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BELS(建築物省エネ性能表示制度)とは?メリットや手続きを解説

2022.11.22

コラム

BELSは建築物のエネルギー性能をわかりやすく評価、表示する制度です。

昨今、住宅性能、特に省エネや環境に配慮した家づくりにこだわる顧客は少なくありません。そのため、工務店としてBELSへの理解を深め、快適な暮らしを提案していくことが重要になります。

この記事ではBELSの概要やメリット、申請方法についてわかりやすく解説していますので参考にしてください。

BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)とは

BELSとは、Building-Housing Energy-efficiency Labeling System(建築物省エネルギー性能表示制度)の略称で「ベルス」と読みます。

「建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針」に基づいて、建築物のエネルギー性能を評価または表示する制度です。

新築および既存住宅に対して第三者機関が認証を行い、エネルギー性能が高く評価されると大きな信頼性得られます。

BELS制度の経緯

平成27年7月に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(建築物省エネ法)が公布されました。

平成29年4月からの完全施行を前に、平成28年4月1日から申請受付が始まり、非住宅の建築物を対象としたBELS適用範囲が一般住宅にまで拡大。

建築物の販売または賃貸を行う業者には、省エネ性能の表示が努力義務となりました。

省エネ性能の表示例と目的

以下は具体的な表示例です。

BELS】

  • 省エネ性能を明確に表示
  • 優れた性能をアピール

 

【省エネ基準適合認定・表示制度】

  • 行政庁による認定を示す
  • 省エネリフォーム後の適合基準をアピール

出典:国土交通省「住宅・ビル等の 省エネ性能の表示について」より

 

上記、省エネ性能の表示には次のような目的があります。

  • 認定を受けた住宅が市場で評価され、消費者が選びやすい環境を整える
  • 信頼性の高い評価基準と第三者による高精度のエネルギー消費性能表示の充実
  • 表示制度の普及で建築物のエネルギー性能向上を図る

次項より、BELSの具体的な内容について触れていきます。

BELSの対象となる主な建築物

BELSは新築・既存に関わらず、戸建住宅や共同住宅、非住宅、複合建築物などあらゆる建築物が対象となります。

建物全体だけでなく、テナントなど建築物の一部だけを対象にした性能評価も可能です。

BELSの評価は建築物の資産価値を表す指標となるため、評価を受けておくメリットは大きいでしょう。

BELSによる省エネ性能表示とは

BELSは省エネルギー性能を下記の項目に応じて、5段階(★マーク)で評価します。

  • 建築物の断熱や遮熱性能(外皮性能)における指標
  • 一次エネルギーの消費量における指標

外皮性能とは外壁や床、天井、屋根、開口部など外部の断熱性や遮熱性、気密性、耐久性のことです。建物内部の設備や機器ではなく、外壁や窓などの仕様で評価されます。

一次エネルギーの消費量は、給湯や暖房、冷房、換気、照明といった機器が消費するエネルギーの合計から算出された評価です。

建築物の省エネルギー性能はBEI値(Building Energy Index)により、★の数(5段階評価)で表示されます。

以下は、BEI値の求め方です。

BEI値=設計一次エネルギー消費量 ÷ 基準一次エネルギー消費量

BEI値が小さくなるほど、省エネ効果の高い住宅といえます。

出典:国土交通省「BELSによる住宅の省エネ性能表示について」より

★1つは既存の省エネ基準で既存物件のみの評価です。新築であれば★2つ以上になり、★2つで省エネ基準、★3つで誘導基準の認証になります。

新築住宅の場合、★2つの省エネ基準に適合する義務があり、適合しない住宅は建築確認を受けることができません。

誘導基準は省エネ性能の向上促進を誘導すべき基準を示し、容積率の特例を受ける際の基準値にもなります。

BELS認証を受けるメリット

BELS認証には次のようなメリットが考えられます。

  • 省エネ性能が5段階表示でわかりやすい
  • 第三者機関が評価するため信頼度がある
  • ゼロエネルギー住宅(ZEH)補助金を活用できる
  • 平成29年4月からZEHマークを表示できる

