建材店とは何か?建築業界において欠かせない存在を徹底解説
2022.09.27
建材店と工務店は、切っても切れない仲と言っても過言ではありません。
しかし、「建材店にはどのような役割が期待できるの?」ということは、意外に知らない人も多いです。
建材店は単純な下請けではなく、工務店を助けてくれる協力企業です。
本記事を参考に今一度建材店について見直し、よりよい関係を築く助けにしてください。
目次
建材店とは?
建材店とは、文字通り建材の売買を行う企業のことです。
建材とひとくちに言ってもいろいろあるため、一般的には木材・鉄筋・コンクリートなどそれぞれ取り扱う建材が専門化しています。
また、建材店=下請け業者というイメージを持っている人も居ますが、それも違います。
工務店は仕事を依頼する立場ではありますが、お互いなくてはならない存在であり、立場の上下ばかり考えていては関係が悪化しかねません。
協力してくれる相手だと考え、丁寧に付き合いましょう。
建材店の行うこと
建材店の主な業務は以下の通りです。
【建材店の主要業務】
- 商品の仕入れ・提案
- 商品の運搬
- 商品の施工
建材店と表現すると、建材を売っているところに工務店などが買い付けに行く、というイメージが生じるかもしれません。
しかし、実際の業務は多岐に渡ります。
そして、良好な付き合いが長く続けば続くほど、細やかに対応してくれるケースも多くなるのです。
商品の仕入れ・提案
建材店は、建材を仕入れるだけでなく、工務店に提案してくれます。
要求された建材の手配ももちろんです。
しかし、「何を目的にどのように施工したいのか?」「なぜこの建材が必要なのか?」などを伝えることで、「この建材でも代替品になります」「同じ性能でコストの安いものがあります」などと、新しい提案もしてくれます。
ただし逆に、建材店側が報告なく気をきかせた結果、トラブルになることもあります。
良かれと思い別の商品を納品しようと考えるまでは良いですが、まれに工務店側に連絡なく「変更しておきました」と事後承諾を行うケースがあるのです。
多くの場合見積の時点で変更されているため、見積書は熟読するようにしましょう。
商品の見積
建材店は商品の見積を引き受けてくれることもあります。
もちろん数量を拾うために図面は必要ですが、平・立・断面図や外構図などから数量を割り出し、金額を乗じて総額を出してくれるのです。
ただし、だからといって一方的に甘えていると、頼んだ側にもデメリットが発生します。
まず、数量を拾うことには時間がかかるため、見積書の発行が伸びる場合があります。
また、建材店側も人間でありミスはするため、数量のチェックは必要です。
そのため、建材店側に数量拾いを任せているからと言って、工務店側でしなくて良いということにはならないのです。
一方で、工務店側の数量ミスに気づき指摘してくれることもあります。
数量拾いを引き受けてもらえるのは、ありがたいことです。
ただし、常時甘えるのではなく、あくまでダブルチェック用のサポートとして捉えましょう。
商品の運搬
建材店の多くは商品の運搬も引き受けてくれます。
建材の取り扱い方をもっとも良く分かっているのは、取り扱っている建材店です。
そのため、適切な方法・適切な手段で現場まで運搬してもらえます。
現場に到着した後も、置き方や置き場所などを考慮して安置してくれるため、施工側としては助かる存在です。
ただし、施工が進むにつれて置き場所を移動する際はその場に居る人間がやらなくてはいけません。
また、建材店によっては運搬を引き受けてくれない場合があります。
その際は取りに行ったり、郵送で送られてくるのを待つことになります。
そのため施工側も、建材の置き方などを建材店任せにせず知っておく必要があります。
商品の施工
すべてではありませんが、建材店によっては建材の施工まで含めて引き受けてくれる場合があります。
もちろん施工費用は別途かかりますが、仕入れから施工までワンストップで頼めるため、工務店としてはありがたいでしょう。
建材店側は自社が扱う商品のことを熟知していますし、図面などを見て施工のイメージを思い描いた上で建材選定をしているため、設備や資材が不足するということもありません。
ただし、現場では他の施工業者も出入りするため、お互いに邪魔にならないよう工務店側は調整を強いられます。
また、何らかの事情で同種の建材を複数の業者に依頼する際は、摩擦が起きないよう注意しておきましょう。
