Column コラム

未収金の把握・支払もれを防ぐ効率的な請求書の管理方法とは?

2022.05.16

コラム

建設業では、自社が請負った工事に対する発行請求書と仕入・外注・労務費を払うための受領請求書があります。

得意先や仕入先の業者が多い場合、毎月発行した請求書の管理と受け取った請求書の確認のため、経理業務が煩雑になってしまいます。

ここでは、請求書の管理方法を入金と支払予定について、わかりやすく解説します。

多くの請求書を正確に管理し、月度の入出金を予測・判断することは、毎月の資金繰りを行うために欠かせません。

請求書は法律により保管期間も定められており、請求書の整理やまとめ方も伝えていきますので、参考にしてみてください。

 

 

請求書の管理が必要な理由

建設業では、大規模工事の場合など、工区ごとの請求書作成・提出、また同じ現場でも工種ごとに分けた請求が求められる場合があります。

また同じ現場に複数の業者が何次にもわたり、かかわっているので、請求書発行後も得意先ごとに正確な管理が必要です。

一方、仕掛けとして材料購入や労務費等、まとめて月単位で処理する場合、支払もれは、取引先との信頼関係を損なうことに繋がりかねません

まずは、次の2点にと分けることが重要です。

  • 『得意先への請求書の控え』
  • 『仕入先からの支払い請求書』

正確な入金予定金額の把握と支払予定額を見極めるため、書類でやり取りする情報もデータ上で管理するとより効率的です。

未入金の管理

得意先へ請求書を発行後は、各業者ごとに入金予定日・金種・入金予定金額を管理します。取引先毎に支払日が決められているため、請求書発行後も入金までは、時間がかかるからです。

