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いまさら聞けない工事管理の基本を解説!「原価管理」とは?|住宅リフォーム経営コンシェルジュ

2020.04.13

コラム

どんなリフォーム現場でも、建物を完成させるための予算は限られています。

したがって予算を無計画で使ってしまえば、建物を無事に完成させることはできたとしても現場で利益を確保することができないばかりか、最悪のケースでは赤字になってしまいます。

利益が確保できなければ会社にとっては害になるばかりで、苦労して建物を建てても何の意味もなくなってしまいます。

そうならないために人件費や材料費などを過不足がない様に上手く管理して、建物を予算内で完成させることを「原価管理」といいます。

本記事では原価管理の目的や具体的な手法を解説したいと思います。

脱赤字工事!建築業で原価管理か必要なワケ

原価管理とは企業が商品やサービスを提供するためにかかる原価を計算し、その内容を分析してコスト改善を行うことをいいます。

建設業においては、次を施工管理における4大業務と言われています。

  • 「工程管理」
  • 「品質管理」
  • 「原価管理」
  • 「安全管理」

現場を監督する立場の現場監督が必ず行わなければならない管理業務の中のひとつが「原価管理」です。

原価管理を適切に行うことにより原価の構成内容を把握して無駄なコストを省き、発注時にはコストダウンを行って利益向上を目指します。

また各現場で黒字と赤字が分かれるボーダーラインの損益分岐点を把握して、適正な利益確保に努めることが企業全体の収益向上に繋がります。

 

この様に財務面で大きなメリットをもたらす原価管理ですが、中には原価管理を疎かにしている企業も少なくありません

小規模の建設・リフォーム会社で時々見られるケースですが、「工期を守るのが精一杯で原価管理を行っている余裕などない」などということにでもなれば、経営が傾いてしまうことにもなりかねません。

次のことが重なれば、会社の経営はたちまち逼迫してしまうことになります。

  • 「見積書作成時にはあったはずの利益が完成時にはなくなっていた」
  • 「工期を守るために予定していた業者よりも高い業者に発注した」
  • 「材料を間違って多く仕入れてしまった」 など

建築現場における原価管理とは、現場の実情を把握して適正な予算組を行い、発生する支出を管理して利益を死守することです。

そして企業にとっては、黒字経営を目指すために欠かせないものが原価管理といえます。

コストダウンだけじゃない!?原価管理の真の目的とは?

建設業は典型的な個別受注生産なので、現場ごとに発生する原価が異なります

また、建設業では大量生産方式を採用することができず、たとえ同じ建築物を複数建てるにしても、現場によって条件が変わってしまうのが他の製造業と異なる点といえます。

したがって建設業の特徴をわかりやすくまとめると次の様になります。

  • 受注請負生産業である
  • 生産期間(工期)が長い
  • 生産現場が移動する
  • 工種や作業単位が多様である
  • 外注の依存度が高い

建設業の原価管理の目的の一つは粗利益の確保

建設業は受注請負産業であるため、受注するために相手方に提示する金額を事前に見積もる必要があります。

ここで相手方に提示した見積金額と予定原価の差額が予定粗利益になります。

そして原価管理の目的のひとつには粗利益の確保(=予定原価内の発注)があります。

建設業の原価管理は現場ごとが基本

建設業における原価管理は、個別の現場ごとに実施されるのが特徴です。

建設業では原価の発生場所が各工事現場になり、現場は工事ごとに移動するので、それぞれの現場が個別の事情を持つ単品生産となるためです。

そのため建設業の原価管理では現場ごとに行う原価計算を基に実行予算を作成し、これに従って各作業をコントロールして、工事完成後には予算と実績の差異分析を行うことが不可欠になります。