工務店として建材店と付き合う
工務店として建材店と付き合うためには、以下のような機会を利用し関係を深めることが大切です。
【建材店との関わり方】
- 見積・施工を通して関係を築く
- 施工の相談を行う
- 納期のお知らせを受け取る
建材店も工務店も、お互いに取引の相手はひとつではありません。
その状況の中で得意先と呼ばれるようになるには時間がかかりますが、重要なポイントだと心得て腰を据えて付き合いを続けましょう。
建材店なんてどこも同じだと考える人も少なくありませんが、工務店側が「どこだろうと同じ」と考えていると、相手からも同じ扱いを受けてしまいます。
一方で、お互いに軽く見たり見られたりということは止める、という気持ちで居るだけでも相手には伝わります。
見積・施工を通して関係を築く
建材店とは、見積と施工を通して声を聞き、顔を合わせられる関係が理想です。
そうすることで相手の存在をお互いはっきりと認知でき、関係があることを意識するためです。
たとえば建材の調達を行う際、やり取りのときは電話をできるだけ行いましょう。
見積依頼をメールで行ったとしても、「メールを送りました」と電話で一報入れることが重要です。
こういった電話は単に丁寧であるというだけでなく、行き違い防止としても有効です。
さらに施工時に顔を合わせることで、相手へのイメージははっきりと輪郭を持ちます。担当者の名前と顔が一致するようになれば、さらに望ましいです。
人間はよく知らない相手をぞんざいに扱えても、知っている人間を乱雑に扱うことは難しいです。
お互いに生身の人間であることを随所で意識して、付き合いを築いていきましょう。
施工の相談を行う
建材店は上手く関係を築ければ、施工の相談ができる相手にもなってくれます。
一般的な建材は施工方法が決まっているものですが、ときには決められた通り施工できない場合もあります。
そのようなとき設計側は、頭の中で建材を組み立て、なんとかイメージ通りのものを建てようと考えます。
しかし、実際に建材がその通り使えるかどうかは、施工してみなければわかりません。
その際、普段から建材を扱っている建材店は意見をくれます。「もっとスムーズな方法がないか?」「その施工法は現実に組み立て不可能ではないか?」そういったことの確認を、一緒にしてくれる頼りになる存在。それが建材店です。
納期のお知らせを受けられる
建材店は、建材が不足しているとき納期がいつになるか教えてくれることもあります。
常連客でなくとも問い合わせれば教えてくれます。
しかし、良好な付き合いができていると、足りなくなりそうな際に、前もって買い抑えておくよう提案してくれます。
昨今は特にコロナやウッドショック、ロシアとウクライナの戦争など、世界的に影響が出るような事態が頻発しています。
今日通常通りに手配できていたものが、明日からもそうであるとは限らないのが現状です。
日頃の付き合いが他企業に先手を打つ武器であると認識し、建材店と丁寧な付き合いを行いましょう。
【参考】地域材について
建築業界では、地域の材を使用するよう推奨されています。地域の材とはその地域で特産とされている材のことです。
必ず使用しなければならない、といった強制力のあるものではありません。
しかし、使用することによって補助金が出たり、CASBEEの加点となって評価が上がったりというメリットがあります。
また、地域密着を売りにしている地元の工務店にとっては、よりその地域に貢献しているというイメージ作りになります。
そして地域材は、その地域で使用されてこそ地元全体のイメージアップに繋がります。
他所の地域の人が使用したとしても、それはもはや地域材ではないため性能以上の働きを持たせることはできません。
地域材は、実際に該当地域に住む自分達だけが有効に使える建材である。その意識を持って、地域材の建材店とも密なやり取りを行いましょう。
まとめ
建材店は、単に資材を工務店側に卸してくれるだけの存在ではありません。大切なビジネスパートナーです。
しかし、放っておいても自動的にビジネスパートナーになってくれる、というわけでもありません。
お互いに助け合える存在になるためには、「協力して良い仕事をするのだ」という意識を持って、関係を築く必要があります。
簡単なことではありません。しかし信頼関係を結べた先には、会社のさらなる成長があるでしょう。
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