さん」などのイメージを思い浮かべるのではないでしょうか。

意外と知られていないのが工務店の仕事内容です。

本記事では工務店の仕事内容を紹介するとともに、業態による種類や工務店の将来性について解説しています。

工務店とは

工務店は複数の施工業者をマネジメントして工事全体を管理する、総合的な工事請負建設業者です。

通常は地域密着型で限られたエリア内で戸建て住宅などを施工します。

日本では従来、大工の棟梁(親方)が設計をはじめ、左官や土木など住宅建築に関わるすべての陣頭指揮をとっていました。

大工の棟梁から派生した形態が工務店になります。

社長と職人だけの小規模な工務店から豊富な施工実績を誇る大型工務店、フランチャイズ加盟店などさまざまな種類の工務店が存在します。

工務店によって施工方法やデザインは異なりますが、注文住宅の設計やオリジナルデザインの設計など自由に間取りやデザインを選べる特徴があります。

工務店の仕事内容

工務店の仕事内容について解説します。工務店は住宅の施工だけでなく営業や設計など、さまざまな業務を行っています。

小規模な工務店であれば、ひとりですべての業務をこなさなければいけません。業務負担や覚えることは多くなりますが、建設業を営む上で大切な業務ばかりです。

営業

営業の仕事内容は住宅建設を希望する方に対して、しっかりとヒアリングした上で家づくりのアドバイスや工務店で家を建てるメリットを伝えます。

小規模な工務店の場合は従業員数が少ないので、専門の営業職を置いていません。

社長や設計スタッフが営業を兼務するケースがほとんどです。

そのため、工務店では施工管理から設計だけでなく顧客とのコミュニケーションやプレゼンテーション能力、対話力が求められます

設計

設計の仕事内容は現地調査の後、土地の特徴を考慮しながら、施主の希望に合わせて住宅の設計案を作ります。

工務店では一般的に施主ごとに個別の設計を行うため、設計の自由度が高いだけでなく、以下のような住宅仕様も自由に選べるのが特徴です。

  • キッチンやバスルーム、トイレ、手洗いなどの設備
  • フローリングやクロスなどの内装材
  • 屋根や外壁などの外装材

設計の仕事は図面作成だけではなく、工事着工に必要な建築確認申請の書類作成や官公庁への申請も含まれます。

さらに小規模な工務店では前述のように営業職を兼務するなど仕事内容は多岐に渡ります。

施工管理

施工管理は工務店のメイン業務です。施工管理を大きく分けると次の4つになります。

 

工程管理 工期までに建設物を完成させるために作業員配置や資材手配、スケジュール管理を行う
原価管理 工事に必要な人件費や材料費を計算して予算内に収め利益を確保する
品質管理 設計図や仕様書通りの品質を確保するために検査や管理を行う
安全管理 設備の整備や安全教育、安全パトロールなど現場で事故がないように作業員の安全を確保する

