工務店に求められるDXとは?背景やメリット、取組事例について解説
2022.11.17
昨今、注目されるDX。
デジタル技術を使った新しいビジネス手法というイメージはできますが、詳しく説明できる方は少ないのではないでしょうか。
あらゆる業界で推進されているDX、建設業界でもその取り組みに注目が集まっています。
この記事では、工務店に求められるDXの概要や取り組むメリット、取組事例について解説しています。
DXへの取り組みを検討中の工務店、リフォーム会社の方は是非参考にしてください。
目次
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略語で、IT技術による生活向上や企業活動の変革を意味します。
経済産業省ではDXの定義を次のように示しています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
引用:経済産業省「デジタルガバナンス・コード2.0」より
DXのポイントをまとめると次の3点になります。
- デジタル技術を使って、顧客や社会のニーズに沿った新しい価値を生み出すこと
- 業務や企業活動のデジタル化だけでなく、企業として組織や業務の進め方、企業文化などを変革する
- 上記により企業の競争力アップと優位性を構築する
工務店やリフォーム会社についてもデジタル技術を用いた変革が求められています。
目まぐるしく変わる現代社会において、顧客ニーズへの対応や業務効率化、生産性向上が期待されています。
工務店にDXが必要な背景
経済産業省が推進しているDX。工務店においてはコロナ禍以降、デジタル化にシフトした企業とそうでない企業に分かれたように見受けられます。
昨今、注目されるDXが工務店にどうして必要なのか、その理由について解説していきます。
ビジネスのオンライン化
新型コロナウイルスの感染により展示会や対面での営業、会議や打ち合わせなど多くの営業活動が制限されました。
その結果、急速にビジネスのオンライン化が進み、ネット上での商談が日常化しつつあります。変わりゆくビジネスの流れに取り残されると、顧客のニーズを逃してしまい生き残りが難しくなります。
工務店もこの流れに乗り、営業活動や集客のオンライン化へのシフトが急務となります。既存の業務を再検討して、DXによるオンライン化など状況に応じたビジネス変革が求められています。
情報化による消費社会の変換
昨今ではインターネットやSNSなどが浸透して、消費者の購買手段や商品情報の取得方法など多様化がみられます。
具体的には、SNSをきっかけとしたネットショッピングやインフルエンサーが薦める商品を手にする消費者が増えているなどです。
このような情報化がもたらす新たな消費社会へ対応するためにも、工務店はDXを用いた環境整備を行い、顧客のニーズに応えられる体制づくりへの変革が必要でしょう。
労働人口の減少化
パーソナル研究所によると2030年の労働需要は7,073万人と推計されています。それに対して、労働供給は6,429万人と予測され、644万人が人手不足になると考えられています。
(引用元:パーソナル総合研究所「労働市場の未来推計2030」より)
上記のように労働需要がありながら、労働人口の減少化により人手不足に陥っている建設業者や工務店も少なくありません。
顧客管理や工程管理を属人化していた場合、他の社員に仕事を任せられない、ミスに気づきにくいなどのリスクが伴います。
このような課題の克服には、DXによる社内業務の効率化や業務内容の標準化が解決策として有効です。
工務店にDXを導入するメリット
工務店がDXを導入して得られるメリットについて解説します。
顧客満足度が上がる
DX導入による社内業務の効率化やビジネスモデルの変革で、働き方の多様化や業務負担の軽減化が可能になります。
労働環境の変化は従業員の満足度に直結します。
従業員に満足感があれば、主体性や積極性を持って仕事に取り組むなど、顧客満足度にも好影響を与えます。
具体的には以下のような取り組みが考えられます。
- Webサイトにバーチャル展示場を設けて、オンラインでモデルハウスを体感
- 電子契約を取り入れて、印紙代などの費用を軽減
- ビデオチャットを利用したオンライン接客や住宅相談
- 打ち合わせのオンライン化で移動時間を短縮
上記のようにDXは顧客のニーズに応えることが大前提になります。そのため、顧客満足度の向上が期待できます。
利益や生産能力が上がる
デジタル技術の活用は、ムダの削減と生産能力や収益性の向上を生み出します。
DXは業務の最適化を可能にするため、労働時間の短縮や人件費カット、うっかりミスの減少など仕事の正確性も向上します。
このような効果は仕事への取り組み方にも影響を与え、さらなる生産性アップにつながります。
工務店のDX取り組み事例
工務店がDXに取り組む具体的な事例について紹介します。
工務店のDX事例①:商談のオンライン化
オンライン化にはZOOMなどのチャットツールを用いた商談や打ち合わせ、相談受付などがあります。
インターネットを活用した商談はネット回線があれば、どこでも自由に行えます。そのため、商談場所への移動時間や手間が省け、営業活動の効率化が図れます。
コロナ禍で対面営業をためらわれる顧客に対しても、オンライン商談であれば問題なく対応できるため、営業活動の継続が期待できます。
工務店のDX事例②:展示場のバーチャル化
住宅展示場をバーチャル化して自宅にいながらインターネットやスマートフォンで、住まいを体感できる手法があります。
VR機器の発展で360度カメラや3D映像システムを使って、実際に生活をしている感覚でモデルルームを見学できます。
バーチャル展示場があれば、実際のモデルルームを見学した後に気になった箇所を再確認できたり、家族や友人に相談する際に説明しやすかったりするなど多くのメリットがあります。
コロナ禍で展示場やイベントの集客が期待できない工務店やリフォーム会社にとっては、有効的な手段となるでしょう。
工務店のDX事例③:集客のデジタル化
資料請求や問い合わせの手段としてネットを利用する顧客が増えています。
折込チラシや看板、展示場、広告のデジタル化など、集客が期待できる手法を絞り込んでみると、今後もネット集客が中心的な役割を果たすでしょう。
集客のデジタル化について、具体的な取組事例を紹介します。
- 常に自社Webサイトをみて、改善点を考慮する
- ブログを常に更新して新しい情報を提供する
- 同業者の集客手法(SNSの活用方法など)を研究して取り入れる
- 展示場のバーチャル化
- 説明に動画を活用してわかりやすくする
- チャットツールを利用した商談・ミーティング
- PDF資料をスマートフォンサイズに変換
顧客が求めているコンテンツをわかりやすく提供していくことが必須です。
工務店のDX事例④:顧客情報のシステム化
人口減少が問題視される現代において、今後も建設業の経営状況は厳しくなっていくことが予想されます。そのため、リピート受注を見据えた顧客情報のシステム化が重要になってきます。
具体的には、顧客と良好な関係を維持できるCRMを利用した顧客管理のシステム化などが挙げられます。
これまでは紙やエクセルなどで顧客情報を管理していました。しかし、CRMなどの顧客管理システムを導入すれば、社内全体で顧客情報を共有することができます。
来客情報や問い合わせ、見積もり状況の見える化がされ、業務の属人化も解消できます。また、顧客に合わせた対応が可能になるため、効率的に営業活動が行えます。
まとめ
この記事では、工務店に求められるDXの概要やメリット、取り組み事例について解説してきました。
DXは他業界での事例は多々ありますが、アナログな部分が多い工務店やリフォーム会社では、DXの事例はまだまだ多くありません。
社会状況や顧客のニーズが変わりゆく現代において、工務店が生き残っていくためにはDXへの取り組みなど柔軟な体制づくりが求められます。
ただし、このようなシステムを導入しても顧客のニーズを掴めなければ意味がありません。常に顧客とのコミュニケーションを大切にしながら、顧客のニーズを分析・反映・改善していくことが重要です。
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