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A工事・B工事・C工事の違いとは?予算の抑え方についても解説

2022.07.08

コラム

  • 「A工事・B工事・C工事の違いってなんだろう……」
  • 「工事区分のポイントが知りたい」

こんな疑問はありませんか?

本記事では、A工事・B工事・C工事の違いと併せて、予算の抑え方についても解説します。

最後まで読むと、A工事・B工事・C工事の違いがわかり理解できます。

A工事・B工事・C工事の違いとは

A工事・B工事・C工事の違いとは

まず工事区分とは、店舗の改修工事や原状回復工事をA工事・B工事・C工事と分けたものです。

工事区分表は、工事区分で分けた工事に合わせて費用負担や工事業者を決めた表になります。

この工事区分表に応じた工事負担が、出店者側とオーナー側に分けられます。

ここでは工事区分表のA工事・B工事・C工事について詳しく説明します。

A工事

A工事はビル全体に関係する工事を指します。

工事費負担・所有権がオーナーなので、オーナーが業者を選定し工事を発注します。

工事場所としては、共用設備となる階段・エレベーター・トイレなどの他、外装や外壁などの工事を発注します。

A工事はビルの資産価値を守るための工事で、業者もオーナーが選定するので出店者側に関わりのない工事となります。

B工事

B工事はビルの共有設備に関わる工事です。

出店者側の意向による工事のため費用は出店者が負担しますが、ビル全体の安全性に関わる工事のため業者はオーナーが選定します。

B工事の内容は主に次の5つになります。

  • 分電盤工事
  • 空調設備工事
  • 排気関係
  • 防水設備
  • 排水工事

ビル全体に関わる工事があればB工事となります。

また、B工事の対象物となった所有者はオーナーです。

B工事は原状回復工事にも関わるため業者の選定はオーナーになりますが、工事内容・工事費用はしっかり把握しておく必要があります。

工事業者の選定はオーナー側がおこなうため、費用が高くなりやすいのもB工事の特徴です。

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B工事の内容がA工事に含めることあるので、オーナー側と話し合い費用を抑えるようにしましょう。

C工事

C工事は、店舗の配線工事や什器の設置や内装など店舗の専有部分の工事です。

したがって工事を依頼する業の選定、工事の費用は出店者側が負担します。

ビル内の店舗なので工事にはオーナーの承認が必要ですが、A工事・B工事比べ比較的自由度の高い工事と言えるでしょう。

また、出店者が工事業者を選定できるので、C工事は工事費用を抑えることが可能となる区分です。

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C工事の対象物はすべて出店者の所有物として扱われます。

 

以上がA工事・B工事・C工事の工事概要です。

A工事・B工事の権限はオーナー側、C工事の権限が出店者となります。

なお、B工事はオーナー側と店舗側で権限が混在しているためトラブルになりやすい工事とも言えます。

A工事・B工事・C工事の工事事例

A工事・B工事・C工事の工事事例

A工事・B工事・C工事の工事事例は以下のとおりです。

  • A工事の工事事例
  • B工事の工事事例
  • C工事の工事事例

A工事の工事事例

A工事に該当する工事箇所の例は、次のとおりです。

  • 建物の外装・外壁
  • 共用部トイレ
  • エレベーター
  • 給排水設備(共用部)
  • 空調設備(共用部)
  • 防災設備(共用部)

A工事は、すべてテナント外の建物の資産価値を維持する箇所に限定されています。

B工事の工事事例

B工事の工事事例は以下のとおりです。

  • 空調設備
  • 防災設備
  • 防水設備

B工事の特徴は、専有部であるけど建物全体に関わる工事のことです。

テナント内でも給排水設備や空調設備などは、建物全体に影響するため、工事に該当します。

C工事の工事事例

C工事の工事事例は以下のとおりです。

  • 照明やコンセント、スイッチの増設
  • 会社名や各部屋の案内の表記
  • 躯体に影響を与えない専有部での建具の設置
  • クロス、床のタイルやカーペット、家具の取り付けなど

部屋の中を間仕切りして通路や会議室を作成するパーテーションの工事は、基本的にC工事として分類されます。

しかし、このような工事だけでなく、空調の設備や火災対策といった関連する工事が同時に行われることも考えられます、これはB工事に該当します。

例を挙げると、天井付近に高い家具を置くことにより、天井に設置されたスプリンクラーの機能が妨げられる可能性があります。

このスプリンクラーの移設は、建物、つまりオーナーの資産に変更を加える行為であるため、B工事として扱われる必要があります。

業者選びのポイント

業者選びのポイント

業者の選定に際して、デザインと工事を分けるか、一元化するかの選択は大きなポイントとなります。

デザイン専門の業者だけを利用する場合、高いデザインセンスを活かした洗練された内装が期待できるでしょう。

しかしその一方で、デザインが確定してから工事を開始するため、工事日数は伸びることが予測されます。

さらに、デザイン業者と工事業者の間での打ち合わせが増えるため、時間と労力が必要になること、そして情報の齟齬が生じるリスクが考えられます。

それに対して、デザインと工事を一貫して行う業者を選ぶ場合、打ち合わせの回数が少なくて済み、スムーズなコミュニケーションが可能となります。

全体の工事期間や予算の管理も一元化され、効率的に進めることができます。

ただし、デザインの専門性に欠ける可能性があるので、自身の希望を詳細に伝えることが重要です。

B工事・C工事を業者に依頼する流れ

B工事・C工事を業者に依頼する流れ

B工事・C工事を業者に依頼する流れは以下のとおりです。

  • 内容のイメージやレイアウトを決める
  • 行う工事に対してB工事とC工事を紐づける
  • 各業者に見積もり依頼をする
  • スケジュルに間に合うように工程管理を行う
  • シミュレーションして問題なければ各業者に発注する

