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【工務店の施工管理】建築業の現状から業務改善の必要性やメリット、進め方を解説

2022.05.16

コラム

工務店は地域に密着し、家づくりに関する次のような建築工事を請け負っています。

  • 新築
  • リフォーム
  • 補修
  • メンテナンス
  • アフターフォロー など

工務店の業務は多岐に渡りますが、大切な役割に現場の施工管理があります。

建築現場での業務は、造作工事や電気設備、塗装、左官、クロス内装業など多くに分業されています。

施工管理は、工事に関わる多くの職人たちを束ね、工程を管理して安全に施工を進めていく役割を担います。

この記事では、工務店が行う施工管理の概要や業務改善の必要性、メリットなどを解説しています。

施工管理と業務改善は表裏一体です。施工管理を効率的に進めることでコスト削減や生産性向上など工務店の業務改善が期待できるでしょう。

 

 

工務店の施工管理とは

施工管理とは、建設現場の準備段階から完成までを管理する業務で、工事全体を取りまとめる役割があります。

具体的な施工管理の業務は、建築現場での次の4つを行うことです。

  • 原価管理
  • 工程管理
  • 品質管理
  • 安全管理

原価管理

利益を確保するため、工事にかかる人件費や材料費、建設機械のレンタル料などの原価を計算します

工事の進捗状況を把握して予算を管理する必要があります。

予算と経費との差があるなどトラブルが起きたときは原因を探り出し、工程や計画そのものを見直して方針転換します。

現場環境を改善しながら、利益と費用のバランスを適正に保ち、経費を予算内に納めます。

工程管理

工期までに施工を完了するため工程スケジュールを調整します

具体的には作業人数や配置、建設機械の手配、作業の段取りなどを決めます。

大規模な工事は人員や建設資材も増え、さらに工程も複雑になるので膨大な知識と実務経験が必要です。

品質管理

成果物や構造物が設計図や仕様書通りに仕上がり、品質や規格を満たしているかを管理します

例えば材料の寸法や使用手順に問題がなく適正かどうか、工法ミスや作業の見落としがないか、歪みや強度不足などの品質を保持しているかなど、作業ごとにテストや検査を繰り返しながら進めていきます。

問題があれば手直しや補修作業を行い、高品質な仕事を提供します。

安全管理

朝礼で開口部や危険箇所を呼びかけたり、立ち入り制限や注意喚起のために看板を設置したりなど安全に配慮する業務です。

安全教育やKY活動、ヒヤリハット、安全パトロールなどの周知徹底で作業員の安全認識を高め、事故防止や災害対策につなげます。

安全に絶対はありません。つい形式的になりがちなKY活動やヒヤリハットは、危険察知や無事故につながる情報が満載です。

職人の安全、安心、健康を守るためにも誠心誠意取り組みましょう。

工務店における業務改善の必要性

少子高齢化による人口減少などの影響で住宅着工件数は減少傾向にあり、さらに人材不足問題など工務店の抱える課題はたくさんあります。

事務作業のデジタル化や作業効率化などの業務改善は、工務店の新たな可能性を導き出すでしょう

生産性の低下

工務店の施工管理業務では、電話やファックス、エクセルなどのアナログな連絡手段がまだ多く見られます。

アナログな媒体は、視覚で見て理解しやすく、情報が伝わりやすいメリットはありますが、情報共有のリアルタイム化や複数人とのコミュニケーションには向いていません。

情報のデジタル化は、ペーパーレス化を促進するだけでなく次のような利点もあります。

  • 工事関係者へ同時に連絡できる
  • 現場で日報や報告書、見積書を作成できる
  • 工程表をリアルタイムで修正し共有できる
  • 写真や資料、図面がどこにいても確認できる

報告書や見積書、工程表などの事務作業をアナログ対応しているとスケジュール変更や現場への指示がリアルタイムでできないため工期の遅れや施工ミスにつながり生産性が低下してしまいます。

事務作業のデジタル化で事務員の人件費削減や人的ミスが少なくなります。また、事務作業の負担から解放されることで現場作業に注力でき生産性向上につながります。

慢性的な人手不足、高齢化

建設業や工務店は、高齢化や若者離れの傾向があり慢性的な人材不足の傾向があります。

国土交通省の下図資料によると建設業の就業者数は55歳以上が約3割、29歳以下が約1割と高齢化が進んでおり、2025年には働き手が90万人減少するといわれる、いわゆる2025年問題があります。