それぞれのメリットについて解説します。

省エネ性能が5段階表示でわかりやすい

BELSの評価は★の数(最大5個)で表示されるため、省エネルギー性能が一目瞭然です。

専門知識や建築に詳しくなくても評価の違いがシンプルでわかりやすく、物件選びの参考データとして活用できるでしょう。

第三者機関が評価するため信頼度がある

BELSは国が定めた評価基準に則って、第三者機関が評価を行います。そのため、信頼度の高い点が特徴です。

昨今では、各工務店も住宅性能を前面に押し出した家づくりを行い、独自評価による性能表示や評価軸をアピールしています。

しかし、評価のベースとなるデータにバラツキがあり、性能表示だけでは省エネルギー性能の良し悪しを判断できません

BELSは統一された判断基準をもとに認証を行うため、省エネルギー性能を図る指針となるでしょう。

ゼロエネルギー住宅(ZEH)補助金を活用できる

ゼロエネルギー住宅(ZEH)とはnet Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語になります。

効率の良い設備などの導入により、家で消費する電力よりも創り出す電力の方が多いまたは同等となる住宅がゼロエネルギー住宅(ZEH)です。

国内でも環境省や国土交通省、経済産業省が三位一体となって、ゼロエネルギー住宅(ZEH)を推し進めています。

その取り組みのひとつがゼロエネルギー住宅(ZEH)支援事業です。

補助金の申請には、建築物省エネ法に基づいた省エネ性能表示(BELSなどの第三者機関による認証)を受けて、実績報告書に評価書を添付することが交付要件となっています。

補助金を活用すれば、太陽光発電など設備導入にかかるコストを軽減できるでしょう。

平成29年4月からZEHマークを表示できる

平成29年4月より、ゼロエネルギー住宅(ZEH)の基準を満たした住宅には、ZEHマークが表示可能になりました。

下記はZEHの表示例です。

 

出典:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会「ZEH表示はじまります」より

BELSのプレートやシールにZEHを表示していると省エネ性能が評価され、物件や市場価値も向上します。

また、省エネ性能表示を取得した物件はBELSのwebサイトに掲載できるメリットもあります。

BELS認証の手続き

BELS申請から評価書交付までの基本的な流れについて説明します。認証手続きの基本的な流れは次の通りです。

  1. 申請書類(設計説明書や計画書など)を作成して、BELS評価機関に申請する
  2. 評価機関が申請書類を確認後、評価・審査し評価書を発行する
  3. 申請者に評価書が交付される

出典:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会「建築物省エネルギー性能表示制度について」より

BELSの申請期間は特に定められているわけではなく、いつでも申請可能です。また、図面などをもとにして評価と審査を行うため、基本的に住宅への立ち合い等はありません。

申請は難易度の高いイメージがありますが、住宅性能表示制度や長期優良住宅認定制度について、ある程度の知識がある工務店であれば、申請書類に戸惑うことはないでしょう。

もし、申請に関して疑問がある場合には、評価機関によるQ&Aの利用や相談窓口へ問い合わせると解決策が見つかるかもしれません。

どうしても申請が難しい場合には、有料の申請代行サービスを活用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

この記事では、BELSの概要やメリット、申請方法について解説してきました。環境への配慮など省エネ性能の向上は、建設業にとって今後も必要不可欠なテーマとなるでしょう。

建築物のエネルギー性能を評価するBELSは、★の数で表示されるわかりやすい評価と信頼性の高さから需要が増えており、不動産市場においても物件の価値向上が期待されています。

しかし、BELSで高評価を得るためには、設備導入など初期費用がかかる点に注意が必要です。省エネ性能のためにはコストがかかる点を顧客へ上手く提案し、今後も環境に配慮した住宅づくりを目指していきましょう。

 

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