得意先へ自社が発行した請求書は保管義務はありません

しかし工事の進捗状況や支払先の都合など、必ずしも『請求額=入金額』とはならない場合もあり、ほとんどの企業では、発行した請求書控えを保存しています。

支払処理からもれることを防ぐ

支払用請求書が届いたら他の書類と紛れて紛失しないように、すぐにファイルや箱などに入れて保存しましょう。

支払処理からもれることを防ぐため、次のように分けて保存すると経理担当者が複数で処理してもわかり易くなります。

  • 〇月度確認用請求書
  • 〇月度未払い請求書
  • 支払処理済

支払済の場合には、『処理済』などのスタンプを押し、未払い分と混ざらないよう、また二重支払することのないように区別します。

請求書保存期間

請求書は、法人の場合、法律で7年間保存することが決められています。

7年間と言うのは、請求書日付ではなく、法人税の申告から7年間になりますので、注意が必要です。

個人の場合は、5年間保存となっており、法人よりも短くなります。

請求書の管理方法

請求書を保存・管理する際には、注意が必要です。

ここでは、自社が発行した請求書の場合と受け取った支払請求書に分けて説明します。

入金予定請求書の場合

取引先から入金の際には、請求書の控えと照らし合わせ、金額や金種等の確認が必要です。

保留金の有無や未入金に対する請求書の再発行などの処理が必要になるからです。

取引先が多い場合は、入金予定日も取引先の支払日の都合で異なります。

その場合は、書類のファイル保存だけでなくデータでの管理がわかり易く効率的です。

請求書管理の際には、随時入金状況を確認できるようにします。

発行済請求書の控えを入金済と未入金に分ける方法もありますが、データ上で入金済分をエクセルの一覧表で色付けし、一目でわかるようにすることも可能です。

未入金の場合は金額の誤差や入金予定日を確認し、早期の未収金の回収につなげていきましょう。

支払請求書の場合

仕入先が多い場合、支払請求書が毎日のように届く場合もあります。

保存する際には、支払予定日や内容を確認し、支払期日が早いものからまとめましょう

消費税や金額、日時等に不備があれば、請求先に訂正してもらいます。

請求された金額に対し、値引きや保留する場合は、その旨の連絡を書面に残し、双方で認識の差異が無いようにします。

担当者間での口頭確認だけでなく、のちのトラブル防止のためにも請求書に貼付して値引き等の連絡書類を保存しましょう。

請求書の整理方法

取引先が多い場合は、毎月の請求書がどんどんたまっていきます。

増え続けていく請求書ですが、取引の証拠であり、7年間保存義務があるため勝手に処分できません。

そのため誰が見てもわかり易い請求書の整理方法が望ましいです。

ここでは、2通りの整理方法を説明します。それぞれの特徴を理解して自社にあった整理・保管を進めましょう。

取引先毎の請求書の整理

小口の取引先でない場合、毎月同じ取引先相手に継続的に請求書のやり取りが発生します。

自社発行の請求書の場合と支払用請求書共にです。

取引先ごとの請求書の整理:メリット

自社発行の請求書の場合も、支払い用請求書も取引先毎に整理すると、後になっても取引会社別に請求・支払処理を確認できる。

値引きや保留があった場合も取引先毎に整理されていると前回の入金・支払の処理の流れが一目で確認できる。

取引先ごとの請求書の整理:デメリット

月単位の会社のお金の流れがわかりずらい。

請求書を整理する際に特定の顧客ごとに分けるためコストと時間がかかる。

月ごとの請求書の整理

月ごとの請求書の整理:メリット

請求書を月毎に整理する場合、毎月の会社全体の取引状況がわかり易くなる。

請求書の整理に時間がかからない。

月ごとの請求書の整理:デメリット

特定の取引先を見つけるのに時間がかかる。

 

memo

請求書は、自社に合ったやり方で、それぞれの特徴を理解して整理しておくといいでしょう。

取引先が10社以上と多い場合や、入金や支払時に注意が必要な顧客は、取引先毎に請求書を整理することが望ましいです。

エクセルを使った請求書管理方法

入金予定日や金額を把握し、毎月の資金繰り作業に関連付けるためには、エクセルを使った方法で管理をする場合が多いでしょう。

  • 請求書発行後、エクセルの請求一覧管理表に金額や金種・入金予定日を入力
  • 入金があったら、入金済チェックや色分けし入金日を入力
  • 月毎に、回収予定額算出のため請求一覧表から入金済金額と大まかな入金予定額と金種をまとめます
  • 支払用請求書を入手後、エクセルの支払予定一覧表に金額や金種を入力
  • 月毎に、支払予定一覧表を集計して支払金額と金種をまとめます

それぞれの金額を足し上げ、毎月の資金繰り計画の参考にできます。

エクセル管理の問題点

エクセルで請求書を管理すると回収や支払予定金額をまとめることはできますが、複雑になるため問題点も多くあります。

  • 請求書保存の7年または5年のデータを1つのエクセルで管理するとデータが膨大
    ⇒処理スピードが落ちる
  • 請求書作成ごとにエクセルに入力
    ⇒手間がかかり、同時に複数人で処理できない
  • 作成した請求書控えや入手した支払請求書の金額を手入力
    ⇒転記ミスが起こる場合がある
  • 『入金済』や『支払済』などのチェックや色付け
    ⇒頻繁な作業が必要でチェックもれが無いか確認が必要
  • 手計算によるミスを防ぐため入金額や支払予定額の集計に関数を利用
    ⇒表の正しいメンテナンスが必要

紙とデータの請求書のまとめ方

請求書を紙やデータで管理する場合、それぞれ方法が変わってきます。

従来は、紙の請求書をファイルして保存することがメインでしたが、ペーパーレス化の流れからクラウド型データ管理へと変わってきていることも事実です。

データの場合

販売管理システムや電子帳票システムの導入により請求書管理業務も今後はデータが主となっていく企業が増えるでしょう。

メリット

  • 請求書の一元管理
    ⇒経理だけでなく営業や経営者も含め社内での情報共有が可能
  • 業務効率化
    ⇒請求書の転記作業不要や人為ミスの低減
  • コスト削減
    ⇒請求書保存のスペース不要、紙をファイルする時間削減

紙でファイリング

データでの請求書管理業務への移行には、社内での検討時間や費用がかかるため、従来通り紙で請求書を整理している企業が多いのも事実です。

効率よくファイルするための注意点

  • 取引先が多い
    ⇒特定の取引先を見つけやすくするため社名ごとにインデックス付けやリングファイルを利用
  • 決算ごと
    ⇒請求書廃棄の時期が違うため決算ごとにファイルを別に分ける

まとめ

効率よく請求書を管理して未収金や支払処理のもれを防ぐ方法の解説でした。

入金額の把握や支払もれによるミスを防ぎ、取引先との友好的な関係を築くことが次の仕事を得る為にも重要になってきます。

請求書は、入金予定となる発行済請求書と支払予定の請求書があり適切な管理が必要です。

税務署の調査が入る場合もあり、データや紙での管理保存業務の際に参考にしてみてください。

 

 

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