実際の施工は大工や職人が行いますが、それを束ねる施工管理の仕事は工程管理・原価管理・品質管理・安全管理と広範囲にわたり、全てが重要な業務です。

工務店の規模によっては上記の業務に加えて、営業や見積もり、地鎮祭や上棟式の手配、製図などを兼務します。

工務店の種類

工務店は規模や特色で大まかに分けると次のように分類できます。

  • 地域密着型
  • 独立自営型
  • 下請け型
  • フランチャイズ型

工務店の種類ごとに特徴を解説します。

地域密着型の工務店

地域密着型は社長と職人だけ、あるいは家族経営など少人数で運営している工務店です。

少人数のため営業から設計、施工に至るまで、全ての業務をひとりで対応しなければいけません。小規模な場合は施工のみに特化している工務店もあります。

地域密着型は、地域の特性を理解しているため、気候風土に適した建物性能やデザイン、構造など予算に応じてバランスよく提案できる特徴があります。

独立自営型の工務店

独立自営型は比較的人数が多く、基本的に営業から施工まで自社で取り行う工務店です。

主な業務は注文住宅の設計と施工ですが、設計に関しては設計事務所に依頼している工務店も多くみられます。

独立自営型は、対応できるエリアも広く、融資や保証の相談受付や、独自工法を展開している工務店もあります。

下請け型の工務店

下請け型はハウスメーカーの住宅や分譲住宅の施工を中心に取り扱う工務店です。

施主と直接契約を結ぶことは少なく、稀に紹介を受けて注文住宅を施工する以外はハウスメーカーがお客様になります。

フランチャイズ型の工務店

フランチャイズ型はフランチャイズ展開している会社の加盟店に加わって施工依頼を受ける工務店です。

フランチャイズに加盟すれば設計や施工のノウハウを学べるため、ハウスメーカーのように効率的で品質の安定した住宅を提供できます。

契約料やロイヤリティーなどの支払いがありますが、知名度のあるフランチャイズ会社の加盟店になれば、お客様からの信頼も厚く、契約につながりやすくなるでしょう。

工務店の将来性

建設業界の現状を踏まえて、工務店の将来性について解説します。

住宅業界は厳しい状況

工務店のみならず建設業界全体で厳しい状況が続いています。

日本国内では人口が減少傾向にあり、さらに少子高齢化や単身世帯の増加、賃金低迷などで新たに住宅を建てたいと考える人が減りつつあります。

住宅需要の減少は工務店同士の価格競争を引き起こしかねません。

価格を抑えるために建材の質を落としたり、人件費をカットしたりすれば、品質低下や人員不足を招き、根本解決にはなりません。

今後、建設業界で生き残るためには、自社の特性を活かした価値の創生やニーズに合わせた多彩なアプローチ、業務効率化が必要不可欠です。

具体的な方法の一例を紹介します。

  • 新築建築の専業からリフォームに乗り出す
  • アフターフォロー体制を充実させる
  • 自由に選択できる住宅設備
  • 大手よりもコストパフォーマンスを上げる
  • ITツールを活用する
  • 地域環境に配慮した家づくり

将来的には住宅建設のみにとどまらず、生活を快適にするサポートや子育て情報など暮らしに関する総合的なサービスが必須となるでしょう。

リフォームやリノベーションが注目

前述のように住宅需要が減少傾向にある建設業界では、リフォームやリノベーションに注目が高まっています。

経年劣化で傷んだ住宅を快適にするリフォームや、既存住宅に新たな価値や機能を加えるリノベーションは世代を問わず人気です。

そのため、新築建設を専業としていた工務店もリフォームやリノベーションに着手しています。

インターネットが普及した現代では、リフォームやリノベーションの情報を簡単に検索できるため、リフォーム業者同士が比較検討される機会も増えました

競争の激しいリフォームやリノベーション業界で生き残るためには、戦略を立てる必要があります。

具体的には次のような戦略です。

  • 専門性を打ち出して他社との差別化を図る
  • 顧客満足度を向上させる
  • 丁寧なアフターフォローを心がける
  • ネットでの情報発信・SNSの活用
  • 品質・安全性を高める
  • DXによる業務効率化

生き残りと成長のためには、IT化など未来を予見して早期に取り組みを始めることが重要です。

コロナ禍で戸建て住宅が人気

2020年以降、コロナ禍の影響で市場は低迷しましたが、リモートワークが広がり、ワークスタイルやライフスタイルが変化したことで住宅市場は好調傾向にあります。

通勤回数も減り、在宅勤務にシフトしたことで自宅に専用のワークスペースを求める人が増えました。

リラックスできる居住空間と集中したいワークスペースを分けたいなど、今まで以上に広い間取りが取れる戸建て住宅の需要が伸びています。

特に今後は環境問題や大規模災害などを踏まえた、高い機能性を持つ住宅が求められるでしょう。

そのため、地域密着型の工務店でも、付加価値のある住宅づくりに注力する必要があります。

具体的には次のような住宅です。

  • 高断熱・高気密住宅
  • 太陽光エネルギーによる省エネ住宅
  • 耐震性・耐火性に優れた高耐久住宅

高い機能性のある住宅は補助金や助成金、税金の優遇措置が受けられます。補助金などの知識を持った人材を育てて、顧客に積極的なアプローチを行いましょう。

まとめ

本記事では工務店の仕事内容や業態による種類、将来性について解説しました。

建設業界は高齢化が進み、人手不足や後継者不足など多くの課題を抱えています。工務店についても同様です。

今後さらに厳しくなるであろう住宅市場で生き残るためには、他社との差別化を図り、顧客のニーズに応えられる体制づくりが肝心です。

工務店の持ち味を活かせる分野で、顧客が満足できるサービスを提供していきましょう。

 

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