会社の利益を確保するためにはできるだけ原価を抑える必要があり、そのための作業が原価管理です。

原価管理は利益の確保だけではない

原価管理の目的はコストダウンを行って会社の利益を確保することが第一ですが、そればかりではありません。

職人が作業しやすい環境を作り、現場の士気を向上させて品質の良い建物を作ることも原価管理の重要な目的のひとつといえます。

現場責任者として大切な業務は、事前に行なった原価計算をもとにして職人に的確な指示を出すことにあります。

根拠のない指示や無理なコストダウンの押しつけは、職人からの信頼を失ったり、現場の士気を著しく下げたりすることにもなりかねないので注意が必要です。

これで完璧!原価管理のポイント3つ

ほとんどの会社が原価管理・予算管理の重要性を認識していると思いますが、現実的には上手く管理できていない会社が多いというのが実情ではないでしょうか。

原価管理を行う上では様々なポイントがあり、それをしっかりと把握しておく必要があります。

建設業における原価管理のポイントは以下の様になります。

  • 工事着工前に実行予算を作成して発注計画を立て、常に差異分析を行う
  • 工事原価の内容を正しく把握する
  • 経費を各現場に正しく配賦する
  • 工事台帳を作成し、工事原価を正しく集計する

工事原価を把握しよう

実行予算と実際の発注金額の差異分析を行うのは理解していたとしても、ここで工事原価の中身についても十分に把握しておく必要があります。

工事原価は、次の4つに分け、区別して管理することが大切です。

  • 材料費
  • 労務費
  • 外注費
  • 経費

これらについてしっかりと区別して管理することが大切です。

また、建設業では複数の現場を同時並行で進めることが多いので、従業員の人件費や法定福利費、建設機械・車両などに係わる各種費用、事務所の運営費などを各工事の工事原価に配賦しなければなりません。

memo

原価管理における「配賦(ハイフ)」とは、会社で決めた基準に則って費用を配分処理することです。

公平性のある配賦基準を設定する

配賦を行う上では、企業ごとに配賦基準を設けることができることになっています。

ひとつの配賦基準により配賦する一括的配賦法が最も簡易的な配賦方法になり、個別の配賦基準により配賦する費用別配賦法が最も精密な配賦方式になります。

しかし配賦の仕方によっては、現場の公平感を損なうおそれがあるので要注意です。

また、原価計算の精度を上げるためには正確な配賦が必要になる一方で、細かすぎる基準を設けると計算が複雑で非効率になる可能性があるので十分に注意しなければなりません。

工事台帳で工事別原価を管理する

次に工事台帳を作成し、工事別原価を正しく集計することが大切です。

工事台帳とは、個別の工事ごとに直接工事費(材料費、労務費、外注費、経費)や間接工事費を集計するための台帳です。

工事台帳を作成することで、工事別の原価の内容や工事の進捗に応じた予算管理ができる様になります。

利益管理を行うために不可欠なものですが、記録が面倒なため作成していないことも多い様です。

しかし、税務調査や労災保険の申告の際に提出する資料としても活用できるので、作成しておくと非常に重宝します。

工事台帳はエクセルや手書きでも作成することができますが、作成に時間がかかってしまうので、近年では専用システム・ソフトを使用して作成することが多い様です。

まとめ

現場監督の中には、綿密な原価管理を行わずに自分の勘と経験だけを頼りに工事を進めている人がいまだに多く存在しています。

特にベテランといわれる人に多い傾向があります。

しかし、現場で発生するコストは目に見えるモノだけではありません。

直接かかるコストだけを追いかけていると、黒字のつもりでいたのが赤字になってしまうことにもなりかねません。

そして現場のことは現場担当者に任せっきりにしている経営者も少なくありません。

一方、しっかりと原価管理を行いたいと思っていても施工管理の業務内容は多岐に渡るので、日々の業務に追われて後回しになってしまうこともあるでしょう。

「原価管理の必要性は感じているものの忙しくて手が回らない」というのであれば、リフォーム統合管理システムSAKSAKのように利益の管理が得意なITシステムを導入するのも選択肢のひとつです。
 

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