入居時の標準的な改修工事は、テナントの空間内で実施されるため、C工事としてカテゴライズされます。

とはいえ、空調の取り付けや消火設備の移設など、関連する工事によってはB工事として扱われ、その際はオーナーが工事業者を指名します。

B工事になると、オーナーの指名による業者のため、見積もりを複数社から取得し比較することが難しく、結果としてコストが上昇する恐れがあるのです。

そのため、B工事とC工事の区分けを的確に行うことが必須です。

一方、C工事に関しては、テナント側が業者の選定や発注の全権を持っています。

コスト削減を図るためには、いくつかの業者からの見積もりを取得して、価格を比較することがおすすめです。

それにより、最もコストパフォーマンスの良い業者を選択することが可能となります。

工事区分表の重要性

工事区分表の重要性

この3つの工事区分を準備しておくことで、発注や費用負担の責任をオーナー側と出店者側とで明確にすることができ、トラブルを回避することができます

また、B工事はオーナー側に所有権、出店者側が費用の負担と権限が混在しているため、トラブルへと発展しやすい工事です。

認識の違いを埋めるためにも、発注前に工事の権限がどこにあるのか、オーナー側と出店者側が話し合って双方の合意を得ておく必要があります。

工事区分表の作り方

工事区分の認識を埋めるためにも、工事区分表の作成は慎重におこなう必要があります

工事区分表には明確な書式はありませんが、一般的に次のような項目を各工事区分に分けて表にすると分かりやすくなります。

工事項目

  • 建築工事
  • 電気工事
  • 口調工事
  • 防災工事

上記の工事項目を大項目とし、工事内容を中項目とします。

この中項目をA工事・B工事・C工事のどこに該当するかを振り分けます。

この段階で双方の認識の違いを確認しあうことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

一覧表

工事項目が出せたらわかりやすく一覧表にまとめます。

一覧表にする時は横列にA工事・B工事・C工事とし、縦列に工事項目を指定すると分かりやすくなります。

また、横列のA工事・B工事・C工事の上にはオーナー負担・出店者負担が分かるようにしておくといいでしょう。

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工事区分表の作成は、次のことに注意しながら作成をおこなうようにしましょう。

原状回復

B工事の費用

B工事・C工事の予算の抑え方

B工事・C工事の予算の抑え方

工事区分のうちA工事は権限がすべてオーナー側にありますが、B工事・C工事は、出店者側の意向によって工事がおこなわれます。

そのため、工事の発注内容次第で費用を抑えることも可能です。

具体的にB工事・C工事は次のことに注意しながら費用のコントロールをおこないます。

B工事費用の注意点

B工事は、オーナー側は工事業者の選定をおこないますが、話し合いは可能です。

しかし、金額を抑える交渉だけでは非効率なものです。

B工事の発注はオーナー側がおこないますが、別の業者に同じ工事項目で見積作成を依頼し、比較しながらおこなうと効果的に金額交渉を進めることができるでしょう。

また、オーナー側と話し合ってB工事に含まれる内容の一部をA工事としてもらう相談してみることも良いかもしれません。

B工事の費用は、出店者側が依頼する見積よりも2~3倍高い請求であることが多くあります

なるべく金額を抑えるために、交渉、話し合いを進めるようにしましょう。

C工事費用の注意点

C工事は工事業者を出店者側で選定をおこなえるので、相見積を取ることが重要となります。

相見積をとることで工事価格を抑えることができます。

またB工事同様、A工事に該当するものがないか工事内容を確認することも大切です。

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オーナー側との交渉次第では、A工事として認めてもらえる可能性があります。

工事区分のポイント

工事区分のポイント

ここまでA工事・B工事・C工事についての説明と注意点について説明しきましたが、次に工事区分を決めるときのポイントを次にまとめました。

見積で予算をコントロール

B工事・C工事はオーナー側との交渉次第で、工事の一部をA工事とすることができます

オーナー側が費用負担するA工事にすることができれば、出店者側の費用を抑えることができます。

原状回復時の修繕

また、オーナー側と賃貸契約をおこなっている場合、退去時には店舗の原状回復が求められます。

入居時に定められている場合がほとんどなので、入居時に修繕の責任の所在をはっきりさせておく必要があります

修繕の工事内容に注意して工事区分表を作成する際に内容を盛り込んでおくと、退去時の責任や費用のトラブルを避けることができます。

認識の違いをなくす

工事区分表の作成には、オーナー側と出店者側で認識の違いをなくすことが最も大切です。

オーナー側がB工事を思っていても出店者側がA工事だと思っていたなどというトラブルも起こりやすくなります。

そのため、双方が工事内容を把握し理解しておく必要があります。

工事区分表の作成は、認識の違いを生まないように慎重に進めるようにしましょう。

まとめ

今回は、A工事・B工事・C工事の違いと併せて、予算の抑え方についても解説します。

大きな違いとしては以下のとおりです。

  • A工事はビル全体に関係する工事
  • B工事はビルの共有設備に関わる工事
  • C工事は、店舗の配線工事や什器の設置や内装など店舗の専有部分の工事

本記事を参考に、A工事・B工事・C工事の違いを理解してください。

 

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