【建設業】施工管理で重要なのは工程管理|改善して現場の流れを良くする方法を徹底解説
2022.11.18
施工管理で重要なことは工程管理です。
いくら段取りよく準備していても工程管理ができていなければ現場がスムーズに回りません。
本記事では、実際に施工管理をした経験をもとに試行錯誤をして得た工程管理の知識を紹介します。
そもそも工程管理とは
工程管理とは、施工管理の4大管理「工程管理・原価管理・品質管理・安全管理」のうちの一つです。
工期までに建物を完成させるために、全体のスケジュールを管理する業務のことです。
施工管理職は、工事を予算内に納めるだけではなく、工期内に事故なく安全に建物を完成させることも大事な業務の一つです。
工事には多くの人と関わるため、適切な工程管理を行うことで、円滑に作業を進められます。
工程管理に必要な物
工程管理になくてはならないものは工程表です。
工程表とは、工事のスケジュールと日程ごとの作業内容をまとめた表のことです。
工程表を作成することで「いつ何の工事があるか」を可視化することができるので、他業者との工程調整がスムーズに行うことができます。
そのおかげで工事遅延の防止や適切な人員配置などを行うことができます。
工程管理を行う目的
工程管理を行う目的を明確にすることで適切な工程管理を行うことができます。
- 労働災害の防止
- コストダウン
- 工期の徹底
- 作業の効率化
- イレギュラーに対応できる
工程管理を行う目的①:労働災害の防止
現場で一番起きてはいけないことは労働災害です。
現場で事故が起きるとその現場の稼働が止まり、長いと数週間現場が止まります。さらに最悪の場合その現場の所長が訴えられて会社に影響することもあります。
そんな恐ろしい労働災害を防ぐためには徹底した工程管理をすることです。そもそも事故はどのような時に起こるというと工期に余裕がなく職人さんが焦って作業しているときにおきます。
事故を防ぐためには全体のスケジュールを見て、つまりそうな工事があったら事前に作業調整を行います。
そうすることで工期に余裕が出て、職人さんも焦らずに作業ができるので労働災害の防止をすることができます。
工程管理を行う目的②:コストダウン
工程管理を徹底することで無駄な労務費の削減をすることができます。
工程表を作成せずに現場を進めると工程を可視化することができないので、その日の人員がざっくりとしかわかりません。
そのため多めに人員配置をしてしまい、結果的に無駄な労務費を使うことになります。
また工事で必要なレンタル品の返却日なども目処がたつので仮設材の削減にも繋がります。
工程管理を行う目的③:工期の徹底
現場の工事は工期までに工事を完了させるのはあたりまえの世界です。
とは言っても工期に余裕があるわけでもなく現場作業も地域によっては土日は工事できずに、残業禁止の現場もあるので効率的に工事を進めていく必要があります。
工程管理を徹底することによって先のことがわかるので人員を増やしたりして工期を間に合わせることができます。
工程管理を行う目的④:作業の効率化
工程管理を徹底することによって作業が効率化され工期に余裕が生まれます。
スケジュール管理と徹底した人員配置をすることで作業の無駄を省き、余った人員を足りないところに回すことで生産性の向上にも繋がります。
工程管理を行う目的⑤:イレギュラーに対応できる
現場は急なトラブルはつきものです。
よくあるのが天候の悪化、職人さんの欠員、機械のトラブルなど何かしらは毎日起こります。それ自体を防ぐのはかなり難しいですが、工程管理を徹底しておけば、支障が出ずに現場作業を進めることができます。
大事なのは何かあることを想定して余裕を持って工程を組むことです。
工程管理が上手くできずに現場がグタグタな例
- 工程表を更新していない
- 現場の進捗状況を把握できていない
- 他業者との工程調整ができていない
工程表を更新していない
工程表は現場が変動するたびに更新しないと意味ありません。
よくある例として最初に一生懸命工程表を作って、満足してそのまま工事を進めてしまうことです。
現場は必ず変動します。その度に工程表を書き直すことで正しい情報を可視化することができ、現場が上手くいきます。
現場の進捗状況を把握できていない