出典:国土交通省「建設業及び建設工事従業者の現状」建設業就業者の高齢化の進行より

多くの工務店では、一人前の職人に育てるため若年者の指導に手間と時間をかけても、成長途中で離職してしまうなど人手不足の課題を抱えています。

若年層が育たず高齢化が続くと将来の技術・技能承継にも不安です。

人手不足や高齢化を見過ごしていると工務店経営が危うくなる可能性もあります。

そうならないためにも職人のワークバランスを実現して長時間労働や残業時間削減などの業務改善を行う必要があります。

伝達ミスやコミュニケーション不足

建設工事において伝達ミスは施工ミスを招き、やり直しや工程の遅延を引き起こします。

伝達ミスを防ぐには、写真や図面、工程表などの情報共有をスムーズに行うことが大切です

工事を円滑に進め、施工ミスや勘違いミス、思い込みミスを防止するためにも情報共有は不可欠です。

また、お客様とのトラブル要因としてコミュニケーション不足が考えられます

現在は新型コロナウイルスの影響から対面での商談ができず、コミュニケーション不足になりがちです。

お客様の要望を叶えるためにもオンラインでの商談に取り組み、コミュニケーション不足を解消しましょう

建設業や工務店が生き抜くためには、社会情勢やお客様のニーズに応えられる柔軟性と実行力を持つことが重要です。

【工務店】業務改善を行うメリット

業務効率化は、「ムリ」「ムダ」「ムラ」を切り捨てて業務工程の改善と効率化を図り、安定した経営を目指すための取り組みです。

業務効率化における「ムリ」「ムダ」「ムラ」は次の通りです。

  • 「ムリ」:
    無理な計画・無理な作業・無理なスケジュールなど
  • 「ムダ」:
    必要以上の生産・無駄な会話・無駄な動作など
  • 「ムラ」:
    作業量のムラ・無理と無駄が混在し作業が不安定な状態

業務効率化を進めていくと以下のメリットがあります。

コスト削減

業務から「ムリ」「ムダ」「ムラ」、特に「ムダ」を省くことで建築工事や施工にかかる作業時間を削減でき、人件費や電気代などの経費を削減できます。

また、「ムリ」「ムダ」が原因の業務ミスも少なくなり、ミス対応にかかるコスト削減のメリットもあります。

工務店の無駄なコストを減らして、他にコストを回すことでさらなる効率化や利益向上が期待できます。

生産性向上

生産性とは、生産するために投入した人件費や設備などの資源を注ぎ込んで、どれくらいの成果をあげたかを示す指標のことです。

業務から「ムリ」「ムダ」「ムラ」を省くことで、業務効率が良くなり生産性が向上します

例えば、使用工具や建材を使い勝手よく、作業段取りを考えて整理、整頓すると無駄な動作が減り作業効率が上がります。

また、整理整頓することで在庫管理がしやすくなり、無駄な在庫や発注ミスが減り、コスト削減や生産性向上につながります。

モチベーションの向上

業務効率化が進むことで残業時間や労働時間が減り、従業員のワークライフバランスを実現できます。

建設業は長時間労働や低賃金、仕事のキツさなどから離職率が高い業界といわれています。

ークライフバランスの実現は、定着率アップや従業員のモチベーション向上、優れた人材の確保にもつながります

業務効率化によるコスト削減や生産性向上で従業員の賃金増加や労働時間の削減が可能になり、人材不足の問題を抱える建設業や工務店においては大きなメリットがあるでしょう。

【工務店】業務改善を進めるポイント

業務改善を効果的に進めるための手順とポイントを解説します。

業務の洗い出しと見える化

今、業務がどのような状態で行われているかを徹底的に洗い出します。

現状を把握せずに業務改善を進めていくと余計な「ムダ」を生みます。現場でのヒアリングなどを通じて業務内容を徹底的に見直し、問題や課題、改善点を見つけ出します。

改善点と課題を確認

業務の洗い出しと見える化によって改善点を把握できたら、効率化する業務を考えましょう。

一度に効率化できる業務には限りがあるため、改善点が多いときは優先順位をつけます。

優先順位を決める基準は下記の2点です。

  • 改善の難易度
    業務改善に必要な時間やコスト
  • 改善の効果
    業務改善で得られる効果

最優先すべきは、「改善しやすく、高効果が期待できる」業務になります。

逆に「改善が難しく、効果が期待できない」業務は後回しにしても大丈夫です。

例えば、「施工ミスが多く、何度も手直しが必要な業務」や「作業が進まず、他の施工に支障をきたす業務」などは優先的に業務改善が必要な業務といえるでしょう。

改善策を考える

業務の改善点が明確になり優先順位が決まれば、具体的な改善策を考えていきます。

改善策を考えるときには、目標を測定する基準や評価方法(KPI)を決めておきましょう。

KPIは、あらかじめ定めた目標にどの程度進捗しているか、またはしていないかを測定するための基準です。

KPIを設定すると業務改善自体の効果が検証できるため、施策の有益性を判断できます

改善策の実行と評価

改善策を計画通りに実行し、進捗状況に合わせて改善の効果を測定します。

設定した基準を満たさなかった場合は、繰り返し改善策を立て直してより効果的な改善策を考えていきましょう。

効果があった改善策は、従業員同士で共有しあって定着化させることがポイントです。

まとめ

施工管理の効率化や業務改善が必要な背景には、建設業が抱える「高齢化」や「人手不足」「着工件数減少」などのさまざまな問題や課題があります

課題を解決するためには業務改善を繰り返して、まず働く環境を変えていくことが大切です

働く環境が改善していけば、若年層も魅力的な職場イメージを持ち未来の担い手になってくれるかもしれません。

若年層が増えれば、高齢化の問題も解消します。

このように目の前に抱える問題解消につながるため、工務店にとって施工管理の効率化と業務改善は不可欠といえるでしょう。

 

 

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