打ち合わせや図面をしっかりとやっても現場の状況を把握してないと現場はグダグダになります。
工程表をきっちり作ったけどそれ通りにいかないのが建築現場です。なので現場にちょくちょく出て現場の変化に気づいて対応できる応用力を身につけましょう。
他業者との工程調整ができていない
同業者との工程調整が完璧でも他業者との工程調整ができていないと作業が止まります。
昼の打ち合わせなどで他業者との工程調整を行うことで業者間でのぶつかり合いがなくなるので現場が円滑に進みます。
効率よく工程管理する方法
工程管理を行う際は、PDCAサイクルを回して効率的に行っていくのが良いです。
PDCAサイクルとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(検討)」「Action(改善)」の4つの要素を順番に1つのサイクルとして回していくことです。具体的に工程管理をPDCAサイクルに当てはめていきましょう。
【PDCAサイクル】具体的な工程管理の進め方
- Plan(計画):工程表の作成
- Do(実行):現場で指揮をとる
- Check(検討):現場の状況と工程表を照らし合わせる
- Action(改善):不具合があれば工程を立て直す
Plan(計画):工程表の作成
工程表は大きく分けてマスター工程表(全工程)と月間工程表があります。
イメージとしてはマスター工程表は大きな工事を記入して、月間工程表には細かな工事を記入することです。
まずは全体を把握するためにマスター工程表を作成し、次に月間工程表を作成します。
工程表を作成する上での注意点としては、施工計画書をもとに、必要な人員、機材を考え、作業の手順や作業時間を計算してから工程表に記入します。
手書きで紙に書いて、それをもとにエクセルで記入するのがおすすめの方法です。
Do(実行):現場で指揮をとる
作成した工程表通りに現場が進むように指揮をとります。
しかし工程表通りに現場が進まないことはよくあります。そこで焦らずにしっかりと対応できるかで施工管理者としての腕が試されます。
現場を上手く回すためには作成した工程表を職人さんに渡して一緒に確認することです。
担当者がこの工事はこのぐらいで終わると思っていても職人さんからしたら想定している時間が全然違うことはよくあります。
なので必ず工程表を作成または編集するたびに職人さんに工程表を渡し、一緒に確認する癖をつけましょう。
Check(検討):現場の状況と工程表を照らし合わせる
現場巡回をする際に工程表を持っていき、進捗状況と照らし合わせましょう。
ここを怠ると工程表を作成した意味が全くなくなってしまいます。
先ほども述べたように現場は必ず工程表通りに進みません。なので現場のずれと工程表を照らし合わせて修正していくことが大事になってきます。
Action(改善):不具合があれば工程を立て直す
現場と工程表のずれや不具合を立て直すために工程を立て直します。
次はどのような対策をすれば不具合が防げるのかを検討します。
例えば、
- 天候の悪化で工事期間が足りない→天候悪化を想定して、工事期間を2日伸ばす
- コンクリート打設日程が伸びた日に人が足りない→天気予報をあらかじめ確認しておいて天候が怪しければ予備で人を用意しておく
- 先行配線を3日だけで予定していたけど終わらなくて他の業者が来てしまった→職人さんと話し合い5日間もらう
このように不具合を明確にして期間を伸ばすなどの対策をすれば改善されて良い工程管理が行えます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は工程管理を改善して現場の流れを良くする方法について解説しました。
施工管理において工程管理はかなり難しく、壁にぶつかることは多々あります。
天候の悪化によって工事ができない、職人さんの欠席などトラブルは現場につきものです。
しかしPDCAサイクルをしっかりと回すことによって不具合をどんどん改善することができ、現場の流れが良くなり良い工事をすることができます。
最後まで見ていただいてありがとうございました。
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